わが友ヒットラー

わが友ヒットラー

シアターオルト Theatre Ort(東京都)

公演に携わっているメンバー:5人

団体紹介
演出家(倉迫康史)と舞台美術家(伊藤雅子)と女優による3人のユニットとして2000年より活動開始、当初は現代舞台芸術ユニットOrtと名乗る。2003年に倉迫のソロプロジェクトとなり、Ort-d.dと改名。さらに2008年にシアターカンパニーOrt-d.dとして劇団化、現在に至る。
豊島区のアートファクトリー・にしすがも創造舎の2004年のオープン時より倉迫がレジデント・アーティストをつとめ(2010年よりアソシエイト・アーティスト)、劇団としても豊島区に密着した活動を行っている。
主に名作文学の演劇化や既成戯曲の上演を行い、夏目漱石や太宰治、三島由紀夫、江戸川乱歩など日本の近代文学を原作にした作品群と『ピノッキオ』『ドリトル先生』『銀河鉄道の夜』など児童文学の名作を原作にした作品群を両輪とした活動を展開。前者の作品群ではツアー上演を、後者の作品群では公共ホール、学校、図書館などでの上演を積極的に行い、東京の小劇場ファンとは違った観客層に向けてのアプローチにここ数年力を入れ、成果を上げている。
応募公演への意気込み
札幌での公演が初めてであると同時に、東京公演はOrt-d.dとしては初めての下北沢での演劇公演であり、初めての劇場登記された民間の小劇場を借りての公演である。お蔭でチケット料金も一般4000円とOrt-d.dとしては破格に高い。出演する俳優は全員40代以上、上演する戯曲は三島由紀夫の2時間を超える長編戯曲と、若者受けする要素は少ない。しかし、それでも今、この作品を上演せねばと感じた。本作品の上演を決定したのは昨年の2月、それから1年近くが経過しポピュリズムの台頭が顕著となった今、二十世紀が生み出した国民政治とは何か、近代国家とは何かを問うこの戯曲を上演する意義はより大きくなったと感じている。
また、三島の長編戯曲の流麗かつ膨大な台詞を俳優が消化することは極めて困難であるが、三島のグロテスクなまでの美しさに彩られた人工的な劇言語は日本の演劇史における財産であり、演劇人が受け継ぐべき遺産の一つであると考えている。今回の俳優陣は様式に造詣が深く、かつ小劇場の現場で活躍する実力派が揃った。劇団山の手事情社で活躍し現在はOrt-d.dのベテラン俳優の村上哲也。同じく元・山の手事情社でOrt-d.dでは『四谷怪談』や『冬の花火、春の枯葉』韓国公演に出演した三村聡。劇団花組芝居の中心俳優で客演先も多い八代進一。元SCOTで現在は那須にてA.C.O.A.を主宰、近年東京でも注目が集まっている怪優スズキシロー。全員が脂ののっている今だからこそ、三島の遺産を現代に問う事が可能であると確信している。
将来のビジョン
Ort-d.dは常にその時々の小劇場界の時流に対するカウンターとして活動を行ってきた。2000年以降、私たちが先鞭をつけてきた、演出家が劇作家を兼ねない、超低予算で上演を行う、劇場以外の上演場所を探し出す、各地域の演劇人とネットワークを作って上演に回る、廃校の体育館を劇場化する、チケットノルマを一切課さない、子どもに向けた作品を創るなどのことが、今では当たり前の風景となった。そして、私たちが立ち上げから関わってきた、にしすがも創造舎もすっかり豊島区に根付いた感がある。劇団員も残るべき者が残った今、そろそろ劇団として次の段階に向かいたい。
今後10年の展開として大きくは次の三つを考えている。「日本語の国際競争力の向上」「街の潜在能力を演劇によって発見」「教科書に載らない日本史の演劇化」。具体的には、日本語の音の美しさの再発見と日本語による議論コミュニケーションの向上、演劇と地場産業の結びつきによる起業と小さな観光資源の開発、満州の芸術文化の再発見と大和民族以外の日本神話伝承の発見である。
これらの活動がひいては演劇の社会的な影響力の増大へとつながるだろう。

公演に携わっているメンバー(5)

mai

キャストもスタッフも、パワフルで魅力的な人たちばかり!
つぼ

演出助手です。稽古場ブログも更新中!ご来場をお待ちしております!
たいら
役者・俳優

多分受付におります。 絶対に面白いですよ!!!
ムラカミ

出演者です。 頑張ります!
倉迫康史 koji KURASAKO
脚本 演出

演出をします。『わが友ヒットラー』を演出するのは二度目です。一度目は2003年のク・ナウカシアターカンパニーへの外部演出でした。あれから10年がたちました。

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