チーチコフ
劇団俳小
萬劇場(東京都)
2021/08/27 (金) ~ 2021/09/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
結局観たのは千秋楽だったようで(分ってろという話だが)、少し硬く見えたのはそのせいか。最前列で表情が「見えすぎた」のか、それとも時々役者と目が合ってしまう事があったが(目立つ外見ではないと思うが)調子を狂わせたとか、または良い評判に答えようと肩に力が入ったか・・など、一方では面白おかしく展開する芝居に乗っかりながら、何故か頭では芝居の条件やら客演は誰かといった事を考えていた。寝落ちしそうになるのは我が体の問題で例に違わずであったが、どこか覚めてしまうのを超えられない所が正直あった。
恐らくこの舞台の作られ方・形式が「今の自分」の欲するのと少うし違った。焦点は音楽に向かう。
音楽は頑として変らぬ存在感を持つ(楽曲を変える訳には行かないから当然なのではあるが)。俳優、及び芝居本体と、音楽の配分、関わり、兼ね合いといった事だと思うが、観ながらの感じ方では音楽が前に出、作曲家がイメージを塗り込め過ぎであった。そのように感じてしまう具体的な断片は、コーラスガールの歌いの崩し過ぎな所であったり、上田享氏のピアノのサス(残響)の入れ方等音の存在アピールの強さであったりで、芝居に対する音楽の位置づけがどう決定されるのか、演出と音楽家の力関係は・・等も頭を巡った一つであった。
が、音楽は芝居を補完しており、それが狙いだった事に疑いはない。好みで言えば冒頭歌われるタンゴ調は素晴らしく、頻回挿入される「チーチコフ!」は頻回使用には耐えなかった。
対峙する芝居本体の方である。物語の発端である「死んだ農奴を買う」理由、チーチコフの目論見と勝算がきちんとは飲み込めないまま物語が走り出してしまった。音楽の時間と、芝居の時間、それぞれが理想的に共存したかったが音楽に引っ張られて進む時間の中でドラマは多面的な顔を出す余地がなかった、とは繰り言になるが、キャバレーチックな音楽は明快な物語にそぐわしく、不明さを残す所では些か邪魔になった。
ゴーゴリと言うと「鼻」「外套」など身近で小さなアイテムが大きな騒動を引き起こす様を通して、問題の個人より社会を笑う引きの視線がある(と言っても両作とも芝居でしか見てないが)。チーチコフという存在もそのようであるが、彼は何を欲したのか。
カムカムバイバイ
U-33project
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
8月1日に友達はいない
劇団未踏座(2021)
龍谷大学響都ホール校友会館(京都府)
2021/08/26 (木) ~ 2021/08/28 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
学業優秀な生徒会長と副会長…
そして何故か追われる二人!
救世主計画とは…
謎をはらみつつ、スリリングなタッチで進行する近未来SFサスペンス!
とても楽しかった。
そして響都ホール、良いホールだ!
『ナオミの夢』
燃えよhishidas
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2021/08/26 (木) ~ 2021/08/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日観劇
いや~、ウエンブリースタジアムコンサート、楽しかった!
出てくる出てくる昭和歌謡!
"つかこうへい"ばりの台詞の速射砲!
防人やらバカボンやら、歌詞が台詞に、台詞が歌詞に…
本当に楽しい!
後、欧米のダンサーさんも、西淀川のダンサーさんも良かった。
追伸、再演も楽しみです♪
『スプライサー』/『ヒットマンズ』
劇団「劇団」
ウイングフィールド(大阪府)
2021/08/19 (木) ~ 2021/08/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『スプライサー』観劇。
植木歩生子一人芝居、ふーこさんの熱演と圧に圧倒された。
凄い!
初演では理解不足で引っ掛かる所が多数あったが…
今回、全く同じストーリなのに、淀みなく必然の様に、怒涛の結末まで流れ込んでゆく!
凄い凄い凄いとしか言い様がない!
涙溢れた。
素晴らしい!
『スプライサー』/『ヒットマンズ』
劇団「劇団」
ウイングフィールド(大阪府)
2021/08/19 (木) ~ 2021/08/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
『ヒットマンズ』観劇。
ヒットマンズの最後のミッションが待ち伏せにあい失敗。
情報漏洩?
裏切り者が…?
裏切り者探しを始める面々!
不振点を丹念に精査すればする程、明らかになるメンバーの人の良さ!?
スタイリッシュ????
コメディ!!!!
ゲキゲキって、極悪人が出てこないから、大好き♪
ゲキゲキ、堪能しました。
愉しかった!
SAME TIME , NEXT YEAR
スラステslatstick
SPACE9(大阪府)
2021/08/20 (金) ~ 2021/08/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽日観劇
1年に1度、同じ日、同じ場所で逢瀬を重ねる2人は、妻や夫にも言えない事を言い合える仲に…
家族にも言えない悩みを互いに解決し成長してゆく姿に感銘!
不倫なのに、とてもピュアな2人…
大人って辛い、と涙滲む。
舞台「鬼滅の刃」其ノ弐 絆
舞台「鬼滅の刃」製作委員会
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2021/08/20 (金) ~ 2021/08/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
家族で観劇
娘が良い席を取ってくれた!
累から蝶屋敷まで(胡蝶さんの見せ場多し)、無限列車に続く物語。
役者さんの役作り、歌、演出、映像が、鬼滅の世界観そのままに再現されていて圧倒された。
観客99%女性?って思う程、女性比高し!
男子トイレ少な!
沙也可
(株)フリーハンド/(有)Yプロジェクト
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
本作で描かれた「沙也可」にモデルとなる人物が実在して
韓国では(親日の意味を持って)教科書にも載っているという事、全く知らなかったし、知る事ができてとても良かった。
巡り合いの場面からしてもうドラマチック過ぎる。
豊臣秀吉の行き過ぎた野望で引き起こされた戦に、もっと悲惨な内容をイメージしていましたが、ちゃんと自身の意志を持った兵士達がクローズアップして描かれていたからか前向きでマイルドな仕上がり。
金美姫をはじめとする朝鮮の女性達も美しかったが、女性を守ろうとする男達がめちゃカッコいい。
当然ながらキャストに一人でも感染者が出れば中止覚悟で挑まれたという大所帯の舞台。
本当に久しぶりにこれだけ大人数の役者さんが入り乱れる舞台を拝見する事ができました。
華指1832
ももちの世界
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2021/09/09 (木) ~ 2021/09/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初めての手話演劇。ただ手話を取り入れているだけでなく、世の中の不条理について考えさせられる内容でした。コロナ禍での公演で大変だったかとは思いますが、今まで私が観てきた演劇の中でも印象深いモノとなりました。これからも歩みを止めず頑張って下さい!ありがとうございました。
ランナウェイ
壁ノ花団
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2021/09/09 (木) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2021/09/10 (金) 19:00
何だこれはっ、と戸惑うほど面白くない。
達者な役者たちがいるのだから、もっと活きる使い方すれば良いのに。と思った。
物語に心揺さぶられない。ひたすら見せつけられているシーンの連続。
仕事終わりで疲れているのに京都まで行って楽しくない演劇見て徒労に終わりました。
唯一の救いは上演時間が短いことか。
朗読劇『トップスまで、あと5秒!』
エヌオーフォー No.4
新宿シアタートップス(東京都)
2021/09/04 (土) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
懐かしのシアタートップス(若き日に随分と通いました!)!それだけでも気分は上がりっぱなし!
三人の出演者(Dチーム、平山佳延、宮原理子、奥田努)の熱演もあり、懐かしさにどっぷり浸りました。当時の演劇・劇団などを思い出し、違う笑いも度々こぼれ・・・あぁとてもとても楽しい時間でした!2劇場3劇場同時上演、またいつか出来ると素敵ですねぇ!
うさぎ島霧深し
Pカンパニー
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/09/09 (木) 19:00
戦前から「うさぎ島」と呼ばれていたわけでない。しかし、旧陸軍の秘密毒ガス兵器製造工場があった当時、ウサギは実験動物として使われていたということだ。今回のPカンパニー「罪と罰シリーズ」の舞台は、いまは「うさぎ島」として世界的観光名所になっている大久野島の物語だ。
戦争の惨劇を伝える史実では、大久野島の話は知られているので舞台を見る前は脚本に苦労したかもしれない、と勝手に思っていた。しかし、冒頭のシーンで結構、度肝を抜かれる。一見、下級民を見下している上流階級のお食事の様子だと思ったら、実はこれ、島に住む実験動物のウサギの一家であった。舞台はこのウサギ一家、特に姉妹のライフストーリーを軸に展開される。実験の対象にされる、すなわち命を実験に捧げるという立場から客席は島の毒ガス兵器開発を見るので、戦禍の犠牲になる立場からこの島の歴史を洞察することができる。脚本の勝利と言っていい。
演出も印象的である。このウサギ姉妹、思春期のお年頃で箸が転んでも大笑いという明るさで始まっていく。物語が進むにつれ、この姉妹に断裂が走る。毒ガス兵器製造を真正面から取り上げていないのに、この戦争さえなければ、当時から今のような平和なうさぎ島なのにと痛切に感じられる仕掛けだ。
ラストシーンでその思いは現実の姿となって登場する。ネタバレになるのでこれ以上は控えるが、ここも脚本の妙だろう。島の土、そして周囲の美しい海に刻まれた「毒」を私たちは語り継いでいかねばならない。そういう意味で、タイトルにある霧が晴れるのはまだまだ先なのである。
2時間というコンパクトにまとめられた作品。秀作だと思う。戦争を忘れてはならないと思っている人は、この舞台、見ないと損するかも。
さよなら王子小劇場
令和座
王子小劇場(東京都)
2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/09/09 (木) 18:30
演劇愛に溢れたニッコリできる芝居だった。
王子小劇場の閉館が決まり4人のスタッフが片付けする最後に日に、謎の3兄弟が現われ、劇場を貸してほしい、と言うが…、な物語。コメディタッチで進む物語は、4人のスタッフの立ち位置の違いや、3兄弟のブッ飛びぶりなどで笑わせてくれるが、基本は演劇を愛するということかと思う。終盤に登場する肉屋の夫婦は、演劇とは無関係の町の人、を代表した存在だと思うが、それらを含めたエンディングも演劇への愛情が感じられた。今はない劇場の実名が出てくるシーンがあって、ちょっとホロッとした。滑舌が悪い役者がいたり、テンポが悪く感じるところもあったのが残念。客がイマイチ入っていなくて、笑えるシーンで笑いが起きない(起きにくい)のは気の毒に思った。82分(だが、開演の10分前から芝居が始まっていると言えないこともない)。
小劇場を愛するスタッフ娘を演じた大狼羊の佇まいには、かなり惹かれるところがある。ちょっと追っかけてみようかという気になる。
『砂の女』
キューブ
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2021/09/09 (木) ~ 2021/09/10 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
緒川たまきさん、すばらしかったです。スコップを持って、砂をかきだす姿が美しかった。「わたしの家だもの」の叫びに涙がでました。真ん中にある家が回って場面を変え、プロジェクションマッピングで映し出される砂、布、ロープ、生演奏と生歌、役者6名、すべてが生きていて、刺激的でした。
自分なりに自粛をして1か月ぶりの観劇でした。
歌姫・ネバーダイ! in deep
ライオン・パーマ
萬劇場(東京都)
2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
近松心中物語【愛知公演中止】
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2021/09/04 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了
カノン【8月19日~31日公演中止】
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/08/19 (木) ~ 2021/09/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日のチケットも取っていたのに中止になり、その後も中止が続き、いつから上演できるのか上演し続けられるのかと心配し続けたので、千秋楽に行けた時にはもうそれだけで嬉しかったです。座席の配置を知らなかったので、当日行ったらD列がまさかの最前列でした。
神様はつらい。 ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
アトリエ第Q藝術(東京都)
2021/08/25 (水) ~ 2021/08/29 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
結局マチネ配信も購入しました。何回か見ていると、舞台を見た時にはわからなかったことが「ああ、そこはそういうことだったのか(多分)」と思えたり、ソワレ時には帽子を被ったんだと改めて気付いたりしました。それでも、うーん、そこは何をしているんだか、どういう意味があるのかわからないままの箇所もありました。配信もいよいよ今日までなので、マチソワの配信を並べて見てみると言う暴挙(?)も果たしました。頭を揃えて見始めても、途中でずれていくとか、カメラワークが違うとか、役者さんの動きも違っていたりするとか色々発見できて面白かったです。
The morning rolls around~何者でもないワタシの道~
Story Dance Performance Blue
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2021/09/09 (木) ~ 2021/09/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
佐藤千夏さん演じる迷走中の兼業女優と宮田祐奈さん演じる後輩同女優との確執を柱として始まり、大内厚雄さん演じる中年男性の悲哀がもう一つの柱となって話は進んで行く。
佐藤さんと宮田さんは北島マヤと姫川亜弓のようなイメージがある(そういう選び方をした?)。あるいは白石麻衣さんと西野七瀬さんとか。あくまでイメージなので苦情は受け付けない(笑)。もっとも宮田さんは乃木坂46の映画「あさひなぐ」にも出演されているのでそういうイメージを私が持ったのも当然なのだった。佐藤さんはいつもの硬派な演技で全編揺るぎがなく、宮田さんの演技からは前半から後半にかけてのキャラの変遷が的確に感じられた。
衣装が良いなあと思ったらプロの仕事とのこと。ここも乃木坂46風と感じるのは私がおかしいのか?ついでにダンスパフォーマンスで佐藤・宮田がぶつかるところは白石・西野の「心のモノローグ」のMVを連想してしまうのもやっぱり変か。
題名の「The morning rolls around」はあの映画「ラ・ラ・ランド」から採ったという。
確かにオープニングの「Another Day of Sun」の歌詞にそういうところがある:
…歌詞省略
失敗しても朝が来るたびに頑張るぞという感じだ。
「ラ・ラ・ランド」と本作はオーディションに落ちまくり、生活のためバイトの毎日というところは共通だ。しかし、あちらはそんな中でも恋愛が大きな割合を占め、こちらは恋人はいないしすべてを演劇にかけているところが何とも切ない。まだ昭和なのか?
「Another Day of Sun」の歌詞の後半ではそのフレーズがこうなる:
…歌詞省略
自分が夢破れようがそんなことには関係なく太陽はまた昇るとかなりクールである。
そして、本舞台のメッセージはこの先を続ける。夢破れたなら転調してテンポも変えてまた最初から歌おうよと。