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えーびーがた

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2022/01/27 (木) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

満足度★★★

演劇独特の時間軸を戻したり、並列させたり、進めたりを多様化した作品。考えている間にも時間がシンクロして、いまどこ?となる。頭の回転と理解時間が遅くなったと、実感。ぼんやりとではあるが、言いたい事は解った気がするが、すっきりしない作品でした。

チェーホフも鳥の名前

チェーホフも鳥の名前

ニットキャップシアター

座・高円寺1(東京都)

2022/01/26 (水) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

ニットキャップシアターの『チェーホフも鳥の名前』を観劇。

初見の劇団で、2020年の岸田戯曲賞ノミネート作品。

舞台はサハリン(樺太)。
1890年から1980年までのサハリンで生きつづけた市井の人々の話。
日本、ロシア、韓国の人々が、近代以前はどこにも属していなかったサハリンで、国家間の争いに翻弄されながら生き永らえる。
ただ描かれる人達から悲壮感は感じられず、時代に身を任せながら、波に溺れる事もなく、多民族国家を行き来しながら時が進んでいく。
歴史的背景は決して明るくなく、生き続ける事には厳しいものがあったにも関わらず、作家の登場人物たちへの眼差しは優しい。
国家同士の分断が現代社会の最大の問題ではあるが、このサハリンでの多民族間の生き方こそが今の世界に必要ではないか?と劇作家とチェーホフは叫んでいる。
そして誰も取り上げた事のないサハリンという島と人々の歴史を取り上げた事が目玉だろう。
今作を演劇作品としてはお薦めはしないが、劇作家の静かな声を我々は聴かなければいけないだろう。
おつかれ山さん

おつかれ山さん

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2022/01/26 (水) ~ 2022/02/01 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Team葉を拝見

ネタバレBOX


 舞台美術は一見した所職員室、ホリゾントに4つの扉。うち下手の扉が出捌けに用いられる。少し客席寄りの天井から太い梁が左右に延び上手の側壁に至っている。上手側壁の真ん中辺りに開口部があり舞台美術が教員住宅の一室として機能する場合にはホリゾント側がこの教員住宅の玄関、客席側にキッチンと洗面所があるということになり開口部が出捌けに用いられる。下手側壁客席側には樹木型の衣装掛け、その手前にソファとテーブルがあり主として主人公の山口の自宅リビングとして用いられる。この壁の奥には大きな本棚。
 板上手には、各教員の机、ホリゾントに一番近い机は教頭用で客席に相対し、教頭席に直交するように各教員の席は配置されているが、山口や教務副主任の机上は書類や本が堆く積まれており、心臓の悪い佐々木の席や教員労組員の机上には対照的に殆ど何も無い。無論このことで美術的にも各教員の忙しさを表現しているのである。登場人物は総て庶民感覚のキャラクターなので実際日本の縮図を見ているようだ。
 少し理屈っぽいことを謂えば、本来学問の府としての大学教育は思考の自由と真理探究の場として市民が創設、運営してきたものであるから独立・自治が当然の権利であるが「公教育」とされるものの場合は国家なり何なりの利害と戦争に役立つ画一的な人間を作り出す為に為されてきたという歴史的経緯が存在する。殊に1972年以降日本の教育現場は大きく様変わりして来、現状を迎えている。それは自立思考し得る市民が殆ど存在しないこの国の社会を増々泥沼化し沈潜させていると言えよう。その最前線に立つのが真面目な教師たちである。真面目でまともであろうとする者ほど、重責を担わされ押し潰されてゆく日本の現状を教育現場という設定で描いた今作は、多くのお笑いネタを組み込みながらも主張は唯一つ、ラストで山口が呟く異様なまでに美しい詩的台詞に込められていると観て良いだろう。体制の内側から何とかしようと頑張る人々の苦渋を描いて胸に迫る。
おつかれ山さん

おつかれ山さん

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2022/01/26 (水) ~ 2022/02/01 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

〈Team葉〉
前半は教職員から見た高校風景。生徒側からしか見ていなかったので、いろいろと考えるところがあった。ストレスの坩堝、病んだ人間を寄せ集めたテトリス、適当にやっていかないと気が狂う日々。今作の主人公、山口教諭(﨑山新大〈ざきやましんだい〉氏)は演劇部の顧問に柔道部まで押し付けられ、趣味的に運営している小劇団だけが生き甲斐。幼い子供を抱えた妻(篠田美沙子さん)との関係も上手く行っていない。柔道部は怪我続き、演劇部は人間関係の悪化、担任のクラスは喫煙で処分者続出、イカれた保護者(岩堀美紀さん)が怒鳴り込む毎日。
このテンポこの感じ、ワンツーワークスを思わせる。高教組やその他類似団体ネタなど着眼点が良い。組合や運動に希望を掲げる教師(堺谷展之〈さかいやのりゆき〉氏)の言説はかなり興味深い。この環境では人はそうなってしまうのかも知れない。女教師役杉本玲緒奈さんがMAXのNANAとこじはるを足したような美人。演劇部部長役の齋藤舞佳さんのじとっとした目付きがリアルで良い。
淡々としたエピソードの積み重ねは全てクライマックスの一点に向かっており、観客衝撃のラストが待っている。オミクロン旋風で東京では感染者数14086人、感染症専門の教授森内浩幸氏の衝撃の発言、「今、風邪の症状がある人はもうコロナと思って結構です」。次々に公演中止が発表される舞台。山さんの至る境地に誰もが共感するのではないか。果たしてタイトルの台詞は誰が誰に発するものとなるのか?この怒涛のクライマックスだけでも必見。お薦め。

ネタバレBOX

ラスト、教頭の訪問時にチャイムが鳴らなかったような。全てにうんざりしてどうでもよくなる為に、もっと前半重くリアルでシリアスな空気感を醸成していた方が良かった。別の話のようにミスリードされ点々と散りばめられた伏線が、山さんの自宅で一本の線に繋がるカタルシスこそが今作の武器。前半のミスリードにもう少し工夫が必要か。
あいついつまでもやってる

あいついつまでもやってる

トローチ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/01/22 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台は大学受験から生涯学習への転換中の予備校の会議室である。最近入ってきた老齢の派遣社員の強いテンションが昔いた名物生徒を想起させるということで二人の変遷が(照明の色で区別されて)交互に展開される。とくに変わったエピソードがあるわけでもなく強いメッセージがあるわけでもなく、沢山の小ネタで笑いを取りながら進むほっこり系のお話である。

役者さんもベテラン揃いで安心して見ていられるのだが、何か一つ尖ったところがほしいと感じた。それから主役の辻親八さん、常にいらだっているようで楽屋で何かあったのかと気になった。まあこういう芸風の方なのだろう(笑)

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

通常の裁判にプラスして、アンドロイドを人間として扱うのか?
というところも争点になった法廷、見応え充分でした!
判決からは、そうゆうことだったのですね⁉︎
たぶん生きている間には見ることのできない世界ですが、
いろいろなことに思いを廻らせられる舞台でした!

だからビリーは東京で

だからビリーは東京で

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/26 (水)

価格3,220円

26日18時半開演回(105分)を拝見。

評判の良さに惹かれて、東京芸術劇場シアターイーストへ足を運んだが、ここ2、3年のコロナ禍で、雌伏を強いられ、あるいは、途半ばで夢破れた演劇人の無念の思いを、笑いと熱情とで表現した105分は、評判をはるかに超えた出来栄えだった。
それにしても、作者は、作品中の劇団と同じく、私たち観客にではなく、自身等を含めた、演劇に関わる・かって関わったことのある”同志”に向けての
懐かしい思い出を蘇らせる牧歌として
打ちのめされた魂を安らげるレクイエムとして
この脚本を書かれたのかな?
その調べは劇場からの帰路、永らく胸に響き続けた。

ネタバレBOX

【配役】
石田凛太朗(ミュージカル『ビリーエリオット』を観て、主人公の生き方に自分を投影し…)
…名村辰(なむら・しん)さん
住吉加恵(凛太朗が入った劇団の劇団員。韓国人の彼氏がいるが…)
…生越千晴(おごし・ちはる)さん
能見洋一(劇団の主宰、作・演。演劇でしか、自身を肯定的にとらえられない)
…津村知与支(つむら・のりよし)さん
長井進(劇団員。コロナ禍で生活の糧を得るために始めた家庭教師の仕事が…)
…古山憲太郎(ふるやま・けんたろう)さん
山路真美子(劇団員。乃莉美とは昔からの付き合いだったが、彼女の…)
…伊東沙保(いとう・さほ)さん
久保乃莉美(劇団員。コロナ禍の中、自宅に籠っているうちにLINEを通して…)
…成田亜佑美(なりた・あゆみ)さん
石田恒久(凛太朗の父親。酒が原因で妻と別居。かって凛太朗に暴力を振るっていた)
…西條義将(にしじょう・よしまさ)さん
ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/22 (土) 19:00

 私が今回観劇した『ガラテアの審判』という作品は、裁判劇だが、ロボットにも人権があり、アンドロイドと人間が共存する近未来を舞台に、ココノエアンナ(7)を殺害した容疑で、隣家の家庭用アンドロイド俗称ジャックを拘束し、それを裁く裁判が繰り広げられる内容となっております、アンドロイドを人間が裁くという発想自体が新鮮で面白かった。

 劇に出てくる登場人物も、経験は浅いが正義感に燃える若手の女性検事、日和見主義で事なかれで無責任な女性判事、うだつの上がらないが実は確こたる信念と情熱に燃える国選弁護人、証人として立つロボットメーカーの責任者は、ロボットのこととなると、我が子をみるようにしっかり面倒を見て、愛情を注ぐ、変わっている人など、一癖も二癖もある登場人物たちとそれを演じる役者がクロスして見え、役者の迫真の肉体全身を使い、5感全体を張り巡らせた演技と登場人物双方に魅力を感じました。

 途中に分かってくる若手女性検事の主張がそれらしいことを言ってはいるが、実はほとんど偽善的な味方に過ぎなかったことをうだつが上がらないように見えた国選弁護人に完破されたり、容疑者のアンドロイドが実は犯行に及ぶ前まで、持ち主による虐待疑惑が持ち上がったり、法廷中に発砲事件が起き、アンドロイドは中身だけになったりと、予想外の出来事や偶然、意外な事実などが連続して起こり、途中多少の証人台に立つ人のキャラなどによって笑いを引き起こしたりしつつ、全体的には、緊張に次ぐ緊張を強いられ、この裁判の結果はどうなるんだろうと、息を呑み、手に汗握りながら、作品世界にのめり込んだ。

おつかれ山さん

おつかれ山さん

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2022/01/26 (水) ~ 2022/02/01 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良かったです。(〈Team葉〉観劇しました。)

ネタバレBOX

凄く面白いけど、凄く怖い作品でした。
だからビリーは東京で

だからビリーは東京で

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/01/25 (火) 18:30

評判がいいので観に行った。確かに面白い。108分ほど。
 大学に入るのに東京に出て来た青年が、初めてのミュージカルとして『ビリー・エリオット』を観て俳優になろうと志し、劇団のオーディションを受けるものの、その劇団は前衛的手法で世間受けせず…、的な物語。劇作家が劇団を中心にした作品を書くと自己弁護的になるという印象があるが、さすがにベテランの蓬莱にはそんなところはなく、ある種リアルな物語が描かれている。コロナも次第に含み、他の5人の劇団員と青年の父親の7人しか登場しないのだが、そのそれぞれにバックグランドを描くなど、巧さもあるし、この劇団どうなるんだろう、と思わせておいて、みんなが予想する方向に進んで行くことなど、展開の起伏もある。でも、期待ほどに面白いとは思わなかったのは、軸が青年なのか劇団なのか、ちょっとハッキリしなかったという思いと、この物語は東京にやってきた人々の物語で、東京で生まれ育った私には少し抵抗あるセリフがあったからだと思う。『ビリー・エリオット』を観たことがないので、その感動とかに付いていけないことも関係しているかもしれない。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/22 (土) 18:00

2度目の観劇だが、戯曲を買ってみると、かなり深い作品だと分かる。面白い。90分。
 主要な6人の登場人物は3人で各2役で演じることが戯曲で指定されていることが分かった。主人公のマーラとマイラは1人の人物の両面を描いているように見え、そのことが1人2役で演じるという形になったのか。2人の息子のケニーとベンも八島智人が2役で演じるが、これも正反対のキャラクター。今回は「夢」という場面が2人の和解を求める心を描いているように思え、2役を演じることで「同じ人間だ」と言っているようでもあった。もっと考えていくと、いろいろと解釈できる作品だと思う。さらに使用する劇中曲も「同時代の女性シンガーの曲」を使うことなども指定されていて、それなりに腑に落ちる選曲だと思った。特にオープニングとエンディングの Gloria Gayner "I Will Survive" はピッタリだと思う。

あいついつまでもやってる

あいついつまでもやってる

トローチ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/01/22 (土) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

内容が濃く、ラストを観て改めてタイトルを知らされた作品です。今日も当日券で観劇いたします。なぜなら、そうしないとあのうやむやが解決しないからです。なので、ずっと観ていたい作品なのです。是非、あなたにお薦めいたします。

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

殺人を犯したアンドロイドは人間と同等に裁かれるべきか。
仮にヒロユキが論破したところで、それは無いだろうと思って観ていたのだけれども、とことん重ねられていく審議や証言、ドラマチックな流れに引き込まれるがまま気持ちが大きく揺さぶられていく見事な公演。

審判に向けて事件の本質を突き詰めていく作品力。
ひとつまたひとつと真実が明らかになっていくほどに、浮き上がるそれぞれのカタチ、それぞれのカタチで感情が高ぶっていく役者さん達の熱演が素晴らしい。
体感では劇場のほとんどが舞台スペース、シアター・ミラクルならではの臨場感。
近くを役者さんが通る時には台詞はなく、激しい感情表現の時は必ず飛沫が観客に向かない事等ことごとく配慮されており、安全とエンターテインメントの両立が考え尽されていたと思います。
それらの配慮に守られ、今、これだけの迫力ある舞台を堪能できたのだという事に強く感謝。

アオイの花【1月25日-27日公演中止】

アオイの花【1月25日-27日公演中止】

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

こういう事態だから急遽休演という事もあるだろう。しかし、今日の対応はいかがなものか。私は13時にストレイドッグのHPを確認して何事もないと、午後の仕事に出かけ、中野へ行って見れば、がらんとしたホールの表にはり紙が一枚。帰宅して私のパソコンをチェックすると、今日休演の通知が来たのは16時30分。開演の1時間半前である。これでは、劇場の前でうろうろしていた今日のチケットを持った客はどうしようもない。緊急事態だからとは言うが、紙一枚で、係員は一人もいない。払い戻し、代替公演の案内もない。いかにも礼を失していないか。こういうところで「アート気質」を出していてはこの劇団に未来はない。まぁ、そんな悪意はなかったとしよう。しかし、世間の常識、儀礼は舞台に立つもの心得ていてもらわなくては困る。雨も降り始めた帰りの夜道、かなり不愉快だった。

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これは観ないと後悔するタイプの演劇だと思い、
無理やりスケジュール調整をして観劇。

SF要素と法廷演劇が上手く融合していた。
SFが絡むと話の内容が安っぽくなったりするのではないかと
心配したが、全くそんなことはなくシリアスな展開が
ずっと続き飽きさせない作りだった。

こんなに練りこまれたシナリオは久々だった。
2時間の演劇ならこれからも絶対観に行く!!
60分だと移動の時間の方が圧倒的に長いので悩む。

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

115分ノンストップの裁判劇。書きたいことは山ほどあるけどすべてネタバレに通じてしまうー(汗)!!とっても面白かったです。おすすめです。

ネタバレBOX

アンドロイドが開発されて早50年、今では自己成長型ニューロチップの開発で人間と遜色ない見た目・頭脳・考え方を持つような存在になっている。
最新型アンドロイドとして開発された製造番号HY-1985型・俗称ジャックの試験機3体は、1体がラボラトリーに、残り2体が開発企業ゼペットワークス社関係先の一般家庭にテスター配備され、出荷前の最終テスト段階にあった。
そのような中、オオサキ家に配備されたジャックが隣人殺人で逮捕され、刑事裁判の被告人となる。
ジャックは人間なのか人間でないのか、人間的な責任能力を問えるのか、これは有責性を問う裁判なのか、それとも。。
これは殺人裁判という一言で片付けられる、いわゆる法廷モノではない。地裁の公判前整理手続における判事・検事・弁護士のやり取り、回数を重ねるに連れて各個人の人間性も透けて見えてきて、すべての関係者の思いに同苦してしまう。
そして判決だが…古い話かも知れないが、私は舞台を鑑賞しながら永山基準について思いを巡らせていた。犯罪の動機の有無や計画性、衝動性、殺害された被害者の人数や被害者家族の感情、前科などを考えていた。それをアンドロイドに適用するならば、どうなるかと。もし機械として裁くならこうであろう、でも人間として裁くならこうであろう、と。
判事の結論は、なるほどと言わざるを得ない。おそらく観ていた人全ての心の中に、新しい「何か」を残し、共有させる舞台であったと思う。
最後のピリッと気の利いた旧型アンドロイドのセリフに笑って締めくくりになったのも良かった。
ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

藤田俊太郎演出舞台を観るチャンスが「やっと来た」とチケット購入。最初のチャンスは一昨年春の「VIOLET」だったがコロナで流れ、次なる「NINE」は配信で鑑賞できたが相見えた実感には遠かった。今回は間近でミュージカルや大舞台でない小劇場演劇を藤田演出で観れるてのも興味をそそる所。
一言で印象を言えば、ワイルドな演出だった。ワイルディッシュな、というのではなく、作りそのものがザラっとした感触で、一見不親切でぶっきらぼうに見えるが、何らかの合理性には則っているような、という感じ。第一には戯曲の作りに依るのだろうが、見た目も大きい。両面客席に挟まれた演技スペースは台状で、俳優は両サイドの段を上がって登場するが、この台の表面が見た目に場末のダンスホールの床面みたく美しくなく、これは「狙いか?」、とも思うが「汚し」というには作為的な美がない(大舞台に慣れてると床表面の肌触りまで客席から見える事に注意が及ばないのかも?と思ったり)。また台の上部には、そう高くない天井に接する感じで両側から見える映写板が据えられ、場面のタイトル、年代等を表示するのだが(同じ文字の裏と表が二列並んで見えるので表裏が透けているらしい)、意図的なのかよく分からない場末感を「舞台上に」でなく「舞台そのものとして」作っているので変な感じを覚える。どこから持ってきたんだろう?海外経験のあるという藤田氏が見て来たイメージそのままを反映しているのかも・・?(こんな文字数使う程の事っちゃないが。。)
もしや少しだけ遅れて見始めた事で、会話の意味が耳になじまない間にそんな所に目が行ってしまったのかも。
ただ、ドラマを追う内に、戦後アメリカ史をある特異な角度で縦走するワイルドさに馴染んでくる。例えるのも変だが「イージーライダー」に登場する彼らを今思い出した(内容は全然違うが)。まあ舞台全体が放つ何か「異文化」的なものの正体を見ようとしたがいまいちうまく行かず。また考えてみる。

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

迫力ある面白い劇でした。きちんとして輝いた演者に拍手です。

絶叫【公演中止】

絶叫【公演中止】

“STRAYDOG”

HEP HALL(大阪府)

2022/02/05 (土) ~ 2022/02/06 (日)公演終了

実演鑑賞

この世にあるさまざまな差別やなどの社会問題が1人の女性を軸として描かれて、最初は生きることに必死の女性の姿が勇敢に見えていたが後半につれて人間の醜い部分が全面に出ていて、最後まで面白い舞台でした。

夏の砂の上

夏の砂の上

玉田企画

北千住BUoY(東京都)

2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

主宰が自作以外を演出した舞台。パンフにはこの作品への玉田氏の思い入れが綴られており、十年程前に読んだとある。もしや?私が初めてのこまばアゴラ劇場で、初めて松田正隆作品に触れた舞台を見たのでは、と調べてみた。が、作者と劇場そして平田オリザ演出で検索してヒットするのは2003年「夏の砂の上」のみ。劇団を四つ程度しか知らなかった昔、でも平田オリザの名は知っていただろう。覚えているのは日本家屋の一部屋、畳を踏む音も聞こえそうな張り詰めた静けさの中で、心情が行き交う舞台に少なからず圧倒されたこと。淋し気な夫と、やがて別居中の妻が現われ徐々に「別の男」の影が見えて来る・・3人位の芝居だと記憶していたのだが、本作の出演者は8名。2003年上演には占部房子や内田淳子、金替康博、松井周の名前もある。その後芝居をうんと見るようになった頃、既視感のあった占部房子、松井周のこれが初見だった仄かな記憶は、上書きされたものだろうか・・。(人間の記憶はデータそのものは全て脳に保存され、取り出せないだけだと聞いた事がある。)
本題。端っこが省略された日本家屋の一室と廊下、向かいの部屋の障子戸、等が低い天井の劇場内にしっかり作られ、お膳立ては整っている。男が入って来る。まずまずだ。一人だけ名前を挙げれば用松亮、やはり笑える。・・一人でぼんやり暮らす男、別居中の妻が現われ、長く夫婦だった者同士らしい低いトーンの会話。その中で二人の関係性、近過去の事、うっすら浮かぶ妻と親密な人物の影、といった事が見えて来る。その後の一場の展開は次の通り。突然妹(男の)が十代の娘を連れて訪ねて来て、少しの間預かってくれと言う。博多で店を出すよう勧められたのでその準備で大変という説明にすかさず男は「男か」と見抜くが、今度は本当だと主張する妹と男の押し問答の末、「夫婦に頼み込んだ」つもりの妹は去って行く。妹を追って男が玄関に行った間、黙って座っていた妻が娘に話しかけ、一しきり談話。どころが娘がてっきり同居する人と認識した相手はおもむろに立ち上がり、「じゃ」と帰って行く。唖然と見送る娘。男が戻ってくると、残された二人の図。・・男は仕事の事(整理解雇か倒産か)や妻の事もあってくさっているがどこか諦めの風情があり、娘の方は母の男が変わるたびに引っ張りまわされる運命を半ばあきらめている風情、妙ちくりんなコンビが残り、暗転という文句の付けようのない出だしである。
その後男の元同僚らが久しく顔を合せた宴席からの帰り、男の先輩(用松)、後輩(妻と怪しい)らが騒々しくなだれ込んで来る。そこで娘と顔を合せる場面の妙。その席では後輩が男に難癖をつけ一悶着(男がしっかりしないから妻を不幸にしている、それが俺は許せない・・というポドテキストがむくむくと想像される..が今は推測の範囲)。先輩は明朝から仕事らしく眠くなっており、向かい部屋の布団で大いびき。
後日、今度は娘がバイト先の男を休憩時間に招き入れている。おずおずと上がり込む男が、達観した娘の不思議ちゃんに振り回されるつつも惹かれているらしい図。
また後日、先輩が急死し、お通夜に出ようとする場面、最後の人物が頭と腕、足に包帯を巻いた状態で登場。例の「怪しい仲」の男の妻である。男の妻と自分の夫の関係は疑いのない事実だと告げる。そこへ喪服を取りに元妻がやって来て、対面。ここに娘とバイト男が噛んでいる(ハローワークで夕方まで不在のはずが急遽の訃報で戻ってきた格好)、男がバイト男に「責任を取れるのか」と迫る場面に女の訪問があり、女の話を聴く場面に同席させられているが、妻の訪問で対決場面になりようやく放免される、という「男=バイト男」の図が挿入される事で、女の悲壮な告白が他人事のように見え笑える場面になる。さて妻と女の対面では女は精一杯、猛烈に食ってかかるが、どこか冷めている男。女は敗北感を噛みしめて帰って行く。
その後は収まる所に収まる場面の後、ここで終わっても良い場面、男と娘の心が説明のつかない何かで結ばれ、通い合っている図が残像となり暗転。だが芝居は娘が去る場面で閉じられる。妹の再訪問で一気に現実に引き戻される。店はうまく行かなかったが、また目標が出来たと言う。今度は海外である。二人が去った後、娘が戻ってきて、たぶんそこには行かないと思う、と言う。
一人男が思いにふける図で芝居は終わるが、最初の場面から「生活」そのものは変わらない男の中に、何が残るか、が核である。観客ともども、「どう終わるか」。もっとはっきりと、男の思いが見える芝居の作りもあり得るだろうが、私には見えてこなかったので色々と想像を逞しくした。それを語るのが感想の中心になるのが本当だろうが、それはしない事にする。

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