ブッフォンという日本には馴染みのないことをしますが、俳優が主体的な表現者であるために必要な発想です。よくある俳優、演出のコマの一つである俳優から脱却するためにも、ぜひご参加ください。初めての方でも意義のあるものにするために、少人数制にしております。初めての方もぜひご参加ください。
テーマ 〜ブッフォン vol.3 アウトカースト、ブッフォンによる風刺とは〜
2016年
2月9日(火)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:西戸山生涯学習館(視聴覚室)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=644
2月10日(水)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
場所:西戸山生涯学習館(教養室A)http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=644
参加人数10人程度まで。
料金: 2日通しで、3000円 (1日は2500円・・・2日通した方が意味がわかります)
内容
初日
1.身体の解放と他者とのコミュニケーション。二人組でからだを揺らし合う。自分の体のこわばり、身構えに気づき、他者にからだを委ねる感覚を感じる。
2.嫌いな人を演じる。キャラクターを演じるのではありません。いかに嫌なやつか見ている側が理解し、しかも笑えないといけません。「嫌な人」の本質をついた表現をしますので、観察眼が必要になります。想像力も要ります。演技は俳優の主体的な表現なのですから。
様々な「醜い」体になる。普通のパロディとの違いに、体を歪めるという特徴があります。なぜ歪めるのか、歪めることの意味と効果を知ってもらいます。
二日目
1. 体揺らし。下半身中心。(身体的なワークショップなので、自由にしておく必要があります)また、単に体を歪めるだけではなく、歪んだ体ならではの表現を見つけて欲しいので、自由な体にしておきたいのです。
2. 社会のアウトカースト(排斥された人)であるブッフォンとは。ブッフォンは、正しいとされる社会から排斥された人々です。ブッフォンの表現と単なるパロディと違うのは、そこに「苦しみ」が見えないといけないのです。権力者など揶揄する対象によって苦しんできた苦しみが感じられる表現でないといけません。ただ、彼らの苦しみを表現するとき、日本では(アジアではと言うべきかもしれませんが)、メロドラマになります。善人で、苦労に耐える立派な「被差別者」を表現するのが日本です。彼らに同情し彼らの高貴な精神を表現して感動させるのが日本の表現です。しかし、ブッフォンは悪魔の子です。悪魔であることに誇りを持っています。同情を拒絶しています。誇り高い悪魔のブッフォンを知るためのエクササイズをいたします。
準備していただくもの:膝をつく動作があるので、膝が弱い方は膝あてをご用意ください。また、大きめのスカート、ニット帽、フードつきのジャージ、伸縮性のある上下(長袖長ズボン・・腹や背中、腕、お尻などに詰め物をします)、詰め物(になりそうな服)、紐(詰め物を縛るため)をご用意ください。その他ありましたら、連絡しますので、ご参加くださる場合は、前もって必ず連絡してください。
*申し込みの際、日時、お名前、連絡先(メールアドレス[日中も連絡が取れるもの])、演劇経験者かどうかは必ずお知らせください。なお、よろしければ、性別、年齢(20代など大体で構いません)も教えてくだされば、細かいワークショップの計画を立てるのに役に立ちます。
応募は、以下まで
1 演劇企画「ある」ホームページ
http://engekikikaku-aru.jimdo.com/
2 または、こちらのメールアドレスまで。
engekikikaku.aru@gmail.com
演劇企画「ある」主宰 堀益和枝
ブッフォンとは
中世キリスト教社会において、悪魔の子として排除された人々、娼婦、身体障がい者、同性愛者、魔女(と見なされた人)、異教徒のこと。つまり、社会から排除された人々。ブッフォンは自分たちを排除した価値観を冒涜したり、権力者たちのモノマネをすることで彼らを嘲笑い告発する。そのモノマネは、グロテスクで意地悪く激烈なパロディである。
クラウンが純朴な子供だとしたら、ブッフォンは頭のいい、意地悪な悪魔です。しかしブッフォンの表現にはユーモアがあり、権力者を告発し、「正しい」価値観を冒涜する喜びにあふれています。
このワークショップを通じて、告発し、冒涜する喜びを知ってほしいと思います。
ブッフォンは上記の通り、社会から排除された最も苦労した人々が元になっています。こうなると、たいていの日本人は(アジア人かもしれませんが)、同情し、涙を誘う表現になります。ブッフォンは同情を拒否しています。強烈な文化の違いを体験出来るワークショップでもあります。
身体の感受性、表現者としての批評精神、人間観察眼、想像力、他者の立場で感じること、繊細さ、ユーモア、美的感覚、観客の心をつかみ振り回す術、などなど、およそ表現者として必要なこと全てが問われます。登場人物の気持ちを理解し共感し、ある感受性で身体化すればいいという単純なものではありません。フィリップ・ゴーリエ演劇学校での最終コースでもあります。「よくあるちょっとイイ俳優」から抜け出すため、ぜひご参加ください。
俳優はもちろんんこと、芸人やパフォーマーの方にもオススメのワークショップです。