2016年からこれまで8回ブッフォンワークショップをしてきました。毎回感じるのは、俳優の表現者としての観察眼とら批評精神の必要性です。日本の俳優に特に欠如していると思われるのが、批評精神です。俳優は決して演出のロボットでもなく楽器でもありません。何を表現したいのか、表現する技術や感受性は勿論、表現する中身の深さや面白さも大切です。このワークショップを通じて、表現する中身も開拓していって欲しいです。
ブッフォンとは
元々はキリスト教社会から、悪魔の子として排除された人々、娼婦、身体障害者、同性愛者などのこと。彼等は自分たちを排除した価値観や権力者のモノマネをして権力者達を告発する。そのモノマネは、グロテスクで意地悪くバカバカしい激烈なパロディである。(ジャック・ルコックが自身の演劇学校で取り入れ、また、有名になりました。)
テーマ 〜ブッフォン vol.9:相手の本質をつくパロディ〜
2016年
6月28日(火)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
6月29日(水)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:(両日とも)北新宿生涯学習館(学習室A)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=647
テーマ 〜ブッフォン vol.10 〜
2016年
7月20日(水)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:北新宿生涯学習館(和室)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=647
7月21日(木)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:北新宿生涯学習館(学習室B)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=647
参加人数10人程度まで。
料金: 2日通しで、3000円 (1日は2500円・・・2日通した方が意味がわかります)
内容
風刺やパロディーとして面白いのは、まず、対象がそれなりに「力のある人」や「社会的に力を持つ通念」であることが大切です。そして、ブッフォンとは世界で最も苦しんだ人々であり、その視点で「力のある人」を風刺するから面白いのです。なので、ブッフォンによるパフォーマンスは苦しんだ人の視点が必要になります。日常を生きていて、理不尽なことはたくさんあります。その経験が基本になりますが、同時に、もっと苦しんでいる人に想像力を広げることが必要になってきます。自分の感受性で役を演じることが多い俳優にとっては、他人の視点や感受性を体験出来るワークショップになると思います。
初日
身体の解放と他者とのコミュニケーション。二人組でからだを揺らし合う。自分の体のこわばり、身構えに気づき、他者にからだを委ねる感覚を感じる。
パロディの基本。ただ、漠然と相手の真似をしたり、動きを誇張するのではありません。相手の本質をついた表現をしますので、観察眼や想像力が必要になります。
様々な「醜い」体になる。「醜い」体だからこそ、「正しい」体の人々に対する強烈な風刺になります。体を歪めることによって得られる感覚や表現を楽しんで欲しいと思います。
ブッフォンの存在。世界で最も苦しんだ人々、アウトカーストとしてのブッフォンの視点を体感します。
二日目 (1日目の様子や参加者の個性に合わせて計画します) 体揺らし。下半身中心。(身体的なワークショップなので、自由にしておく必要があります)また、単に体を歪めるだけではなく、歪んだ体ならではの表現を見つけて欲しいので、自由な体にしておきたいのです。
ブッフォンの表現とは。権力者や「正しい価値観」を告発する表現を様々に発表します。これには、その「正しい価値観」によって苦しんだ人々の存在が感じられなければなりません。どういったものが、苦しんだ人々の存在が感じられるのかは、実際に表現してみないとわかりません。たくさん試して、たくさん失敗をして多くのものを学べる場にしていきたいと思います。世界には色々な苦しんでいる人々がいます。より良いワークショップにするために、何か一つでも苦しんだ人々のことで、知っていることがあれば良いです。(あくまでも、パロディーなので、苦しみを涙や怒りで訴えるのとは違います)
*毎回参加者が異なるため、参加者に合わせてカリキュラムを作っていきます。
準備していただくもの:膝をつく動作があるので、膝が弱い方は膝あてをご用意ください。また、大きめのスカート、ニット帽、フードつきのジャージ、伸縮性のある上下(長袖長ズボン・・腹や背中、腕、お尻などに詰め物をします)、詰め物(になりそうな服)、紐(詰め物を縛るため)をご用意ください。顔を汚したり、お歯黒を塗ったりします。化粧落としと歯ブラシは各自でご用意ください。顔を汚すドーランやお歯黒はこちらで用意いたします。その他ありましたら、連絡しますので、ご参加くださる場合は、前もって必ず連絡してください。
*申し込みの際、お名前、連絡先(メールアドレス[日中も連絡が取れるもの])、演劇経験者かどうかは必ずお知らせください。なお、よろしければ、性別、年齢(20代など大体で構いません)も教えてくだされば、細かいワークショップの計画を立てるのに役に立ちます。
お申し込みは、engekikikaku.aru@gmail.com (@を半角@にして送ってください。)
詳しくはホームページをご覧下さい。ホームページからお申し込み頂くことも出来ます。
http://engekikikaku-aru.jimdo.com/