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LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】

LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2021/08/04 (水) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 Lチームを拝見。『白い夢』秋山了亮、『蝶をつまむ』なないろみほ、『ラストバトル』水野祐三子、『ラスト・ホーム』金井博文の4作を上演する予定であったが、出演者の一部に体調不良の者が出た為、急遽『白い夢』を割愛、3作品の上演となったことが、メールで通知された。無論割愛作品に対する対処も記されており、観客も納得できる内容であった。制作のこの対応はグー。(華3つ星)

ネタバレBOX


 然し乍ら舞台自体は、極めて辛口の批評にならざるを得ない。殊に上演された3作総てで演出の稚拙が目立った。3作のうち先に上演された2作の各々のラストが次作品のトップと明確に区別されていないからメリハリが効かない。始まりと終わりの演出でこれだから、作品の進行中が如何なるものであったか容易に想像がつこう。尺はそれぞれ30分強の短編であるからメリハリをキチンと付けて上演するのが王道だ。
脚本には各々、極め台詞と言い得るような表現が散見されたから猶更残念である。『蝶をつまむ』は50代男3つ股の”内実“暴露である。この女たらしの垂らし込んだ女性の数が3人であり、彼女たちの愛の誓いが表面的である点で、誰しもがシェイクスピアの「リア王」を想起するであろう脚本になっている点で短編でありながら作品の幅、奥行きを広げている点にこの脚本の工夫を見た。(「リア王」の場合末娘だけは、父に尽くそうとしたが。)まあ、オチは見えてしまうしネタバレになるから明かさない。
『ラストバトル』は、格差社会を表象したような作品で、いいようにあしらわれる惨めな男を演じた役者さんの演技が最も気に入ったが、イカンセン体力も気力も無いハズのこの敗残者がシーンによっては極めて強い体力・気力を発揮する矛盾については、もう少し脚本を練って欲しいとは思った。
 『ラスト・ホーム』は女性ばかりのホームレス集団の物語。時代を反映してかLGBTQ絡みのキャラも登場し、而も格差社会の厳しい現実と、彼女らのシノギ。弱者相互の助け合い等も描かれ、昏い世相に対する仄かな光明や安らぎも提起されている。
犇犇

犇犇

TAAC

駅前劇場(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

説明的な台詞はなくて、日常的な行動や言葉の中の違和感でそれぞれが背負わされているものが表されている。
気付くと段々自分の呼吸が苦しくなっていて、それだけこの世界に引き込まれていたのだと思う。

LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】

LAST&SEX~終焉と悦楽~【公演中止】

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2021/08/04 (水) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Lチームを観劇しました。4作品ではなく3作品の上演でしたが、それぞれの個性が感じられました。3作品とも、命と性への人間の執着や本能が感じられる内容で、且つお金に対しても考えさせられました。役者さん達の熱演も良かったです。面白かったです。

【公演中止】袴DE☆アンビシャス!

【公演中止】袴DE☆アンビシャス!

UDA☆MAP

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/08/04 (水) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

是非劇場で観たい公演でしたが残念ながらどうしても予定が合わず配信の録画で観劇。前向きなメッセージ性のある作品でしたいっけんライトな仕上がりですが役者さんのスキルも高く熱量も画面を通しても感じられシーン1つ1つがしっかりしていてみごたえがありました。できれば劇場で、せめて生配信で見たかったですが録画だけでも観れてよかった。

ネタバレBOX

舞台装置が雛飾りみたいで役者さんの衣装と相まって綺麗でした。機能的で見易さも考慮されていたと思います。
前半ちょっともたついてる感が全体的にあったのとスカッピーの試合で若干「?」ってとこがあったのが気になりましたが試合シーン関しては下手にいじって崩壊するのが怖いので前半のもたつき感がちょっと緩和できればなーとは思います。ただの好みの問題かもしれないのであれですが。
INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

7/17 16:30の回を観劇。

この回は過去に見逃した演目を拝見できて、幸せでした。

[i]もしもし
16で見逃した初見の演目。
トイレの神様に取り憑かれているのか、見守られているのか…
中野守さんらしい展開、福田恵さん面白い。

[e]このカラダ
30分間ズーッと肉体の美の世界。賛(ただ少し単調)。

[a]Phish Heaven
こちらも19で見逃した初見の演目。
女性の心境を綴るお魚天国?
やっぱり有元はるかさん歌上手い!凄っ!

INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

7/17 14:00回を観劇。
初2ndでした。
2nd凄っ!デカ!

[g]そのころ
初見の演目。コンビニバイトの山下君と偽名の吉岡さん他、色んな人の思いが交差して…ほのぼのして好き。

[d]ずんだクエスト
久々のずんだ姫子さんでした。姫子、頑張れ!

[f]夜嵐のさめて跡なし花の夢
始めて拝見した際は衝撃的でした。
今回少し噛まれてましたが…
やっぱりこの演目好きです!

日本語私辞典

日本語私辞典

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2021/07/14 (水) ~ 2021/07/17 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇。
少しずつ言葉がなくなって行く世界。
同じ毎日を繰り返す筈が…

昨年もそうでしたが、フレッシュ公演とほ思えないほどの出来映えでした。
でもやっぱり上回生の演技は上手いですね。違います。
不思議な世界、愉しかった。

追伸、今まで中々、六風館さんの公演を拝見できませんでしたが、これから拝見できます事を祈!

豚男 豚女

豚男 豚女

遊戯三昧

Flying Carpet Factory(大阪府)

2021/07/11 (日) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇

シュールで不条理感漂うショートショート。
演劇、映像、ダンス、演奏等の融合実験場?!
NEXTAGEやコトリさんで拝見した方が多数ご出演。
演者の皆さん個性的で、目先が変わる演出引き込まれた。

遠方のため早くでなければならず、座談会前に退室したが、座談会にも参加してみたかった。

罧原の乱

罧原の乱

劇団そとばこまち

劇団そとばこまちアトリエ 十三 BlackBoxx(大阪府)

2021/07/09 (金) ~ 2021/07/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アドリブ3連発、湯切り・カンガルー・3匹の猫の回を観劇。
いつもとテイスト異なる、時代劇テーマパークの舞台裏、アドリブコント、エンターテイメント?!

どうぶちかまそうか?と皆さん戦々恐々。
そして今回、金世玲さんが韓国キャラ変ブレイクをされていた。
とても愉しかった。

ファンタジーのつくりかた

ファンタジーのつくりかた

RABBIT HEART PROJECT

AI・HALL(兵庫県)

2021/07/09 (金) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

波瀾万丈の人生を楽しむおばあさんと、祖母に捧ぐファンタジー。
自由闊達な女性が世界を冒険。
おもちゃ箱の様なエピソードが愉し。

私の祖母と重なり、後半、涙でウルウル(;_;)、良かった!
ごきげんよう。

病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

個人的に「来た!」芝居に時々☆5を付けているが、今回は5に近い4。(欠けは聞こえない台詞。聞こえなくても成立する芝居もあるが「ここは聞こえたかった」場面が二箇所ばかり。)
数年前の初「普通」観劇から随分間が空いたが、このクオリティまでの成長は自分的に驚きではある。以前観たのは少人数、短めの芝居で「静かな演劇」の変異株、模索する若手走り出しのユニットという印象であったが、今回先行して配信のあった短編が茨城弁のそれでツボにはまった。「病室」も、ほぼ全員が茨城弁で通している。
言語にはその特徴が表れる瞬間に言語共同体の文化、感覚が発露するという事がある。方言も一言語なれば、厳密な意味で翻訳不能の領域がある。この芝居にも、恐らく作者が茨城弁でしか思い描けなかったシーンが織り込まれている。異文化との遭遇は80年代を最後に激安本並みまで値が下落している模様だが(とって付けたようなダイバーシティだのヘソが茶)、言わばエスニックに触れる美味しさで、今まで見なかった(けど分かる)感覚、心情、場面が、眼前で展開するのが楽しい。
死と無縁でない、「病気」が話題になる場所が、辛気臭さを受け入れた(デフォルト化)時に訪れる風景の見え方だろうか、とも想像する。とにかく笑った場面を反芻してまたにんまりである。

病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/08/04 (水) 14:00

座席1階

価格2,500円

病室という閉鎖空間で繰り広げられる人生模様。病室は日常生活から見ると異空間のはずだが、この異空間をホームグラウンドにして、それぞれの患者がこれまで暮らした家、畑、そして家族に思いをはせながら繰り広げる会話劇を、客席はひたすら追う。

劇団主催の石黒麻衣の出身地の方言、全編が茨城弁でつづられている。茨城弁というのは女性が話すと何となく平板な感じがするが、男がしゃべるとかなり攻撃的な印象だ。四人部屋の主のような患者は脳卒中だけでなくがんもみつかったらしい。「俺は車いすで歩けない」などと同室の患者や見舞いの家族に無遠慮に話しかけるが、これが何か攻撃されているような感じだ。しかし、話を合わせる見舞客らはすんなりと流していて、茨城ではこのような会話スタイルが日常的なのか、と想像してしまう。

物語に抑揚はなく、それぞれの家族の内幕が4人部屋の中で語られる。ある患者は訪ねてきた娘に泣かれるのだが、この娘は離婚して実家に戻ろうとしていてそれを病床の父に打ち明ける場面だった。結構深刻な内幕だが、隣のベッドの患者に話はみんな聞かれていて、娘が帰った直後に「誰が悪いんだ」と部屋の主の患者からいきなり話しかけられる。結構シュールな場面が次々に登場し、新手の不条理劇かと思ってしまう。

介護施設はこのような四人部屋はなくなる方向だが、病院では個室は差額ベッド料がかかる特別な療養環境だから、こうした四人部屋はまだまだ続くだろう。劇団普通は会話劇を身上としていて、この本領を発揮する舞台設定では病室というのはある意味、ぴったりの世界だ。ただ、もう少し演出上の工夫があるとよかったと思う。だが、総じて、猛暑日の中もうろうとして劇場まで歩いた頭がシャキーンとする、面白い舞台だった。

ネタバレBOX

脳卒中で倒れて療養するお父さんたちが病室のメンバーで、それぞれ妻や娘、息子たちから距離を置かれていたりする。隣同士のベッドの患者が、退院したら一緒に暮らして楽しくやろう、という会話が出てくる。「老老介護じゃないか」と冗談も出たが、入院して知り合った患者同士が暮らす物語というのも、あれば続編を見てみたいと思った。
病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2021/07/30 (金) ~ 2021/08/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/08/03 (火) 19:00

130分。休憩なし。

奇跡を待つ人々

奇跡を待つ人々

東京夜光

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/07/24 (土) ~ 2021/08/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昨夏、コロナ渦中の演劇界でポジションを得ようと足掻く青年を主人公に大所帯で描いた「BLACK OUT」が秀作であった東京夜光。アゴラで何をどうやるのか想像がつかなかったが、今作はのっけから「人類初のタイムトラベル」の訪問先の場面から始まるSF譚で全く趣向が違った。いわゆるタイムリープ物、ではないが、架空の未来世界(バーチャル世界でもある)の<ルール>を読み解く作業が(ミステリー同様)観劇の大きな要素となり、4名の俳優の内約1名が都合上複数の役に使い回され笑も取っていたが、作者は人類の未来に待ち受ける進化(あるいは退化)という視点を一本貫く事で諸々をねじ伏せつつ最後まで書ききった、という印象だ。劇団化第一作目として実験的な公演になり得たと思うが、「次」へと渡すためのどういう中継点になるのか、は見えない。見えないながらも作者の筆の胆力に期待感を持たせるものはある。

奇跡を待つ人々

奇跡を待つ人々

東京夜光

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/07/24 (土) ~ 2021/08/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/08/03 (火) 14:00

110分。休憩なし。

音楽劇「Le Rayon Vert」

音楽劇「Le Rayon Vert」

DANCETERIA-ANNEX

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

みてきた!

君子無朋(くんしにともなし)【8月29日公演中止】

君子無朋(くんしにともなし)【8月29日公演中止】

Team申

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/07/17 (土) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

雍正帝のことは、1年ほど前に岩波新書の『「中国」の形成』で読んで知った。この舞台で一層その生涯を身近に、生き生きと知ることができた。(もちろん史実そのままではないが、舞台で演じられる地方感との手紙は、多少複数の手紙を一つにしたりと、編集はしているが、ほぼ実物そのままだそうだ。

なんといっても佐々木蔵之介の存在感が圧巻。天子という特別な人物を演じるオーラがある。
高齢で病床にあった康煕帝のあとを、なぜそれまで後継者としてほとんど名前のあがらなかった第4王子の雍正帝が継いだのかは、今も謎だそうだ。康熙帝の遺言状を示したのも、雍正帝とその側近たちなので、何かの策略があったのではないかという憶測がぬぐえない。

雍正帝と、紫禁城にやってきた地方官オルク(中村蒼)の対話を軸に、あとの3人が、王族や側近や、黒子をスピーディーに演じ分けていく。壮大な中国・清王朝の内幕を、シンプルに、わかりやすく面白く見せていた。戯曲はこれが初めてというテレビ・ディレクターの阿部修英の脚本、東憲司の演出も見事であった。

ネタバレBOX

雍正帝の治世を、戦争をやめ、平和を第一としたという評価は初めて知った。その前後の有名な皇帝に比べ、ほとんど戦争しなかったのは事実だが、そこに着目するのはこの芝居のメッセージと言える。
物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】

物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/07/11 (日) ~ 2021/08/03 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか一言では言いにくいほろ苦い面白さがあった。身に覚えのある感情がいくつもある。三浦大輔の芝居は2008年に本多劇場で「顔よ」を見て以来。かつては舞台上で男女の行為を赤裸々に演じるので賛否両論を起こしたが、今作ではそこはおとなしめ。でも岡田将生とヘルス嬢・日高ボブ美の濃厚なシーンはしっかりある。
「おっぱいパブ」で偶然であった高校時代の知り合い(岡田と峯田和伸)。居酒屋に行くが、全く話は弾まない。絡んできた酔っぱらい(星田英利=はまり役)を張り倒したら、頭を打って動かなくなってしまった。「殺したか」とあせるが、自分たち二人がドラマの主役になったような高揚感を覚える。一緒にいた友人、恋人は脇役扱い。この、変な主役気取りが面白い。

岡田の(ダメ男を演じても)美しい立ち姿とと、峯田の見るからにダメ男のうらぶれ感の組み合わせがよかった。奥にゴジラビルも配した歌舞伎町(ゴジラロード)のセットが良くできていた。それぞれの店のセットが回転して、裏側になると、店内になる。それが、ヘルスだったり、スナックだったりと、内装を変えて店を違える。表側も、右から見せるか、左から見せるかで、全く別の店になるところも良くできていた。シンプルな通行人の映像で雑踏を示し、深夜になるといなくなるという時間の示し方もわかりやすかった。

ネタバレBOX

二人が「殺人」の責任をなすりつけ合いそうになると、こんな話はやめようと、すっと収まる。スナックのママの寺田しのぶが急に3Pを誘うのは、いくらなんでも寺島のセックスシーンはないだろうと思ったら、やはりなかった。主役になったつもりだったのに、酔っぱらいは死んでなく、しかも何も覚えてなかった。
スナックに残った柄本時生が内田理央に言い寄る展開もベタだが、これもベタにしくじって終わる。

要所要所、予測を外す物語回避のドラマが面白い。ところが、酔っ払いは早朝、投身自殺してしまう。寺島が死んだ男とのことを語る場面では、二人もその他大勢になってしまう。

恋人(内田理央)は自分は脇役でいいと言うが、相手(岡田将生)には私のことを主役と思って生きてほしいと複雑な思いでいる。これが、人生の機微を最も示していた。リーダーシップばかりでは世の中うまく行かない。リーダーを支える(脇役の)フォロワーシップを目指すことがあってもいい、とは平田オリザの言葉。

男の自殺、寺島の語り、もう帰ろうと岡田と内田の新しい出発、等々、もう終わりかなと思うと、まだ話が続く、そういう意味でもエンドレス感のあるアンチクライマックスな話。でも、最後は岡田が地べたで転がって身悶えながら泣き喚く。そこまで何があってもクールだっただけに、見ごたえあるシーンだった。
物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】

物語なき、この世界。【7月31日(土)13:30、18:30、8月1日(日)13:30の回は公演中止】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/07/11 (日) ~ 2021/08/03 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌舞伎町を思わせる街を舞台にした一夜の物語、という三浦大輔らしいフレームだが、食傷を起こす場面は一つもなかった。台詞を追えば、自分たちの現実と、自分たちが感動を求めて見るドラマとの「重ならなさ」がモチーフになっている。だが「これってドラマじゃね?」と期待させる展開が訪れる点では、以前の「裏切りの街」の無味乾燥なオチ「やりたいだけ」の方が殺伐としていた。
夜の街では「物語なき」人生の主人公らが行き交い、人生模様を垣間見せるが、主観的にはドラマ性を否定される現実の中でも、他者のドラマを見ていたりする。現実の中で、「ドラマのように」行きたいという願望に直面した時、例えば端的に男女の関係なら不成立か成立のいずれかとは言え大半が「ドラマ始動せず」で終る。それでも限界に見えるものを何らかの形で超越する瞬間が全くないかと言えばそうではなく、きっと何処かにある、という「可能性」をこの舞台は言葉では否定しながらも漂わせており、この程よさ加減が(三浦作品に通低する)心地よさに思える。元よりニヒリズムを声高に嘆く時代でもなく。
ドラマの主人公になり得ない己の現実、つまり「ドラマを見てそれに自分を重ねることで満足している」己自身を見よ、とは出てくる台詞の意訳だ。「何処にでもいる」冴えない(かどうかは問題にしてはいないが)男らだが、この言葉はさりげなく観客を刺した事だろう。東急bunkamuraで芝居を観る私たちは「映画館に向かう人波」の一粒に違いない。

峯田和伸の歌が舞台の中で浮いてなく、程よく「ドラマティック」に彩る。人間模様あるある集・・芝居ってそういうもの。

音楽劇「Le Rayon Vert」

音楽劇「Le Rayon Vert」

DANCETERIA-ANNEX

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/07/21 (水) ~ 2021/07/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回も面白かったです!
GOHさんの美声と役柄にはまりました!

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