演劇企画「ある」の12月のワークショップはブッフォンです。
ブッフォンとはヨーロッパの芸能です。元は、ブッフォンと呼ばれた人(悪魔、ジョーカー)から由来しています。ルコック演劇学校(フランス)の授業に取り入れられ有名になりました。現在は、フィリップ・ゴーリエ演劇学校(フランス)の最終コースです。また、フランスやイギリスではブッフォン劇場もあります。
由来となったブッフォンと呼ばれる人々
中世キリスト教社会において、悪魔の子として排除された人々、娼婦、身体障がい者、同性愛者、魔女(と見なされた人)、異教徒のことです。つまり、社会から排除された人々。ブッフォンは自分たちを排除した価値観を冒涜したり、権力者たちのモノマネをすることで彼らを嘲笑い告発します。そのモノマネは、グロテスクで意地悪く激烈なパロディなのです。
クラウンが純朴な子供だとしたら、ブッフォンは頭のいい、意地悪な悪魔です。しかしブッフォンの表現にはユーモアがあり、権力者を告発し、「正しい」価値観を冒涜する喜びにあふれています。
このワークショップを通じて、告発し、冒涜する喜びを知ってほしいと思います。
ブッフォンは上記の通り、社会から排除された最も苦労した人々が元となっています。こうなると、たいていの日本人の表現は(アジア人かもしれませんが)、苦労した人々に対する同情を引き起こし、涙を誘うものになります。ですが、ブッフォンは同情を拒否しています。社会から忌み嫌われた存在であることに誇りを持っています。強烈な文化の違いを体験出来るワークショップでもあります。
身体の感受性、表現者としての批評精神、人間観察眼、想像力、他者の立場で感じること、繊細さ、ユーモア、美的感覚、観客の心をつかみ振り回す術、などなど、およそ表現者として必要なこと全てが問われます。登場人物の気持ちを理解し共感し、鋭い感受性で身体化すればいいという単純なものではありません。フィリップ・ゴーリエ演劇学校での最終コースでもあります。「よくあるちょっとイイ俳優」から抜け出すため、ぜひご参加ください。
俳優はもちろんんこと、芸人やパフォーマーの方にもオススメのワークショップです。
テーマ 〜ブッフォン vol.1 パロディの基本と身体を変えること1〜
2015年
12月14日(月)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
12月15日(火)18:00〜22:00まで (17時45分開場。18時開始)
参加人数10人程度まで。
場所: 北新宿生涯学習館(和室) http://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=647
今回は膝をつく動きがあるので、膝の負担を考え、和室にしました。
料金: 2日通しで、3000円 (1日は2500円・・・2日通した方が意味がわかります)
内容
初日 1:身体の解放と他者とのコミュニケーション
二人組でからだを揺らし合う。
自分の体のこわばり、身構えに気づき、他者にからだを委ねる感覚を感じる。
2:隣の人のモノマネ。:ただ真似たからといって、ちっとも面白くありません。
わざとオーバーにしてもシラけることもたくさんあります。
どうすればいいのでしょうか。
3:自分の知っている人のモノマネ。
二日目 1:体揺らし。下半身中心。
(身体的なワークショップなので、自由にしておく必要があります)
2:手足を短くして、体を歪め、モノマネをする。意地の悪いモノマネへ。
身体障がい者というキャラクターを演じるのではありません。
ブッフォンを演じるのと身体障がい者を演じるのとの違いを知ってもらいます。
準備していただくもの:膝をつく動作があるので、膝が弱い方は膝あてをご用意ください。また、大きめのスカート、ニット帽、フードつきのジャージ、伸縮性のある上下(長袖長ズボン・・腹や背中、腕、お尻などに詰め物をします)、詰め物(になりそうな服)、紐(詰め物を縛るため)をご用意ください。その他ありましたら、連絡しますので、ご参加くださる場合は、前もって必ず連絡してください。
応募は、以下まで
1 演劇企画「ある」ホームページ http://engekikikaku-aru.jimdo.com/
2 engekikikaku.aruあっとまーくgmail.com のあっとまーくを半角@になおして申し込みください。(一度はホームページをご覧になることをお勧めします。)
*お名前、連絡先、参加日、演劇経験の有無、は必ずおしらせください。また、性別、年齢(〜代などおおよそのもの)もお知らせ下されば、ありがたいです。
演劇企画「ある」主宰:堀益和枝
*ブッフォンワークショップ第2回目は2016年1月6日、7日の2日間を予定しています。