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建築家M
下鴨車窓(京都府)
公演に携わっているメンバー:6人
- 団体紹介
- 劇作家、演出家の田辺剛が主宰する演劇ユニットで、出演者をそのつど募るカタチで京都を拠点に活動しています。2004年に設立され、第一回の公演『その赤い点は血だ』の戯曲が第11回劇作家協会新人戯曲賞を受賞しました。また次の公演『旅行者』の戯曲は第14回OMS戯曲賞を受賞するなど注目を集めました。その後、田辺が文化庁新進芸術家海外留学制度で韓国・ソウルに一年滞在するあいだは活動を休止し、田辺の帰国後は各地の演劇フェスティバルに参加するなどして地域を横断するように公演活動を続けています。
作品は、上演台本の「現代日本とは時代も場所も遠く離れた世界」という設定で始まる、名前を呼ばれない登場人物たちによって立ち現れる独特な劇世界が特色です。寓話のようだとも評されることもあります。演劇を「物語の芸術」と考え、それが現代社会のありようを映し出す鏡のようなものになることを目指して創作をしています。
- 応募公演への意気込み
- 今回の作品『建築家M』のテキストは、主宰の田辺がもともと2012年に外部の企画のために書き下ろしたものでした。それは二人の演出家がそれぞれに演出したものを連続して上演するというユニークな企画で、どちらも見応えのある舞台となりました。今回は書いた本人による演出(新演出)のものとなりますが、先行の二人による舞台とはまた違った味わいを出すべく日々演出プランの検討を重ねています。
また本公演は下鴨車窓としては二年ぶりの、活動の拠点としている京都・関西圏の外へ出かけていくツアー公演(京都、福岡、広島)です。さまざまな地域の観客に通じる普遍性の強い舞台づくりを目指すとともに、今回の「CoRich舞台芸術まつり! 2013春」への参加をきっかけにより多くの人に観ていただき、さまざまな議論が巻き起こるような問題作にしたいと目論んでいます。
- 将来のビジョン
- 下鴨車窓には固定したメンバーはおらず(劇団ではなく)、基本は田辺が一人の演劇ユニットです。京都を拠点に出演者はそのつど募るカタチで創作していますが、今後は田辺自身がさまざまな地域に出かけ、その地に滞在し、その地の俳優たちと創作をするスタイルを目指したいと思っています。田辺個人としては今までに、広島や名古屋での滞在制作の経験があり、そうした経験を活かしたいと思っています。
固定されたメンバーによる劇団での集団創作は、公演を重ねるごとにその経験を内部で共有し他では真似することのできない劇世界を作るスタイルですが、一方で下鴨車窓のような、そのつど出演者を募る場合には、優れたアーティストの組み合わせによる化学反応によってやはり他では真似することのできない劇世界を作るスタイルだと思っています。それゆえ、京都に集まって来る者だけではなく、田辺の方が出かけていってさまざまな優れたアーティスト(俳優)と出会う機会を増やすことで、作品世界の層もさらに厚くなるのではと考えています。
公演に携わっているメンバー(6)