夜会行
鵺的(ぬえてき)
サンモールスタジオ(東京都)
2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
遅ればせながら感想を。
いろいろ考えさせられる内容でした。
いつの間にか、あの場に自分もいるような気になる臨場感。彼女たちのリアルさ。
素晴らしかった。
私は高木さんと同年代なのですが、あの話を私と同年代の男性が書いたということに衝撃を受けました。心からの拍手と感謝を送りたい。
うまく言葉になりませんが。
彼女たちの明日が明るいものであるようにと願わずにはいられない、そんな切なく愛おしい物語でした。
コメンテーターズ
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2021/07/18 (日) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/07/20 (火) 18:00
座席1階
劇作家の妄想の世界なんだと思うが、この妄想はリアリティーがあって単なる妄想ではない。事実が先か妄想が先か。同時進行でパンデミックの中の五輪の行方を楽しめる、笑えるし笑えない鮮烈な舞台に仕上がっている。
設定が優れている。リアリティー満載だからだ。主人公は定年退職して年金受給までには早いおじさんで、退職後に勤めた会社がコロナ禍でつぶれてしまい、ネットで仕事を探すというところから始まる。口から先に生まれてきたようなおしゃべりで明るい妻は家計を助けようとスーパーのパートに出る。一人息子は見た目引き込もりだが、観察眼が鋭く家族との関係は悪くない。このおじさんがネットでの就活に飽きて暇を持て余してユーチューブを始める。ひょんなことから大当たりしてしまった結果、テレビの朝ワイドのスタッフの目に留まり、おじさんユーチューバーとしてコメンテーターに登用される。
コメンテーターはキャラ付けされていて、本音とは違う役割を演じるという「あるある」設定だ。コロナ報道で欠かせない女性医師とか、いつも政府の味方をする政治評論家、それに対抗して野党的立場から厳しい言説を展開するジャーナリスト。とまあ、現実のワイドショーを地で行く展開である。そこに「視聴率が取れそうだから」という局側の理由で起用されたおじさんコメンテーターは、庶民的目線とおやじギャクで人気が定着するのだが、ある時、自らの立ち位置と全く逆の意見を言ってしまう。
話題転換とか場を鎮めるためにと登場するミュージシャンの歌とダンスがライブで展開され、これがまたコロナ禍をうまく歌った秀逸なメロディーだ。政治評論家とジャーナリストのバトルもおもしろい。本物のワイドショーを皮肉っていることに加え、そのシュールな展開が笑いを誘う。だが、おじさんコメンテーターが思わず選択したコメントは、この世の中を鋭く突いていて、笑いながらも笑えないのだ。
どんな展開で締めくくるのか、妄想の終着駅を妄想してみたのだが、これが意外なラストシーンだった。あまりにもベタな、というと身もふたもないが、このベタさ加減に思わずウルっと来てしまう。久しぶりに聞いたこの言葉、70年代、懐かしのキーワードだ。ああ、あの頃はまだ、日本は右肩上がりで五輪を開く意味もあったなあ。帰りの電車で思わず、こんな妄想を繰り広げたのであった。
この舞台はおもしろい。劇作家鈴木聡は「この一年、こんなにも家にいてテレビのワイドショーを見た一年もなかった気がする」と書いているが、そのお陰でこんなシュールな妄想がさく裂した。十分、家にいた価値はあったのではないか。
明日の朝、いつものように
LUCKUP
萬劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Aチームを観劇しました。男女のすれ違いを、自然な会話で描いていて、リアル感がありました。
恋愛も大事だけど家族って大事だよなぁとか、女性として見て貰えないのは、やっぱり寂しいなぁとか、感情移入しながら見ました。
人の気持ち、タイミング等も考えさせられる作品で、役者さん達の自然な演技も良かったです。
面白かったです!
春の終わり〈青年座・那須凜主演!シアター風姿花伝 劇作家支援公演〉
ENGISYA THEATER COMPANY
シアター風姿花伝(東京都)
2021/07/06 (火) ~ 2021/07/12 (月)公演終了
明日の朝、いつものように
LUCKUP
萬劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
俺の葬式
獏天
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/20 (火)公演終了
明日の朝、いつものように
LUCKUP
萬劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
開演前に流れ続けるのはダーク・アンビエント。トレンディドラマ(死語)を思わせるお洒落な恋物語には不適格だが···、そこにも意味はある。
70分で同棲5年目セックスレス2年目のカップルのすれ違いが描かれる。
Cチーム、ヒロイン橘花梨(かりん)さんにやられた。何となく見覚えがあったが、「虚構の劇団」の『もうひとつの地球の歩き方』のヒロイン。妹に「お姉ちゃん全然もてないよ」と言われつつ、店の従業員が夢中になって口説いている感じがリアル。どこにでも居そうなどこにもいない存在感、この感じを醸し出すのは高難度。主演の阿瀬川健太氏も素晴らしかった。
男女の性欲をあからさまに曝け出す描写はどことなく、「た組。」の『まゆをひそめて、僕を笑って』を思い出す。(主演の藤原季節氏が涙と洟水を大量に垂れ流しながら顔をクシャクシャにして「早漏を笑うな!」と激昂するような舞台)。
主人公にアプローチする若い女性(井上実莉〈みのり〉さん)が可愛らしい。ヒロインの妹の旦那役、森田亘氏のキャラが秀逸。マスク越しに笑いがドッカンドッカン吹き出す観客席。不快じゃない下ネタ。
作者は在り来たりの恋愛話にくるみ込んだ、普遍性のある一篇の詩を詠んでいる。ラストは重い。お勧め。
29万の雫-ウイルスと闘う-
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
乱歩の嘘
G-フォレスタ
神戸アートビレッジセンター(兵庫県)
2021/06/26 (土) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
江戸川乱歩とその家族のお話…
初演も拝見したが、谷屋俊輔さんの次男の野心、倉増哲州さんの三男の悲哀、など脇を固める客演さんに「う~ん上手い、流石」と呟いてしまった。
そして、山崎修一さんの横溝や、何役もこなす森優子さんなどのG-フォレスタ役者陣に彩られ、華やかな公演になっていた。
面白かった。
海のホタル
カラ/フル
T-6(テ・シス)(大阪府)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
久しぶりのボツジュウ。
この演目『海のホタル』は別劇団さんで以前に拝見したことがあるが、
木下菜穂子さんが、ともかく超~熱演でした。
全て出しきり、カーテンコールで放心状態の様…
子供達も良い感じ。
遅い時間だったが拝見できて本当に良かった。
個人的にもう少しドロドロな感じが好みだが、補って余りある熱演、良い物を観せて貰った。
イエロースプリングス
劇団太陽族
ウイングフィールド(大阪府)
2021/06/25 (金) ~ 2021/06/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
戦後のアメリカ。
キリストのご加護で日系人を受け入れたイエロースプリングス。
父と戦争帰りの次男は、失明の母を介護しながら、NoNoボーイの兄の帰りを待つが…
日系人の境遇、(建前)自由の国での抑圧、なんと言う不条理。
耐え難きを耐え戦後のアメリカ。
キリストのご加護で日系人を受け入れたイエロースプリングス。
父と戦争帰りの次男は、失明の母を介護しながら、NoNoボーイの兄の帰りを待つが…
日系人の境遇、(建前)自由の国での抑圧、なんと言う不条理。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍ばれた、日系の皆様に敬意を表します。
濃密な2人芝居、良かった。
トランス 【劇団 遺ハク月】
劇団 遺ハク月
アトリエS-pace(大阪府)
2021/06/26 (土) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初回観劇。
離人症を患った男を、精神科医とオカマの親友が看病するが…
1つも気を抜けないこの演目に、コロナ下で挑んだ学生有志に拍手。
「私の愛する人は精神を病んでいます。ですが私はとても幸福です。」
4ヶ月の練習の成果、3人3様の葛藤が良く表れてて良かった。
明日の朝、いつものように
LUCKUP
萬劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了
書く女
劇団未来
未来ワークスタジオ(大阪府)
2021/06/18 (金) ~ 2021/06/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
気丈でプラス思考、借金糧にバイタリティ溢れる樋口一葉は、正に前田都貴子さんにピッタリのはまり役。
母妹・い夏・幸子・篤子・菊子さんを劇団未来の女優陣が見事に好演。
そして恋心抱く半井等、客演の男優陣が支える。
24歳で急逝するも悲壮感なく、どこまでも前向き、良いお芝居でした。
首切り王子と愚かな女
パルコ・プロデュース
久留米シティプラザ (ザ・グランドホール)(福岡県)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/17 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
入場口の開演時間の貼り紙に「5分前にキャストが舞台に」という文字を見つけ、入場したら、舞台を三方向から囲む楽屋の鏡台たち。
袖幕も全開なのでキャストさんは出番がない時は鏡台の前に座って待機、出ずっぱりです。
舞台美術は、装飾は少なく、木材むき出しの台の組み合わせを、シーンごとにステージングと照明で転換していく。想像でシーンが浮き出てきます。
近衛騎士リーガンは叫び放しのイライラしっぱなしで、ストレスですが、高橋努さん演じるツトムと伊藤沙莉さんのヴィリの笑いのセリフには助けられました。
羽世保スウィングボーイズ
博多座
博多座(福岡県)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/27 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
太鼓やタップなどエンタメが強いと聞いていましたが、最初からですね。😀
剛と妻と娘と息子の関係が明らかになるシーンは、泣けました。
森 フォレ
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/07/06 (火) ~ 2021/07/24 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「約束する、決して見捨てはしない。」
第一幕60分(休憩15分)第二幕60分(休憩10分)第三幕75分。
円形ステージのセンターには少しだけ傾いた小さな同心円ステージ、見事なる機能美。
開幕早々衒学的な台詞の応酬から始まり、「こりゃ失敗した」と、この三幕3時間半の長丁場に陰々滅々たる気分。ところがその感じはオープニングだけで、そこから怒涛のエンターテインメントが幕開く。
一番近いのが浦沢直樹作品で、『BILLY BAT』を想起。これは浦沢直樹版『火の鳥』を構想したような失敗作で、時空を越えた奇想天外な話をいつものように畳み切れず放り投げたもの。浦沢直樹の武器は読者の想像力を妙に刺激する謎の急展開、ひたすら煽り捲って売り抜ける。伏線の回収は一切されない。
この舞台も訳の分からない謎が撒き散らされる。急に癲癇の発作を起こした栗田桃子の脳に、骨化した胎児がまるで森のように根を張っていることが判明。妊娠した双子の片割れが脳にまで這い登って来たらしい。更に栗田桃子は第一次世界大戦のフランス兵士の幻覚を毎日のように見ることとなる。
フランスから来た古生物学者(成河〈ソンハ〉)は、父がナチスの収容所で見付けた粉々に砕かれた頭蓋骨、その最後のパーツが栗田桃子の脳内の骨と一致すると言う。
栗田桃子の娘、瀧本美織(川村かおり系のPUNKS風)は嫌嫌ながら自分のルーツを辿る旅に出る破目となる。
作者はレバノンの首都ベイルート生まれ、8歳でフランスに一家で亡命するも、滞在更新を拒否され15歳でカナダのケベック州に移住。こんな面白い話を書く作家がいるのか。そりゃ皆観たい訳だ。
俺の葬式
獏天
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
親父さんというのは、かわいそうな存在だと、つくづく思いました。
コントあり、乱闘シーンありのサービスのオンパレード。
とても楽しめました。
末娘役の役者さん、すごーく元気で、こちらも元気になり、パワーもらいました。
最後の挨拶のとき、息切れしてハアハア。だれ他の人が助けてあげれば...と心配になりました。
受付の女性のかた、とても親切にしていただき有難うございました。
俺の葬式
獏天
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2021/07/16 (金) ~ 2021/07/20 (火)公演終了
いきてるみ
安住の地
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2021/07/15 (木) ~ 2021/07/19 (月)公演終了
満足度★★★
四部作を途中休憩ついて、約120分。つながったようで、もやもや感が残る…😣その中でも、中村さんの演技は注目。感情を殺し、血のかよっていないあの雰囲気がとても良かった。凄い女優だ‼️