「ストロング」
坂井水産
RAFT(東京都)
2021/12/29 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
おわれる
イサカライティング
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/29 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
#毛利悟巳 さん
#新田佑梨 さん
#矢部祥太 さん
#小野晃太朗 さん
観客は観たもの聴いたものを、何にでも当てはめて考えることができる。演劇とはそういうモノなのだろう。だから、コレでイイのだろう。
メタファーに次ぐメタファー。何かを意味しているのだろうし、かもしれないし、ではないのかもしれないけれど、そうでないとすると、理解しようとすることを脇に置いてしまったことや、理解が追いつかないいたたまれなさを棚に上げてしまったことは、ココアが無い以上に行き場が無い。
話をすることを目的とした話すための話は、話したいことではなく義務であり労働でもあるのかもしれない。そこから派生していく不自然な会話は不自然な過去の行動を導き、フゥ〜ンと納得できるほどに彼等は誰で何者なのか何を議論しているのかを掴むことができず袋小路。会話の不自然さはまるでアンドロイド。
人はこれまでもこれからも、目に見えないものを恐れて畏れて、大切にする。いつだって自分のことを言葉にするのは難しい。人生は辛く苦しい旅であるのかもしれないけれど、そうでないかもしれないし、そうでないと願い、そうではないと信じたい。
わが人生は何に追いかけられているだろうか。何を負い生きているのだろうか。
毛利さんは今作でも違わず眩しかった。
新田さんがこれまでとは別人のようで、ミステリアスな新しい魅力を纏った。
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
チームは全3チーム。3名の女優が各チームで別の役柄を演じる。つまり各女優がトータルでは、総ての役を演じる訳である。ちょっと珍しい挑戦だ。自分が拝見したのはBチームだが、こういうコンセプトで作られると他のチームも拝見したくなるのは事実だ。
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
まむかいのおじさん
メディリリ
小劇場B1(東京都)
2021/12/24 (金) ~ 2021/12/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
役者が歌っているわけではないのですが作りが「ミュージカルっぽい」なと感じました。力技の笑いが多かった印象ですが役者さんの技量というか熱量でねじ伏せ破綻せずに走り切っている印象。
ばいびー、23区の恋人
マチルダアパルトマン
駅前劇場(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
これが今年の観劇納め。楽しい舞台でよかった。欲を言えば、観逃していた松本みゆきのまちこ版も観たかったが、隣で公演中だから仕方ない。
海王星
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/12/06 (月) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
パ・ラパパンパン
Bunkamura / 大人計画
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/11/03 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/11/14 (日) 13:00
想像する世界と作成している現在が上手く重なって楽しい舞台。
フィスト・オブ・ノーススター
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2021/12/08 (水) ~ 2021/12/29 (水)公演終了
GOOD WAR
ルサンチカ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/25 (土) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
■約50分■
映画でも演劇でも、説明的なセリフは批判されるが、説明が過小なのも、それはそれでいかがなものか。
境界
Noism
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2021/12/24 (金) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
名を知ってかなり歳月が経ったNoizm、初観劇。一度見て面白かった山田うんと作品を出し合う公演、という事もあって足を運んだ。
別の作品とは言え、Noizm0、Noizm1とあるので出演はNoizmメンバー(山田うんのは若手、金森譲のはベテラン)であるようだ。
どちらが先か知らずに見始めたが、一つ目開演早々既視感。3、4人がステージを斜めにユニゾン、軽快に前へステップする動きにブレーキがかかって片足を出した所が停止点、また同じ軌跡を戻る、というのは山田うんのもの。舞踊には個性が否応なく滲む。たった一回の観劇でも焼き付いたのだろう。全編に穏やかなクラシック(室内楽)が流れ、音楽のみではステージの意図は汲みづらい。特徴的なのは衣裳で、春を思わせるが微妙な何か意図があるような・・淡い原色系の数種類の色を全員違うパターンで切り貼りした感じだが、「自然」か「人工」か狙いが不明、あるいは「人間の営為に自然などない」の意か・・。山田氏の出自がそうなのか、クラシックの影響か、バレーに寄った印象。技術を習得した若者がその技術も披露する「如何にも舞踊」な群舞であったが、ふんわりとして今ひとつ掴みどころが無かった。一人だけ体格の良い西洋人が男性だな、と見ていたが、終演後一列に並んだ顔を見ると半数が男性と見え(短髪の数)、ユニセックスな世界が狙いだったのかな・・?等と考えてみた。舞踊の娯楽の第一は身体の動きの視覚的な快楽、音楽とのコンビネーション(リズム感)にあり、要は理屈ではない訳だが、ピンと来なかったのは「境界」というコンセプトが醸す「攻めた」ニュアンスとかけ離れていたからか。
一方Noizmは荘厳という言葉が相応しい舞台。出演者は三名、高貴さをまとう白い衣裳の女性?と、黒をまとった武術的な動きをする二人。何もない舞台に、簡素で大胆な装置が場面によって挿入、そして照明を駆使して独自な世界観を見せる。山田うんの時は「白いリノリウム?」と見えたのが、黒になっている(15分の休憩時間に敷き直すのは無理だろう)。空間と時間、生命、人間の営みの反復といった、何か本質的な領域に触っていそうな視覚的なイメージが強烈である。そして、「見た事のない」風景が現前していた。
同じりゅうとぴあの「演劇」部門では笹部氏によるギリシャ悲劇の(ギリシャ悲劇だけに)荘厳な「赤」のイメージを思い出したのは、偶然か。
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
3人の女優さんが上演回によって3人の登場人物をローテーションして演じる、とても珍しいタイプの芝居。トリプルキャストの進化系というのでしょうか。歌声にとにかく圧倒される時間を過ごしました。(この先はネタバレboxに書きます)
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実験公演「ジュリアス・シーザー」
Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー
シアター風姿花伝(東京都)
2021/12/25 (土) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
実験は成功だったんじゃないかな。読んだことのある戯曲である分だけ演技を注視して観ていたが,十分満足できる内容。良い観劇時間を過ごすことが出来ました。
海王星
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/12/06 (月) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
この入場料ではまず劇場観劇は無しだが、配信があるというので、寺山修司作品を、我らが真鍋卓嗣(小劇場演劇の演出では第一線)がどう演出?という興味で拝見。(出演者で気になったと言えばなじみある内田慈、「彼女と言えばこう」というイメージを破り、健闘していた。)
だが色々と物足りなさを語れば尽きない舞台であった。配信は「音」に難があり、できれば2回見ようと思っているが、今回は短い配信期間の中で都合2回、鑑賞できた。よって芝居の全容もほぼ把握できた。
冒頭の歌から全体の歌に行く出だしの運びは寺山舞台の要素があって良かった(主要人物以外は皆、白と紅の白粉でアングラ感を出し、灯りが入ると人形のように静止し、ホテルの広間の上部のプラットホームが演奏エリアなのだが、指揮者が神然として人間界を音で翻弄する的な風情。)
しかし・・寺山作品にしては「ひねり」が無い。戯曲としての出来は確かにありそう、ではあるが、それより気になったのは、主要人物の台詞の「言い」にひねりがない。ある感情を直線的に表現する。(白塗りのコロスは「いかがわしさ」を漂わす演技をやっていたが、コロスとして一体的に存在している感はなく、リアルな演技と見分けがつかない。)
特に気になったのは、松雪泰子がスレた女が若い男にのめり込む大胆な演技に振り切れず、歌もあまりうまくなく(これが決定的か)、おっかなびっくり演じている。映像畑が長いせいかショットを撮らせる的な「見せる」演技にとどまり、内から滲み出るものが少ない。(この女優の限界を感じたのは映画「フラガール」のラストで、非常にもどかしく勿体なかった。)今回は主役と言える役、だのに。。
寺山戯曲に臨むなら、役の二面性、多面性、要は二重人格?くらいに切り替える謎めきの度合いが欲しいが、全体にストレート演技である。にも拘わらず、テンポは緩い。たっぷり演技は「探る」演技との定理が当てはまるか。本来複雑な(つまりひねりのある)人間感情が、埋まらない感情表現で時間が緩いので、上演時間の長さの理由はこれか、と思う。
コロスたちの一癖二癖あるキャラとの対比を、演出は中心人物(山田裕貴、松雪泰子、ユースケ・サンタマリア、伊原六花)に求めたのかも。
ひねりと言えば、音楽にもひねりが少ない。個々の楽曲ではユニークな成功しているものもあり、才能のありかは認められるものの、芝居が語るものを受けて芝居が語れないものを埋め、繋ぐバトンとなる楽曲でなければ、音楽劇である意味はない。台詞の説明のための楽曲が散見され、何とか「台詞を喋った方が良い」というレベルは脱していたが「台詞を言うより断然いい」という場面を作った楽曲は限られていた。
本舞台はミュージカルではないにしても「畑違い」である真鍋氏がてこずったのは音楽担当だったのでは、と勝手に推測。
戯曲の作り(ト書きの指定も?)が根本的な問題であったかも知れないが、戯曲の立体化としての成功はもっと狙えたように感じる。ただし、もっと高いお金をとって客を呼ぶだけの「コンテンツ」にする使命がもう一つ加わったとすれば、その事自体が作品の質を薄めた理由だったかも。
泥人魚
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/12/06 (月) ~ 2021/12/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
新宿梁山泊のテント芝居が実力派俳優の客演でコクーンに出現!の趣きである。金守珍演出第二弾の「唐版 風の又三郎」が空間的スペクタクルに酔わせる作品とすれば、本作は言語によるハンドリングの比重が大きい印象。唐十郎戯曲の本質とは言葉一つで風を起こす(実は観客に想像力を駆使させる)ものである、との勝手な仮説で言えば、テントという小宇宙だからこそ、言語によるスペクタクルが屋台崩しのファイナルでせめて空間的スペクタクルを具現して溜飲を下げることが可能。というのが(私が唐戯曲を多く味わった)梁山泊の芝居であり、いよいよ金守珍は唐戯曲をテントでない劇場・・装置の置き場に困らない広いステージと座って痛くない椅子のある劇場で、日和らず(唐ファンでは必ずしもない)観客の前にストレートに差し出したのだとも見える。
作家・唐十郎としては晩年の戯曲になる今作は、まず台詞に負わせた「飛躍」の度合いが従来作以上に高く、また物語を動かすアイテムとなるキーワードとキーマンも従来作以上に多い。生々しい現実の断片と、詩的イメージに属する断片は、小賢しく擦り合わせをする事なくぶっきらぼうに並存する。
本作が実際の社会イシューの暗喩であると判るのは、「諫早」という地名が出て来た時。芝居の前半で「湯たんぽ屋」に必要な材料であるブリキの板が景気よくエッサと運び込まれるが、店の中に一列、上手から順々に並べられる、という奇妙な場面の伏線が、そこで氷塊する。
(あるいは初演当時、観客はあのブリキの板の列を見ただけで諫早のギロチン板を想起したかも知れぬ。)
当地での農業と漁業の利益相反を、元の自然を大規模に改造する事によって片方に利するという無理筋な政策が、通ってしまうのを見て胸が痛くなった人は少なくないだろう、私もその一人だ。
作品はこの一つの現実に対する唐氏なりの昇華、というより代償行動の賜物で、観客にとっては未解決な元ネタが現実に存在し、しかもドラマの背景にとどまらず中心に絡んでいるという点で、特殊な演目ではないかと思う。
海へ帰って行くやすみは、船で育った来歴から人魚の化身と噂されるが、作者が地元諫早の「外」から持ち込んだアイテムである人魚は、外海から遮断された壁の中で滅んだに違いない生態系の象徴であり、この物語は「既に死んだ」存在への鎮魂歌となっている。ここで言う「死」は物理的な死にとどまらないだろう。あの光景を見て、何かが死んだと感覚させる源を、説明する事はできないが、唐十郎がラディカルを込めようとした作家魂は確信される。
サワ氏の仕業・特別編
劇団ジャブジャブサーキット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/16 (木) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
実演鑑賞
岸田國士の作品名をもじった回文風のタイトルは内容と殆ど無関係だろうと踏みつつ、ただ二年振りの東京公演への気負いは込められていそう・・と、そこは仄かに期待してアゴラ劇場へ赴いた。
率直に言えば、はせ氏の戯曲の「端折り」の傾向が行き過ぎの感。中盤意識が飛び(体調も↓であったが)言葉は耳に入って来るが意味内容が脳内で像を結ばない状態、
「これは何なのか」が判らない時間は冒頭から始まり、長い。パズルの最後のピースが嵌まらないと全体が見えてこないんではないか、という位の勢いで、ジグソーパズルなら目に見えるが演劇では前の場面は記憶が頼り。解かれない伏線が折り重なってはとても覚えていられない。
という事で、戯曲が掲載された雑誌を買い、たまたま載っていた作者の寄稿を読むと、最後に公演の宣伝があり、「掲載された台本を読んでも判らないだろうから舞台を目で見てほしい」と書かれてある。何ィ~、である。冒頭から読み始めた台本だが、一場での二人のやり取りのヒントの無さ。観劇中の睡魔は自分の体調だけのせいでもなかったかも、と。。
そんな訳で、台本を読んでから感想を書こうと考えていたが、それに割く時間はないと断念した。(何年か前同じ雑誌に載った「見なかった芝居」の台本を必死に読んだがやはり難渋した記憶がある。)最後に観たジャブジャブの舞台は判りやすかったが・・。
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Cチームを鑑賞。
The Vanity'sのメンバー3人だけの舞台を観るのは初めて。3人ともちゃんと「歌える」のが強みだが、今回の歌唱、これが別チームでハモリのパートも変わるのかと思うと大変そう。お話自体は何となく既視感があるようなもので、1時間だと消化しきれてない印象があるものの、仕事納めの帰りに、あまりヘヴィな思いをしたくないヘタレな観客としては、この題材を1時間でまとめてくれて助かったという思いも。
ガラスの動物園
東宝
シアタークリエ(東京都)
2021/12/12 (日) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2年前文学座で見たときよりも発見が多かった。「追憶の劇」という冒頭の宣言のとおり、数年後のトムの回想であること、ローラがビジネス学校に通うふりを半年も続けていたこと、開戦で異国の冒険が(映画俳優だけでなく)自分たちもできるというトムのセリフ。遠くに憧れて家族を捨てて「異国へ行った」父の存在が意外に大きいこと。等々。
ローラと踊ったジムが、誤って ガラスのユニコーンの角を折って壊してしまう。ローラはあまり気にせず、というか清々したかのように「これでこの子も普通の馬になれて、良かったのよ」という。ローラ自身が、普通の幸せを手にできたかのように。その直後、ローラの夢は崩れ去る。天国から地獄へのこの落差は、やはりすごい芝居である。
一幕目は、これが名作戯曲なのだろうかと、不遜にも疑ったが、終幕すると、名作だと確信した。さらに今回は、麻実れいのデフォルメしたワガママで自分勝手で世間知らずの母親ぶりが、自然主義的リアリズムの退屈さを救った。倉科カナの美しさ、愛らしさは、目立たない人物というローラの役柄とは相反したように一幕では思った。しかし二幕の極端な引っ込み思案ぶりから恋の喜びへ、輝く幸せからどん底への、短時間でのジェットコースターなみの落差は見事だった。
怪勿 - monster -
The Vanity's
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2021/12/28 (火) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【Bチーム鑑賞】
客席が若い女性多めで、音楽劇ということでもあり普段より少し構えていたら、お芝居と上質な歌唱シーンをかぶりつきで観られてとても贅沢な時間を堪能。
扱うモチーフが福祉や偏見に材を取ったものなので、とても重たくなるものをコンパクトにすっきりと纏めることでむしろ清々しい印象が残った。