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疚しい理由2021

疚しい理由2021

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

うーん、何が真実かわからなくなった
3人の台詞と表情だけでの勝負だが素晴らしかった
スリリングでどんどん引き込まれた
しかしやっぱり女は怖い
思わず台本買った

疚しい理由2021

疚しい理由2021

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Kチーム。背景の交差した赤い紐が暗示するように、複雑に交差する人間関係によってどんどん立場が入れ替わるのが、こういった作品の醍醐味だと思うけど、50分の割にはまずまずかな。ラストは、演劇部だけでなく、手品も上手く活かせると良かったんだけどね。

海王星

海王星

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2021/12/06 (月) ~ 2021/12/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/16 (木)

価格13,000円

16日18時開演回(途中休憩20分)175分の舞台を拝見。
終演後、少なからぬ観客のスタンディングオベーション、席に腰を降ろして首を傾げながら眺めるという、実に貴重な体験をさせてもらった。

出演者は皆さん好演。
個人的には、清水くるみさん、伊原六花さんの若いお二人が強く印象に残った。
あと、久しぶりに聴いた中尾ミエさんの歌唱には目元ウルウルw(ところで、大谷亮介さん、ノドの具合が少しお悪いのかな?杞憂ならいいのだが…)。

役者さん達の他、演出・劇伴・セット・照明もすべからく熱がこもっていたとは思うも、なんせ原作の戯曲の感覚が古い・中身が薄い。
いくら新鮮な酒であっても、朽ち果てた革袋に入れたのでは勿体ないなと感じた。

ネタバレBOX

【配役】
灰上猛夫…山田裕貴(やまだ・ゆうき)さん(10年前のゴーカイブルーがここまで芝居巧くなっているとは! 素直に感情移入できた)
葉山魔子(猛夫の父の婚約者。運命に翻弄される?)…松雪泰子さん(やっぱ華がある役者さんだよなぁ)
そばかす(恋愛に興味津々の女学生)…清水くるみさん(この”小悪魔的”な方、次の舞台も観てみたい!)
来宮邦美(猛夫を慕っていたが…)…伊原六花(いはら・りっか)さん(府立登美丘高・ダンス部のキャプテンが、ここまで辿り着くとは!)
胃薬を売るセールスマン・熊沢太郎1…佐藤誓さん
胃薬を売るセールスマン・熊沢太郎3…冨永竜さん
ホテルのボーイ…山岸門人(やまぎし・もんど)さん(劇団鹿殺しOB)
唖の下男…澤魁士(さわ・かいじ)さん
胃薬を売るセールスマン・熊沢太郎2…眼鏡太郎さん
彌平の上司…野々山貴之さん
8回結婚した女…内田慈(うちだ・ちか)さん
浦園花江(元女優)…坪井木の実さん(俳優座の女優さん)
女学生たちの引率教員…白木原しのぶ(しらきはら・しのぶ)さん(ミュージカル畑の女優さん)
女学生・マリ…小山雲母(おやま・きらら)さん
女学生・鮎子…片桐美穂さん
女学生・なつめ…金井美樹さん
女学生・繭…島ゆいかさん
女学生・ミミ…吉井乃歌(よしい・ののか)さん
教授…大谷亮介さん(座・高円寺1でのリーディング『片づけたい女たち』以来)
ブルースを唄う老婆…中尾ミエさん
灰上彌平(猛夫の父親。男手一つで猛夫を育てた)…ユースケ・サンタマリアさん(説明無用の芸達者)
徒花に水やり

徒花に水やり

千葉雅子×土田英生 舞台製作事業

ザ・スズナリ(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

土田さんの作品ということで観劇。
めっちゃ面白かった。久しぶりに芝居でこんなにたくさん笑ったかも。土田ワールドを、ご自身を筆頭に手練れな役者さんたちが見事につくっていて、観劇後の清々しさが最高。
細かいことは気にしないで、とにかく楽しめる作品。桑原さん、サイコー!

徒花に水やり

徒花に水やり

千葉雅子×土田英生 舞台製作事業

ザ・スズナリ(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■約100分■
腑に落ちないところもあったが、相当ワケありな一家のホームドラマとして面白く鑑賞。土田英生作・演出だけあり、笑いを生むような設定が色々と凝らしてあって、楽しく時が過ぎた。

ネタバレBOX

暴力団の三次団体の組長だった男を父とする四人きょうだいの話。一人だけ腹違いで幼少期から養子に出されていた三女が兄と姉二人に久々に再会するが、婚約者として連れてきた男はなんと、父をはめて殺した元暴力団員だと判明。三女は、きょうだいの仇敵である男を捨て割合すんなりときょうだい側につくが、そんな男であれ、人間、愛した異性をそう簡単に見限れるものだろうか? そこには、葛藤や未練があって然るべき。そうしたものがほとんど窺えないところに多少違和感を覚えた。
人間讃歌

人間讃歌

エンパシィ

スタジオ空洞(東京都)

2021/12/14 (火) ~ 2021/12/16 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まず、美術が良い。決して金がかかっているものではないが、台の下にもちょっとした工夫があり見ているだけで楽しい。照明も、制約の多そうなスタジオでありながら美しい。そしてこれでもかと言うほどの会話劇の俳優陣がまた実に良い。岸田國士は若い頃によく読んで、おぼろげながらの記憶はあるが、ここまで面白いものではなかったような気がする。演出も若い方のようで、令和の岸田國士の作品として存分に楽しませていただいた。

Mo’xtra Archive『912・3R/3C・ス』

Mo’xtra Archive『912・3R/3C・ス』

monophonic orchestra

APOCシアター(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『リバース,リバース,リバース!』が楽しかったので、俄然下巻『サイクルサークルクロニクル』も観たくなった。

ネタバレBOX

◇:上巻『リバース,リバース,リバース!(75分)』~休憩15分~Extra Stage-『ファーファーファーファー、ファーラウェイ(25分)』鑑賞-
リバース-:綺麗な人ばかり出ていた座組のせいか、客席の男女比にかなり偏りが見られたような・・・。シンプルに演劇の良さが詰まった佳作。
ファーファー-:個人的に大好きな俳優・湯口光穂さん出演。この戯曲にこの人をキャスティングした人は偉い!切なくてかわいい、何度でも観たくなる短編(小品)。この先ずっと再演しつづけてほしい。
鈍色(ニビイロ)のヘルメット -20歳の闘争-

鈍色(ニビイロ)のヘルメット -20歳の闘争-

KUROGOKU

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

学生運動が激しかった時代を描いた観応えのある舞台でした。
学生たちの思いや、その当時の様子がよく描かれていて、今の時代には考えられないという感じ・・とても興味深かったです。
役者さん達は、それぞれのキャラクターを好演していて素晴らしかったです。
主人公を演じた富川陽花さん、すごく可愛らしかったです(可愛いだけではなく演技も良いです)
良い舞台を観る事が出来て満足でした!

疚しい理由2021

疚しい理由2021

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 約1時間の作品、Qチームを拝見しだが、役者陣の演技が素晴らしい。ドンデン返しが幾重にも仕組まれその度にドラスティックに変化する脚本をブラジリー・アン・山田さん、的確で周到な演出を池田 智也さん。(ミステリー要素を含む為、最終稿追記2021.12.21)

ネタバレBOX

 客席はいつもと異なり入口対面の客席は無く、板上は中央に大きくほぼ正方形に近い長方形の平台が右肩上がりに設えられ下手奥にやや長めの平台が出吐けから延び、上手には小さな正方形に近い平台が上手の出吐けに通じている。平台は総て赤、下手平台の上辺中央、真ん中の平台の上辺両コーナーとセンターに天井迄届く太目の柱が立ち上手コーナーの柱から客席方向に延びる辺の中程に細目の柱が立っている。各柱の間は赤い錯綜した紐が幾何学的に張られ、何やら不安を掻き立てるように或はやや疎に或は密に迫ってくる。紐の張り方に疎と密があるのは、起承転結及び結論が観客の判断に委ねられていることを表している可能性もある。客席から見て右肩上がりの中央の板上にはテーブルがこの板に対して斜めになるように置かれ、不安定感を醸し出している点も見逃せない。極めて優れた舞台美術である。因みにテーブルについている椅子は4脚。実際の登場人物は3名、他に話題に上る人物が2名。
 物語は新婚の綾乃の暮らす家のリビングで展開する。綾乃の夫はフリーのカメラマン。殆ど家には戻らない。現在妊娠4カ月で高校時代には演劇をやっていた。訪ねて来たのは演劇部の先輩・陽子とその紹介になる保険外交員・中西である。妊娠もし、出張がちのフリーランスのカメラマンということであれば、万が一ということも考えておかねば、というのが訪問の理由であった。陽子の演技力はピカイチでその才能の高さは演劇部の華、然るに綾乃は、という評価であった為、陽子は綾乃を子ども扱いしていた。オープニング早々、中西が披露した初歩的なトランプ手品に対する反応で綾乃の無邪気が見事に描かれる。また、訪れた陽子らに茶も出さない気の利かなさも描かれる。一方、陽子は2年前に夫を失くし後追い自殺を図るほど一時追い込まれていた。子供は居ない。然し、陽子に気の利かなさを指摘された綾乃が茶の用意をする為にキッチンに行っている間に陽子と中西の関係が明らかになってくる。彼らは男女の仲であり陽子は亡くなった夫の保険金4千万を受け取って安楽な生活を送っている、中西が夢見る鎌倉の海の見える場所に新居を持ちたいという夢を一緒に見ているという訳だ。
 綾乃が淹れた茶は、カモミールのハーブティー。精神を安定させる作用があるという。さて、茶を飲みながら話は保険に関わるものになってゆくが、様々なオプションを説明する中西に綾乃が応じたのは高額保険であった。それも掛け金は比較的安くなるが下手をすると数年間の掛け金が掛け捨てになるタイプの保険である。
 流石にそんな条件では、受け取る可能性が余りに低くなると心配した陽子が、他のオプションに変えた方が良かろうと説得に掛かるが、綾乃は1つ提案をした。「夫を殺して欲しい」というのである。嫌がる2人に綾乃は脅しを掛ける。2人が泊まったホテルでの写真を証拠として見せて。また、陽子の夫は自殺ではなく彼女が保険金目当てに泥酔させた夫を後ろから押しベランダから墜死させた事実、その後の彼女の狂言自殺迄。その狂言自殺の為手首を切った時に神経を痛め指に後遺症が残って上手く動かないことまで中西に告げたのだ。而も陽子は夫の背中を押した手の感覚がまざまざと残り何時迄も消えないと言い、不眠症に陥っていることも告げていた。中西は彼女の手のマヒには気付かなかったと言うが。何れにせよ陽子・中西カップルは窮地に追い込まれる。中西、陽子2人の対応は分かれる。中西は保険は受け取れるよう手伝うが殺人自体には関わらないことを示唆し、陽子は殺害を承諾する。このように緊迫したシーンが連続することで今作はサスペンスとして極めて緊張した舞台になっているのだが、通常最期に解ける謎の解は観客に委ねられて終わる。
 ところで“チェーホフの銃”という言い方を御存知だろうか? 「もし、第1幕から壁に拳銃をかけておくのなら、第2幕にはそれが発砲されるべきである。そうでないなら、そこに置いてはいけない。」とチェーホフが言ったとされることから、舞台上に現れた総ての道具も作品展開に関係しなければならない、と解釈されていることを指す。先に述べた通り今作では最終結論が作品に描かれない。即ち観客に判断が任されるという形で幕となる。この幕切れを如何様に解釈するか? という問題である。もしチェーホフの銃を援用して解釈するなら、テーブルに付いている椅子の数が4脚であることを考慮した方が良かろう。上演中に使用されるのは3脚のみだ。話題になる人物は登場人物以外に2名いる。既に亡くなった陽子の夫と殆ど帰宅しない綾乃の夫である。つまり4脚目は綾乃の夫を暗に示していると取り今後陽子が綾乃の夫を殺害し、中西が保険金を綾乃が受け取れるように手配すると取るのである。
 然し乍ら、この見解にも反論できるシーンがあった。陽子が左手の指がマヒしていないことを示すワンシーンが挿入されていたことだ。然るにマヒしたのが左手だとは示されていなかったので、これも確定要素ではない。これら総てから舞台上でされた表現総ては、創作された作品中で仕掛けとしての演技として機能している可能性があるということである。私の記憶が正しければ、つまり描かれたことをベースに判断できないように作られている。ということは、今作のテーゼは、作品を通して解を得ることではなく、虚実の皮一枚の被膜を描くことこそが演劇なのではないか? との主張、即ち演劇作品による演劇のメタ批評ということになるのかも知れない。
三文オペラ JAPON1947

三文オペラ JAPON1947

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/16 (木) 13:30

座席1階

ブレヒトの有名作を翻案して、舞台を終戦直後の日本に設定。焼け跡に闇市がたち、人々が食うや食わず、生きるのに精いっぱいという世情での物語に仕上げた。「芝居だからハッピーエンド」という宣言があって、いつものPカンパニーとはかなり趣が違うが、街にクリスマスソングが流れる中での上演ということもあって何となく勇気づけられるような気持ちになって劇場を出ることができる。

ミュージカルなので当然、役者たちの歌唱力も問われる。でも、これはさすが。よく鍛えられている俳優陣だけあって、安心してみていられる。役者の年齢を問わず、ダンスの切れもいい。演出もシンプルで、分かりやすい。ブレヒト劇によくある難解なところは今回、まったくないので、役者たちが見せてくれる多彩な表情までしっかり楽しむことができた。

終戦の混乱期だが、そういう時代だからこそ才覚を発覚してうまく稼ぐ人たちはいるものだ。でも大多数の人は赤貧の海の中で苦しむ。「世の中金だ。金があれば何でもできる」という劇中のせりふは、豊かになったように見える現代でも、格差社会の構造は変わらない。同じ意味を持って通じる言葉だ。ブレヒトが「人生は厳しい」と言っているように、この終戦直後に本番の三文オペラでも人生の厳しさがガンガンと伝わってくる。
ただ、そうはいいながらもどこかいい加減で、どこかテキトーなところもしっかり盛り込まれて、ああやっぱり人間が生きていくにはこうでなくっちゃね、という思いにもさせられる。

ラストシーンは結構面白い。予想外の展開もあって楽しめます。


舞台サルまん

舞台サルまん

気晴らしBOYZ

小劇場B1(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この世で一番面白いギャグ漫画は『サルまん』な人にとって、ファン感謝デーみたいな舞台。初日は作者の竹熊健太郎氏と相原コージ氏も観劇。この場にいられることの幸福。原作の素晴らしさを逐一確認していくような作品で、ファンフィルムを観ているような気分。これ当時、毎週『スピリッツ』を楽しみに読んでいた連中は観た方がいい。『とんち番長』が観れるだけで充分。
開演前SEは何故か、RCの『COVERS』が延々流される。主演・竹熊健太郎役のコウガシノブ氏がいい。ド迫力の顔芸、「俺を描け~!」のパンイチ・ポーズ、目が常に血走っていて、「ちんぴょろすぽーん」ポーズのキレもいい。相原弘治役の錦織純平氏もいい表情、もっと頭を抱えてゴロゴロ床を転げ回って欲しかったか。とんち番長役は栗原卓也氏、一休役はアモーレ橋本氏、彦一役はドロンズ石本氏、吉四六役は佐野寛大(かんだい)氏。紅一点のヒロイン役は杏さゆりさん。何役もこなす大忙しの青地洋氏。元力士の両國宏氏が辮髪(べんぱつ)姿で、担当編集者・佐藤治役を見事に再現。これを大真面目にやってくれるだけでリスペクト。編集長白井勝也役と意味なし番長役の石橋保氏。役者の無駄遣い感が心地良い。
原作ファンならずっとニヤニヤしていられる。会場で一番受けていたのは吉四六の決め台詞「もう警察に任せた方がいい」で、どっと沸く。自分の作品に笑う竹熊健太郎氏を横目で眺めながら、ファン冥利に尽きるひととき。未だに『サルまん』以上のギャグ漫画は登場していない。リアルタイムで読めたのは幸運だった。

ネタバレBOX

当時、電車の中で堪え切れずに吹き出したオクラホマ美樹子のエピソードも入っている。編集者のちょっとした指摘に突然ブチ切れ「そこが一番描きたかったのに〜!!」と手首をカッターで切り裂き自殺を図るエピソード。あの伝説の毒電波ネタも再現、ファン感涙だ。
青空のぼるを登場させなかったのは残念極まりない。時間的に切ったのだろうがかなり重要なキャラクター。
杏里調に作られた『とんち番長』のあのアニメ主題歌を歌う杏さゆりさん、バックでメンバーがパラパラを踊るのも良い。アモーレ橋本氏は一休役として最高のキャスティング。
敢えて文句を付けるなら、再現だけじゃなく客席の観客を爆笑させる演劇的アレンジが欲しかった。もう少し工夫すれば幾らでも面白くなりそう。意味なし番長の巨大化から、とんち番長を呑み込むシーンは何とか映像化して欲しかった。

ラスト、全てを失ってホームレス生活の二人。やっと正気に返った竹熊に相原は言う。「漫画も表現の規制化が厳しくなって、もうダメな産業になってしまったんだ。」竹熊はそんな相原に檄を飛ばす。「馬鹿野郎!そんな時こそ”とんち“が物を言うんじゃないか!規制が厳しくなった状況でこそ、読者は真に面白い漫画に餓えている筈だ!」
『サルまん』で希望を見せられるとは見事なラスト。

『ムジナ』も無駄に金を掛けた2.5次元舞台化を切に望む。
徒花に水やり

徒花に水やり

千葉雅子×土田英生 舞台製作事業

ザ・スズナリ(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/15 (水) 19:00

手練の業、という言葉を思い出した。面白い。観るべし!。90分。
 千葉雅子と土田英生のユニット第2弾。土田が書いて演出する作品だが、ベテランを集めて、とても面白く、いい芝居になっていた。元ヤクザ3次団体組長の子ども3人(千葉・土田・桑原)に腹違いの妹(田中)がいることが分かって、今日は東京から来ることになっている。その妹が恋人も連れて来るが…、な物語。しっかりと伏線を張り、しっかりと回収する展開や、登場人物の造型の妙、そして、それを確実に演じる役者陣、と、充実した舞台だった。5人中4人が作・演出をするというのも面白い。

掌サイズのファンタジー

掌サイズのファンタジー

backseatplayer

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

暗い物語かと思いましたが、めちゃめちゃ明るいのでビックリ!!!
役者さんたちは元気いっぱい!!!
おじいちゃん役、お父さん役、息子役の役者さんの三人は特に印象に残り、とても良い演技でした。
奇想天外だが、ちゃんとストーリー的には、つじつまはあっていた。
おもしろかった!!! 

あの部屋が燃えろ

あの部屋が燃えろ

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/15 (水) 19:30

100分。休憩なし。

疚しい理由2021

疚しい理由2021

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

feblaboらしい作品、と言える程観ている訳ではないが、よくやられる議論物もワンシチュエーション、程よい謎解き、どんでん返し、つまりは演劇的娯楽性の高い演劇だ。
台詞が重ねられると共に状況が、人物の関係が見え始め、真相に接近していく、また時に裏切られるいわばミステリー。久々にブラジリー・アン作品を味わったが、良品と言えるだろう。
もっとも不明のままの部分もなくはなく、もっと言えば別の解釈もあり得るのではないか、という考えももたげる。3人芝居、2チーム。演出が違うとの事である。戯曲解釈まで変えて来るとしたらこれは中々のチャレンジだが・・。

ネタバレBOX

不明点は、あるいは戯曲の欠陥かも知れぬが、、いずれ書いてみよう。
ガドルフの百合

ガドルフの百合

KARAS

シアターX(東京都)

2021/12/10 (金) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アトリエを出てシアターXで行なう公演では、着想とその突き詰め度(完成度)を試す気概の感じられる舞台が味わえるので可能な限り行こうとしている。今回は紗幕を使い、照明も毎度ながら鮮やかで、側面に映る影を見せる場面も多い。
開幕するとテキストの朗読(以前の「シナモン」もアトリエのアナウンスも特徴ある声だと思っていたが佐東女史のであるらしい)が流れ、作者の化身と思しき男が歩いており、やがて風が吹き、遠くで雲から稲光が漏れるのが見え、やがて風雨に襲われ行く先に見える小屋に逃げ込む・・といった宮沢賢治の短編のテキストが勅使川原氏のムーブのようなダンスと合わさって立ち上がる。男は建屋の中に光る白いもの、やがて百合だと判るそれを見つける。彼はその百合に恋をする。
佐東は百合を形象し、純朴で妖しい動きを見せる。一方勅使川原は旅に疲れた男を踊りで「演じる」。
上演の中盤までは物語をなぞり、見事な世界観。陶酔へ誘うのは「物語性」である。が、物語は早々に凡そ言い尽くされてしまう。その先は、勅使川原と佐東の「舞踊」となる。テーマが物語に沿っていても、表現は舞踊であり、舞踊というものは如何ようにも題名を付ける事ができる抽象性がある。姿態の美を見せる時間となる。そして最後には物語に戻り、「恋」の美しげな形、絵のような構図を見せてカットアウトとなる。
舞踊とは言え、冒頭から「物語」を追って観ているので、「舞踊」という抽象世界に入った瞬間戸惑いを覚える自分がいた。そして最後は既に語った物語の一片をリフレインしたもの。
最初から「舞踊」鑑賞モードであればまた印象も違っただろうが、物語を味わうが故に、とても見やすく飲み込みやすかった。ところが宮沢作品の終了と見えた所から、芝居のコールで歌う歌のように舞踊がサービスで踊られ、さらに、既に語った物語の一場面あるいは物語を象徴する場面が巻き戻して再現される。終盤のくだりは「付け足し」(サービス)と感じられたが、好みから言えば、「物語」叙述を上位に据え、1時間前後のところで終了しても全然良かった。

疚しい理由2021

疚しい理由2021

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チーム“Q”を観劇。
2人の女性(先輩と後輩)と男性1人(保険の営業マン)計3人が織りなす心理サスペンス。
つい最近も3人芝居を観たばかり、それとは内容、雰囲気こそ全然異なるのですが、3人というのは関係性が分かりやすいうえに面白さの幅もできる絶妙な人数なのかも。

営業スマイル、でも目が笑っていないのでは中西。
先輩面をちらつかせつつ、中西に何気に加担する陽子。
営業の美味しい餌食となるのか、人の良さそうな若奥さん、綾乃。
(この第一印象はチームによって変わってくるのかも)
時間が進むにつれ、3人それぞれ頭書きの内容が次々と変わっていく面白味。

「化けの皮が剥がれる」という言葉がありますが、まさに薄皮1枚1枚、自ら剥がしたり、相手から剥がされたりしていく展開がとてもスリリングな50分でした。

ダウト 〜疑いについての寓話

ダウト 〜疑いについての寓話

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2021/11/29 (月) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これほど高水準の舞台にはそうそうお目にかかれるものではない。
ところで最後のセリフ、あれだけでは観る人によってはその意味を誤解してしまうかも、という気がしてしまうが、それをもスッキリしない謎のままにしておく、という意図なのか・・・。

リーディング新派 in エンパク 『十三夜』

リーディング新派 in エンパク 『十三夜』

早稲田大学演劇博物館

大隈記念講堂小講堂(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/15 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2021年度秋季企画展「新派 SHIMPA――アヴァンギャルド演劇の水脈」関連公演として上演された樋口一葉の小説「十三夜」、奇しくも十三夜に近い十五日に拝聴。過去に何回か聴いたことがある朗読劇。

この作品は、昭和22(1947)年9月の三越劇場、久保田万太郎の脚色で新派によって劇化初演されたらしい。初代水谷八重子が自ら選んだ「八重子十種」にも数えられる名作という。今回はその大御所、水谷八重子の近くで学んだ波乃久里子さんが主人公のお関、歌舞伎の舞台にも立ったことがある新派の喜多村緑郎氏が幼なじみ・録之助を演じる。練達の俳優たちの情感あふれる朗読、そして生音調 目にすることが少ない道具での見事な情景描写に唸る。

幼なじみの恋路を照らす十三夜の月あかり――。声と音がつむぐ新派の世界に、言葉に耳をすます。
アフタートーク、波乃さんの開口一番は「緊張した!」だった。彼女ほどの大ベテランでも緊張するという、演じれば演じるほど奥が深い演劇の世界。いや~聴応えがあり、一夜限りの至福の時間。堪能。
(上演時間1時間30分 朗読+アフタートーク)

彼女を笑う人がいても

彼女を笑う人がいても

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/12/04 (土) ~ 2021/12/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

安倍晋三の祖父、岸信介が首相として、学生と対峙した70年安保の時代と、東日本大震災のその後をつなぎ「報道」という化け物の正体を暴いた骨太の作品でした。

瀬戸康史さんが、約2時間、舞台からはけることなく、そして、途切れることなく2役を入れ替わりながら、不条理の楔を打ち込んでくる。NHKの「グレーテルのかまど」とは別人。凄い!

演出 栗山民也さんの原点作品「ゴドーを待ちながら」を観た時のように、シンプルな舞台上に、目の前にはない脚本 瀬戸山美咲さんが描いたその時が、モノトーンで脳内に浮かび上がりました。あの時代の、あの芝居の空気感を満喫させていただきました。

実は、栗山さんなんで現代的な大掛かりな舞台を期待していたのですが笑

回を重ねる度に浸みて、深化していく芝居のような気がしています。来年も是非見てみたい。

ネタバレBOX

報道という化け物を、70年安保と東日本震災による原発事故をテーマに切り取った問題作。

権力をチェックすべき主要新聞7社が同じ記事を1面掲載し、世論を封殺したなんて知りませんでした。

傘をさして武器も持たず国会に押しかけた闘争、香港の雨傘運動の原点は日本人だったか。
脱原発運動も含め、言葉の力で世の中を変えられなかった、思い知った日本人、そうだったんだ

フェイク・ニュースや雇われたインフレンサーが造った真実が枝葉を纏い、世の中の価値観を変えていく現代。

団塊世代の方と、この作品について話してみたくなりました。

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