ブッフォンという日本には馴染みのないことをしますが、俳優が主体的な表現者であるために必要な発想です。よくある俳優、演出のコマの一つである俳優から脱却するためにも、ぜひご参加ください。初めての方でも意義のあるものにするために、少人数制にしております。初めての方もぜひご参加ください。
テーマ 〜ブッフォン vol.4 ブッフォンの表現、ブッフォンの告発〜
2016年
3月7日(月)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:西戸山生涯学習館(教養室A)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=644
3月8日(火)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:北新宿生涯学習館(和室) http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=647
参加人数10人程度まで。
料金: 2日通しで、3000円 (1日は2500円・・・2日通した方が意味がわかります)
内容
権力者を、またはブッフォンを差別する価値観を告発するのがブッフォンですが、とても賢く告発します。被差別者が差別反対運動をして抗議をするような直接的なものではありません。もちろん理性的に論理を解くのでもない。ユーモアいっぱいの「ずるい」表現について探ります。
1. 身体の解放と他者とのコミュニケーション。二人組でからだを揺らし合う。自分の体のこわばり、身構えに気づき、他者にからだを委ねる感覚を感じる。
2. モノマネの基本。ただ、漠然と相手の真似をする、または相手の身動きを誇張するのではありません。相手の本質をついた表現をしますので、観察眼が必要になります。想像力も要ります。演技は俳優の主体的な表現なのですから。
3. ブッフォンの存在。ブッフォンの表現とパロディーの違いは、「苦しんだ人」の存在を感じられるかということです。「苦しんだ人」ゆえの表現の基本を感じます。
4.様々な「醜い」体になる。ブッフォンの表現は苦しみを心理的に表現するものではありません。「リアリズム」の演技から離れて、「日常世界」を超えた舞台で存在する楽しさや美しさを探っていきます。
二日目
1. 体揺らし。下半身中心。(身体的なワークショップなので、自由にしておく必要があります)また、単に体を歪めるだけではなく、歪んだ体ならではの表現を見つけて欲しいので、自由な体にしておきたいのです。
2. 社会のアウトカースト(排斥された人)であるブッフォンの「賢い」表現とは。権力者や「正しい価値観」を告発する表現を様々に発表することで、ブッフォンの軽やかで賢い表現を探ります。観客の視線をつかみ、観客の感情を振り回す「表現」力をつけるためのワークショップです。ブッフォンは観客に対する明確な表現です。観客との駆け引きも大切です。演者が勝手に自分の感受性で演じていたらきっと観客は理解するであろうという安直なものではありません。
準備していただくもの:膝をつく動作があるので、膝が弱い方は膝あてをご用意ください。また、大きめのスカート、ニット帽、フードつきのジャージ、伸縮性のある上下(長袖長ズボン・・腹や背中、腕、お尻などに詰め物をします)、詰め物(になりそうな服)、紐(詰め物を縛るため)をご用意ください。その他ありましたら、連絡しますので、ご参加くださる場合は、前もって必ず連絡してください。
*申し込みの際、日時、お名前、連絡先(メールアドレス[日中も連絡が取れるもの])、演劇経験者かどうかは必ずお知らせください。なお、よろしければ、性別、年齢(20代など大体で構いません)も教えてくだされば、細かいワークショップの計画を立てるのに役に立ちます。
応募は、以下まで
1 演劇企画「ある」ホームページ
http://engekikikaku-aru.jimdo.com/
2 または、こちらのメールアドレスまで。
engekikikaku.aru@gmail.com
演劇企画「ある」主宰 堀益和枝
ブッフォンとは
中世キリスト教社会において、悪魔の子として排除された人々、娼婦、身体障がい者、同性愛者、魔女(と見なされた人)、異教徒のこと。つまり、社会から排除された人々。ブッフォンは自分たちを排除した価値観を冒涜したり、権力者たちのモノマネをすることで彼らを嘲笑い告発する。そのモノマネは、グロテスクで意地悪く激烈なパロディである。
クラウンが純朴な子供だとしたら、ブッフォンは頭のいい、意地悪な悪魔です。しかしブッフォンの表現にはユーモアがあり、権力者を告発し、「正しい」価値観を冒涜する喜びにあふれています。
このワークショップを通じて、告発し、冒涜する喜びを知ってほしいと思います。
ブッフォンは上記の通り、社会から排除された最も苦労した人々が元になっています。こうなると、たいていの日本人は(アジア人かもしれませんが)、同情し、涙を誘う表現になります。ブッフォンは同情を拒否しています。強烈な文化の違いを体験出来るワークショップでもあります。
身体の感受性、表現者としての批評精神、人間観察眼、想像力、他者の立場で感じること、繊細さ、ユーモア、美的感覚、観客の心をつかみ振り回す術、などなど、およそ表現者として必要なこと全てが問われます。登場人物の気持ちを理解し共感し、ある感受性で身体化すればいいという単純なものではありません。フィリップ・ゴーリエ演劇学校での最終コースでもあります。「よくあるちょっとイイ俳優」から抜け出すため、ぜひご参加ください。
俳優はもちろんんこと、芸人やパフォーマーの方にもオススメのワークショップです。