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もしも命が描けたら

もしも命が描けたら

トライストーン・エンタテイメント

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/08/12 (木) ~ 2021/08/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

三人芝居、ほぼ一人芝居。シンプルな舞台演出でエネルギッシュな演劇でテーマ曲がYOASOBIと今回の演目にに合っていた。素直にテレビドラマから聞こえてくる田中圭の声が館内で聞けるのが良かった。

Le Fils 息子

Le Fils 息子

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/08/30 (月) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2019年の「父」が評判であった同作者による新作、タイトルもずばり「息子」は「母」に始まる三部作の三作目だとか。「ある息子」でなく「いわゆる息子」への眼差しのある、特殊と言えば特殊だが変哲のないと言えばよくある思春期の子と親の物語。フランス人演出舞台は初。演出は淡々とシーンを折り重ねて行く。人物らが渦中にある感情を観客は「演技を介した」記号として受け取る。だが感情移入を排してもそこに「ある」ドラマが、否ドラマのドラマたる所以が、やがて姿を現わす。
舞台を思い出しながらなぜかふと過ぎったのが映画「花様年華」(内容は全く違うが)。幾度も繰り返されるアンニュイなワルツと、どこか覗き見るような(思いきり寄っていようが変わらぬ)カメラの「眼差し」は、この舞台で言えば・・・簡素な装置(十分に「家庭」である事を教えるパーツはある)の無機質な転換の形式が、「実験台」に置かれた人間たちとそれを眺める観客との関係をやんわりと作り、音楽はどこかで聞いたクラシック曲が各場面に当てられ、微かな感情移入を助けるが逆に「いかにも」なニュアンスも湛えて微妙~な線を行く。(場面に寄り添いながらも、一定の距離をとっている感じ。)
お話についてはまた後日。

かわいいサルマ

かわいいサルマ

人形劇団ひとみ座

横浜市教育会館ホール《エコーレ》(神奈川県)

2021/08/18 (水) ~ 2021/08/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人形劇の「不思議」にもっと魅せられたく、子供向けらしいこの演目にも出かけてみた。劇団アフリカとの共演とあるが、アフリカの童話のバックに3名がジェンベやアフリカ木琴等を生伴奏し、時折ステージにも出てパフォーマンスを行なう(観客参加の振付タイムもあり)。フィーチャリング劇団アフリカの趣きであった。
10日寝かせた正直な感想は、人形自身から滲み出る蠱惑的な雰囲気とテンポ感が、伴奏音楽に座を譲り、いささか勝手が違った。あくまで私の好みに即せばの話だが、「共存」は十分できたと思うがそれにはパフォーマンスの方を少し控えて頂かねばならないだろう(演出的に恐らく)。
前半大きく膨らんだ期待が、後半しぼんだ理由を考え中。

ネタバレBOX

お話はかわいらしく、ある緊張を持って進んで行く。冒頭、広場でいろんな遊びを遊ぶ子供たち、サルマもいる。ご飯に呼びに来る近所のお爺さんとの和やかなやり取り。サルマは目の悪い婆さんと暮らす家に戻って来た。婆さんはサルマの声に喜び、キスをしておくれと言う。ところが婆さんの方は木の置物を孫と間違えて抱き付いたり、今度は花の鉢植えを孫と勘違いしてチャーミングである。
お婆さんは早速サルマに町へお使いを頼む。スイカ、鶏、ジュース、等。サルマを知るらしい市場のお店の人たちはお金を受け取って品物を渡す・・大丈夫、大丈夫。
先ほど「緊張をもって」と書いたのは、生活の営みが人の繋がりの中で成り立つ様は、それが損なわれる因子をその背後に忍ばせているからである。
お使いの帰路、のどかに見えた町は暮れなずみ、建物や路地の影に紛れるようにして、サルマの道行を追う者がある。正体は犬、なのであるが抱えた物を持ってやると親切そうに接近し、徐々に図々しく、サルマが「お出かけ用」に身にまとったスカート、ベスト、ターバン、イヤリング等も全て自分の物にして去る。彼は満足したわけではなく、サルマをこよなく愛する婆さんもわが物にしようとサルマの家へ向かったのだった。
ここで、何でも欲しがる犬で連想するのは「千と千尋」のカオナシなのであるが、赤ずきんの狼もサルマの犬も、「与えられなかった者の病理としての欲・孤独」というモチーフが頭をよぎる。
もっとも童話としてのこのお話は犬が実際に婆さんの家に辿り着き、「おやサルマいつからそんなに鼻が濡れているんだい」「どうして毛がふさふさなんだい」といった赤ずきん風の「見せ場」となるのだが、この「犬も意外とチャーミング」の線を行くなら、この後、村の「神様」に頼んだ村人たちが犬を「コテンパン!」に懲らしめるという挙に出るのがどうもやりすぎに感じられる。何よりも、懲らしめのシーンが長い。水戸黄門なら仰山いる悪人共を成敗するには時間が掛かるだろうが、このお話の犬はさほど強そうでもなく、ただただ「厳しい制裁」の時間が続く。とっくの昔に「反省」してそうなのに。
ところで私が途中までこの舞台に見ていたドラマは、こうだ。犬はコミュニティの紐帯や信頼を破壊する存在の象徴。サルマの訴えを聞いた村人たちが「闘い」に立ち上がるシーンは、劇団アフリカの地を鳴らすような太鼓の伴奏に鼓舞され、熱くたぎって来るものがある。
道理を違えた悪なる存在、それは例えば昔、自らの持ち込んだ法を一方的に押し付け利権を構築し現地人を従属させた西欧人であり、未だに南北問題を再生産して改まる事のない現代世界の構造である。そうした存在に、徒手空拳で立ち向かう悲壮かつ楽観的な決意を、微かにではあるが、シーンの背後に見る思いがしたのだった。
が、犬は熱湯をかけられ、ぶたれ、とことんいじめ抜かれてボロボロにされる。物語的には「痛快」という事になっているのだが、しかし犬はただ人間の言葉を聞き分け悪知恵の働く「人ならぬ者」として存在し、処理されるだけに終わるので、どうもスッキリしないのである。
子どもたちがどう受け止めたか、心の声を聞きたいところであるが、私は勧善懲悪の「良い側」=「強い側」図式を教え込むだけの教材になってはしないか、と懸念がよぎる。まあ教育問題はさておいて、「感動」の観点から見て私は「子どもを舐めるでない」という思いが起こる。
それは音楽を活用した演出の問題でもある。音楽を活用する場合、明快なドラマの場面の意味を「増幅」するのに適しているのが音楽だと思う(稀に物凄く微細なニュアンスを表現する阿部海太郎や、殆ど環境音ほどに芝居に同化して気づかせない国広和毅といった音楽家を除いて)。
「犬」を何のメタファーとしてイメージさせるか、という所に一考が欲しかった。音楽の活用法も変わったのではないか。
4

4

ティーファクトリー

あうるすぽっと(東京都)

2021/08/18 (水) ~ 2021/08/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久々のあうるすぽっと。最後は何時だったかと手帳を捲ってみたら1年半前、同じくTfactoryの「クリシェ」であった。その僅か2か月前「8人の女たち」をあうるで観ているが随分昔の事のように思え、「クリシェ」はつい最近な気がする。この記憶の錯覚はどこから・・?
無駄話はさておき。
証言を構成した舞台は一昨年の「ノート」もその範疇と言えそうだが手触りは全く違う。ある死刑囚の死刑を巡る立場の異なる4名がそれぞれ一しきり証言をするので「4」であるらしい。自身の証言かと思いきや、「うまく行かないので立場を入れ替えたい」とこぼす者があり、また最初から「証言」の時間が再生される。極刑判決を支持した裁判員の一人、刑務官の一人、死刑執行指示にサインを書いた法務大臣、そして死刑囚。ある種の思考実験の模様であるが、役者は5名。一名が脱落した事で、実験の進行役としてそれまであまり姿を見せなかった残りの一名が証言する役を買って出、最終クールの気配から収束へ向かう。
仮設ホリゾントのような白い可動式の壁面と床面には、証言者ごとに木漏れ日や抽象的な模様の映像だか照明が当たり、場所と時を特定しない異空間を作る。意味深な台詞とも相まって、果して証言者がその役どころを担わされた実験の参加者に過ぎないのか、設定に深く関与している(実は本人性が高い)人物なのか、峻別が危うくなって来る。
テーマは明確に死刑制度の是非という事になるが、証言で構成される物語が仮想でありながらリアルさを帯びる微妙なラインが川村氏の狙いである事は明白。ただし終盤は混沌として整理を付ける事なく観客は放り出されるが、実に感触の良い時間であった。この所必ずどこかで寝るのが観劇のスタンダードとなった自分だが、深い眠りに落ちた御仁が周りに散見される中、一度も寝落ちせず観た(台詞落ちは多々あったが)。役者が魅せる舞台でもあり。

悪魔をやっつけろ ~COVIDモノローグ~【京都・伊丹】

悪魔をやっつけろ ~COVIDモノローグ~【京都・伊丹】

燐光群

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2021/08/30 (月) ~ 2021/08/30 (月)公演終了

満足度★★★★

コロナ先進国?イギリスの話。政治家はどの国でも、どうしようもないと思えた。逆に政治家の大変さも垣間見れた気がする。

ローマの休日と東京の仕事

ローマの休日と東京の仕事

リブレセン 劇団離風霊船

日本聖書神学校礼拝堂(東京都)

2021/08/24 (火) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

時間が出来たので急きょ予約を申込み、観劇した。離風霊船は数年前の『ゴジラ』が初で今回が二度目。前回の「楽屋」に並び企画性が目を引く事と、大橋・伊東両名の名も出ていない事からプロデュースに徹した公演?と、まあ特に気にもしなかったのだが先程HPを見ると演出・出演の松戸氏が離風霊船団員であった(そういえば前説も同氏)。
会場は神学校内の礼拝堂。特に違和感なく開幕を待つ。礼拝堂には演劇やパフォーマンスを行なう場所の性質を元来有している感じがある。この会場は外界とのディスタンス感もあり、内装は新しくシンプルで不要物がなく清潔感あり、出はけの工夫もなされ、暗転がない事を除けば十分に芝居がやれていた。
出入りに多用されるのが、礼拝堂ならではの長椅子を真ん中で分けて作った赤いバージンロード。
ドラマの方は穴だらけのコメディではあるが、歌あり俳優による生ピアノあり、うまい俳優が舞台を盛り立てていた。

ネタバレBOX

ドラマについて一つだけ注文を付けるなら、(今時いない)清純派で売る予定の箱入り娘(父の事務所に所属しマネージャーである母の指示に従って仕事をし窮屈な生活をしている)が、女優を夢見た原点である「ローマの休日」のヘプバーンの自由さとは正反対の自分自身に悩み、ローマの休日の「ロ」も口に出す事さえ封印する厳格な母という壁を乗りこえようとする前段から、いざ本人がたまたま出会った者たち(これがまた多い)にも助けられ家出(ローマへの旅)を果たす段になって母は元々娘を思い、彼女のローマ行きを見越し、応援している、という展開になる。どうも作者が最初の設定を書いてる途中で変えたのでは?と訝られる180度の転換で、この時このお話は「敵」を失い、容易に敵の見えない現代日本でぼんやりと自由を唱えて生きる等身大の現代人がそこに居たというだけの話になってしまった。
近い人間の悪、凡庸な人間の悪はコメディにはそぐわない?とも思えないのだが。。
「替え玉」の実態が全く想像できなかったが、そういう部分よりも何か私たちにとって卑近で大きな敵、ないし壁を越えて人生の新しい局面に立ったという、感動が薄かったのは少々淋しい。
神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。

神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。

演劇ユニットG.com

アトリエ第Q藝術(東京都)

2021/08/25 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

映像鑑賞

夜はどんなかしらと思って配信を購入。街灯のせいか思ったより暗くないんですね。それでも扉の外のランプが点っていたり、雰囲気はありました。
しかし・・・そうか・・・昼の部の配信も確認したくなりました。

一寸先とちょっと前

一寸先とちょっと前

ONE AND ONLY

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2021/08/27 (金) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

知人の脚本家・加藤英雄の作品『一寸先とちょっと前』の朗読ライブヴァージョンを観た。舞台上演としては2年前にGフォースアトリエで観ている。「自殺しようとした女性を助けて亡くなった女性の死」の真相を巡り、複数の姉妹関係、不倫、中年夫婦、熟年恋愛といった複雑ながら登場人物が微妙な関係で繋がっている人間模様。生と死、愛と失恋、健常と障害。内容が豊富で、100分の朗読はちょっとキツかったかな。

おとうふ

おとうふ

劇団道学先生

OFF OFFシアター(東京都)

2021/08/27 (金) ~ 2021/09/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/08/30 (月) 14:00

座席1階

劇団道学先生は、座付き作家の中島敦彦さんが亡くなってから活動を休止していた。主宰の青山勝が選んだ復活作がこの「おとうふ」だ。中島さんが得意としていた会話劇で、「女3人の芝居を書いて」と座員に言われて1993年に作った作品という。

物語はテレビのバラエティー番組の舞台裏。番組の進行に従って客席で笑い転げる「笑い屋」の女性3人が主人公である。この3人、大道具倉庫のような狭い場所で待機させられ、時間を持て余しておばさんトークを続けるのだが、その3人それぞれに人生の光と影があり、泣いたり笑ったりなのである。どうにもならない人生の変転がおばさんトークで交差する。チラシにある「おかしくなくても笑います」というのはなかなか鋭い一文だと、舞台を見れば分かる。

この女性3人はいずれも客演なのだが、3者3様で非常にすばらしいキャスティングだ。3人ともおばさんトークの「あるある」を存分に表現・体現していて、とにかく笑える。劇団桟敷童子のもりちえ以外はダブルキャスト。両舞台を演じるもりちえは、期待通りというか、期待をはるかに上回るマシンガントーク。結婚4回でそれぞれ父親が違う子供がいるというプロフィールで、噂話と他人の悲劇が大好物のおばさんを演じたが、この早口でセリフをかむことは全くない。また、こき使われているADの青年など、舞台を盛り上げるキャラクターもしっかりそろっていて、最初から最後まで飽きることはない。

小劇場でこそ味わえる会話劇の迫力。緊急事態宣言下、しかも猛暑日のマチネだが満席だ。やっぱりみんな「おかしくなくても笑いたい」のである。

売春捜査官

売春捜査官

★☆北区AKT STAGE

SPACE9(大阪府)

2021/08/28 (土) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観戦。良かった。よくやっている演目ではあるが、今までで一番良かった。何度か泣いてしまった・・・。青森に行っても、あの迫力ある演技見せてあげてください。

ローマの休日と東京の仕事

ローマの休日と東京の仕事

リブレセン 劇団離風霊船

日本聖書神学校礼拝堂(東京都)

2021/08/24 (火) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。生唄、生ピアノも得した気分。良い時間をありがとうございます。

神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。

神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。

演劇ユニットG.com

アトリエ第Q藝術(東京都)

2021/08/25 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台だけにとどまらず、お庭をつかったり、見せ方が見事。演者もいい!良かったです。

音楽劇「あらしのよるに」

音楽劇「あらしのよるに」

日生劇場

日生劇場(東京都)

2021/08/28 (土) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕55分休憩20分第二幕40分。
肉食の狼と草食の山羊による種族を越えた友情物語。昔映画館で劇場アニメを観ているのだが、全くと言っていい程記憶に残っていない。
主演のヤギのメイ役は北浦愛(あゆ)さん。トラウマ映画「誰も知らない」の長女役!(あの映画を観てからアポロチョコのイメージが変わった人も多いのでは。)
W主演のオオカミのガブ役は渡部豪太氏、多才。
強面オオカミでやたら格好良い、ギロ役大森博史氏とバリー役島田惇平氏が目を惹く。
音楽は自ら生演奏する鈴木光介氏、奏でる楽曲が素晴らしい。歌詞はよく聴き取れなかったが自然の精霊役女性三人組の生歌も名曲揃い。メイとガブが眠りに就いた時の美しい歌が印象に残る。
嵐や風や雨、吹雪や季節の移ろいを仮面を着けた者達の舞踏で表現。沢山のヒラヒラした布をフリンジ状にはためかせた衣装で、精霊達が舞台狭しと舞い踊る。雪の表現では、通常だと天井から紙吹雪がしんしんと舞い落ちるものだが、今回は精霊の役者達が走り廻り手掴みで投げ付けていく。猛吹雪のその効果も悪くない。
ただ、一幕は淡々として退屈。メイとガブがどうしてそんなにも互いの絆を特別に思ったのかが伝わらない。

嵐の夜に互いの姿が見えぬまま仲良くなった山羊と狼。翌日待ち合わせ場所で互いが敵対する種族であることを知るも、皆に内緒で特別な友達関係を続ける。だがその関係がどちらの仲間内からもバレてしまい、スパイ活動をするように強要されるのだが···。

ネタバレBOX

互いの社会的立ち位置に追い詰められたメイとガブ。メイは「私を殺す選択肢もあるよ」と言い、ガブは「そんなことができる訳がない」と返す。全てを捨てて谷川に飛び込む二匹。ここで第一幕は終わる。駆け落ちなのか、心中なのか、余りにも純粋で美しい。
このシーンから第二幕ラストまで、素晴らしい出来。これが手塚治虫や白土三平だったらハッピーエンドには成り得ない話。メイが喰われるか、どちらも死んでいるだろう。(原作のラストでは二匹共死ぬらしい。)

ディズニーや手塚のアニミズムの素晴らしさを再確認するような舞台。第二幕、冬の雪山の洞穴でにっちもさっちもいかなくなった二匹。何も食べられるものが無く、飢えて死を待つばかり。メイがガブに「このまま二匹とも死ぬ位なら本能に従って自分を殺して食べてくれ」と頼む。ガブはその要求を呑む振りをして外に出、裏切り者の抹殺にやって来た元仲間の狼共と殺し合う。「カムイ外伝」だ。

「法華経」の昔から、人は自己犠牲の物語に心を震わせる。
原作版「ジャングル大帝」のラストがまさにそれで、猛吹雪の雪山で瀕死のヒゲオヤジを救う為、レオはわざと狂った振りをして殺される。ヒゲオヤジはレオの肉を喰らい、毛皮を被って何とか生き延びるのだった。

「真ん丸い満月を見ていると嫌な事なんか全て忘れてしまえる」とガブがこっそり教え、二匹は並んでお月様を眺める。矛盾と謎に充ちた残酷な自然の理の中で、それは余りにも美しい光景だった。
REBOOT

REBOOT

劇団しろちゃん

演劇専用小劇場BLOCH(北海道)

2021/08/28 (土) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

映像鑑賞

たまたま、配信作を検索していた時に見つけた公演で、北海道大学の演劇サークルによる「2021 短編演劇祭」。昨日・今日の2日に渡り、劇団員による新作短編7本のプログラムだったが、昨日は都合がつかず、今日のみの鑑賞で、配信2日目は「CAO」「夜る辺」「そういうもの」の3本。1勝1敗1分といったところ。

うわさにきく風2020-2021

うわさにきく風2020-2021

やみ・あがりシアター

吉祥寺シアター(東京都)

2021/08/26 (木) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台上には駅の待合室。昨年春に上演予定だった「2020」、休憩10分を挟み、コロナ禍で展開される「2021」。河原邦恵さん、実によかった。

ネタバレBOX

両方に登場する人物はいるが、「2020」がその時点のコロナ禍の状況を反映していないので設定に無理があるため、「2021」開演前の、さきほどの「2020」のことは忘れてくれというアナウンスが何とも可笑しい。やみ・あがりシアターの音楽の使い方、そうマニアックな選曲というわけでもないのに、その使いどころやタイミング、音量等が絶妙で、毎度感心しているが、今回もそう。
音楽朗読劇「シャーロック・ホームズ#1」

音楽朗読劇「シャーロック・ホームズ#1」

ノサカラボ

サントリーホール ブルーローズ(小ホール)(東京都)

2021/08/28 (土) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

古典の活かし方もいろいろあって、古典ミステリの人気キャラクターは、最近流行の2・5ディメンション系の舞台では重用される。8月には最強キャラのホームズにタカラヅカ宙組と、この舞台が用意された。こちらは音楽朗読劇と銘打って、名作ミステリを次々と舞台に上げようという企画の第一弾。劇場もサントリーホールのブルーローズと小洒落ている。
俳優に人気の声優を配し、劇伴を生演奏で、朗読劇として上演する。内容は初期の「冒険」から三話。入り口ではイギリス公認の輸入グッズも販売している。客は日ごろ顔を出さない建前の声優の演技が見られるというのでファンが多い。これが、ミステリの中身で客が来るようになれば、新しい展開があるのかもしれないが、時代をくだるにつれて、ホームズ=ワトソンのような朗読劇には使いやすい人物関係が少なくなる。仕掛けも複雑になってこういうリサイタル形式ではできなくなるだろう。
宝塚宙組はコロナ拡大でかなり公演中止することになった。こちらは前途多難である。

丘の上、ねむのき産婦人科

丘の上、ねむのき産婦人科

DULL-COLORED POP

ザ・スズナリ(東京都)

2021/08/11 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/08/28 (土)

価格4,330円

28日18時開演、男女役柄逆転のBプロを拝見(120分、途中休憩無し)。

終演後の万雷の拍手が作品の高評価を物語っている、と理解は出来るんですが…
一人ぐらい、ひねくれ者がいてもいいかなぁっと。

妊娠・育児と仕事との兼ね合い、パートナ相互の理解不足、出産に対する地方の因習、不妊治療…等々と、テーマ毎に取材された内容を作劇に活かした、8場の舞台(「二場」は上演時カット)は、それぞれに興味深く、作者の冷静かつ優しい視線が伝わって来る佳作揃いだと思いました。
ただ、テーマ毎に細分化し過ぎたかなぁ? 同じ味つけの料理を8品続けて出されてもなぁ…
率直に言うと、「六場」を終えたあたりで、内容に飽きが来ました。
あくまで主観的な感想ですが、5~6場ぐらいにまとめて供された方が、私には有難かったかなぁと帰路、思った次第です。

【追記】
観劇の前に、とある方の、かなりシビアな流産の経験談を知ってしまったので、舞台上の出来事が”絵空事”に感じられてしまったのも、高評価をつけるのを憚られた原因かもしれません。

ローマの休日と東京の仕事

ローマの休日と東京の仕事

リブレセン 劇団離風霊船

日本聖書神学校礼拝堂(東京都)

2021/08/24 (火) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

会場である礼拝堂は学校の施設、時には式場としても活用されているそう。
(それもあってか照明に予想以上のバリエーション)
なにしろ物語の舞台が教会そのものなので、ある意味最強。
観劇する場としても新鮮でした。
ただし劇場以外の場所で演る場合、役者さんの演技がブレていると途端に余興っぽい空気感が生まれやすいと思うのだけれど、はたして

本作は大丈夫。
可憐なヒロインを軸に、全ての役者さんがそれぞれの独自キャラを演じきっておられました。
特に突出した強烈キャラ前半「シスター」から後半「ヤリ手女性記者」へとバトンタッチしていく感じも面白く
こうなると二人のバチバチな絡みも観たくなってくるのでした。

ネタバレBOX

旅先での盛り沢山なエピソードを俄然期待したのだけれど、後半になるにつれ駆け足になってしまったのが少々残念。
教会内の「女優サイド」VS何とか中に入り込もうとする「マスコミサイド」の攻防戦やバックグラウンドがバランス的にメインになった印象。

確かにセットチェンジが難しい会場。
それでも国旗デザインの壁をバックに役者さん達の絵面がなかなか面白かったし、もっとロマンスの駆け引きなんかもじっくり観たかったなぁ~と。
コロナ禍を慮ってのコンパクト化、泣く泣くの事かもしれないと思ったりもする。
お七桜酌婦事情【2021ver.】

お七桜酌婦事情【2021ver.】

だるままどか(発起人)

ScarFace(奈良県)

2021/08/28 (土) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

内容は凄く良かった‼️しかしコロナ対策が…。検温も無く、席は密密で、換気も…😰途中でお菓子を食べだす輩や、大きな声で独り言を言い出すなど、地方独特感があった。時間も大きくずれ込み、何とか終電に間に合った😅内容が良かっただけに、残念感は強い❗

キラメキ  FINAL

キラメキ FINAL

project真夏の太陽ガールズ

ABCホール (大阪府)

2021/08/26 (木) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今まで見たキラメキで一番感動しました☆コロナ禍の中東京オリンピック、パラリンピックでスポーツの素晴らしさを改めて感じた今だからこそ深く心に突き刺さるものがありました☆舞台でシンクロナイズドスイミングを体感する衝撃は初演から全く色褪せてなく更に完成されてました♪劇中何度も涙が溢れる感動を頂きました☆ありがとう!

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