最新の観てきた!クチコミ一覧

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バクで、あらんことを

バクで、あらんことを

くによし組

王子小劇場(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/04 (日) 11:30

Bも観た。
 先日Aを観て流れを知っていたので、冒頭から細かい台詞が工夫されていることに気づいた。知っている役者が多いBだが、感触は変わりなく、でも、菊池美里の存在感が強烈だなと思った。

フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/05/24 (月) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/03 (土) 18:00

3度目の観劇。もう言うことなし、の作品だと改めて思った。
 笑わせておきながら最後でドッキリなモノを持って来る巧さがスゴイ。結末のネタがネット上で漏れていないこともスゴイ。

狸の里帰り

狸の里帰り

トム・プロジェクト

小郡市文化会館(福岡県)

2021/07/05 (月) ~ 2021/07/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

たぬきシリーズ第二弾、前作のキャラが足の悪い母親と引きこもりの息子、そして声の出演の絵本作家の娘。ですが、見ていなくても大丈夫でした。

施設経営のモラハラ、パワハラが雑誌に載ったこともあり入居の予約がキャンセルに。
引きこもりの息子がヘルパーの資格を取得し母が入居している施設に勤務開始、母の涙。
この施設に入居を決めた息子の真意。
同じ入居者の男性の死。
各設定に涙しますが、コロナ禍の設定を笑いに変えて、柴田理恵さんのコメディキャラも全開であきさせないハートフルなものになっていました。
カーテンコールでは、飯塚出身の岡本麗さんと柴田理恵さんのトークに大笑いです。

ネタバレBOX

上演時間は100分ほど平日の早い時間ということで高齢者が多いです。作品内容はシェアハウス型ホスピスでの出来事。みなさんどう思ったでしょうか。
別役実短篇集  わたしはあなたを待っていました

別役実短篇集 わたしはあなたを待っていました

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2021/06/25 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

噛み合わない会話、思いがけない相手の反応、気がつけば自分の足元が揺らいでポッカリと底なしの淵に落ちていく…。そんな別役実作品が、せつないリアルな感情の芝居として見ることができた。雲の上の訳の分からない別役ではなく、僕たちの隣にもしかしたらいるかもしれない身近な別役だった。
そういう点では、全然非条理ではなく、現状の裏には原因がきちんとある条理の通った芝居だった。
一見理解に苦しむ馬鹿げた日常の世界は、ただ馬鹿げているのではなく、その裏に大きな悲劇が隠れているからなのだと暗示している。被爆者を描いた「象」や、戦災の荒廃を匂わせる「マッチ売りの少女」など、初期の名作と通じるものがある。

「眠っちゃいけない子守唄」の話の通じない老人を演じたさとうこうじがよかった。変人だけど、可愛げがあり、無理筋なのに道理があるように見えて来る。相手のヘルパー役の大西孝洋は、戯曲では女性らしい。「彼との暮らし」「彼と夫婦で」というセリフが出てきてわかったが、そこまではまったく男性のセリフとして聞いていた。ジェンダーニュートラルなセリフに一驚した

ネタバレBOX

「いかけし」は、男がいなくなった後、女の話したことが、自分の体験に基づく「私のリアリズム」だったことがわかる。「眠ってはいけない子守唄」では、とし子とよっちゃんは何者なのか、老人の意識の下に埋もれた思い出が明らかになる。
sandglass

sandglass

遊劇舞台二月病

AI・HALL(兵庫県)

2021/07/03 (土) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

事実を、包み隠さず上演している事に感謝。ある団体が見たら大変かもしれないが、私は個人的にこの劇団さんの考え方に共鳴する。戦争の話が中心であった様で、実は現代にもはらんでいる問題を、とても上手く表現していました。前回も拝見させて頂き、感動を覚えています。今後見逃せない劇団となりました。演技も最高です。

HATTORI半蔵Ⅳ

HATTORI半蔵Ⅳ

SPIRAL CHARIOTS

六行会ホール(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

沖田総司は女だったと言う芝居があったが・・・新撰組にこんなに女子が・・・♪
沖田は男子だったが・・・かなり長時間で疲れた♪

sandglass

sandglass

遊劇舞台二月病

AI・HALL(兵庫県)

2021/07/03 (土) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

男が、女がと性別で分けるわけではないですが、女性たちは強くて輝いていました。生き延びるための覚悟があるというのか、みんな良かったなあ。初めてお会いする役者さんたち、魅力的で、また次どこかの公演でお会いしたいと思いました。

『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』

『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』

宝塚歌劇団

宝塚大劇場(兵庫県)

2021/06/26 (土) ~ 2021/08/02 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

トップ、2番、3番、娘役トップ、2番の5人が支え合ってできあがっていたように思います。107期生の口上とラインダンス、初々しくてよかったです。

銀の骨

銀の骨

やみ・あがりシアター

王子スタジオ1(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シルバーアクセの店での話を一人芝居で演じていたのだが、いないはずのお客や職人がどのような雰囲気なのかが容易に想像でき凄くいい芝居だった。落ちも面白く職人の竈さんの姿?が素敵でした。

宇宙のなかの熊

宇宙のなかの熊

東京演劇アンサンブル

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2021/06/12 (土) ~ 2021/06/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

芸達者で見せ方も素晴らしい。生演奏もお得感満載。良かったです。

HATTORI半蔵Ⅳ

HATTORI半蔵Ⅳ

SPIRAL CHARIOTS

六行会ホール(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初見の劇団さん。殺陣もダンスもキレッキレで音響も素晴らしい。演者さんもカッコ良くて可愛くて芸達者たち。楽しめました。

金の切れ目が時間の切れ目

金の切れ目が時間の切れ目

劇団森

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2021/05/29 (土) ~ 2021/07/31 (土)公演終了

映像鑑賞

短針チーム、長針チームの順で両方とも鑑賞。長針チームの方が4分程短い。チームによって何人かの役が男女入れ替わっていたりするのだけど、長針チームの出来の方が好きかも。

ネタバレBOX

長針チームのラスト暗転前のやり取り、ここが個人的にはポイント高し。
私を代わりに刑務所に入れてください 非行少年から更生支援者へ

私を代わりに刑務所に入れてください 非行少年から更生支援者へ

私を代わりに刑務所に入れてください実行委員会

シアターサンモール(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/07/04 (日) 15:00

#私を代わりに刑務所に入れてください
#森寧々 さんと #久保田堅伸 さんが光っていた。#桂ゆめ さんは僅かなシーンでも別格だった。
やはり舞台は、物語の設定だけでは感動しない。説明されても感動しない。俳優がそこで生きてこそドラマが動き、観る者の心を震わせるのだと、改めて感じた。
キャストが何度も何度も場面転換に使われ、また、通行人や市民として舞台を歩かされてばかりいて、なんだか浪費されているように感じてしまった。
客席に向けて顔を見せる演出は思いやりなのだろうけれど、それは同時に真実味を削いでしまう。ダヴィンチの最後の晩餐のような食事風景は、やはり興ざめする。その上、そこにあまりにもミスマッチな音質のBGM😰これみよがしのメロディは狙いがあけすけで閉口。
そして、作品以上に酷かった客席のマナー。こんなに着信音が聞こえる舞台はそうそうない。飲食禁止という開演前アナウンスが流れているその時に、関係者にペットボトルのお茶を配っているスタッフにも驚いた。まさかそれが上演中にキャップを転がすことになるとは予想もしなかった。この客の携帯から数分ごとに着信音がするのに、一向に音を切ろうとしない。犯罪加害者の更生を扱った作品の是非を問う前に、観劇マナーに対する姿勢を問いたい。あまり演劇と触れ合うことのない人が集まった作品なのかもしれない。であるならば、尚のことマナーを徹底させる努力を主催者には持ってもらいたい。
チケットに記載された整理番号が指定の座席番号だというのも初めてだった。自由席だと思い新幹線で早く来た自分を哀れに思うしかない。

親の顔が見たい【公演中止】

親の顔が見たい【公演中止】

渡辺源四郎商店

ザ・スズナリ(東京都)

2021/05/03 (月) ~ 2021/05/05 (水)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

2回目で見ていると、この後の展開を知っているので、それぞれの視線や仕草の意味が違って見えてきて「こいつらあ!!」という気分になります。怖いです。
笑っている場合ではないのですが、笑えてしまうシーンもあります。
劇場だと気にはなってもなかなか複数回見るとかできないので、これはこれでいいのかもしれないと思いつつ、やはり劇場でも見たいです。
手元にチラシがあるのですが、出演者の皆さんの写真が中学生時代のものらしく、どれが誰だか分かりません(笑)

銀の骨

銀の骨

やみ・あがりシアター

王子スタジオ1(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

物語のベースは小説「銀の匙」(中勘助)、構成はシュニッツラーの戯曲「輪舞」に工夫を凝らし精緻な構造を成しているようだ。
この公演は実験公演・オーダーメイド#2となっており、いくつかの約束事を設けている。その中に上演時間60分程度というのがある。ところが、本公演は70分で目安時間を超えており、終演後の挨拶で脚本・演出の笠浦静花女史が律義にも謝っていた(誰も気にしていないと思う)。たかが10分であるが、案外重要なことでもある。例えば〇△演劇コンクールのような賞レースでは、時間制限を設けている場合がある(芝居に優劣と言うか順位はどうかと思う時もあるが、事実「コンクール」等はある)。
また実験公演は第3弾も考えているとの案内もあった。

さて、最近「別役実短編集」(基本2人芝居)を観たが、いつの日か、「やみ・あがりシアター実験公演オーダーメイド作品集」(1人芝居)なる企画をしてほしいものである。第1弾「アン」は未見であるが、高評価(未見のため他者評価を信用 無責任か?)のようであり、少なくとも本公演を観る限り、企画に値すると思うのだが…。
コロナ禍ということもあるが、観客12名という贅沢な観劇空間で至福の70分。堪能した!

ネタバレBOX

小説「銀の匙」は、「私」という1人称で書かれているが、この芝居は私(1人称)、友人(2人称)、客である彼・彼女(3人称)を1人で演じる。相手役は登場しないが、さも相手が喋っていることへの返事や反芻といった言葉(台詞)で実在感を表現する。また実験公演の約束事である人形や紙芝居を用いて状況や情景を描き出す。これら全てを1人で行うから、その演技力、演出力は並大抵ではない。その点、久保磨介サンの演技は良かった。

舞台セットは、複数の裸電球(点滅による心象効果)、四角に切出した石垣のようなカウンターというシンプルなもの。会場出入口にドアチャイムを取り付け、物語の区切りにメリハリを付ける。
舞台はアクセサリーショップ、私(接客担当)と友人(=人形 制作担当)の2人で経営しており、オーダメイドで受注制作している。構成は輪舞のように小話(5話)が次々連関し、それをプロローグとエピローグで観せ始め 締め括る。会話劇が中心となる5話(景)からなり、最初(プロローグ的)に出てきた女性客と最後の依頼・男性客の邂逅によって「輪舞」が完成する構成。また話(景)の間には、その小話に纏わる洒落たオチを入れる。公演全体を饅頭に例えれば、5つの話が餡、プロローグとエピローグが皮で優しく包んでいるようだ。この皮が少し厚(長)めのような気もしたが…。ちなみに紙芝居で5話の(サブ)タイトルとオーダーアクセサリーが紹介されるという分かり易さ(第1話「銀の骨<ペンダント>」 第2話「あわただしいスプーン」←間違っているかも 第3話「外れない指輪」 第4話「小説の腕輪」 第5話「傷ついた指輪」)。

エピローグ...私は店を去り、その後、友人(擬人化した人形)の独白が始まる。友人の長い人生が語られ、命の限りがみえてくる。一方、私は吸血鬼(ここでも「銀」が関係してくる)という設定であるから基本的には不死である。友人関係でいる限り、年を取らない不自然さを悟らせないため去ったのだと。しかし私(吸血鬼)こそが真に不在で、友人の幻想・妄想の類ではないかと、自分は思って観ていた。「銀の匙」の回想をさらに変化・深化させた芝居であると思う(深読みか?)。
最後に、命に限りがあるからこそ、人との関わりは大切なのだと…。そうそう「関係」の話がこの公演のオーダーでしたね。
次回公演も楽しみにしております。
センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

Nibroll

シアタートラム(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/04 (日)

価格4,000円

4日14時開演回(70分)を拝見。

昔、五反田にあった「ゆうぽうと」で、シルヴィ・ギエムに魅せられて以来、座・高円寺での舞台で観た辻田暁さんのパフォーマンスや、PRUNUS HALLまで足を運んで桜美林の学生さん達の公演を拝見したり…。
今日もまた、コンテンポラリーへの見識浅く、理解が及ばぬまでも、お三方のパフォーマンスにハッとしたり・見惚れたり…記憶に残る70分間を過ごさせて頂きました。

ボス村松の自転車泥棒(再戦)

ボス村松の自転車泥棒(再戦)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/07/02 (金) ~ 2021/07/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かった。ボス村松作品のなかでは、ストーリーの起承転結がはっきりしていて分かりやすい。
役者さんもそれぞれ魅力的。踊る井草佑一さん、明らかに付け焼刃ではなくフィギュアかバレエの本職!?と思ったらコンテンポラリーダンスのご出身でしたか。表現力!
前作プリズンブレイクから宝保里実さんの魅力にやられっぱなしです。

7/4夜 ネタバレに追記

ネタバレBOX

死人スペースには退場したら自動的に振り分けられると思って見ていたけれど、後から考えるとそれなら絶対にいないはず/いるはずの人があり、つまり彼の主観的”死んだ人”がそこへ行くのだ。
タバコの燃える間、亡霊が現れて推理を助けるようだったが、彼の脳内推理である。だから亡霊は彼がなかなか気付かない推理の要部分を、言わない。言えない。
公演時間の9割をここで過ごすあの人のことを「そういう役割とはいえ大変だな」と思っていたが、いやいや、彼の心の特等席には常にあの人が座って、全てを見ているのだ。彼に、つまり"物語に"忘れられないあの人。嘘と本当、主観と客観が入れ替わり続けるような本編のなか、「最高の相棒だった」というセリフは確かに本当だったのだろう。それとも、それも肩代わりの罪悪感ゆえなのか。

今回は後半に説明が親切丁寧で、分かるか分からないかでいうと分かりやすく、これまでのボス脚本に感じていた「奥ゆかしさ」はあんまりないかなと思った(入れ替わりについては、再登場火事救出のときに分かった。陰謀の詳細は解説ありがとうございました。)。どれくらい説明するか、難しいところでしょうねえ。
ただ、特に言及されなかった上手スペースについてハッと気付いて「エモいのでは!?」

追記
亡霊がタバコを吸い、彼女がそちらを見て目を丸くするのがずっと気になっていて(ありましたよね?)、やっぱりあの人は本物の亡霊?なのだろうか。ツッコミも入れるし。でもたとえ本物だとしてもタバコ吸えないよなあって……。
千秋楽に配信で見直すべきでしょうね。
首切り王子と愚かな女

首切り王子と愚かな女

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2021/06/15 (火) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

民を次々処刑する残酷な王子トル(実は可哀想な存在である=井上芳雄)と、王子の世間知らず=無垢な幼さに気づいた愚かな女ヴィリの出会いと別れの物語。いつのどことも知れぬ王国の、ファンタジーであり、寓話である。独白、というより傍白(=わきセリフ)が多く、物語の展開も含め非リアリズムの芝居である。その点では野田秀樹をほうふつさせる。家族劇などのリアリズム演劇で大きな成果を上げてきた蓬莱隆太の新たな挑戦であり、彼の持つ幅広さを示した。

冒頭、トルと兵士長ツトム(高橋努)
の首切りの処刑と、がけから飛び降りて死のうとしたヴィリの二人の出会いから、ズカリと王宮の核心に入っていく。トルの母、女王デン(若村麻由美)が実際は王国を仕切っている。兄王子ナルの3ヶ月後に生まれたということから不吉がられ、北の孤島に幽閉されていたトル。ナルが不治の病の床に伏したため、トルは呼び戻され、女王の手足となっている。

トルは王女ナリコ(入山法子)を抱こうとせず、ナリコはイケメンの兵士ロキ(和田琢磨)と影で密会している。王子の世話係になったヴィリは、「トルは子ども。首を切らされてるだけ。必要なのは遊び相手」とカードゲームの相手になり、王子を慰める。ヴィリは実は王族の歓心をかって、出世しようという下心もある。

数年前に家を出ていったヴィリの姉が王の家臣になっていた。近衛騎士リーガン(太田緑ロランス)である。リーガンは実は圧政をひく王を倒す組織の幹部であり、部下に、競馬に出場する王を狙い撃ちさせた。(この競馬はおもちゃの木馬を使って、なかなか見せる)そのとき、ヴィリが身を挺して王を守った。リーガンはとらわれ、ヴィリは第二?王女に取り立てられる。(ここまでが1幕)

ネタバレBOX

2幕は、リーガンと兄王子ナル(井上芳雄、ここだけ一人二役)の出会いの回想から。やはりがけから飛び込もうとしていたリーガンにナルは「生存阻害要因が生存促進要因を上回っているという事だろ。どうしたら促進要因が上まわるかな?」と説得を試みるが、うまくいかない。そこでナルは「そのどれか一つがかなう国を創る」と決意し、リーガンはそれを助けるために家を出た。
そのナルが倒れてトルをを呼び戻したのだが、実は女王の切なくも怖ろしい狙いがあったのだった。トルの体にナルの魂を宿らせ、トルの代りにナルを生き返らせ王位につけようというのだ。そのためにトルには魂が抜ける薬を、長い間ひそかに与え続けてきた。
(そういう事なら、トルより賢王子ナルの方がいいのでは?と思わせるところがある。よき目的のために、多少の犠牲は許されるのか。という爾来繰り返されてきたテーマがほの見える。トルの孤独=母にも愛されず、ナルには遠く及ばず、ヴィリも親しい兵士との酒盛りで、自分は誘われない=がいやます)

ナリコの密告によりヴィリとリーガンが姉妹であることがばれるが、トルはヴィリをかばう。民衆の蜂起がおこり、ロキは討ち死にし、リーガンはどさくさに牢を逃げる(たしかナリコがカギを開ける。もうこの国は終わりだ、私も逃げると)
焼け落ちる城を、ヴィリは抜け出す。薬のせいで死んだトルにかわって、ヴィリは走る。しかし、行く手に何があるのか。「この国に見るべきものはあるだろうか」「この国に触れるべきものはあるだろうか」のことばには、不確定の未来しかみえない。
キネマの天地

キネマの天地

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/06/05 (土) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

感想には、さすが井上ひさしだ面白いと、井上ひさしにしてはいまひとつというのと、二手に分かれている。私は面白い!と思うのだが、「今ひとつ」という意見もわかる。この作品は1986年に松竹で初演されたあと、一度だけ2011年にこまつ座が再演している。家にパンフがあるので、私は再演を見ているはずだが、全然記憶がない。このように、見たときには女優たちの鞘当て合いや、推理劇のどんでん返しが面白いのだが、作者の社会批判や歴史観がほとんどないため、感動が軽く、記憶に残らないのである。

さすがに今回はこれだけ復習したので忘れることはないが、やはり軽量作であることは否めない。新国立の「人を想う」シリーズでは、斬られの仙太>東京ゴッドファーザーズ>キネマの天地という順で、芝居が軽かったといえよう。ただ、井上ひさしの演劇愛はひしひし伝わる。とくにどんな端役でも俳優に対する愛情がこの作では強い。大部屋俳優で警察役を演じる尾上竹之助(佐藤誓)の、二幕の見せ場の好演が光った。

人狼TLPT S「トランスミッション」

人狼TLPT S「トランスミッション」

ピウス

萬劇場(東京都)

2021/06/30 (水) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この舞台は、それぞれの人生を歩んだ人物達が生き残りをかけて、人狼探しに挑む物語。観客はもちろん、役者も人狼が誰か知らないので、毎回、物語は違う。人狼が誰なのか予想するのも良し、舞台でのやり取りの中に、その人物の生きて来た人生が見え隠れするので、純粋に物語としても堪能できる。悲しい人生を歩み悪にそまったもの、みずから悪の世界に見を置いたもの。色々な登場人物がいるので、予想を楽しみつつ、感動も出来ます。

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