最新の観てきた!クチコミ一覧

18401-18420件 / 183070件中
The Weir -堰-

The Weir -堰-

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2021/09/10 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

見事!の一言。リアルなセットに芸達者な俳優さんたち熱演。グッときましたね。

シャンデリヤvol.2

シャンデリヤvol.2

U-33project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

茶番劇?ありそうで、なさそうな日常の短編オムニバス。ナニコレ?と思いながら、それなりに楽しめました。

ドント・コールミー・バッドマン

ドント・コールミー・バッドマン

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

う~ん、なんとも身につまされるお話。動揺しながら、観ていました。

緋は退紅に燃ゆ

緋は退紅に燃ゆ

感謝の日々を

上野ストアハウス(東京都)

2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

幕末のこの時代は、立場が違うだけで、見え方が真逆になるので、
なにが正しいかは議論しませんが、
義を貫いた土方歳三の生き方、いいですね⁉︎

解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「解放区」という場の中に自由より、社会の縛りへの掃き溜めという感じがして、説明にあったイメージとはずいぶん違う気がした。ラストも白日夢のような終わりで、なんとなくしっくりこない。また、出演者のセリフ回しというか、どういったらいいかうまく説明できないが、皆同一な感じがし、大声であっても小声であっても、単調さを感じてしまった。もう少し自然体な演技でも良いのではないかと思った。感動したと漏らしていた方もいらしたので、単純に好みの問題かもしれない。

未来からの手紙

未来からの手紙

アンティークス

王子小劇場(東京都)

2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

毛色の違う、ひねりの効いた二作品、どちらも面白かったです!
ただ、どちらも色々な感情をわかせてくれました
「未来からの手紙」には、今の現状からの色んなメッセージが込められているようにも思いました

解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

バイオリンの音色が素晴らしかった。
この劇団さんは、前回もそうだったが、かかっている音楽がいい。
絶望の象徴のようなゴミの山のなかで、ひとすじの希望の光を与えてくれるような...
ホームレス役の役者さん、インパクトのある、味のある演技、素晴らしかった。
シェークスピアの舞台を観ているようで、個人的には好きだ。
雰囲気が好きです。
個人的には今回のほうが、前回より自分の好みに合っていた。
ひとつだけ気になったのは、大声で客席で話している人がいた。コロナ対策で注意が必要だと思いました。
素晴らしいお芝居で、満足でした。
また、観たいです。

海底歩行者

海底歩行者

ぐうたららばい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■約95分■
子供を失った夫婦の話であることは、チラシを通じてあらかじめ観客に伝えられている。したがって、幼な子との幸せすぎる日々を掌編集形式で描いた前半を観れば、そのうちこの子はいなくなるんだ、夫婦はこれから愛児のいない日々を過ごすのだと考え、観客の胸は悲しさで張り裂けそうになる。子供を失ったと夫婦が気づく場面が、その悲しみに拍車をかけ、そこで幕切れとしてもいいぐらい。極言すれば、前半部分のみでこの劇は充分成立している。だが、それだけでは物語としての結構がつかないと考えたのか、後半では、子を失った夫婦の“その後”が、そして末路が描かれる。その“末路”について思うところは、ネタバレにて。
愛児役を場面に応じてママ役の女性俳優が演じたり、パパ役の男性俳優が演じたりする演出が面白かった。

ネタバレBOX

舞台下手には金魚鉢が据えてあり、一家は金魚を飼っているという設定。これにちなみ、劇は金魚に擬した夫と妻がまるで追いかけっこでもするように舞台上を回遊するシーンで始まる。問題は、エンディング。同じく金魚に擬した夫婦がオープニング同様、連れ立って舞台上を回遊するのだが、二人は終始身を屈め、曲がった腰に手をあてがっている。二人が生涯添い遂げたことを暗示するこの幕切れには大きな違和感を覚えた。
愛息子・柚(ゆう)君の死後、「柚君の所に行きたい!」と妻が夫に殺害を求めたり、夫が息子の生前から浮気していたことが発覚したり、夫婦の間には修羅場が相次ぎ、あげく妻は夫に離婚を提案。殺伐としたそれら一連のシーンを観ていると、とても二人が生涯一緒に居られそうには思えず、ラストが老夫婦となった二人の回遊シーンというのはどうしたって受け入れがたい。
それよりは、長い暗転を間に挟んで回遊シーンの前に置かれた、“最後の旅”のくだりが終幕には相応しい。離婚前にもう一度だけ、と説得されて妻が夫と向かった先は、柚君をお腹に宿しての新婚旅行で、そして、無事生まれてきた柚君を交えての家族旅行で訪れた海辺の町。そこで海の上を走る柚君を見た夫婦は二人して海に飛び込んで柚君と再会し、三人で大気中をグングン上昇、やがて大気圏をも突破し、パパが「いつかみんなで(笑)」と柚君の生前に冗談めかして言っていた「宇宙旅行」を果たし、夫婦は声を限りに「柚く~ん!」と絶叫して喜びに震える。
夫婦から柚君への果てしない愛情を描いた本作のラストには、柚君無しでは生きていけない夫婦による殉死とも言うべき入水自殺を暗示した、喜劇的でありながらもどこか切ないこのシーンが相応しい。
解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

主張したいことは何となく分かるが、その対象となる現実が曖昧だ。タイトル「解放区」(理想郷と言うか理論の世界)を描くのであれば、もう少し具体的な現実の姿を表さないと、主張そのものに説得力が伴わず空虚な感じ。
公演の魅力は迫力ある演技というか、叫び吐き出される「力ある言葉」、その台詞の激しい応酬だ。両手を広げて拾いたい珠玉の言葉だが、ぽろぽろと指の隙間から零れてしまう。物語は主人公・高橋ひろしサンの教え子である2人が登場してからの緊迫した場面と、それ以前のまったりした場面、その雰囲気がガラッと変わる。対置することでラストシーンへの効果として観せたかったのだろうが、前半と思われる場面が冗長すぎた。そもそも緊密に絡んできたのか。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台セットは、廃屋といった感じで色々な物が散乱している。中でも重要になるのが、上手にある割れた姿見と下手にあるダンボールとビニールシートで覆われた塒(ねぐら)、と捨てられた本の山。演出として、客席の最前列中央に登場人物が着座し、後々舞台上の人物と話し出す。また役者は会場出入口も利用し、廃屋外に現実の存在を表す。この廃屋、後々知らされるが劇場跡という設定。
照明ー冒頭は薄暗い廃墟イメージだが、人物が揃いだすと暖色的な色彩、そして圧巻は高橋さん演じる浮浪者にして元劇作家の慟哭シーンのスポットライト。
音響ー生ヴァイオリンの演奏だが、演奏場所が割れた姿見の中という、自分(人間)という存在と(割れた)鏡という媒介を通して映る者、それは自分らしき者であって本人(実在)ではないことの象徴。対照させる演出としては巧い。打ち捨てられた鞄等を叩き、ストリートミュージックも反体制的な観せ聴かせる効果あり。散りばめられた反骨魂(材料)の数々。

 冒頭、ラストそして要所と思われる場面で北床宗太郎氏の生ヴァイオリン演奏。実に心象的で好かった。物語は、廃屋に岩崎紗也加サンが忍び込み、飛び跳ねたり、独り言を発している。実はこの場所に浮浪者らしき人物が寝起きしている。2人の会話から彼が相当な知識人であることが分かる。そこへ金を隠しに来た小池利一サンも交え、3人で脈絡のない会話が続く。ここまでのシーンが冗長のように思われた。この場所の立ち退きのため、作業員が立ち退き警告。そのうち浮浪者が有名な(元)劇作家で、代表作の受賞を辞退したことで、権威者(体制=現実)にたて突いた異端者扱い。浮浪者に取材と称して過去に経緯のあった記者と浮浪者の議論。端的に言えば現実の肯定(追認)か否定(抵抗)といった論争らしきもの。そして解体作業の轟音が…。
 切羽詰まった状況、スポットライトの中で浮浪者が現実の理不尽を訴える。その慟哭する姿が痛々しい。混合玉石の情報が氾濫(情報操作と攪乱)し思考・判断能力を奪う、受賞という名誉・恩恵で従順を育て批判を封じる、そして牢という獄に身体を拘束する、といった現実に抵抗する。まさしく革命的な行動であるが、その対象となっている現実とはどのようなものか。現実(問題)は一律には括れない。それを観客それぞれが社会に持っている不満や憤り、その想像力に委ねているかのようだ。敢えて言えば、岩崎さんの表現自由、小池さんの全て金といった台詞が残るだけ。現実の理不尽さが解放区側の一方的な主張として描かれているため、批判に説得力を持たない。もう少し物語の中に現実を描き込む必要があった。
 廃墟が劇場跡という設定が妙。劇場という虚構の世界を描く場所、その必要性は現実に疲れた精神(思考等)を解放する所。説明によれば、「ボロボロに朽ち果てた本、失われた言葉は飢えた子供のようにむさぼると、押し殺していた想像力は光よりも早いスピードで宇宙へ解き放たれ、従うだけであったはずの時間は心ゆくまで不規則に流れはじめる」、まさしく演劇の世界観そのもの。それを撤去することは?という問い掛けも感じる。しかし、暗転後のラストシーンは客席に座っていた男性会社員(2年目)が、モラル、コンプライアンスと言ったことが云々、という台詞で今までの緊張感がプッと切れた思いだ。これに抗議するのか。今まで観てきたのは幻想だったのだろうか?

気になったのが、客席にいた役者。舞台上の役者との会話や強要された撮影によって、現実(社会)との繋がりを持たせる(媒介といった)重要な役どころ。しかし上演前から居るならまだしも、途中から入場し一般客前を横切って着座する。さも遅れてきた一般客を装っているようだが、観入っている本来の観客にしてみれば迷惑なこと。
次回公演も楽しみにしております。
スケールⅡ

スケールⅡ

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2021/10/15 (金) ~ 2021/10/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/10/20 (水)

105分。休憩なし。

Jeanne

Jeanne

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/20 (水) 19:00

ダークな作風という印象の劇団だが、ダークというより重厚な感じの好演だった。115分。
 有名なジャンヌダルクの、火刑を決めた異端審問の様子と、その25年後にその審問を疑う復権裁判の様子を、時間的にも空間的にも交差させた展開で、丁寧で興味深い作劇だった。全体に暗い印象の舞台になるのだが、照明が効果を見せ、十字架のイメージなど興味深いものもあった。セリフが古いのは時代を考えるとやむをえないが、ちょっと整理されていない感じがあったように思った。

暫しのおやすみ

暫しのおやすみ

劇団競泳水着

駅前劇場(東京都)

2021/10/02 (土) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

週刊誌の記者は観るべきなのかもしれない。スキャンダルに追われる「女性芸能人」を、三つの空間と時間からフレームする。何気ない会話にも業界感。あぁ。

そして、死んでくれ

そして、死んでくれ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2021/10/13 (水) ~ 2021/10/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

真っ先に浮かんだのは『劇団チョコレートケーキ』の香りだった。会話劇を軸とするのだが、歴史の重厚感を帯びており、空間が成立している。役者の佇まいに、無色のエネルギーを感じるのである。
2.26事件の首謀者とされた青年将校は「純真」だったと思う。その後の大政翼賛会では統制派が衣替えして、皇統派の主張を具体化したように装ったが、実のところは彼らが糾弾した軍財閥のレジームだった。国から梯子を外される過程を、観客は知っている。だからこそ、その熱に共感せずにはいられなくなる。

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4桁の観劇人生の中で「ラビット番長」の将棋シリーズはベスト5にランクインしてくる。それだけに『コマギレ』は愉しみにしていたのだが、いやはや、上演作を変更しても力作だった。

青い扉

青い扉

ココドア

ぽんプラザホール(福岡県)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/17 (日)公演終了

実演鑑賞

旗揚げ公演ということで、初舞台の方いるとのこと。大げさな演技の方々でしょうか。
作品全体としては、落ち着いて観ていられたので、ほぼ満足なのですが...。

解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主張の強い劇でとてもかっこよかった。味のあるラストだった。

クロノス

クロノス

LOGOTyPEプロデュース

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイムリープをただでは終わらせないところ、流石ですね⁉︎
脚本もしっかりしていて楽しかったのですが、
何故かちょっと古さを感じてしまいました

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~

アン・ラト(unrato)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/10/16 (土) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まず驚かされたのが舞台美術。幽玄が夢幻舞台へ変化していく美しさ、そして力強い。今まで観た「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~」の中では絶品。4女優の演技はもちろん素晴らしいが、演出の妙に感心した。今までも そういう作品を観たと思うが、この公演は視覚に訴えるが、表層的な観せ方ではなく、劇中劇の舞台である「かもめ」が楽屋を通して、その向こう側で本当に上演しているような雰囲気。華やかな表舞台を想像させながら、その裏「楽屋」は廃墟イメージで、まるで「雨月物語」(上田秋成)を連想する。「楽屋」という物語は2項対比を思わせるところが幾つもあり、それが対立であったり比較といった面白さを描き出す。その内容的充実も見事。冒頭とラスト、情感たっぷりに輪唱が劇場内に響く。さぁ幕開けだ!

(上演時間1時間20分)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央奥(女優C)に本物の鏡台、手前(客席寄り)の上手(女優A)・下手(女優B)側に枠だけの鏡台。天井には綱が垂れ下がり、蔦のようなものが巻き付いている。舞台のいたる処にススキ等の草。上手・下手側(ほぼ袖。上手は衣装、下手は私服という別)に衣装吊。全体的に雑然としており、廃屋のような雰囲気だが、置かれている道具・小道具から妖艶で華やかさも漂う。上演前に客席から騒めきの様な声が聞こえるが、実は劇中劇の向こう側にいる仮想客席の騒めき。そしてラストにも聞こえる。劇中劇の楽屋であることを意識させるフェードアウトのような暗転、微風が吹きススキ等が揺れ物語が始まる。
先に紹介(敬称略)してしまうが、配役の女優A:保坂知寿、女優B:大空ゆうひ、女優C:笠松はる、女優D:磯田美絵。そして女優C以外の衣装は白地もしくはそれに近い淡色、対して女優Cは黒い下着、赤いドレスといった濃色で、そこには人物の生死を表現する。女優の“業”の深さを浮き彫りにするこの戯曲は演劇人たちの心を掴み、これまでも数多の名優たちが演じている。

楽屋。
 亡霊になった女優Aと女優Bが楽屋で念入りに化粧をしながら、永遠にやっては来ない出番に備えている。今上演中なのはチェーホフの「かもめ」。2人の緩く力の抜けた会話が絶妙で、これ演技と思わず唸ってしまうほどの自然体。AとBはお互い当てこすりや嫌味などを口にするが、たまに見せる少しの気弱さも愛らしい。亡霊女優2人の戦前の訳と戦後の訳の違いや、小道具(戦前の手鏡、戦後の卓上鏡)など実に丁寧な観せ方。同時に古典戯曲の「かもめ」「斬られの仙太」等の台詞を生き生きと演じる面白可笑しさ。哀感漂う公演の中に軽妙で滑稽な場面を散りばめる妙。
 主役・ニーナ役の女優C。美しい舞台姿(衣装)で、ヒロインを演じている女優らしい華やかさ、同時に内に秘めた勝気そうな振る舞い。笠松は女優Aの保坂、女優Bの大空を向こうに回して大きな身振り手振りで圧倒し説得力もある。AやBより遥かに恵まれた環境にもかかわらず、40歳過ぎても女優業に必死にしがみついている痛々しさ、そんな哀愁も滲み出ている。そして噛みしめるように語る独白も圧巻。
 女優Cが楽屋に戻って来ると、プロンプターをつとめていた女優Dが枕を抱えて現れる。彼女は精神を病み入院していたが、すっかりよくなったから、ニーナ役を返せと女優Cに詰め寄る。枕を腕に抱え、おっとりとした口調。不気味でもあり純真さのような雰囲気も醸し出す。CとDは言い争いになり、女優Cは思わず女優Dの頭を瓶で殴ってしまう。女優Dは起き上がってフラフラと出て行くが、女優Cが楽屋を出ていった後に戻ってくる。今度は亡霊のAとBが見えている。打ち所が悪く死んでしまったようだ。ニーナ役が欲しくて精神異常になった若い女優がまた1人死んだ。
 3人になった楽屋の亡霊は、何かの拍子にやって来るかもしれない出番のためにチェーホフ「三人姉妹」の稽古を始める。

演出は大河内直子女史。数多く上演される「楽屋」、その定評のある戯曲に真正面から取り組む。また演じる女優たちの個性を役に上手く投影ー料理でいえば“素材を最大限に活かし旨味を引き出した”といった演出がうまくハマった。舞台セットは、生死の狭間のようであり、おそらく上演中の「かもめ」舞台へと繋がる動線が生ける世界のように思える。その在り様がしっかり伝わる舞台美術。生と死が溶け合うこの楽屋は、さながら夢幻か幽玄の世界で、舞台に命をかけた女優たちの純粋な魂が輝いている。
感心すべきは、先にも記したが舞台美術と役者の個性の引き出し。光と影といった2項対比の構造が鮮明な公演。「表舞台の華やかさ、裏舞台という廃墟のような楽屋」「主演女優とプロンプター」「生者と死者」に見る、女優という職”業”の凄まじいまでの深淵を覗かせる。表舞台に立てない名もなき女優の怨念が漂う「楽屋」。しかし決して恨み辛みだけではなく、軽妙な会話、前向きな思考、そして死してもその存在を主張するかのなうな振る舞いに勇気がわく。

コロナ禍という厳しい状況下において、公演を催行するのは並大抵のことではないと思う。この2年余りに劇場は潰れ、演劇も衰退すると危惧する演劇関係者が多くいたと聞く。これまで培ってきたものを諦め、ひとり、またひとりと文化芸術関係の場所から離れていった方々、そう思うと「楽屋」の必死に役に喰らい付こうとしている女優魂の気高いこと。 頑張れ演劇界!
次回公演も楽しみにしております。
グッドピープル

グッドピープル

株式会社NLT

博品館劇場(東京都)

2019/07/18 (木) ~ 2019/07/25 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

昨日、鑑賞してきました。戸田恵子さん、木村有里さん、阿知波悟美さん、小泉駿也さんの掛け合いが最高!!サヘル・ローズさんもとても美しく役柄にピッタリ、長谷川初範さんはダンディでしたが、役柄的には少し弱かったかも…でも、素敵でした。
貧困と差別、置かれている場所で生きる人、過去を踏み台に生きる人、アメリカ社会の縮図とも感じるお話しですが、日本に住む私達にも共通な普通の人々のお話しでした。

ネタバレBOX

私的には、白人マーギーと黒人ケイトの掛け合いの場面が最高に良かった。
黒人社会は、白人と闘って黒人の権利を勝ち取って来た。一方、白人であるマーギーは、社会の底辺で生きている。誰かと戦い変化を求めるのでは無く、自分の置かれた場所で、自分が出来る事を選択して生きている。また、ジョディの父であろうマイクは、隠れ差別主義者である。貧困からの脱却に黒人(ケイトの父)の権力を利用している。クリニックの受付嬢も白人では無いようだ。でも良き父であり、夫であろうとする姿もまた、彼である。アメリカ社会の縮図なんだろうと感じるが、貧困や差別はこの日本にもあり、十分に共感できる舞台でした。
ドント・コールミー・バッドマン

ドント・コールミー・バッドマン

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイトルの意味がようやくわかりました。

ネタバレBOX

3つのストーリーが展開され、必ずそれらはつながるはず、と期待し、だんだんと予感していたのですが、そうかそうつながるのか、と腑に落ちました。そのそれぞれ1つのストーリーに、濃厚なメッセージが込められていました。全体のストーリーがつながったとき、そこに広がりと奥行きの大きさを感じました。演技がとっても熱かったですね。セリフの重みがずしんと響きました。

このページのQRコードです。

拡大