最新の観てきた!クチコミ一覧

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「TABOO」

「TABOO」

TEAM空想笑年

王子小劇場(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

キャー!!! キリッとしたイケメンの、カッコいい昭和の男のオンパレード!!!
普通の劇団だと、イケメンがいいとこ2、3人なのに... こんなにたくさん贅沢です。
嬉しい悲鳴を、必死でこらえていた私。いいんですか? こんなに出血大奉仕しちゃって..
ストーリーだって、あり得ない設定だけど、ちゃんと、つじつま、あっていて超おもしろい。
笑いも満載!!! 恐いヤーサンだけど親しみもてるし。
ラストのところの乱闘シーン、スゴい、スゴい、スゴい!!! でもそれだけじゃない。ネタバレになるから書けないが、もうこんな贅沢なシーン、いいの、っていう感じ!!!
スカッとしたし、もう驚き、感動!!!
姉さん役の役者さんの衣装必見!!!
本当に観てよかった。大、大満足です。

山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

生演奏がとてもよかった。妖怪を通じて、自分たち自身に置き換えられる感情がとても良い観後感だった。
翻弄されていく2人の様など、個人的な事情にも反映されて、見応えがあった。
懐かしさも感じる、おもしろい公演でした。

Silent Scenes

Silent Scenes

ゼロコ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/06/11 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

緻密なノンバーバルシアター。とても良い。
無言劇は有言劇と比べて、視覚情報が主になるため、動きにより一層注意を払わなければいけないと察するが、しっかりと今見るべきところを押さえられており、こちら側の想像力を掻き立ててくれる。
言葉なしでも、芝居や人物描写がしっかりしており、深いところまで連れて行ってくれた。
マイムの技術もしっかりしている。安心感。
また必ず観たい。

黄色い叫び

黄色い叫び

TRASHMASTERS

サンモールスタジオ(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

勢いがある作品。好みが分かれそうな作風にも「これが表現したい」と意気込みを感じられて好感が持てる。私は好きな作品だった。

フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/05/24 (月) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時代にあった、すばらしい作品でした。
涙が出ました。
タイトルからして、いい仕事をしている。またリピートしたい作品です。

目頭を押さえた

目頭を押さえた

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/06/04 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

全体的な芝居のテンポ感などは良かったが、もう少し核となる部分を掘り下げて欲しかった。

「TABOO」

「TABOO」

TEAM空想笑年

王子小劇場(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

演劇を見たと感じる熱がそこにはあった。

あるこくはく [extra track]

あるこくはく [extra track]

ほろびて/horobite

SCOOL(東京都)

2021/06/19 (土) ~ 2021/06/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#あるこくはく
#ほろびて
出会ってから何作品目になるだろう。万華鏡のようにクルクルと表情を転がしてみせる #鈴政ゲン さんのその振り幅は、観る度に大きく広がっているような気がする。目は口ほどにものを言いう…を実践する女優が、確かにそこに存在した。彼女のモノローグの可笑しさに思わず吹き出してしまった。
設定は、あまりにもバカバカしいのだけれど、その裏側には世界に蔓延るさまざまな差別が浮き上がる。それを結びつけるのはもちろん無理矢理で強引なのだけれど、俳優の確かな演技力がそれを成立させた。中でも、トイレから戻った父親 #吉増裕士 さんの怒りと憤りが圧巻。そこには当然、娘への愛情が溢れているのだが、同時に世間の常識の代弁者となり、差別的な視線を反映させる。日本人の自意識の奥底に潜むアジアでの優位思想が滲む。戦争や災害などの非常事態に浮き彫りとなるその感情は、醜くも自分の中にあることを自覚し嫌悪する。人間は脆いという言葉が、抜けない棘のように、ゆっくりと心臓へ向かって攻撃を続ける。
たった1時間とは思えない密度の公演。ラストのリレーするモノローグの意味について、繰り返し反芻しながら考えている。
いま、キャリアのある俳優さんの中で観たい人と問われれば、この三人を選ぶ。#木場勝巳 さん、#相島一之 さん、#吉増裕士 さん。今作は、それを一層強く感じさせる濃密な時間だった。

黄色い叫び

黄色い叫び

TRASHMASTERS

サンモールスタジオ(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

何度も再演されているということで期待して観に行ったが、僕は最近の作品の方が好きなのかもしれない。特に前半、みんなが怒鳴っていたのがキツかった。熱が入る芝居なのはわかるのだけれど・・・。きっとこれは好みなのだろうなぁ。
でも、中津留さんのメッセージ性が強い作品の感じは好き。
だれが正解なわけでも、だれが間違っているわけでもなく、それぞれの立場や環境の中における、それぞれの想いが交差するのが、なんとも切ない。その切なさがラストのシーンに集約していく感じが、とてもよかった。

「TABOO」

「TABOO」

TEAM空想笑年

王子小劇場(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

主演、アクション指導の有賀太朗氏、開演前の前説を独り延々二十分雑談でこなす見事な話芸。誰かに喋りが似てるなあとずっと思っていたのだが、『見取り図』のツッコミの盛山晋太郎氏だった。舞台が開幕すると文句なしの熱演で圧倒的な力を見せつけ観客を捻じ伏せてみせる。ヤクザに無理矢理スカウトされて演出を強要される無名の俳優役。
もう一人の主人公、ヤクザの若頭役庄田侑右(しょうだゆうすけ)氏が超カッコいい。ガチガチのヤクザながら初めて演劇に触れ、こんなゾクゾクする世界があったのかと全存在が震えてしまう。キャラが生きている。
商業演劇の演出家役、身長170cmのモデルもこなす長身女優、真辺彩加さんも美しかった。
最高なのは怪優夢麻呂氏、三役を演じたのだがそのどれもが作品の中枢を担う重要キャラクター。三役共に観客の心に突き刺さる見事な存在として演じ分けてみせた。こういうプロフェッショナルが一人いるだけで、作品の重みが違ってくる。
座組の役者層の厚さでホンが目指したものを見事に表現することに成功。

シマを巡って二つのヤクザ組織が対立。西城組の組長の娘が演劇祭に出演することを切っ掛けに東郷組も参加を決定。演劇による対決にて雌雄を決する事となった。西城組が金に糸目を付けず人気商業演劇の演出家を引っ張ってくれば、東郷組は『宝の原石は小劇場にあり』との信念で名も無き俳優をスカウト。抗争の行方はそれぞれの『ロミオとジュリエット』が握ることとなった。

かなり才能溢れる脚本で、これを雛形に映画化の企画も持ち上がるかも知れない程。演出はまだ伸び代がありそう。面白いのでお勧め。

ネタバレBOX

骨子としては、ジャンプ漫画の『ニセコイ』がモデルか?(対立するヤクザとギャングの息子と娘が婚約させられ、学園祭で『ロミオとジュリエット』を演じる内に心が通い合ってゆく。)

中盤、展開が停滞し無駄に長くなってしまった感もある。主人公を拉致する意味が殆ど無く、展開上の都合感が強い。

演劇への情熱に溢れた東郷組組長が突然の病死。意気消沈した主人公と若頭それぞれに組長からの遺言が伝えられる。
「ロミオは挫けなかった。お前はどうだ?」
ズバリ決まった名台詞に気持ちは昂揚する。
西城組組長は「もう舞台をやる必要はなくなった」と演劇祭への参加を取り止め、東郷組の本番中を狙って襲撃。それを迎え討つ主人公と出番の合間のヤクザ達。クライマックスは『ロミオとジュリエット』と抗争の二場面が同時進行していく。

個人的にはひたすら演劇にのめり込んだヤクザ達の、舞台に懸ける情熱対決の方が面白そうだったが。
黄色い叫び

黄色い叫び

TRASHMASTERS

サンモールスタジオ(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何度も再演されている中津留のディスカッション・ドラマで初演以来十年もたつのに、色あせないばかりか、コロナ禍のもとの中央政権のあやふやで頼りない無責任体制を見るにつけ、このドラマが描いた国民の怒りは地方からふつふつと中央に押し寄せているのを感じる。政治を担うものと国民との乖離は長く言われてきたがいま、それは、一層明らかになっていて、オリンピックを機会にそろそろ手が付けられない状態になっている。
この作者はそれが人間なのだ、と、図式的にならないように多くの作品を書いてきているが、ここに至れば、このドラマも、今こそ見るべきドラマ、という事になる。小さな劇場での再演だが、満席の客席の空気は重かった。

おどる小説 プツンパツンプチン

おどる小説 プツンパツンプチン

CHAiroiPLIN

ザ・スズナリ(東京都)

2021/06/17 (木) ~ 2021/06/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#プツンパツンペチン
#チャイロイプリン
レンジャーのヒロインにもダフト・パンクにも見えた #清水ゆり さん。彼女の唯一無二な存在価値が、更に高まったことを実感する公演だった。主宰の #スズキ拓朗 さんと彼女がいれば、それがチャイロイプリンで、そこがチャイロイプリンだ。あの娘もあの人もみんな重要なキャストだし、だったけれど、この二人だけはどうやっても替えが利かない。今作は彼女のスタイルの良さも際立ち、オリエンタルなセレブ感や極楽の境地が、人間の煩悩を見事に具現化した。果てしない欲求を更新し続ける人間というイキモノは、同時に飽きっぽい。次から次へと目移りし、いとも簡単にポイッと捨てる。客席の誰もがプチーンとしたくなったはず。ナカミカラッポニシテネが、なんともエロティックで、妄想が果てしなく広がった。もちろんキャッチーな歌も存分に楽しめる。彼女のロングブレスには、歌い手としての才能の確かさを改めて感じた。
ダンス・音楽・照明の素晴らしさは言うまでもないが、今回は衣装も粋だった。水に濡れると浮き上がるラインがスタイリッシュでクール。水も滴るイイ女とイイ男の群舞が、まるでマイケル・ジャクソン『スリラー』のゾンビのような激しさで迫ってくる。スズナリのあの距離でのそれは圧巻。そこにダフト・パンクのクールさを織り交ぜてくるのだから堪らない。スズキ氏のラストのソロダンスには、芥川の孤独と悲哀が漂った。また一つ彼らが名作を手に入れた。ここ数作の完成度の高さたるや…ため息が出る。もう、次の公演が待ち遠しくてウズウズしている。その時にはきっと、それがワクワクへと変化しているに違いない。

インク

インク

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2021/06/11 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/06/24 (木) 14:00

座席1階

何よりも演出がすばらしい。狭い俳優座けいこ場をうまく使っている。四角の角を挟んで客席を2ブロック配置し、残りの二等辺三角形のようなスペースを縦横無尽に使う。さらに、すだれのような幕を使ってその前後を分けたり、文字などを映写したり。ルパート・マードックのテレビインタビューの場面で、マードック役の俳優はそのカーテンの後ろにいて演技しているのだが、そのテレビ画面でしゃべるマードックを同時に幕に映しているという高等テクニック。近年の小劇場では出色の演出であり、舞台を盛り上げた。

物語は、英国の新聞業界が舞台。部数が低迷していた日刊紙「ザ・サン」を買収したマードックが指示して編集者たちを一新し、徹底的な大衆紙路線を推進する様子を描いた。
現代から見ると、日本でも日刊ゲンダイや夕刊フジなどのタブロイド判の「面白ければウソでもいい」、いや、言いすぎか、「裏が取れなくてもいい」というセンセーショナリズムと、お色気路線は珍しくない。だが、当時のイギリスは高級紙と言われるインテリ読者が読むような新聞が普通だっただけに、大変な反響を巻き起こし、それが部数の飛躍的増加につながっていく。

知人のある新聞記者が「面白ければウソでもいいんだよ」と言っていたことを思い出す。もちろん、大半の記事はきちんと裏がとられているはずなのだが、この言葉はある意味で、かなりいいところを突いている。一般の読者が求めているネタは何か、ということを新聞社の経営陣が考えた場合、そういう記事を読みたくてもなかなか言い出せないようなゴシップ、男性にしてみればエッチな記事が手っ取り早いということになるのは容易に想像がつく。面白いことが最も重要で、それが真実なのかどうか、さらに言えばそれを書くことで関係者が傷つくかどうかの検討などはおそらくなされない。
舞台では「女性にも性欲があるのよ」、と女性向けの性的記事の掲載の論議が行われる。容易に想像がつくと書いたが、大衆路線の導入は、当時のイギリスのメディア界では想像もできないような、時代を一新する出来事だった。

休憩を挟んで3時間の長丁場だが、演出の妙とテンポよく進むので楽しむことができる。圧巻は第二幕。当初はマードックの方がイケイケで、ヘッドハントした編集長の方が慎重だったのに、やはり編集者の性なのだろう。読者がガンガン増えると自らの編集に自信を持ち、その路線で突っ走る。そのため、サンを次々に悲劇が襲う。
ラストシーンが象徴的だ。開幕直後に出てくる5W1Hの一つ、Wに注目しよう。最終幕でこの文字が再び登場し、観ているものの心を貫く。

インターネットで自分に必要なニュースだけを拾うような時代になり、総覧性・一覧性が最大の特徴である新聞の衰退はどの国でも激しい。この物語は、ある意味で新聞に力があった、古き良き時代の物語であったと言えるかもしれない。

山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 殆ど異界の生き物たちは消えてしまったようだが、その原因は? 人工の作り出した電磁波? 異界の者たちの発していたものとは?

ネタバレBOX

 今作の作・演出家は出雲大社のある地方のご出身とのことで、この大社は八百万の神々が年に一度集まることでも知られる。遠野の民譚は良く知られているが、出雲の国も民譚の宝庫である。この地は「日本書紀」「古事記」「出雲国風土記」にも記され、独自の文化圏を形成してきた。今回は基本的に山姥の息子と地域に暮らす語り部の家族らを中心として展開する話であるが、都会育ちにはなかなか描けないタイプの作品と言って良かろう。何より自然に対する態度が異なるのである。総ての命の尊さを一様に等価と見做し実践してゆく生き方と言えば良かろうか。そんな念の籠った、そしてそれを見事に形象化した作品である。舞台美術も合理的で都会中心の劇団なら箱馬で済ませる小道具も自然な感じの手作りを感じさせる物を用い作品に合った形にしている他、音響は弦楽器、太鼓・拍子木などの打楽器、鈴、指笛等を用い多彩な音響効果を生で響かせる凝りようだ。ヒトと異界の者達を結ぶ世界観とそのような世界観を成立させる為の価値観そのものを提示しているのみならず、そのような世界へ至る為の心構えをも提起して見せた作品と捉えた。
「TABOO」

「TABOO」

TEAM空想笑年

王子小劇場(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

約2か月はぶりの実演観劇。ストーリーはこれはねぇだろってものであっても,生の芝居を観ることの喜びは不満をはるかに凌駕する。やっぱり生の芝居,生の演技は良い!

山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

山姥の息子という怪異な設定、それを人間の日常生活に紛れ込ませ仄々と描いた(妖)怪作。物語は妖・異界、自然界と向き合った問い掛けという、ある意味 啓蒙的な意図があったのかもしれないが、自分には感じ取れなかった。
山姥の息子を通して民間伝承を蒐集するという内容であるが、柳田國男の「遠野物語」「妖怪談義」の世界観の類型ではなく、人間社会 いや家族との関りという身近な世界観に収まる。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台美術は、上手側にシルクロード音楽演奏家の大平清氏の生演奏スペース(敷物)。楽器はサズ、ウード、レバナ等(と思う)といった伝統楽器。演奏は雰囲気を醸し出し、かつ印象的で素晴らしかった。下手側は木組みを積上げ山をイメージさせたオブジェ、中央に同じように木組みした椅子が数個置かれ、やや上の後景はたたみ込んだ色布、それが映像照明と相まって険しい山稜を映し出す。舞台セットは趣があって良かった。また山オブジェの上り下りは躍動感があり、動的効果を見せた。

冒頭、暗転した中での叫び声、そして倒れている人のシーンから始まる。このシーンが中盤以降に繋がるわけだが、前・後半で物語が歪に変容していく。もっとも冒頭のおどろおどろした雰囲気は始めだけ。前半は、いつの間にか山姥の息子は静間家(代々語り部)の居候となり、当家の長男の伝承蒐集に協力していく。この山奥の村に纏わる100話を集めることを父から言い渡され、渋々作業に取り掛かるが…。後半は、冒頭倒れていた人はこの村の元猟師・冠野多作(丸尾聡サン)で、山姥の息子に殺された。そして怨霊となって息子(弟)に付きまとう悪意に満ちた展開へ。この丸尾サンの悪意と飄々さその表現の違いが実に上手い。

さて、怪異な世界の対極として科学(医学)的な場面を挿入してくる。嫌なことは記憶の底に封じ込めているが、何らかの拍子に思い出してしまう。静間家の祖母も山(この地では大我山)でどろどろに溶けた死骸を見つけショックを受けていた。また山姥の息子(弟)も同様に記憶の忘却。嫌な記憶を医学的に除去、克服してしまうという荒療治も提示される。物語の世界観からすれば、合理的な対処と思えるようなことでも、何故か人智を超えた現象(出来事)の前では傲慢に思えてしまうところが不思議だ。

ところで山姥の息子がどうして人里へ現れ、人間社会に紛れ込もうとしていたのか。山姥は山で人間に出会い喰らい殺してしまう。そのため息子と別れるという説明であったが、一方、山姥の息子が猟師を殺し、怨霊となった猟師の悪意を受けるというのは、なかなか理解し難い。劇中何度か、山で異界のものと遭遇した時は、お互い生きるために真剣に向き合うもの、という台詞があっただけに。物語の設定は面白いと思うが、冒頭の怪しげな雰囲気、緊張感はいつの間にか家族再生の緩いホームドラマへ転じていくようだ。雰囲気の一貫性、物語内の緊密な関連性がもう少し観られたら…。例えば、伝承エピソードを物語に絡める等(相撲シーンが何度かあったが、金太郎が山姥に育てられたと言う伝承)のように。
最後に、自然(人間以外の動植物含む)との共存といった暗喩があったのか否か、作者の思いの欠片さえ見出せなかったのは残念(自分の感性の問題か?)。
次回公演も楽しみにしています。
Silent Scenes

Silent Scenes

ゼロコ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/06/11 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良質で上品なパフォーマンスでした。

ネタバレBOX

パントマイムの技量を活かした二人コント集。

良質でお上品でしたけど、そこまでという感じで、物足りなさを感じました。
山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自分が期待していた以上の、素晴らしさでした。個人的にこういう雰囲気が大好きです。
琵琶、ギター、タンブリンをその都度使いわける、生演奏。なんとも贅沢だし、風情があり、芝居を最高に引き立てている。
山姥の息子の二人の演技が素晴らしくて、感動!!!
味のある、いい表情。見いってしまいました。
ストーリーが非常におもしろいし、本当に私好み。満足!!!
舞台装飾や照明なども効果的に使われており、
本当に観てよかった芝居でした。

山姥の息子

山姥の息子

水中散歩

シアター風姿花伝(東京都)

2021/06/23 (水) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

山は怖いです。何がいるか分かりません。でも山は美しいし、その実りをおすそ分けしてくれます。それは山が身近だった者ほど切実です。
そんなことを思い出させてくれるお話でした。

ネタバレBOX

山姥の息子だということは、隠して人間界に紛れ込むのかと思っていたら違うんですね。
堂々と「山姥の息子だ」と宣言するのでした。それでみんなから迫害されるでもなく、逆に一緒に昔話の発掘とかして、居候して美味しいもの作ってもらってと楽しそうで良かったです。思っていたのとずいぶん違うお話で、それはそれで良かったのですが、兄弟の二人が二人とも山姥が人間を食べたために消えてしまうことで一人ぼっちになったというのが納得できない。山姥は子どもを一人ぼっちにするようなことはしないと思うのです。
再現しているお話が最後まで行くのがキツネの話だったので、山姥は狐が化けたものなの?とも思ってしまいました。

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