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「戦争童話集」〜忘れてはイケナイ物語り〜

「戦争童話集」〜忘れてはイケナイ物語り〜

椿組

雑遊(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

野坂昭如の「戦争童話集」の収録…実は本で読んだこともなく、本公演で初めて知った内容だが面白い。椿組では昨年も上演しているらしく、今年は構成・脚本・演出を今井夢子さんが担当。「野坂(原作)作品4編」、それを椿組オリジナルの「歌劇団な二人」が野坂作品の夫々の編を繋いでいく。

説明にあるとおり、日本各地に戦渦の爪痕は残り、人々の心に深 く刻まれている。しかし、その記憶も失われ、もっと言えば風化しつつある現在、この作品の問いかけている問題は「現在」 の課題として考えなければならないテーマでもある。 今回は、朗読、演劇、ダンス等・・様々な表現方法 を駆使。
内容的には重たいが、観せ方は軽妙で楽しんで観られる。逆に、その楽しんで観られることに危惧を感じた。全体的に漫画風のようで、軽い楽しさに重い内容が流されてしまったように思う。楽しみながら”想い”を知る…が、自分の想像した「戦争童話集」とはイメージが少し違った。
当日パンフに今井夢子さんが、「・・忘れてはイケナイ戦争の物語を、悲惨さを伝えるのではなく、別の角度から伝えてみたい。椿組の愉快さや多種多様さと通して描いてみたい」とあったが、その想いと自分の想いがフィットしなかっただけ。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

野坂昭如4作品は、「アメリカひじき」「僕の防空壕」「ウミガメと少年」「像のいる動物園」、そして劇団オリジナルの「歌劇団な二人」。
舞台美術はそれぞれの編によって変化する。冒頭(上演前)は野坂昭如のファッションを思わせる山折れ帽子、スーツを吊るした傀儡人形。それを野坂に扮した外波山文明氏が摑まえようとするが、動いて捕まえられない。野坂がスルッとすり抜け容易に本心が解らないといった意味か。

「アメリカひじき」(俊夫:田淵正博、京子:山中淳恵、他)
少年又は青年時代に敗戦を経験した男、妻がハワイ旅行中に世話になった初老のアメリカ人夫婦を自宅に招くが、敗戦直後の占領軍に対する一種のコンプレックスを呼び覚まされる物語。ひもじさで米軍捕虜の補給物資をくすねたブラックティー(紅茶の葉)を「アメリカのひじき」だと勘違いして食べた惨めで恥ずかしい思い出など、後年時のアメリカ人への複雑な心理と重なる様を描く。

「僕の防空壕」(父:趙徳安、少年:長嶺安奈、他)
出征する前にお父さんが掘った防空壕の中で、少年は何故か戦場のお父さんと会う。お父さんと伝令にでたり、戦闘機に乗ったり…お父さんといっしょに戦争をする楽しい時間を過ごす。現実ではお父さんの戦死報が届き、終戦を迎えて防空壕は埋められ、少年はお父さんに会えなる。実は、少年は防空壕の中でお父さんの戦争はまだ続いているんじゃないかと考えている。

「ウミガメと少年」(映像と2人朗読ー外波山文明、長嶺安奈)
終戦年、夏の沖縄の浜辺。 アメリカ軍による激烈な艦砲射撃の中、産卵のためやってきたウミガメ。 戦火を逃れて1人彷徨う少年が見つめるウミガメの産卵。 産み落とされた卵を迫撃砲の着弾から救い出し、洞窟(ガマ)で、ひもじさに耐える少年。 或る日、 誤って踏みつけた卵の白身と卵黄を口にした少年は、守っていた卵を次々と飲み込む。それを知らないウミガメはまた海の中へ・・・。

「像のいるどうぶつえん」(横一列に被り物の出演者全員)
森田芳光監督の映画「家族ゲーム」のように横一列に並んで食事する動物たち。映画は斬新な表現手法と評価されたが、この物語では互いが生きていくためには弱肉強食の世界。上手から水牛、熊、鰐、象、キリン、山羊、ライオンが各々話をしながら食事をするが、ここにいるメンバーの肉ではない。想像するに段々とこの動物(仲間)が姿を消し、最後に残った象はどうなるのだろうか。想像の先は知れている。

「歌劇団な二人」
宝塚歌劇団の代表作「ベルサイユのばら」を思わせる衣装と歌「🎶椿の花咲く~」はもちろん替え歌。先の野坂作品をそれとなく繋ぐ寸劇のようなものを挿入するが、それは平和な時代だからこそ出来る。この公演も原作「戦争童話集」の話を解体し構成し直し、現代版として挑戦している。
最後に「これは忘れてはイケナイ物語り」を繰り返しておく。
次回公演も楽しみにしております。
フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

シアタートラム(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

iaku、2回目の観劇。やはり横山さんの作品は自分の好みなんだなぁと感じた。役者さんたちも好感が持てる方たちばかりだった。

ネタバレBOX

最後の父と息子の落語の場面は素晴らしい。こういう心のやり取りが好きだなぁ。
LaLaフレンズ♬ワンスモア

LaLaフレンズ♬ワンスモア

劇団伽羅倶梨

KARAKURIスタジオ(大阪府)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

外れはない劇場さんなんで、安心して観ることができた‼️ネタバレするといけないので、詳細は言えないが、とても良かった‼️明日仕事を頑張れそうです❗もう一度見たいけど…。

トキワ荘のアオハル

トキワ荘のアオハル

吉本興業

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

普段、お笑いには全く興味がないのですが、たまたま観に行って、お笑いライブとはこういうものかと眺めてきました。筋立てがあるのがちょっと辛い気がしました。普通の舞台とは違う雰囲気なのですね、やっぱり。他の演技の舞台や映像でしっかり演技している方もいらっしゃるのに、なんだか終始ダラダラしているような気がしてしまうのは、こういう場に慣れていない私のせいでしょうか?

24歳のフォーチュン!ウェディング

24歳のフォーチュン!ウェディング

人間嫌い

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日を観劇!24歳、ビミョーな年代の女性の、ビミョーな心理を、絶妙な会話で表現されてて、ちょっと笑えて、おばさんな私には、なんか懐かしい感じになって良かったです!

ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

パルコ・プロデュース

森ノ宮ピロティホール(大阪府)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

改装後はじめての森ノ宮ピロティ。トイレくらいしか変わってなかったように思いますが?
セリフが多くて多くて、どの言葉も力強くすばらしかったです。松井玲奈さん、美しかったです。

後ろの席の男性、開演すぐから最後までイビキがうるさくて、静かだった時間はわずか。こんなことで集中できない私が未熟なのか、寛大でないのか。高いチケット買って、観るも良し、居眠りするのも良しなのか。3列目の中央だったのに台無し。悲しかった。

いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)」

いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)」

劇団☆新感線

オリックス劇場(大阪府)

2021/10/27 (水) ~ 2021/11/11 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつもの新感線よりはやや短めの上演時間でストーリーがわかりやすかったように思います。中村倫也、向井理、竜星涼、イケメンが出すぎて、胸やけしました。中村さん、愛くるしかったです。
トイレの列のさばき方が下手。会場の作りのせいか?

音楽劇 百夜車

音楽劇 百夜車

あやめ十八番

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/10/29 (金) ~ 2021/11/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなりヘヴィーなテーマのミュージカル。社会啓蒙的ですが、エンタメとしても見事で、大いに楽しめましたが、個人的にはあのラストは後味悪いなー。

解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全共闘時代へのオマージュがあるのかな。かなり尖ったエキサイティングな舞台で、大いに楽しめました。

「あの怪物の名は太陽の塔」

「あの怪物の名は太陽の塔」

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これは難しいテーマですね。70年代の設定ですが、状況は今もあまり変わってないのでは。考えさせられる話でしたが、エンタメとしても見事でした。

トキワ荘のアオハル

トキワ荘のアオハル

吉本興業

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

吉本の芸人さん達による、あのトキワ荘へのオマージュな青春グラフィティ。レトロでベタな展開ですが、懐かしさもあって、それはそれなりに楽しめました。

解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

哲学のような会話、
近い将来、こんな風になってほしくない世界、
象徴的な登場人物達、
メッセージを感じる舞台でした!

ネタバレBOX

コロナ下の緊急事態宣言の中、演劇を含めた娯楽が
不要不急に分類されたコト、その事に対するメッセージのように感じました
ベンバー・ノー その意味は?

ベンバー・ノー その意味は?

はえぎわ

新宿シアタートップス(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

お薦め!
もう一回観ることにしました

のばらのばらのばら

のばらのばらのばら

ヅカ★ガール

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/19 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/11/03 (水)

価格2,500円

3日の初日、17 時開演の赤ver(70分)を拝見。

2015年の新宿眼科画廊以来の『のばらのばらのばら』だが、6年の歳月は作者の心境や技量にも大きな変化があったのか、あるいは、女優さん達の持ち味の違いに影響されたのか…。
完成度の高さからいえば、役者陣の力量、作風や結末共に2015年版から大幅にリライトされた本作を挙げる。
だが、個人的好みとしては、たとえ作風が性急過ぎて・青臭くとも、最後の最後まで胸の締め付けられる思いのした2015年版を取るかなぁ。

ネタバレBOX

【配役(赤ver/ピンクver)】
ツバキヤマ・キリコ(某美術大学を休学中の"新進気鋭の天才画家"だった女性)
…石黒乃莉子さん(2015年版で同役を演じた飯塚未生さんを彷彿とさせる好演)/結崎あゆ花さん…
ミカちゃん(シラキ・スミカ。キリコのパトロンを自認する風俗嬢。実はキリコの恩師の隠し子)
…妃咲歩美さん(「ミカちゃん」を実に楽し気に演じている様子に好感)
アカギ・ユリコ(キリコの絵の恩師。自殺している)
…結崎あゆ花さん/石黒乃莉子さん
テシガワラ・マリン(贋作の売買もいとわぬ悪徳画商)
…かまくらあやさん
カラス(テシガワラの配下。贋作画家)
…来栖梨紗さん("男装の麗人"的雰囲気漂うカラス。2015年版を完全に超えたか⁈)
クレプトキング

クレプトキング

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/10/29 (金) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

7月に行われた、中野裕理さん、門野翔氏、石部雄一氏(a.k.a.カガミ想馬)のイベント、『な・か・い・ちゃん』。花奈澪さんゲストの回を観に行った。今思えばまさに今作の予告篇。(七海とろろさんと丸山正吾氏も今作に出て欲しかった。)

幻器(げんぎ)=それを手にした者は超常的な力を手にする事が出来る不思議なアイテム。色々な種類があり、世界に複数存在する。
レン=皇王“芙陽”。この世界の秩序を守る為、王でありながら身分を隠し、幻器を悪用する者達を成敗している。
邏卒(らそつ)=この世界の警察の呼び名。
月斗(げっと)=幻盗ツクヨミ。何でも盗める幻器(盗賊の篭手)を持ったスリの義賊。(演ずるは平山佳延〈よしのぶ〉氏、今作の主人公)。

世界観やキャラクターのヴィジュアルなど、藤田和日郎の『からくりサーカス』を思わせる。“兎”と“月”、女性戦隊ミニスカアクションなどは『セーラームーン』もイメージしているのかも知れない。(一回も観たことがないのでよく判らない。)

開幕早々、ぬるいヒーローショーのような殺陣に不安がよぎる。ただ、シナリオに散りばめられた謎が工夫されており、展開の先が気になって週刊漫画誌のページを捲る手がどんどん速まっていくような気分に。無線機片手の、ウサギの耳を模した仮面男、そのミステリアスな存在感が今作を只のドタバタ馬鹿騒ぎにはさせない。

ヒール、松藤拓也氏のアクションがズバ抜けて目を瞠る。邏卒女子訓練生のミニスカ太腿アクションにも釘付け。花奈澪さんのファンなら二つのキャラが観れるので今作は必見。花影香音さんも印象的だった。主人公の少年時代役、富田大樹(とみだだいき)氏は34歳!嘘だろ?と思う程、少年の純粋さに満ちていた。

ネタバレBOX

時間改変能力の幻器を持つ仮面の男、鵜飼主水氏の行動の目的が今作の要。矢張り、『からくりサーカス』のラストに近いテーマ。作者はきっと好きなのだろう。
過去に遡り、時間改変者と戦う物語。都合のいいアイテムや設定など、突っ込んでいけばキリがない。が、それをよしとさせる少年漫画のエネルギーがある。

花奈澪さんが邏卒を志した切っ掛け、「子供の頃攫われそうになり助けてくれた女の人がボロボロになりながらも自分を守ってくれた。そんな人間になりたいと思った」。まさしくクライマックスの伏線であり、その女性こそ未来の自分自身だったと話が纏まる筈なのだが···、何もなかった。
THE BEE

THE BEE

NODA・MAP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/11/01 (月) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あくまでも寓話としての舞台とは思いつつ、胸糞悪いです。
自戒せよという気持ちにはなります。

ネタバレBOX

あくまでも寓話としての舞台とは思いつつ、私があの母親なら井戸に絶対復讐してやると思ってしまうのでした。
フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

シアタートラム(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

横山拓也の芝居には、いつも、どこか欠けている家族と、どちらかが相手に過剰な思いを抱
いている男女が登場する。舞台設定もいつも風変りだが、今回は落語家になりそこなった老境を迎えようとしている男(モロ師岡)と妻(清水直子)、その長男(杉田雷麟)の家庭である。Iakuの公演は、いつもは関西のあまり知らない俳優がしっかりと良い芝居を見せてくれるのも楽しみだったが、今回は西日本が多いが全国オールスターである。主演のモロ師岡は千葉八街出身。浅草からの芸人。
いつものように(とスッカリ、東京の客も手の内がお馴染になっている)親子の葛藤が芝居の軸になっているが、これまたいつものように、いかにも昔の新派芝居になりそうなところが新鮮で現代のドラマになっている。
今回は初顔の多いキャスティングが功を奏している。モロ師岡と俳優座の清水直子の夫婦などは絶対によそでは見られない組み合わせだろうし、平塚直隆もザンヨウコ(潰れた演芸場の座主)もよくは知らないが、こういう役には縁が遠かったのではないだろうか。俳優お互いの間にちょっと距離感が見えるのも現代的で、新派芝居になるのを掬っている。
落語家になりそこなってアパートの管理人になっている元・落語家にかつての弟弟子(平塚直隆・話の裏の進行役で地味だがいい)に介護ホームでの落語の仕事を持ってくる。はじめは断っていた男だが、つい、その気になって・・・、というストーリーをフタマツヅキのアパートの部屋を盆の上にのせて,回転させながら見せていく。あの、間仕切りのふすまを開けるところが山場だなぁと観客は期待していて、その通りになるが、そこへ行くまではいつもながらうまい。話の中に「落語の「お初天神」を仕組んだところも巧妙だ、たまたま、小三治が亡くなって、NHKの教育テレビでこの演目を見たのも奇縁だった。
どちらかが相手に過剰な思いを抱いている、という事では、今回は上の世代でも下の世代でも女性の方で、そこは、時代だなぁと思う。前の「the last night recipe」と同じようにそれが男の器量を超えていく。しかし、それは結果論で、はじめは、…と作者は若い時の二人も、現在の長男の相手との関係も描いていく。周到である。
出演者ではやはりベテランで、モロ師岡、清水直子。彼らの若い時を演じた二人(長橋遼也
橋爪未萌里)素直なところで初めて見た杉田雷麟。
盆回しに賭けた舞台美術もうまい。1時間55分。拍手鳴りやまず、無粋な公立劇場の終了のアナウンスにめげずカーテンコール。

フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

シアタートラム(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/02 (火) 19:00

iakuらしい、しみじみとした「いい話」だった。115分。空席があるのが勿体ない。観るべし!
 iakuの芝居には、基本的に「悪い人」が出てこないのに、さまざまな行き違いでトラブルが起こるという物語が多い。本作もその流れで、休業中の売れない落語家とその妻を軸に、さまざまな人々のアレコレを描く。それぞれが相手を思いやっているのだが、それがストレートに出せなかったり、反発という形で表されていたりするあたりも、あーそーゆーことってあるよなぁ、と思って、横山拓也の作劇の妙が光る。3組のカップルが出てくるのだが、その収束の仕方が巧い。個人的にはザンヨウコの思いが切ない。
 美術は4畳半二間続きの部屋を回転させて使うのだが、まっすぐにせず微妙な角度で見せるあたりも巧い。もちろん照明も見事。

THE BEE

THE BEE

NODA・MAP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/11/01 (月) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/01 (月) 19:00

何度も上演された作品が、新キャストで充実した。スゴイ。75分。
 筒井康隆の小説「毟りあい」をベースにした「いやな話」だが、普通の人が悪人に変わる瞬間と、異常が日常になる瞬間は強烈である。夢の遊眠社・野田地図を通じて初めて野田が出演せず演出に徹した。
 キャスティングが見事にはまっていたと思う。メインの安倍サダヲはピッタリな印象。何回か舞台を観ている長澤まさみだが、これが見事に役にハマリ、ちょっと美し過ぎるという感じもあるが(とにかく足が長い!)、無言での演技も強烈だ。これほど巧い人だったのかと驚いた面もある。川平慈英は軸になるいくつかの役を演じ分けるのだが、これが実に巧みで、瞬時に役が変わるあたりは巧さが見える。河内大和も独特の風貌を活かしつつも、周辺の役を巧くこなしている。身体能力を求められる戯曲なので、世代が少し変わったことで、新たな魅力を見せてくれたと思う。
 客席の反応から、今回初めて見る人が予想外に多い気がした。初日ということもあって、拍手がなりやまずカーテンコール6回。もう1回観たいけれど、プラチナ・チケットで無理だろうなぁ(;/_;)。

音楽劇 百夜車

音楽劇 百夜車

あやめ十八番

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/10/29 (金) ~ 2021/11/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良くできていたという印象です。内容はあまりにみんなが可愛そうで…個人的には、少しは救われる要素がほしかったですが、とにかく迫力もあり歌もとても皆さんうまく、素晴らしいエンターテイメントに仕上がっていたと思います。時間もそこそこあったのにその長さを感じさせない、あっという間の3時間弱でした。また皆さんを拝見したくなりました。次回も期待しています

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