最新の観てきた!クチコミ一覧

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マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/27 (土)

20周年公演マツバラQ最高に楽しい舞台でした。
今のご時世劇場でおもいっきり笑って楽しめる舞台ちょうど心地よかったです。
推しの新選組隊士の小説作りに奮闘する主人公の茜子さんが好感が持てるキャラで、ボケたりつっこんだりエネルギッシュなお芝居がとても良かった。現実と小説の世界が交錯する構成がうまくてもう一度観たいです。そしておじ様達の ムード歌謡にはやられました。劇中歌も良かったのでCD買おうと思ったら売り切れてた。もう一度聴きたい。

風桶

風桶

梅棒

COOL JAPAN PARK OSAKA・TTホール(大阪府)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

懐かしい曲の選曲であの頃を思い出しながら、キレッキレのダンスで盛り上がる、ノンストップの2時間弱でした。

フィスト・オブ・ノーススター

フィスト・オブ・ノーススター

ホリプロ

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/09 (日)公演終了

実演鑑賞

原作の第一部を少しアレンジして、短時間に凝縮した内容ですが、ドハマり世代としては、きちんとつくられていて大満足です。

映像が上田大樹さん、最初は映像に頼っていましたが、拳士の戦いはワイヤーアクションが効いていました。

フランク・ワイルドホーンさんの曲もいい感じで、塩田明弘さんの指揮も変わらずお元気です。

ガラスの動物園

ガラスの動物園

東宝

博多座(福岡県)

2022/01/06 (木) ~ 2022/01/12 (水)公演終了

実演鑑賞


ウィングフィールド一家の3名、母、姉、弟の想いが、いたさが、伝わってきます。
巻き込まれたジム・オコナー、でも3名に寄り添っていて、救われます。

岡田将生さんのストーリーテラー、古畑任三郎のそれに雰囲気が似ていましたが、ピリピリした空間に現れて、見ている方も助かります。

恋愛論

恋愛論

動物自殺倶楽部

イズモギャラリー(東京都)

2022/01/11 (火) ~ 2022/01/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/01/12 (水) 19:00

身内ネタ演劇ですね。鵺的や出演役者の事を知らない人は置いてかれます。なかなか面白い試みの演劇でした。

ネタバレBOX

野花紅葉さんが美人。
恋愛論

恋愛論

動物自殺倶楽部

イズモギャラリー(東京都)

2022/01/11 (火) ~ 2022/01/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/11 (火) 19:00

鵺的主宰・作・演出の高木登と牡丹茶房の女優・赤猫座ちこが立ち上げたユニットの旗揚げ公演。面白い。80分。
 役者(の役を演じる役者)4人が語る、演劇におけるルッキズム、という感じの作品。前半は、現実の小劇場関係での実話を想定した展開で笑わせるが、後半はある意味真正面からルッキズムを扱って、少しシリアスな雰囲気になる。ちこと野花紅葉という「カワイイ」女優を2人配し、金子鈴幸・小西耕一という男優2人はそれぞれの役割を演じて、面白く考えさせられる芝居を展開。小劇場系の話題に付いてこられないと面白味は半減するかもしれないが、ある意味普遍的な展開とも言える芝居を作る巧さは感じた。

昭和歌謡コメディVol.15〜お正月だヨ!ヤーレンソーラン!大騒乱!!

昭和歌謡コメディVol.15〜お正月だヨ!ヤーレンソーラン!大騒乱!!

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ペンライトに紙テープ!クラッカー!楽しかった〜 昭和サイコー!良い時間をありがとうございます。

だからビリーは東京で

だからビリーは東京で

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ウエルメイドな小劇場作品だ。蓬莱竜太の青春ものも、歳を重ねて成熟してきたというか。
皆違う方向を向いていながら、惰性で続いている小劇団が舞台である。
幼いころから姉妹のようにつき合いながら反目している二人の女優、韓国人の恋人とうまくいかない女優、アルバイトしながら演劇を命と信じている男優、座付きの作・演出は独自の世界に固執している。そんな劇団に何にも知らない若者が、貰ったチケットで見た「ビリーエリオット」に感激して俳優になろうと面接にやってくるところが幕開きだ。
劇団の青春と言うのは、時代が変わっても変わらないのだろう。六十年前ともちっとも変っていない。しかし、ここで描かれるエピソードは現実と密着していて、若さをたてにケンカに性にと騒ぐだけの劇団や社会派の劇団よりもはるかにリアリティがある。そこに蓬莱竜太の冷静な劇作家の眼がある。
劇作家(津村知与支)が事ごとに花びらを振りかけるウエイトレスと客と言うシーンに固執するとか、看板俳優(古井憲太郎)がコロナカ゚でアルバイトのつもりの家庭教師が大盛況で劇団を辞めてしまう、とかご近所で子供のころから張り合ってきた女優二人(伊藤佐保、成田安祐美)とか、韓国人の恋人と湯豆腐がもとで仲たがいの挙句なんとなく主人公の何も知らないで青年(名村辰)と寝てしまう女優(生越千晴)とか、類型的な役回りなのにきちんと造形されていて、見ているうちに「いま」の風が吹いてくる。舞台は短い駒を並べていくようなテンポのいい構成で、面白い。
この作者と劇団を始めて見たのはもう二十年以上昔の「デンキ島」で、日本の果ての青春が、一つの時代に共通する青春を鮮やかに切り取っていた、懐かしい。デンキ島の青年たちはいまはビリーを目指して、東京にいるんだ。そういう青春の流れも感じる捨てがたい小品であった。
蛇足だが、この公演23公演もある。しかも三千円、上演時間は一時間45分。行って見ると流し込みの自由席である。無料の配役表もある。今どき、五千円を超える小劇場も少なくないがそれに見合う満足感を得られる舞台は極めて少ない。その中で、モダンスイマーズは、人気者を客演に呼ぶでもなく自力でこの値段で満席だった。そいう経営にも拍手。


蟹工船稽古初日

蟹工船稽古初日

duobus株式会社

なかのZERO小ホール(東京都)

2022/01/09 (日) ~ 2022/01/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

リーディングかなと思っていたのだが、稽古現場をのぞき見しているようで面白かった。
とっさのアドリブや動作がさすがベテランだなぁと感心。
ぜひ同じメンバーで本公演を希望します。

蟹工船稽古初日

蟹工船稽古初日

duobus株式会社

なかのZERO小ホール(東京都)

2022/01/09 (日) ~ 2022/01/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

これが今年の初観劇…なのだが、観劇というよりもワークショップ見学に近いような印象。演出家の無茶振りにあたふたしながら対応する役者陣の(全員とは言わないが)時折見せる動きとかセリフの説得力に流石と感心。それにしてもこの面々で2000円というチケ代は安い。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/08 (土) 18:00

予想以上に面白く観せてもらった。観るべし!。90分。
 全く性格が逆の双子の姉妹の、1955年,1969年,1989年の出来事を、大原櫻子が一人二役で演じる。戯曲に指定と思われるカツラが6つ舞台上にあるところからスタートし、2人の3時代での6場で構成。サブに小泉今日子と八島智人、さらに、お洒落な場面転換を担当する王下貴司・斉藤悠の2人が出る。大原の熱演は素晴らしいのだが、何よりも戯曲が強烈な社会的メッセージを発する。フェミニズムの文脈で語られそうでもあるが、もっと普遍的な人間のあり方に迫っていると思う。作者とほぼ同世代の私にとっては興味深いキーワードがいくつか出てくるのだが、それを越えて楽しめる作品だと思う。小泉と八島も2役を演じてて、どこまでが戯曲の指定なのか知りたくなって、戯曲を買う気満々だったのだが、あまりの良さに興奮して買い忘れて帰って来てしまった。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

#根本江理 #申瑞季
#田原礼子 #髙橋智子
#本田けい #西風生子
#山中志歩 #平田オリザ(敬称略)
【OL編】
幾つの組み合わせを観ただろうか。当たり前だけれど、キャストで本当に雰囲気が違う。この戯曲自体が好きだから、アドバンテージはある。ただ、何度も観過ぎて、もしかすると純粋に楽しめなくなっているかもしれない。
今回は、皆さんが自分の役を全うしようというプロであった気がする。それがもう少し滑らかで自然な受け渡しになるともっとよかったかもしれない。やや、やりとりが凸凹していたように感じた。後はキャストの年齢のアンバランスさが気になった。おそらく自分が古い人間だからなのだろう。先輩に対する若手の対応や言葉遣いが受け入れ難かった。役が同世代という設定ならば俳優もそれに併せてキャスティングし、役に年齢差があるなら、台詞の言葉遣いをそれに併せて再考して欲しかった。抵抗を感じた。そこは気持ちよく観たかった。

遺魂の剣

遺魂の剣

STAR☆JACKS

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/12/24 (金) ~ 2021/12/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この作品で2021年の観劇納めをさせて頂きました。

SJ作品を沢山観てきたファンというではないのですが、充電期間を経て更にパワーアップされていたと思いますし、殺陣はキレがあり見応えがありました。各登場人物も魅力的でした。

井上姉妹さんによる生演奏は、ただBGMを生で演奏しているというだけでなく、ストーリーにもお二人の存在が筋が通るかたちで組み込まれていたのが良かったです。

回転舞台などのギミックが張られた舞台美術もかなり気持ちが盛り上がりました。

アルトゥロ・ウイの興隆【1月13日~14日公演中止】

アルトゥロ・ウイの興隆【1月13日~14日公演中止】

KAAT神奈川芸術劇場

豊洲PIT(東京都)

2022/01/09 (日) ~ 2022/01/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/10 (月) 14:00

ヒトラー、ファンキーと頭がついていかないまま熱い舞台が始まった。観客は民衆なのだろか?決して賛成できることではないので同意できない。時折ヒトラーの歴史が字幕にでてくるのだがもっと頭がついていかなかった。しかし、最後のヒトラーの残した名言がこの舞台をすべてと感じて複雑さが面白くなった。確かに草彅剛さんは私たちを熱狂させた。名言はネタバレBOXの中に。

ネタバレBOX

「政策実現の道具とするため、私は大衆を熱狂させるのだ。」
「熱狂した大衆だけが、操縦可能である。」
アキカゼフクカワベ

アキカゼフクカワベ

WHITE WAY

萬劇場(東京都)

2021/12/29 (水) ~ 2021/12/31 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

持田千妃来さん出演。
先日17才を演じられたばかりですが、今回はだいぶ性格の違う29才。メンタルクリニックの先生の治療を受けている、ヒステリックな会社員。新鮮な役どころでした。

ネタバレBOX

現実の震災や事件のことを扱っています。明るい話はありません。必然として、「いい舞台だった」と観客に思ってもらうのは、ハードルが高いです。それだけに基本的な「分かりやすさ」は大事だと思います。

基本の場面は2005年。
現代の2021年がワンシーンはさまり、
2005年の続きに戻ります。
2016年がワンシーンあり、
再度、2005年の続きで、終わります。

それぞれの年は、ステージ後ろに映写して客席に知らせます。表記は西暦です。

劇中のセリフで、事件について話すとき、「平成7年の〜」と。ここだけ元号では分かりにくい、というか多くの人が分からないと思います。統一すべきと思いました。

また、地下鉄サリン事件のことを言っているのであれば、その文言をはっきり示すべきと思いました。少なくとも私の連れは、最後まで分かっていませんでした。皆が東京のことを理解しているわけではない、ということかと。かく言う私も「聖路加病院と言ったから分かるのでは」と思ってしまいましたが、良く考えればエゴですね。知らなきゃ分かるわけないですね。

あとから分かりましたが、いわゆる当日パンフレットのチラシに、いろいろと書いてありました。これを読んでいたら理解度はだいぶ違ったでしょう。しかし開演前の客席はずいぶんと暗く、文字を読もうとは思いませんでした。
SLAPSTICKS

SLAPSTICKS

KERA CROSS

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

過去と今を行ったり来たりというのが苦手、カタカナの名前が苦手、で自分の理解力のなさが情けなかった。でも一生懸命観ました。ロロの森本華さんがとてもよかったです。またどこかで彼女のお芝居が観れたらと思います。

あゐ ばさみ

あゐ ばさみ

劇団光合聲

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/10 (月)

お世話になっているモデルさん繋がりで拝見させてもらいました。皆さん迫真の演技でした。個人的には時計屋さんを演じられていた役者さんが気になりました。東京公演も頑張って下さい。

昭和歌謡コメディVol.15〜お正月だヨ!ヤーレンソーラン!大騒乱!!

昭和歌謡コメディVol.15〜お正月だヨ!ヤーレンソーラン!大騒乱!!

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本年初観劇♪初笑い♪
二年ぶりですか・・・みんな元気で何よりです♪
って言うか、かなりパワーアップしていませんか♪

ネモフィーラ

ネモフィーラ

演劇ユニット小雨観覧車

サブテレニアン(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/10 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

描きたいことは分かる。主人公と演劇ユニット小雨観覧車の主宰で作・演出の山野莉緒さんの思いが重なる物語である。その意味では等身大で、今の心境を如実に表していると言える。悲しみと温かさが隣り合わせにあるような…滋味溢れる公演。

自分と相手が思い描いている世界観が違うことはよくあること、思いが上手く伝えられないもどかしさ、焦りがヒシヒシと伝わる。その心情は、手紙のようにしたためた当日パンフ、そして上演後(涙の)挨拶から明らかだ。しかし公演(物語)としては もう少し掘り下げた説明が必要だろう。
(上演時間1時間20分)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央暗幕の前に横長ベンチ、上手・下手に複数の鉢形(水)桶、下手に玩具の滑り台。これは池袋の街中風景であり、花屋や公園もしくは街路をイメージしている。シンプルであるが、物語は心象風景であり、タイトル「ネモフィーラ」を表すための花(屋)を強調している。

物語は、自他ともに認める天才音楽家である清瀬涼香(山野莉緒サン)が、公園で何かに悩んでいるところへ お兄ちゃんと呼ぶ津田孝浩(山岸大起サン)が現れ取り留めのない会話から始まる。涼香は売れっ子作詞・作曲家であるが、何故か楽曲の提供のみ。「演劇」を「音楽」に置き替え、主宰(リーダー)という立場がメンバーとの軋轢・葛藤等を生じさせる、を描く。が「立場(もしくは地位)が人を作る」と言われるように、どの世界も同じかも知れない。
一方、毎日花を買い求める孝浩、その行為に興味を抱く花屋のバイト・大野千春(トギナナミ サン)、その花屋の店長・田村麻優(やまだ まやサン)はしっかり者だが、少し翳があるようだ。

物語は、涼香周辺と花屋という2つの場所で紡がれる。或る日 涼香が失踪し、偶然 花屋で麻優と再会したところで、気持が大きく揺れ動く。心情を描く物語の中で、静かに客観的に見つめる人物が必要。その役割を涼香のマネージャー・佐久間史織(二川あおいサン)が担っている。淡々と仕事を請け、スケジュール管理を行う姿は、どこの組織にもいるような普通(普遍)の人物。その存在によって、心情という掴み難い話に追い込まず、人(誰も)が抱える悩みや苦しみといった普遍性あるドラマに仕上げている。

当日パンフに、山野莉緒さんはこの作品のことを”遺作”と書いている。「10年続けたお芝居ともお別れです」と。昨年11月に同名公演が事情(コロナ禍の影響?)によって中止になり、改めて挑んだ本公演だが…残念である。ちなみにネモフィーラの花言葉は「成功」だが、別に「許す」といった怖さも表す。タイトルに「後日譚」とあるから中止した公演内容とは違って、(改稿後は)より心情表現に近くなった、と推察する。

分かり難いのは、涼香、麻優、孝浩の関係。女性2人は天才・凡人といった台詞から音楽活動を一緒にした仲間と分かるが、孝浩と涼香、孝浩と麻優の夫々の関係が判然としない。さらに毎日花を買う理由は何か、麻優に会うためか?3人で音楽活動をしていたが、才能・音楽性の違い・人間関係等で解散したのか、もう少し説明を加えてほしいところ。

「遺作」ではなく、次の公演までの一時的「休作」と思いたいので、敢えて次回公演も楽しみにしております。
『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

OL編→武士編の順で観劇。OL編は確か過去2バージョン、家老役が確か天明女史、森内女史のを観た。コメントする程の事もないオヤジギャグ的作品だが、今回OL編を観た感触が良く、平田作の駄弁芝居の楽しみ方を習得したという事か?と省みるに、どうやら女性の家老の頼もしさを滲み出すところに照準化するテキストだと気付いた(天明、森内の時も家老が芝居を締めていた)。
前観た時は武士編に比べておちゃらけな印象だったのが、今回は炭火のような確かな温かさを感じ「意外といいじゃん」と再発見。(舞台成果の違いではなく、見方の変化かと思う。)
一方、武士編はいま一つ迫って来なかった(元々いまいちピンと来ない演目だが..)。OL編が思いの外良かったので期待値が上ったのだろう。
武士編は今回で3回目だったか。テキストはOL編と大枠同じ。役者が弾けてナンボの演目でもあり、それぞれ弾けてはいるのだが、白っと見てしまった自分がいた。
以前は男性が演じる手堅さが利点に思えたのに、何が違ったのか・・。女優の「性」に備わるマイノリティ性・被害者性、それを超えて前進する力強さ、といった属性(ステロタイプではあるが)が、テキストの隙間を埋め、テンションを支えていると感じた。
一方武士編の男バージョンで感じたのは役者の細さ、というと申し訳ないが、前に出演した島田曜蔵氏レベルの破壊力ある存在あって釣り合う(人物の色分けがくっきりする)戯曲なのかも。配役では一人、西風生子を入れて破壊力を注入しようとしたようだが、役者全体として「役柄を全うした」感に至らず、そうなるとこのパロディ上演の意味は厳しくなる。
OL編と違い、陣幕が張られ出で立ちも武士であるので、異質同士の境界線は少し異なるが、羽織袴を正当化する要素が希薄になってしまったせいか。所作、姿勢は武士に準ずる等が足りなかったか。
ほんの小さなボタンの掛け違い等でどつぼにハマる事もあるだろうし、そういう回であったのかも。

かように同じ作品を観ることの気づきはそれとして独特な楽しみがあり、自分は今回のような形態をレパートリー・シアターというカテゴリーに当て嵌めているが、欧州諸国での舞台芸術に対する人々のリスペクト、一定の社会的地位は、このレパ・シアターのありようと深く関連するように思っている。欧州(に限らないとも)モデルで想起されるのは「地域単位での文化の成熟」。東京一極集中の異常さを常に感じている自分としては、劇団の地方移転をやった青年団の今後を見守りたいが、不定期にせよ同じ演目を折節に上演して行くレパートリーシアターの試みも、支援会員制度と共に賛同する所。「地域に根付く演劇」という課題が社会の成熟と軌を一にしていると個人的には考えているので、一つの劇団や劇場、演目を「見続ける」観客のあり方の探求には密かに、大いに期待している。

ネタバレBOX

役について少し。
人物の「色合い」の区別は、キャラの強さだけでなく、人物の根幹を役者が汲み取り、体現するという「普通の演技」によって生まれるように思う。
今回は、各人が「弾ける」場面で「如何に弾けるか」に傾注し過ぎて、役の一貫性がどこか霧散してしまったのかも知れぬ(戯曲に文句を言え、とも言われそうだが)。

現代口語が無意識に目指している「日常」「普段使い」の表現が窮迫の場面で展開する様は、枝雀師匠の「笑い=緊張の緩和(もしくは緊張と緩和の同居)」理論の見本のようなものだ。意外な取り合わせが割とハマった、という展開も笑いの持続になる。
だが、劇中役者はどういう「日常」をそこにぶつけているのかが大事になって来るのではないか。現代口語演劇、と言った時の「現代」は既に一様ではない。武士各々の発言が「現代の日常」に帰着した時に「笑い」が想定されているのだが、その日常感覚が今この時には合わない、要らない、という感じを覚えた箇所があった。
勿論役者はその拘泥が「今」にあり得るように正当化し、真実らしくせねばならないのだろうが。。
家老は特異な存在で、昼行燈であったらしいから「緊張の緩和」を既に体現し、戯曲にも反映されていると思うが、今回の家老は序盤で「いっぱいいっぱい」の演技(笑いが取れる)を全力でやってしまい、ちょっとした逸脱には収まらず、家老の貫通行動が見えなくなった。見方はそれぞれだろうが。

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