最新の観てきた!クチコミ一覧

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A Bright New Boise

A Bright New Boise

spacenoid

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2024/05/10 (金) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/17 (金) 14:00

100分。休憩なし。
キャスト:竹尾一真、松本紀保、福永マリカ、荒木健太郎、大野瑞生

世界ギュルルン滞在記

世界ギュルルン滞在記

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高!お世辞抜きで素晴らしかったです。「そうくるか!」という話の展開で終始眠くならずに観ていられました^^ 脚本も演出も演技もバッチシです。最高の時間をありがとうございましたm(_ _)m

偽侍の源一郎

偽侍の源一郎

いげた屋

北千住BUoY(東京都)

2024/05/17 (金) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当に面白かった。
ダメ男がダメなことしてバチが当たるってだけの話だったハズなのだけれど、なんであんなに魅力的だったのか。

人間が濃厚な作品でした。
役者さんたちも良かった。

マンザナ、わが町

マンザナ、わが町

創造ユニットTaiyo

シアター711(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

リンカク

リンカク

下北澤姉妹社

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

やはり場内に入って目を奪われたのはこのセット。とはいえ、本編でのセットの使い方は、始まる前から過剰に肥大していた期待感を上回るとまではいかなかったのだが、決して分かりやすい展開とは言えないこのお話のリンカクが、ラストに向かって段々定まってくるのは、なかなかスリリング。

達磨さんは転ばない

達磨さんは転ばない

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/17 (金) 14:00

現場のドタバタを面白おかしく描いたコメディーかと思いながら劇場に向かったところ、私の勝手な先入観は大外れでした。我々の心の中にある扱いにくいこと、触れて欲しくないことを敢えて扱った重苦しい心理劇。見ているこちらも修行。しかし、どんでん返しがあるたびに(←何度もある)ステージに深く引き込まれていく、見応えのある作品でした。

世界ギュルルン滞在記

世界ギュルルン滞在記

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

お昼の公演に行きました。
芸能界の裏側?というか人の裏側が見えて、面白かったです。
ドキュメンタリーって大変だなぁ・・・。

あ、でも最後の「実は、・・・」の部分、ちょっとやりすぎって感じでもやもやしちゃいました。

飲める醤油

飲める醤油

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2024/05/16 (木) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/17 (金) 14:30

座席1階

老舗の醬油醸造業。先代が亡くなり、息子が継ぐことになった。舞台は息子が2人の女性従業員にしょうゆを造る現場を案内されるシーンから始まる。
女性たち(見た目はとても若い女優さんだが、ベテランという設定か)は息子を「坊ちゃん」と呼ぶ。息子がまだ小さいときによく工場に連れてきたことを覚えているから「坊ちゃん」なのだが、どう考えても若すぎて、その場面を覚えている2人ではない。まあ、そういうところからギャグが始まるのだが、笑いのポイントが連続していて、まるでお笑いバラエティーを見ているような錯覚に陥る。
だが、こうした笑いのポイントの連続が80分後の終幕までずっと途切れることなく続いていくのだから相当な脚本のパワーだ。ここがまず、すごい。
前説で作・演出の関村俊介が登場し、「他の劇団でやってはダメですが、うちの劇団では笑いたくなったら本気で笑って」と言った理由がよく分かった。確かに、笑いのポイントはお客さんによって違う。劇団側も「ここは笑うところではないでしょう」という雰囲気があるので、1人だけ笑ってしまったら何となく気まずいのだが、あひるなんちゃらの舞台では全く気にする必要なく笑ってくれ、と。この緩やかなところが魅力なのだろう。
そして、笑いの変化球というか、「こう来たか」と驚いて笑うところも織り交ぜてある。子ども食堂に来る「子ども」を「あなた、子どもじゃないでしょ」と追い返そうとするが、デジャビューのように登場するシーンでは同じ役者が攻守逆転したトークを繰り広げる。

楽しい80分だ。ふらっと当日券を買って、すき間時間を楽しめる。下北沢にはこんな演劇集団があるところが好きだ。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

diamond-Z

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2024/05/16 (木) ~ 2024/05/18 (土)公演終了

実演鑑賞

面白い。
なるほど、何度も上演されてきた作品なのもうなずける。

ただねえ・・・。

ネタバレBOX

人前で妻を、あれだけ高圧的に威圧。
しまいには歴とした暴力。というのは、修正しないと到底受け入れ難いものがあるなあと感じました。
今は勿論のこと、この脚本が書かれた08年でも、かなりはずれた人な気がする。

携帯代6万円というのも隔世の感がありますなあ。
世界ギュルルン滞在記

世界ギュルルン滞在記

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/17 (金) 13:00

楽しい脚本です!ドダバタ感が気に入りました!

世界ギュルルン滞在記

世界ギュルルン滞在記

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
タイトルから、TV放送された世界紀行ドキュメンタリー番組のようなイメージを持っていたが、内容は 社会に蔓延る差別や圧力といった不条理を描いた風刺劇。勿論 TV番組を意識しているが、表層の面白可笑しさだけではなく、間口の広さや奥行きを感じさせる好公演。内容は示唆に富んでいるが、更に この番組制作自体のことが…。

スラップスティック・コメディのように体を張った(表現)場面もあるが、そこにはしっかり観せておくといった意味があり、物語を展開する上での伏線になっているよう。
総じて若いキャスト陣だが、滋味ある表現と飛び跳ねといった躍動感、その硬軟ある演技が物語を魅力的にしている。

ドキュメンタリーということもあり、訪れる村の地理的・人間的な雰囲気を醸し出そうと工夫している。それが衣裳でありメイクである。そして村の祭りの見せ場として、或る玩具を使った遊びをする。その ちょっぴりドキドキする観せ方が、観客の集中力を高める。舞台としての遊び心であろうか?
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は階段状になっているだけの ほぼ素舞台。正面壁(オフホワイトの衝立2枚)には枝葉が茂り密林イメージ。その奥にある村へ探検取材といったイメージがドキュメンタリー番組のパロディイメージ。

表面的な面白さ・・取材するのは芸人アベックとスタッフ2人の計4人。現代世界から絶縁したような村(場所)では、外の世界と情報や文化的な繋がりはない。また上級・下級民といった差別(もしくは奴隷制)、村長への貢ぎ物といった前近代的(封建的)な名残り。まるで江戸時代へタイムスリップしたような感覚。

裏面的な面白さ・・売れていない芸人アベックが取材するという話題作り、見返りに村(長)には内密の金が流れ といった不実。さも 村が実在するかのような偽ドキュメンタリー番組。劇中で番組制作といったオチで、映画「鎌田行進曲」といったところ。カチンコが鳴ったら夢物語から現実の世界へ逆戻り。ヤラセ番組制作を鋭く皮肉ったコメディ。

公演は、偽番組中の考えさせる内容そのもの と物語全体の構成、その二重の(良い)意味での裏切りが見所。そして売れない芸人アベックの恋愛の駆け引きとその真偽、呪術的な場面等を挿入し飽きさせない工夫が好い。また新嘗祭におけるイベントがキャスト全員による<けん玉>とは…遊び的な要素が多いのも、特徴の一つ。

村人のメイクや衣裳の凝りよう、擬人化したモンキーのしぐさ、村長の怪(妖)しき雰囲気など、直截的な面白可笑しさも楽しめた。勿論 雷鳴、アラブ風の音楽といった音響・音楽や照明の諧調など舞台技術も効果的だ。全体的に楽しませよう、そんなエンターテインメント作品だ。
次回公演も楽しみにしております。
楽屋−流れ去るものはやがてなつかしき−

楽屋−流れ去るものはやがてなつかしき−

劇団 新人会

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2024/05/09 (木) ~ 2024/05/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観劇初心者の私には衝撃な舞台でした。
楽屋の中で繰り広げられる出来事を楽屋の中の一部として観劇する。役者さんが真横や真後ろで演技
ドキドキの連続でした

天の秤

天の秤

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/29 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/03/31 (日) 17:00

昨年の初演時に千穐楽での観劇を予定していたのだが、コロナ禍で楽前日と楽日だけが中止となり、観ることができなかった作品。
劇団としても出演者やスタッフにしても無事着陸できなかった無念が残っていたのだろう。幸いに7ケ月半を置いて再演となったが、私も懲りずに(笑)今回も千穐楽を予約。

大阪万博が開幕して2週間後の1970年3月31日、JA8315号機(愛称「よど号」)は羽田から板付(現在の福岡空港)へ向けて、普段どおり運航されていたが、赤軍派を名乗るグループによってハイジャックされた。これが日本初のハイジャック事件、いわゆるよど号事件である。
実は赤軍派が使用した日本刀・拳銃・爆弾などは、すべておもちゃや模造品であったことが後に判明しているし、まだ飛行機での旅行が珍しかった時代であり、当初の予定日の搭乗時刻にメンバーが遅刻して延期されたことなど、今から考えるとお粗末な事件ともいえるが、当時高校1年生だった私には緊迫したTVニュースの画面に釘付けだった記憶がある。犯人グループの「われわれは明日のジョーである」という声明も話題になった。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

離陸前の機内アナウンスを模した前説から物語が始まる。

主な舞台はよど号の操縦室。ここでの機長や副操縦士と犯人グループの田宮とのやりとりが太い幹となり、ここにスチュワーデス(まだ当時はCAやFAなどという無味乾燥な言葉は使われていなかった)や対策本部の状況等が枝葉として重ねられていく。
操縦室には当然航空機関士も居たはずだが、ハイジャック後すぐに拘束され犯人グループとの交渉にもタッチできなかったため、劇中には登場していない。

劇中で犯人からスチュワーデスの一人が「カラマーゾフの兄弟」を借りて、それによって左翼思想に共鳴を覚えていく場面があるが、実際に「カラマーゾフの兄弟」を借りて読んだのは当時は聖路加国際病院内科医長の日野原重明だった。

金浦国際空港では山村新治郎運輸政務次官が人質の身代わりになって搭乗して北朝鮮へ行ったことで男を挙げたが、これが自らすすんで人質になったのではないことや、運輸大臣の橋本登美三郎と中曽根康弘とのまるで他人事のような電話のやりとりなど、当時は知られていなかったエピソードも盛り込まれている。
また、機長がその後女性問題でJALを追われることになったこと、山村が精神疾患を患っていた次女により刺殺されたことなどもそれをうかがわせる会話を劇中にさりげなく織り込んでいる。
このように、吉水恭子の脚本はよど号事件に関わるさまざまな事柄を要領よく採り入れて、人間ドラマとしても厚みのある内容に仕立て上げている。

因みにタイトルとなっている「天の秤」は「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」という言葉とともに剣と天秤を持つ正義の女神が司法、裁判の公正さを表す象徴・シンボルとされていることによるものだ。

まさに息つく暇も与えない2時間弱だった。
リンカク

リンカク

下北澤姉妹社

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

スズナリお似合いの80年代懐かし小劇場の舞台である。
劇団の「下北沢姉妹」の表記のいまならシモキタだろう。主宰者は当時、青年座の一点美女の娘役であった西山水木、演出は懐かしの離風霊船(劇団名だぞ!リブレセンと読む。)の伊東由美子。舞台は当時はやった舞台なしの構成舞台スタイル。物語は唐十郎ばりの謎の母子、父子関係に日々の生計のつながるレストランの経営の師匠、弟子関係、今時はどこをとっても、畏れながらと、訴え出られそうな関係で、主人公の女性が生きていくドラマが演じられる。筋立てにはあまりこだわらず、女性ならではの視点からの印象スケッチもあり、当時はやった舞踏も取り入れられていて、いまのチェルフィッチュ風なシーンもある。あれこれ取り入れられ消化されているが、今の人たちはもうこの手は使わない。
西山も伊東もそろそろ70歳が見えてくる頃ではないか、人生でも舞台でも苦労したなぁ、という実感がしみじみと感じられる舞台である。つかとか鴻上とか如月とか、一世を風靡した人たちを支えた、時流に僅かに乗り損ね、生きそびれた人たちを優しく包むような舞台であった。1時間50分。

リンカク

リンカク

下北澤姉妹社

ザ・スズナリ(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

皆さんセットにコメントしていますが、本当にこういうのもできるんだというセットでしたね。素晴らしかったです。内容はなかなか複雑な事情の登場人物でそれぞれの心情は推し量りきれませんが、皆さん表現されていたと思います。終演後優しい気持ちになれるそんなお芝居でした。良い時間を過ごせました。

達磨さんは転ばない

達磨さんは転ばない

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。とにかくお芝居に迫力がありますね。現代の問題と言うかどうかなと思うところにもちょこちょこ切り込みながら、全編しっかり筋の通った内容で、最後まで一気に見られました。元気になるお話お芝居だったと思います。

達磨さんは転ばない

達磨さんは転ばない

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
物語は、子供の頃の「だるまさんが転んだ」のように無邪気に遊ぶという訳ではなく、大人になることで色々な柵で己を見失ってしまう。よく言われる建前と本音を使い分けて うまく立ち回ろうとするが…。過去に縛られた人々の心の解放が描かれているような人生応援(歌)譚。人生再生という意味で「達磨さんは転ばない」は、登場人物全員に当てはまるもの。

説明にある、映画監督の金本達磨がSNSでキャスト募集のオーディションで選考した人々との剣吞な会話が肝。そして 闇を抱えているのは、集まった人たちだけではないような展開へ。「だるまさんが転んだ」の遊びは、「一対多」で行うもので オーディションそのものの構図。監督(一)によって闇の過去が暴かれ、否応なく己と向き合わざるを得なくなった人々(多)の慟哭、同時に映画製作に係る現代的な問題、さらに政治問題へ間口を広げる。

物語は、オーディションで集まった人々の過去や苦悩、その理由や原因とは? そして個性豊かなキャラクターが ぶつかった丁々発止が面白い。一人ひとりの見せ場があるため、人物像は分かり易い。そして最大の関心ごと…本当に映画を撮るのか、配役はどうするのかといった結末へ興味を持たせる。人間ドラマであり、点描する時事ネタによって社会ドラマの様相も帯びる。見応え十分。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に板網状の衝立、その前に黒ソフと脇に片目が入ったダルマ。両側が門柱のようで、上手は「燃やせ闘魂」そして壺が置かれ、下手は「達磨」と書かれた掛け軸。そして観葉植物、微妙に異なるが左右対称の造作。

冒頭、子供時代に遊んだ<だるまさんが転んだ>、それが大人になると純真、無邪気ではいられない。一癖も二癖もあるような人間が或る仕事に応募してくる。キャバ嬢、女優志望、刑務所帰り、フリーライター、元中学教師、引き籠り等で、何らかの理由で 過去を詮索されたくない人々。一方、求人をしたのは有名映画監督で、次回作のオーディションという名目である。求人の条件は、経歴に噓偽りなく詳細を書くこと。これによって個々人の過去が知れ、監督との面接(問答)で自分自身を曝け出すことになる。潜在意識のように閉じ込めていた感情、それが溢れ出ることで己を解放していく。生きるためには目標を持つことーこれが自己啓発セミナー的な時間潰しの説明かなぁ。

監督の名は<金本達磨>、その男か女か判然としない名前に戸惑い。過去に何度も映画賞を受賞しているが、自分が目指す作品(内容)でないことに苛立っていた。次回も芸能事務所やスポンサーの意向が…。そこで映画界の柵のようなルールを逸脱してでも、自分のやり方で制作する。監督自身もある呪縛から解放されたいと思っていた。

物語は、この監督と応募してきた人々、その立場を超えての自己解放と自己(夢)実現を描いている。それぞれの過去の出来事、性格の弱さなど汚点・欠点を洗い浚い喋る場面が圧巻。そして職業人である監督は、ある思惑 仕掛けを考えているよう。それによって映画の撮影中 劇(物語)のようにも思える。オーディション自体を隠し撮りし ドキュメンタリー風にした斬新な映画制作か。そして時々姿を現すプロデューサーor刑事?(村手龍太サン)の謎めいた存在も妙。この二転三転したような展開、そして心情吐露という重苦しい場面と面白可笑しい場面、この真逆のような観せ方も巧い。監督の強かな企み…<達磨>さんは転ばない、だろう。

舞台技術は勇壮な音楽、そして照明は 情景変化を表す全体的な諧調、心情を効果的に表すスポットライトなど、巧みな変化で印象付ける。
次回公演も楽しみにしております。
略式:ハワイ

略式:ハワイ

劇団スポーツ

OFF OFFシアター(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/16 (木) 19:00

観るのが3度目のユニット。2017年作品の再演で、一種のタイムスリップものだけど面白い。(10分押し)92分。
 初演は観てない。悩み多き高校生活を送る山戸(内田倭史)の前に現われたのは10年後の自分(田島実紘)で、山戸がしようとしている決断を「後悔するから」と言ってやめさせようとするが…、の物語。時間軸を何回も戻ってやりなおしができる、という無茶な設定が巧くて、笑って観ていられるのだが、終盤の切ない展開が急でちょっと驚く。いい話、になりきれない所が勿体ない。ただし、教師が暴力で部活を強くする、って、10年前だとしても、いつの話だよ、とかは思う。
 入場のハンドリングで手間取り、ダダ漏れ的に10分押し。このままでは帰りのバスに間に合わない、というのが気になってしまい舞台に集中できなかったのが悔しい。

除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。

除け者(ノケモノ)は世の毒を噛み込む。

キ上の空論

新宿シアタートップス(東京都)

2024/05/09 (木) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「性に支配される人々の末路」

 承認欲求を満たすためにグレーな商売に手を染める主人公と彼の顧客の姿から、性や家族のあり方を問う力作である。

ネタバレBOX

 17年間家に引きこもっていた37歳の正木円治(藤原祐規)は、篠田純(山口快士)の斡旋によりカップルの依頼で女性パートナーを寝取るというセックスワークに従事している。依頼者はさまざまで、パートナーの歌音(平野紗貴)が円治に寝取られている様子をアイマスクをして聞き耳を立てている太郎(家入健都)や、付き合った当初から妻の三崎キョウ(小松原怜香)を誰かに寝取らせることでしか満たされない星野波瑠(田名瀬偉年)など、倒錯した性癖を持ち合わせている人物たちである。

 情事を終えた円治は三崎に引きこもりになった理由を打ち明ける。彼は小学校5年生のときに担任の汲田先生(藍澤慶子)から注目を浴びたいばかりに優等生めいた行動をしたことで、同級のキヨシロー(小野塚渉悟)らに目をつけられクラスから浮いた存在になってしまい、学校に行けなくなってしまったのだ。円治は社会からの承認欲求に飢えており、それを満たすために寝取り屋をしていることがここで明かされる。

 あるとき円治は三崎と星野から、子どもを作りたいので精子提供をしてほしいと持ちかけられる。戸惑う円治だったが相談した篠田や太郎、歌音にそこまで重く受けとめるなと返され、子どもに父親であることを明かさないことを決めて依頼を承諾する。自分が社会から必要とされていることに満たされた気持ちになった円治は、以降も数名の依頼を受けて精子提供を行い、ある日ネットゲームで知り合ったハンドルネーム「イワクラッシュ」(南出めぐみ)の紹介で「エース」(藍澤慶子・二役)という女性を紹介される。汲田先生の面影を感じる彼女の登場に円治ははからずも浮き立つが、これが思わぬ悲劇を生むことになる。

 本作第一の魅力は手際よい舞台展開である。円治を演じた藤原祐規以外のキャストは何役か兼ねて円治の現在と小学校時代、そして三崎と星野のカップルの現在と高校時代(演じたのは 小町実乃梨と板場充樹)を並行して描く。重いテーマながら手早く目まぐるしい展開のため、消化不良を起こすことなく2時間ちかく観続けることができた。これで円治が寝取り屋をしている動機と三崎・星野カップルが円治を頼る理由はわかったが、やや過剰で説明的になってしまった感は否めない。いっそ円治もしくは三崎・星野カップルのどちらかを重点的に描いたほうが論点がスッキリしたと思う。

 くわえて、長いあいだ引きこもっていたわりにはすでに評判のいい寝取り屋になっている円治が、オンラインゲームのオフ会で出会った篠田からの提案を受けどのような遍歴を経てきたかや、小学生時代の回想でちょっとだけ出てくる母親[平野紗貴・兼役]との葛藤も描かれていなかったため、円治の人となりを把握することが難しいと感じた。周囲の状況に流されるまま寝取り屋から精子提供者になった円治の浅薄さをリアルに感じることができなかったのである。そのため円治との関係を知り激怒した夫からDVを受けたエースが病院に運ばれた報を受けてのイワクラッシュの批難が、私には理不尽かつ一方的に感じられてしまったし、最後に天から赤ん坊の人形を数体落として円治の胸の内を描く演出も今ひとつ腑に落ちなかった点は残念である。

 性行為の描写をフラフープを使い戯画化したり、円治がトイレで精子を採取した様子をカプセルを出して描くなど、デリケートなテーマをライトに描いたところは独特であり、私はユニークと思った。ただしこうした描写に違和感を抱く観客もいただろうし、いじめやDVの話題も入ってくるため、事前のアナウンスは必要だったように思う。
象

9PROJECT

上野ストアハウス(東京都)

2024/05/16 (木) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

別役実さん25才時の作品
圧倒的な台詞量
この公演で役者辞める
小川智之さんの覚悟が凄かったです
日曜まで
お薦め

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