最新の観てきた!クチコミ一覧

17801-17820件 / 183067件中
夜半、涔々と。

夜半、涔々と。

actors team Re-birth

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

今では「書簡」を用いることが少ないであろう。それを敢えて往復「書簡」朗読劇にした拘りはあまり感じられず、書簡にしては整いすぎた話だ。
他劇団を引き合いに出すのは如何かと思うが、その時は明治から昭和期にかけての作家の書簡を朗読した。昔の書簡は現代の通信手段(メール等)と違い、配達という日数を経て相手方に届くから、リアルタイムでの意思疎通は考えられない。作家の書簡は必ずしも相手の内容に沿った返信ではなく、横道に逸れたり新しい話題を書き記す。そこに時間の経過という往復書簡の面白味が出て、作家同士の機微に触れるやり取りの味わい深さが滲み出ていた。
本「夜半、涔々と。」は、男女の十数年の書簡のやり取りだが、あまりにも相手への直接的な返事や回答で「書簡」としての余白のようなものが感じられない。語りこそ書簡風だが、会話劇のように思われた。話の内容は面白く、役者の朗読力、場面転換の間合いも上手いが、書簡としての構成が整然とし過ぎていた。変な表現になるが”脚本力”があり過ぎたというべきかも知れない。それとも、やり取りした書簡(LINEか? )を纏めた回想劇だろうか。

朗読とは直接関係ないが、「チラシ」に観客(個人)の名前を書き、コメントとサインを記する温かな心遣い。まるで書簡イメージだ。
(上演時間1時間30分) 【真鶴編】

ネタバレBOX

舞台は朗読劇であるから2脚の腰高スツール。その間にユリの花を生けた水盤。実は書簡のやり取りをする女性の名はユリ(漢字表記かは不明)で、シャレた演出である。

物語は、中学3年生の秋頃から受験時期迄の半年余りが第一場。男子生徒(カズ・ニケルソン サン)が学校で苛められており、それを2年生の時に転校してきた女子生徒(笹木奈美サン)が見ており、手紙を出す。郵便ではなく直接 男子生徒の自宅ポストに投函する。2人とも友達と呼べる生徒はおらず、自然と親しくなっていく。チラシには劇中語解説が書かれているが、ロケーションは北海道函館市である。極寒、雪虫、弥生坂そしてクリスマス風景が見えてくるようだ。2人の生い立ちも説明され、女子生徒は神奈川県のヤクザ一家の娘で、一時的に函館の学校へ転校。男子生徒は両親が彼を残し失踪、祖母に育てられている。女子生徒と親しくなったことで、苛めはされなくなる。

第二場は、二十歳の時に偶然 東京で再会し付き合いだす。ヤクザの娘という世間の冷たい目に晒されながらも必死に生きてきた女性。一方、男性はバイトをしながらバンド活動をしている。2人の慎ましやかな生活が浮かんでくる。第一、第ニ場も2人は直接会って食事をしたり、そのうち半同棲までしている。その感想めいたことを書簡形式にする不自然さ。

第三場、男は音楽業界で売れっ子になり、日本各地でライヴ活動をする。彼女との書簡のやり取りが、彼の音楽活動の源。自分の内省を音楽にしており自分のことだけという狭い世界観に彼女は批判的。もっと広い世界へ羽ばたくように諭す彼女との精神的交感に、結婚を決意する。しかし業界の反社会的風潮の前に彼女は…。

物語は2人の心情はもちろん、風景や季節感も感じられる。何か所かの読み間違えや噛みはあったが、気にするほどではない。時に東日本大震災時の状況も絡め、現実感をも漂わす工夫もよい。それが場面ごとにスーと流れるように紡がれ、言葉(台詞)と一瞬の間合いで時の経過を表現している、が少し無理がある。
次回公演を楽しみにしております。
INDEPENDENT:21

INDEPENDENT:21

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/11/25 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

満足度★★★

面白のもあれば、うーん😔というものも…😓ここから大きくなって行くのかな?

嫉妬深子の嫉妬深い日々

嫉妬深子の嫉妬深い日々

U-33project

王子小劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/11/26 (金) 18:00

この劇団を観るのは3作目だが、王道のコメディタッチで面白い。95分。
 高校卒業後初めての同窓会に集まる女子たち。それぞれのキャラクターを紹介する序盤の回想シーンでは、軸である嫉妬深子が体操服で現われ、興味深いキャラクターを見せる。嫉妬深いと言うより子供っぽい、自己中心的と言った方がいいように思うのだけど、そんなこんなの誇張されたキャラクターの女子たちが紡ぐ物語。高校生時代の回想と現在が激しく飛ぶ展開だが、ストーリーテラーのメイ子を深子だけ仇名で呼ばれるのだが…、の仕掛けが巧い。
 この劇団は『むむちゃん』『コロス県自殺市呪い村四丁目』と2作観たが、演技はいいのに脚本がダメだと思ってた。今回は脚本も良く、演技は更にいい。興味深い劇団だと思った。
 深子を演じた平安は、ほぼ全編回想シーンでの登場で体操服。本当にお疲れ様でした。劇団route(C)の主宰だそうだが、そこも王子スタジオで観て(『戯れ、ゴト』)、可能性を感じた。次にやるとき、観てみたいな。

飛ぶ太陽

飛ぶ太陽

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

久しぶりの熱い舞台を観た☆
主役!?だと思うが、坊主頭の男優さんが素晴らしく良かった☆
舞台美術は、いつもに比べてちょっと寂しい感じがした。

嫉妬深子の嫉妬深い日々

嫉妬深子の嫉妬深い日々

U-33project

王子小劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 役者は全員女性。メイコ役、深子役の演技が気に入った。

ネタバレBOX

 板は中央に階段を設えた二段組。上段の上手・下手には途中に屈曲部を持つ大きな衝立が目を惹く。ホリゾント中央の衝立の間と上手・下手に袖を設えて出吐けを3カ所設けてあり丁度客席からみて3角形の出捌けがあるのは観易く合理的だ。因みに下手の衝立には格子状の図形が描かれて抽象的・幾何学的な思考や生活態度のメイコを象徴し、上手の衝立には暖色系の色を多く用いた抽象画のような文様のようなものが描かれていてこちらは深子や若い女性達の変容するメンタリティーを象徴していると思われる。板上段に1つ(青)、下段に下手から(槐)、(イエロー)、(黄緑)の箱馬が置かれている。これも若い女性達の感性と対応していると思われるがこの関連は余り明確に関連付けて用いられたとは思えなかったのがちと残念だ。脚本・演出は同じ方がなさっているようだが全体として一本調子に推移した感がある。もっとそれぞれのキャラクターに社会性(例えば経済的格差や親の社会的位置からくる生育環境差のような下部構造を通じて生じる上部構造格差迄読み込むことによって必然的に見えてくる格差を含む)を作家が見据えないと何時迄も表層しか描けまい。せめて中層、下層迄キチンと分析できた上で表層を描けなければどうしても本質的な対立項は生まれない。その結果の同質性はドラマツルギーを生み出し難いからだ。
 評価すべき点は2人の登場人物メイコと嫉妬深子は共に仇名で本名で呼ばれることは無いという仕掛けを拵え、ラスト部分以外には仇名でしか呼ばれなかったメイコと深子が互いに本名で呼び合うことでアイデンティファイし合うという所迄描いたこと。ところで深子が最も嫉妬していたのは、一見不愛想でありながら物事の本質を誰より良く弁えており、それをベースに的確な人間関係を築くだけの世間知を持つ転校生(役名は観てのお楽しみだ)に対してである。謂わば外部の目を持つ人間に対してだった。序盤から海へ行きたがる深子の‟深“という文字には生命の誕生に対しての遠い記憶、女性と海(潮の満ち干)との親近性、胎児の育つ環境である羊水の成分が海水に近いこと等々様々な意味も直ぐに惹起されよう。然し深子の場合には、それを外部から眺める視座が無かった。この欠如こそ彼女が転校生に対して最も大きなコンプレックスを持った原因であったろう。深子が矢張り終盤以外には体操着で登場するのもトレーニング中を意味しているのではないか? つまり一人前では無いということだ。だがこれだけでは弱いような気がする。この辺りで階層差を描き込むと更に面白い作品になったのではないか?
嫉妬深子の嫉妬深い日々

嫉妬深子の嫉妬深い日々

U-33project

王子小劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

U-33project初観劇。上演前にはチープに思えたセットだったが、いざ舞台が始まると、照明効果もあって印象が変わった。

ネタバレBOX

深子のエピソードが始まると舞台があまり弾まないというか、観ていてこちらもだんだん心が苦しくなってしまったが、ラストがとてもよかった。
シアトルのフクシマ・サケ(仮)

シアトルのフクシマ・サケ(仮)

燐光群

座・高円寺1(東京都)

2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりに燐光群見ました。精緻な構成、鋭い批評性と遊び心を忘れぬ世界。福島に生きる人々の祈り、死者の祈りが聴こえてくるような舞台でした。明日まで、おススメです。

蜜蜂のクビレ

蜜蜂のクビレ

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/11/17 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

さびれた海の家を舞台にした群像劇。登場人物はキャラの立った面倒くさい人ばかりだけど、最後は泣かせる人情劇ですね。グッときました。

マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これは面白い。設定がきめ細かく、実に凝った作りですね。感服しました。

この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

森プロ

萬劇場(東京都)

2021/11/25 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本がよくできていてずっと見入ってしまいました。秀作だと思います。

飛ぶ太陽

飛ぶ太陽

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/12/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

実際に遭ったトンネル爆発事故をベースに描いた桟敷童子の新境地。
冒頭いきなり評価されてる豪華なセット作りを破壊してのセットだけじゃないへのメッセージ。セットがあるとかえって邪魔になる光と闇の照明が見事。役者だけで魅せる。人を魅せる。まさに舞台芸術の極み。も、観る位置によって観客が受ける印象が変わってしまうのが今後の課題か。
すみだパークまで行く道々にある案内表示も桟敷童子の手作り
超お薦めです。

マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

デコる

デコる

劇団5454

COOL JAPAN PARK OSAKA・SSホール(大阪府)

2021/11/20 (土) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3年ぶりの大阪とのこと、目の前の劇団の皆さんの姿を見るだけで、うるうるしてしまいました。期待以上にとても良かったです。女性はたくましく、男性はちょっと情けなく、どの人の中にも自分が見えて、共感できて、みんなが愛おしく思います。
観客賞、取れるのではないかな。結果が楽しみです。

マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

20周年おめでとうございます!
それに見合うような良い出来の作品でした。観客を楽しませてくれる工夫をいろいろと盛り込んでおり,飽きることなく見ていられました。充実した観劇時間,幸せです。

ネタバレBOX

西村さん,痩せました?
マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

本当におもしろい!!!
前作、今回の作品と皆さんが絶賛してるが、本当かしら? と少し疑っていたが、本当だった。
笑いがあちらこちらに入っていて、心から素直に笑える。
時代劇の方も本格的だ。殺陣もレベルが高い。
カッコいい男性の役者さんの殺陣は、きゃーと心のなかで叫びながら観ていた。
ムード歌謡と融合もとても楽しめた。
現代の方も、本当に楽しい。
次回は女性がたくさん出演できる、時代劇のみも是非観たい。
観てよかった。すごーく、すごーく満足です。

みんなしねばいいのにII

みんなしねばいいのにII

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/12/07 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/11/26 (金) 19:30

価格3,000円

初日を観劇。終わらないハロウィンの中で死者と生者が織り成すシュールな世界。
コロナ禍の影響の下、絶望が強く前面に出て救いの無い展開になっていった。

ネタバレBOX

異常な世界で異常な事が起こっても意外性は無いので、驚くことが無かった
わが町 高円寺 子ども食堂

わが町 高円寺 子ども食堂

演劇なかま高円寺

座・高円寺2(東京都)

2021/11/20 (土) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/20 (土) 19:05

 高円寺の町を昔から最近に至るまでをずっと冷静に第三者の目線で見つめる巨木の精を中心に話が進み、そこに高円寺の住民たちが幾人か登場し、最終的に子ども食堂が高円寺の町にできて今に至るまでを、一人ひとりにスポットを当てつつ、全体の歴史の流れもすんなりと伝わってきてわかりやすかった。
 一人親家庭の大変さや、その子どもの孤独、離婚問題、一般家庭における親と子どもとの感覚のズレ、世代間の違いなどを丁寧に、それでいてさり気なく描いていて、そういった社会問題について、改めて真剣に考えさせられた。
 また、料理人だった男がかつて少女に出会ったときに、少女を助けてやれなかったことがきっかけで料理人を辞めているが、その少女が親になり、家が貧困なこともあり、その娘が居場所がなく、孤独に耐えて、イジメに耐えていることを知り、子ども食堂を始めるにあたっての料理人を申し出るに至るまでの物語が印象的で、感動した。

みんなしねばいいのにII

みんなしねばいいのにII

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/12/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/26 (金) 19:00

85分。休憩なし。

ヤング内閣、戦争を止める!

ヤング内閣、戦争を止める!

劇団東京ミルクホール

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/26 (金) 14:00

135分。(実測) 休憩なし。

ガラクタ

ガラクタ

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

北海道の漁村の核廃棄物廃棄場受け入れの可否をめぐる政治劇だ。
いずれ、国としては必要なものだから調査だけは受け入れて交付金を受け取ろうという町長(森下庸之)指導の受け入れ派と、放射性物質反対の反対派(星野卓誠)が対立して、小さな二千八百人の町が分断する。現実にある話だから、描写は一方的、教条的ではないが、やはりドラマとしては浅い。ことに村出身の記者(岩井七世)が出てくると、その設定も甘く、キャンペーン風になってしまう。
簡単に言えば、長い時間に耐える正義・正論か、目先の金か、という議論になるが、それは、原子力のような科学に基づくものでなくとも、歴史の中では幾つも起きてきた。どこでも見られたことでは廃藩置県にはじまり、鉄道駅の設置。教育機関の設立。などの是非で全国的に見られた地域内対立で、その時に起きた議論とあまり進んでいない。どちらの側も、それぞれを正当化する大きな思想というか、モラルが見つかっていないので、どうしても現実の生活レベルで落としどころを見つけることになる。どちらの側も根本には過疎地の貧窮化があるのだが、促進派は将来の繁栄期待、反対派は技術進歩による無効化で、どちらも、実はどうなるかわからないところで戦っている。これも昔とあまり変わっていない。時間に対する確固たる信念に乏しく、また社会に対する構想力が浅い国柄が反映する。ドラマの中の議論も上滑りするし、登場人物の、それぞれの事情も類型的になるし、演技も引きずられてしまう。
作者もそのあたりはよくわかっているようだから、新鮮な視角で見せてほしいものだ。
「背水の孤島」のような素材はそれほどあるわけではないが、観客はあの作品の衝撃を忘れていない。

このページのQRコードです。

拡大