【このWSの概要】
8日間のワークショップで、リピテションエクササイズを中心としたマイズナーテクニックのトレーニングに集中的に取り組み、最終的に台本を使ったシーンワークをします。
スタンダードな演技術として、舞台・映像・ボイスオーバー、といった様々なジャンルを問わず世界中の俳優が、マイズナーテクニックを学んでいます。
その特徴を一言で表すなら「何が起きるかは、自分の内面やイメージではなく相手がすることによる」です。
このワークショップでは、上記のマイズナーテクニックの特徴を活かしたトレーニングをして、観察と反応の筋肉をシステマティックに鍛えていきます。
サンフォード・マイズナーの言うところの演技の定義である「与えられた状況のなかで真実をもって生きる能力」を探求します。最後には短い台本を使って、その瞬間相手と関わる練習をします。
導入部を丁寧に説明しながらやっていきますので、初心者の方も楽しみながらやっていただけます。
マイズナーテクニックによって、表現しようと自分一人で余計に頑張ることがなくなるはずです。その瞬間の相手を受けやすくなり、あなたの演技は次に何が起こるか分からない、ライブ感溢れるものになるはずです。
【プログラム】
・イントロダクション
「演技」とは
・リピテション:
You/You
You/ I
3moment exerciseとバリエーション
ノック・アット・ザ・ドアとフル・リピテション
・作業
与えられた状況設定
・準備
生き生きとした状態
・台本の背骨を折る
台本を扱うための橋渡し
・台本分析
与えられた状況を特定して、役のなかにあるものをつかむ(「目的」から離れて)
【講師からのメッセージ】
このワークショップでは稽古場の環境づくりも大事な要素としてファシリテートしています。俳優にとって安全で余計なストレスのないポジティブな環境のなか、失敗を恐れずにのびのびと演技に取り組んでもらうことを心がけています。
全部で8日間と聞くと長く感じるかもしれませんが、本来であればもっと時間をかけて学んでいく過程を短期間に濃縮したWSです。
【このワークショップを受けるメリット】
・ポジティブで安全な環境のなかで失敗や批判を気にせず挑戦できるので、自分の表現の幅を広げることに集中できる。
・相手を受けた演技ができるようになる。演技に即応性・柔軟性が生まれる。
・演技を邪魔する自意識から離れる術を見つけられる。
・俳優として扱える反応の幅を広げられる。
・俳優としての自由度が上がり、個性を出せるようになる。
・自分の直感や本能をより信じられるようになる。
・学んだテクニックを実際にシーンスタディで実践できる。
・コース終了後は毎月開催のリピテション会やシーンクラスに参加することができます。「俳優としてベースとなる技術を継続的に磨く場」が得られます。
使用するテキストは葛藤がはっきりと描かれているシーンを使用します。この先どんなスタイルのお芝居をやっていくにしてもベースとなる技術を身につけていきます。(明確な葛藤を描いていて、ある程度の尺のあるシーンを選ぶので翻訳戯曲を使用することが比較的多いです)
【対象】
俳優
新しいものを吸収し向上するために真摯にチャレンジする意志のある方。マイズナーの経験がなくても大丈夫です。
【日時】
5月
9日(金) 10:15~17:00
10日(土) 10:15~17:00
12日(月) 13:00~17:00
13日(火) 10:15~17:00
16日(金) 10:15~17:00
17日(土) 12:45~17:00
19日(月) 10:15~17:00
20日(火) 10:15~17:00
(計8日間)
NG、遅刻・早退は基本的に可といたします。オーディションや稽古、撮影と重なる等、事前にご相談ください。
【会場】
都内のスタジオ
【参加費】
32,000円
・リピーター割引 2,000円引き
これまでに西村壮悟によるワークショップに参加したことがある方対象
・「早期割引」 2,000円引き
4月14日までに参加費ご入金がお済みの方 ※1との併用可
・「U25割引」 26,000円
・25歳以下の方
・「学割」 26,000円
30歳以下の学生の方 ※養成所所属の方は週3日以上クラスがあることが条件
【参加お申し込み方法】
以下のフォームからお申し込みください
https://forms.gle/w6fvrUGa7mbJDZUc8
その後、こちらから返信いたしますメール記載の銀行口座に参加費をお振り込みいただき、ご入金の確認が取れた時点で、ご参加が確定し、参加枠が確保されます。
フォームからのお申し込みだけではご参加確定とはなりません。お申し込み時に空きがあってもご入金まで間が空いてしまった場合、後から申し込まれた方が先にご入金され、枠が埋まってしまうこともありますのでご注意ください。
※お申し込み後、2日以内に
so5246ra@gmail.com
よりお申し込み完了のメールをお送りします(迷惑メール設定で弾かれないようにしてください)。万が一、3日経ってもメールが届かない場合はお手数ですが上記のメールアドレスへお問い合わせください
※キャンセルポリシー
ご参加確定後にアンケートをとり、プログラムとシーンを準備します。
(お申込みがギリギリになるとアンケートを省略させていただく場合があります)
なお、以下の日程でキャンセル料を頂戴します。
4月30日まで:参加費の10%
5月1日以降:参加費の25%
5月5日以降:参加費の50%
5月7日以降:参加費の100%
NG、早退・遅刻は基本的に可(最終日・5月20日のNGを除く)といたしますので、分かり次第ご連絡ください。
【定員】
約12名 先着順
最少催行人数を6名とさせていただきます。参加者が6名以下の場合は各日の時間を短縮、または開催をキャンセルさせていただく場合があります。
【これまでのワークショップ参加者の感想】
「僕が何よりも収穫に感じたことは、リピテションのワークの延長線上としてテキストに取り組むことができ、そしてその効果を強く感じることが出来たことでした。
相手役から入ってくる情報量が格段に上がり、そこから生まれる衝動にちゃんと気付く、そしてそれに従うことを自分に許す、
そうしても大丈夫なんだと知ることが出来ました。」
ーホリユウキ『温室の前』『長い墓標の列』
「稽古場に、利害関係がなく、萎縮したり威圧されたりが皆無で、もうどれくらい久しぶりにこんなに自分のためだけのレッスンを受けられてるか、、、思い出せないくらいです。うまくいかないことも恐れず、試す場所がもてて、ほんとにラッキーでした。」
ー間瀬英正『コントラ』『ベランダ』
「『僕は、素直で良いのだ』
一番の収穫だと思います
人間の動物性(野生)を自身で認識し許せたとき、初めてコミュニケーションの根源、その入り口が開くんじゃないかなと感じました
本能的であればあるほど、行動と目的の核が自ずと拾えてくる
そこから人間性(社会性)をくっ付け始めて、生活の中に居るワタシに成っていくのかなと
時間がかかるけど、一切無駄が無い
技術に昇華されたとき、きっと物凄い速度でその過程をクリアし、戯曲の、生きた人としてアナタと対面できる気がしました」
ー関淳平『いだてん』『LAST & SEX』
「自分の中の演劇の仕方みたいなものが、煮詰まったり凝り固まっていたと思うのですが、少しずつほぐれてきて良かったです。頭が強い人にほどおすすめしたくなるWSでした。
だんだんと心も身体も開放的になり、自分に嘘をつかなくなってきて、語彙も増えました。また、シーンをやる上で必要な準備(主に読解)がシンプルになって良かったです。」
ー小川結子『文化住宅の窓際にはマーガレットを』『長い墓標の列』
「濃密な時間を過ごせてとても楽しかったです。
撮影と被ってしまうこともあり、課題にしっかり取り組めるかどうか不安もあったのですが、逆に集中が増してとても身になる日々を過ごすことができました。
今まで台詞をこんな短期間で身に染み込ませられたのは初めてでした。
それはワークのやっていった順番が効果的だったことや、それを素直に受け止めてやることが出来たからだと思っています。
今まで様々な場所でやった事がやっと実を結んだ感覚を覚えました。自分の芝居の大きな指針にしていきます。」
ー本多晴『ドラゴン桜』『半沢直樹』
「シーンワークに関していえば、
結局考えていたことを手放してその場の衝動にかなり流された(そのあとのフィードバックで良いことだと指摘してもらいましたが、自分でもそう感じています。)のが非常に面白かったです。流されたけど、シーン理解を進めていたことと相手に任せていたことで、逆にアンカーが付いていた感覚というか。」
ー三原一太『SHINE SHOW!』『イノセント・ピープル』
「僕はどうしても芝居中自分を客観的に見過ぎてしまう癖があり怒りのシーンや悲しみのシーンがしているフリになってしまう傾向にありました。
それが今回、ダイアローグでもモノローグでも素直に心から思ったセリフを言うことが出来ました。
西村さんは教えると言うよりも一緒に考えてくれるタイプの方だったため自分で発見ししっかり噛み締めることが出来ました。」
ー安童有都 『広すぎた檻』『プルーフ』
「辿っていったステップが有効だったのか、安心して参加できる環境・関係が育っていってか、いずれにしろ自分にとってフィットする構成、ファシリテーションだったようで、想像以上に自分の内面や体が素直に開いていってくれました。壮悟さんが参加者の様子や、状況を丁寧に見ながら、適切なフィードバックや進行(案内人、というイメージなのですが)をじっくりとしてくださったからこそと思います。「頭で考えてしまう傾向がある」という自分自身の認識を超えて、「ちゃんと相手のことを聴き、感じて、自分の体や心が動いている。それによって言葉(セリフ)を発したり、動いたり(動かされる感覚)、しているな」と思える状態を経験できたことが驚きで、また、「決してできないわけではなくて、そのチャンネルをつなげていくことはできるのだな」と思うことができました。」
ー田渕瀬那『2番目でもいいの』『ハリケーン・マリア』
【講師プロフィール】
西村壮悟 (にしむらそうご)
俳優・演技コーチ
新国立劇場演劇研修所第2期修了。
舞台を中心にしながら映像でも活躍。主な出演作品に舞台『アルトナの幽閉者』 など。 『NO SHOW』(ロンドン・アルコラ劇場)、 『ZERO HOUR~東京ローズ最後のテープ』(ワシントンD.C・ケネディセンター)、『日本むかし話』(リュブリャナ・国立劇場カフェ)など海外での舞台公演、プロダクションに出演。ストレートプレイ以外にもホスピタルシアタープロジェクトに参加し、主に障碍を持つ子どもと家族のための演劇を創作。2017年に文化庁新進芸術家海外研修制度でロンドンに留学。インパルス・カンパニーのスコット・ウィリアムズ氏から学んだマイズナーテクニックをベースに、演技コーチとして俳優指導を開始する。自身が演技指導者として活動する他にも海外の優れた指導者を招聘し、日本の俳優や俳優指導者に向けたワークショップを開催。俳優座『セチュアンの善人』(2024年)でアクティングコーチとしてワークショップを行う。エイベックスアカデミー、THEATER LAB TOKYO、日本芸術学園で講師を務める。
【ハラスメント防止のための取り組み】
マイズナーワークショップはあらゆるハラスメント、特定の属性を持つ個人や集団を対象にした差別的発言・行動に反対します。
「共に創作をする、あるいは共に演技トレーニングをする仲間の存在価値を認め、敬意を払う」という価値観を最重要視します。
健全なトレーニングを逸脱することを起こさないために、まず上記の価値観を参加者の方にも周知するとともに、参加者が安全に取り組めるようにルールを設定します。
【ワークショップが安全で健全に進行されるよう以下の対策をとります】
・ワークショップ内で行うエクササイズは参加者個人のセクシュアリティ・年齢・経験等に配慮して進行します。また、上記のような参加者個人の属性に基づいた差別をしません。
・エクササイズの意図やルールを説明します。
・講師は参加者に対して暴言や暴力、恫喝、強要、威圧的な態度、無視等の行為をとりません。身体的な接触は指導のために必要な場合だけ、社会通念上適切な箇所にのみ行います。
・エクササイズの内容に不安がある場合、参加者はそのエクササイズへの参加を拒否する・見合わせることができます。また、講師は参加者の意見に合わせてエクササイズのルールを変更する等の対応を努力します。
・参加者の方に性的表現や不必要な身体的接触を要求したり、あるいはプライベートな事柄を開示するよう要求することはしません。
・台本を扱う際、性的表現や身体的接触、あるいは暴力が書かれているような場合、それを実行するよう求めることはしません。
・エクササイズに対してのフィードバックや感想など意見交換をうながし、どの参加者も発言の機会が得られるようにします。
・参加者からいただいた連絡先へ、ワークショップ等の告知以外で連絡を取ることはしません。
・参加者から進行に関してご意見や苦情をいただいた場合には速やかに対応をとります。