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パンドラの鐘

パンドラの鐘

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/06/06 (月) ~ 2022/06/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昨年初観劇した(内容も初めて知った)戯曲。元は蜷川幸雄が野田氏にオファーしたものだとか(初演1999年)。他の演出家に手渡すべく書かれた戯曲を昨年は熊林弘高氏、今回は杉原邦生氏の演出で観る。真逆である。
熊林演出版は、静けさと透明感があって私は好んだが、今回はほぼ対極に振り切ると知って何故チケットを早々に仕入れたのかと言えば、出演陣、特に葵わかなの名があった故で。
朝ドラ「わろてんか」をネットで全編観終えた後、独特な笑顔で「こなしてる」葵わかなのプロフィールを見て驚いたのが出演時の年齢(20歳そこそこ)。他で目にしなかった名前を芝居のチラシで発見し、その舞台はコロナで流れたが、それで「今度こそ」とギアがかかったようである。純愛物やコメディならまだしも、野田氏の屈折戯曲を彼女がこなせる気が全くしないのに、である。杉原演出舞台も、甚だ失礼ながら「KUNIOハムレット」以来成功作にまみえた記憶がない。「外れだろうな」と期待をしていないのに楽しみに足を運んだという奇妙なケース。

舞台は意外にも、「パンドラ」の正解とは思えない出来(予感どおり)にも関わらず、楽しく観た。約めて言えば杉原邦生演出は「異化」に彩られており、一方戯曲にあるのは、眠っていたリアリズムの怪獣が姿を現わす大詰めのカタルシス(又はカタストロフ)。時系列無茶苦茶でもそれを捻じ伏せる言語力が売りの野田戯曲に対して、熊林演出は正しく、言わばレイヤー幾層も重ねる形で処理していた。軽々と捲ったり戻したりし、最後は一挙にそれを捲って「原爆」という歴史のリアルを見せる。現代と古代が、明確な区別とその侵食の具合が判るように熊林演出は見せ、全体には霞をかけていた。演技陣では古代の女を演じた村岡希美のキャラが立って関係が明確であった。
これに対し杉原演出は古代と現代の区別、それぞれの超課題、二つの関係性等が、演技を通して明確に伝わって来るという具合には行かなかった。演技陣が揃っていながらのこの状況は、少々残念である。ただ、明るい照明の中でハキハキと演じられる芝居は、「台詞を聞かせる」面で誠実さはある。熊林版では「雰囲気」で聞き流していたらしい台詞が聞こえて来たりもした。その事により、古代と現代の関係の(戯曲の)破綻具合も浮き彫りになるが、ボルテージが高まる終盤の高揚は否定しがたい。
感動の演出であるが、しかし原子爆弾の秘密が埋め込まれた古代王国の鐘を、敵方から守り切れず長崎の町を壊滅させてしまったと、現代(この芝居では現代=戦時中)の男が嘆き、それと古代の男とが「共鳴」するのであるが、因果関係を超えた殆ど「詩」の世界が、杉原演出では即物的というか「字義通りでございます」となる。
杉原氏の天然さ加減(そう仮定してみると合点が行く所も)は持ち味であり、欠点を補って余りある面もありそうではある。
さて我らが葵わかな女史は、声の良さが必死さ一辺倒の演技を補い丸みを持たせ、(杉原氏に通じるかもだが)天然ぽさが(人物造形とは関係ないところで)華を与えている感もなくはない。大型俳優が並ぶカーテンコールは壮観ではあるが、もっと「役」の存在として見えたかった。

ネタバレBOX

長崎に落とされた「原爆」という事物が芝居の終局で裸のまま提示される(それまでの台詞が全てそれを覆い隠すためのシーツであったかのよう)、という構図は、「フェイクスピア」の最後のシーンに通じる(野田戯曲の基本構図なのかも)。そのシーン即ち日航機の墜落までの時間を一塊のコロスらが演じた形が、今回の原爆のシーン(こちらは短いが)に用いられていた。元ネタが想起されたためか、コロス様式そのものの持つ効果か・・真実性を垣間見た人間の目を多くの観客がしていた事だろう。日常ではかなり目は曇らされており、晴れる時は稀だ。「真実」とはかけ離れた日々を送っている証左。だからこそ芸術を、真実なる知を、求めるのであるが、、近年感じている事の一つが、選挙前はえらく目が曇らされている気がする。
今「問題」があるからこそ人は投票行動で問題解決を誰に委ねたいか(どの考え方での解決を望むか)を意思表示するのであるが、今現在何が重要な問題として挙げられるか、テレビ媒体が親切に取り上げる事は(アリバイ的に「特集」をやる以外は)ほぼ無し。つまり「問題」は無い、が基本的なトーンだ。あるとすれば、今回で言えば防衛が危ういから軍備を増やす、位か。だが何が「問題」だから軍事力が必要か、の理由が希薄。「軍備増強」を打ち出し、これを否定する明確な論拠がなければやって当然、となる。軍備を増やせば予算割で他の支出を圧迫し、声を上げる余裕もなく単純明快なスローガンに飛びつきやすい貧困層を再生産する路線がまた踏襲される(それが政権に利する事は説明するまでもない)。

今の日本で演劇表現が生き続けている事は、一定の民度を保ち凋落を食い止めているとかねてより思っているが、健全(というより普通の)思考の源がまずテレビのコメンテータやMCの交代という形で断たれ、ネットではある言説まるごと「赤」「反日」に括って排除する仕組みも浸透し、いずれ演劇がそのままカテゴリーとして「囲われる」日もいつか来ると未来予想している。小説等の分野では作家個人が(学術会議問題で個人が標的になったように)吊し上げ。カテゴリーの囲い込みと言えば「人文系」への軽視が徐々に広まっているし。
演劇は「一部の不逞勢力が」という匂わせ付でカテゴリーごと批判対象とされ、元凶探しの動きが出、分断が成功する(許される演劇と許されない演劇)。発信する者はかつてと異なり、それで「飯を食う」方法の模索が優先されているので、いずれは足下を見られる。踏ん張れるのかな。。
『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ブラックアウト』よりストーリーにやや矛盾した印象があるが、演技含め見応えはある。歌は、あんなにはいらんだろ、と。

朗読ユニットさざなみ第二回日本公演in東京

朗読ユニットさざなみ第二回日本公演in東京

朗読ユニットさざなみ

金王八幡宮(東京都)

2022/06/19 (日) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想遅くなりました。とても、有意義で穏やかな時間を過ごせました。そもそもの志しも素晴らしく、内容、お芝居本当に楽しめました。会場も日常とは違う空間で非日常の中での日本と、中国の良さを感じながら時間が過ぎました。また、お二人で揃った時に機会があれば拝見したいです

センデンカイギ

センデンカイギ

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

自在に空気を操る会話劇に惹き込まれた。

おちょこの傘持つメリー・ポピンズ【岡山公演延期】

おちょこの傘持つメリー・ポピンズ【岡山公演延期】

劇団唐組

花園神社(東京都)

2022/05/07 (土) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

唐組の満足感は全身で味わうことができるので本当に大好きです。

セイレーンの痕

セイレーンの痕

たすいち

吉祥寺シアター(東京都)

2022/06/23 (木) ~ 2022/06/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/27 (月) 12:00

高低差のあるステージで精神性の高いストーリーを展開。複数の人間の複雑な心の機微を、時に共感できたり、時に面倒臭く感じたりしながら観劇しました。この劇団の真骨頂。

私の恋人 beyond

私の恋人 beyond

オフィス3〇〇

本多劇場(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/06/30 (木)

価格6,580円

30日19時開演の初日舞台を拝見(114分)。

個人的には、ほぼ同じトーンが 114分続くのが単調に感じられた。
が、客観的には、渡辺えりさんの堂々たる歌唱、小日向文世さんの飄々たる演技、そして、のんさんの華のある存在感を踏まえれば…チケット代に見合う、充実した"音楽劇"なのであろう。

その演じ手だが、渡辺えり、のん 、小日向文世の主演トリオは勿論のこと、松井夢、坂梨磨弥、関根麻帆、山田美波の4氏が歌唱・パフォーマンス共に、実に素晴らしい出来だったと伝えておきたい。

ディグ・ディグ・フレイミング!

ディグ・ディグ・フレイミング!

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

90分の短い時間がいい

白きレジスタンス~約束の行方~

白きレジスタンス~約束の行方~

ピウス

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日、観劇しました。もう、言うことはありません。最高すぎます。少しでも、気になった人は、見るべき。人生、かわるかもしれません。
百聞は一見にしかず!見て聞いて感じてください!!

アテンションブリーフ

アテンションブリーフ

劇団うけつ

OFF OFFシアター(東京都)

2022/06/29 (水) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高におもしろかった。無理して笑うのでなく、本当におもしろくて笑い転げた。
自然な笑いで、ここまで笑わせられるのは、本当にスゴい!!!
五年前にもやった公演ということで、さらに磨きがかかっていた。
役者さんたちに余裕が感じられて、ひとつひとつの演技に本当に磨きがかかっていて、素晴らしい。
表情がとても上手くて、夢中で観てしまった。

最後にギターの生演奏というのが、お芝居の良さをさらにアップさせていて、素晴らしいと、うなってしまった。
劇団のためにわざわざ作ったもので、いい曲でした。

ブリーフ...これが目玉です。ネタバレになるので書けないが...
おもしろい。本当におもしろい....書きたいー!!!

萼~gaku~

萼~gaku~

演劇ユニットアムアネ

シアター711(東京都)

2022/06/29 (水) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/30 (木) 14:00

105分。休憩なし。

ディグ・ディグ・フレイミング!

ディグ・ディグ・フレイミング!

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりに、いまの世間が丸ごと舞台に乗っているのを見た。旬の若い演劇人の舞台で、今年の岸田戯曲賞の作者も劇団範宙水泳(作者は座付きのようだ)もはじめて。
素材は、今を流行りのSNS。「MenBose─男坊主─」という男性グループインフルエンサー たちの言動の謝罪を巡る騒動を描いていく。舞台中央にスクリーンを模した通り抜けできるパネルが張ってあって、そこに、タイポグラフィーで様々な文字が出る。内容はほとんど読み取れないが大きくシーンが変わるたびにそのシーントップのクレジットは出る。シーンは全部で十数シーン。なにが世間を怒らせ謝罪しているのか深くは掴めない。ただ形だけ謝っているようにしか見えないが、内容が空疎なものにしか過ぎないことも、しかし、中には重大なことも含まれていそうなこともわかる。後半になると引きこもりの一人の少女(亀上空花)とその母(村岡希美)への誹謗中傷に絞られていく。その経緯は男坊主四人の踊りとも演技とも芸人芸とも決められない早い動きとセリフで語られるのだが、見ている間は面白く笑ってしまうのだが、すぐ忘れてしまう。こういうところが実に今風で、世間を衝いている。
舞台構成には、若者得意の音楽はもとより、マッピング、タイポグラフィーや九州のかぶりもの劇団の手法まで取り入れ、舞台面は極めて賑やかな早い進行で、上滑りしていること自体が狙いなのだが、稽古はよく行き届いていて95分、全く隙がない。客演の村岡希美が見事な抑えになっている。
今年のベストの一つに上げられる舞台だろう。
一つだけ異見を言えば、タイトル。「ディグ・デイグ・フレイミング」のディグは、そのままでもほとんどの人は理解できるだろう(作中でヒントもある)が、フレイミングには英二文字目、rもlもある。ともに名詞母語から動詞、副詞、形容詞などにも使われている。しかし日本人にはどちらも同じ「レ」だ。どちらを取っても、意味は分かるが、その内容はかなり違う。英語生活圏で生活したことがないし、使ったこともない言葉に確信が持てない。これは多くの日本人が同じだろう。その二重性も狙いだと言われれば、随分手が込んでますね、と言うしかないが、それが、「ロボットではありません」と言う副題にどうつながるかも、作者側のお答えは欲しいところだ。それが、ご覧になった方のご自由に、となってくるとこの現代の荒廃は堂々巡りで際限なくなってくるので、まさか作者はそうは思ってはいないだろう。

又。この五つ星おすすめは、ことに若い方に。同時代演劇を持つことの幸せを!

小刻みに戸惑う神様

小刻みに戸惑う神様

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/16 (木) 14:00

劇作家だった男の通夜が終わってしばらく後から約1日の関係者たちを斎場の休憩スペースを舞台に描く。
優しくあたたかく時にユーモラスというはここの持ち味だが、エキセントリックな人物がいたり時折露骨に笑いをとりにゆく部分があったりするのは新機軸?と思ったが書き下ろしではなく3年前にジャブジャブサーキットで上演されたと知り得心。こういうのもイイんじゃないか?

ネタバレBOX

あと、一部に堤泰之「煙が目にしみる」と通ずる部分があったがあちらは告別式後でこちらは通夜の後だし、活かし方/使い方もまるで異なるな、とも。
てなもんや三文オペラ【6月8日~11日昼まで公演中止、宮城公演、新潟公演中止】

てなもんや三文オペラ【6月8日~11日昼まで公演中止、宮城公演、新潟公演中止】

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/30 (木)公演終了

実演鑑賞

大阪アパッチ族のボスのマック(生田斗真)と若い娘の結婚式…新婦として登場したのはウエンツ瑛士! 同性婚という今流の変化球でそうきたか!と。乞食商会のピーチャム夫婦(渡辺いっけい、根岸季衣)はむすこ!を奪い返すため、マックをわなにはめる。マックを裏切る娼婦のジェニーがまたおかまで福井晶一が演じている。すごいぜいたくな配役だった。

乞食行進は皇居前への示威行進など変えているが、基本はブレヒトの原作を下敷きにしており、安心してみていられた。アパッチのアジト、乞食商会、娼婦宿、警察の牢屋等々を、手際よく転換していたセットもよかった

一番有名な「マック・ザ・ナイフ」の聞かせどころが少なかったのは残念。「大砲ソング」「ソロモンソング」などほかの曲も、ほかの舞台で聞いたときよ、メロディーを追いにくい難しい曲に感じた。アレンジのせいだろうか。

ネタバレBOX

さらに原作をひっくり返しマックがあわれ絞首台の露に!。死ぬ前のマックの演技がさすがの独壇場。戦場で殺した敵兵の「おかえり」を奪った罪、その罪のために自分は死刑を受け入れると。非常に引き付ける名場面だった。さらに原作では偽装妊娠だったルーシー(太った平田敦子が怪物ぶりを発揮した超好演)が立派な赤ちゃんを産んで、ウエンツ瑛士といい感じに(ウエンツは逃げているが)。そして舞台は砲弾が雨あられとふるあの世の(?)戦場に戻り、マックが「ただいま!」と帰還を喜んで終わる。意味深なラストであった。
JACROW#28『鶏口牛後(けいこうぎゅうご)』

JACROW#28『鶏口牛後(けいこうぎゅうご)』

JACROW

座・高円寺1(東京都)

2022/06/23 (木) ~ 2022/06/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

単純に大企業の歯車より起業しろ、安定よりリスクをとれという話かと思うと、さにあらず。なかなか複眼的で説得力のある見方を提示していた。今回は、マルチエンディングという手法。前半と後半があり、主人公の決断の違いによる、後半2パターンの両方を舞台で演じる。ゲームにはよくあるが、演劇で見たのは初めて。(先日みたマックス・フリッシュ作「バイオ・グラフィ:プレイ」は芝居による人生のやり直し、という枠組みで、これに類することをしていた)

海洋プラ100%でつくる新ブランドを部長につぶされた主任が、社内に残って臥薪嘗胆する第一のパターンと、起業して単身雄飛する第二のパターン。二つのパターンが微妙に相似形になったり、しゃれた形だった。知的にスマートであるとともに、次女の「安定した生活はなによりのぜいたく。それがなき母の教え」を信奉するかたくなさや、俗物部長のいやらしさといったドロドロした味もある。

会社を退職して競合ブランドを立ち上げた主任(川田希=好演)を、元部長(谷仲恵輔=吉田茂役が懐かしい)が腹いせに露骨につぶしにかかる。銀行マン(芦原健介)が「コンサルタントとマッチングで融資先をういんういんに。これが倍返し、バンカーの信念です!」などと中小企業の強ーい味方だったり。キャラの善悪を固定化して物語をすすめる、漫画的なところがあるけれどご愛敬である。銀行マンにはユーモア、ギャグもあるし楽しめた。

ただ、大きく段差を設けた舞台の、奥の一番高い舞台が客席から少し遠いのは残念だった。2時間10分

ネタバレBOX

企業のなかでも自分のやりたいことを生かす道はある。自分のやりたいことを貫けるかどうかは、大企業のなかかベンチャーかは関係ないのではないか。社内でやる人がいなければ社外に外注化する。社の内か外かの違いだけで、やることは案外同じだったりする。できる人間にはそういうことになるだろう。

社に残った人間と、ベンチャーを立ち上げた人間が、二人で協力して新ブランドを伸ばしていくラストは、なかなかうまく考えたものだ。
もんくちゃん世界を救う

もんくちゃん世界を救う

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

桃太郎がベースでありつつも現代の話、
面白い切り口で楽しかったです。
含みもありつつの、一言では言えない舞台でした

たぐる

たぐる

ここ風

テアトルBONBON(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

含みを残したラスト、これはこれでイイのですが、もう少し知りたい欲が出てしまいますね!

ディグ・ディグ・フレイミング!

ディグ・ディグ・フレイミング!

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/06/25 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京芸術劇場の広い舞台を少人数で駆け回り、演劇の醍醐味を見せてくれた。
登場人物が皆魅力的でぶっ飛んだ設定にリアリティを感じさせてくれる。
現代社会のいろいろな歪みをテーマにしながら暗くならず、逆境の中でも生きていく強ささえ感じさせる。
どんどん芝居に引き込まれた。

山本卓卓の言葉と演出が冴え渡る。

ネタバレBOX

久しぶりに観た福原冠が独特の雰囲気で芝居を面白くしていた。
もんくちゃん世界を救う

もんくちゃん世界を救う

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/25 (土) 18:00

 今回私が見た作品は、流れてきた大きな桃を巡ったトラブルから、それまで仲の良かったおじいさんとおばあさんに決定的な溝ができ、口も聞かなくなったが、また元のようになろうとおじいさんが話しかけようとしても、相手を見るたび、悪口が思い浮かんできて、それを言ってよりお互い険悪になってしまうので、おじいさんは文句の研究をすることにして、街中の牛丼屋に通うようになり、そこで人の心を読める極度に引っ込み思案で挙動不審な女の子に、もんくちゃんと勝手に呼び、文句を言いたくて堪らないが我慢して、極度なストレスが溜まっている人たちに手を差し伸べ、鬼を退治しに行くという、さらに劇中、童謡の『桃太郎』が流れたりして、完全に桃太郎のパロディだと感じた。
 なぜかというと、もんくちゃんに自称博士のおじいさんがまずピンクのチョッキ的なものを着せ、頭に日の丸が描かれ鉢巻を巻き、手にはきびだんごを持っているからだ。
 次に、犬、猿、雉は、それぞれ、パワハラを受ける気が極度に弱い会社員男性、同級生にイジメられ、パシリにされる女子高生、友達ゼロで、負のオーラ全開で、自殺寸前の女性と、現代の社会問題を全面的に盛り込みつつ、個性的な登場人物たちで、その魅力に引き込まれた。
 ストーリーテラー役の中村透子さんという役者も独特の味を出していて、前にも何度か違う劇で観たことはあったが、存在感があった。
 小泉愛美香さん演じる、キクちゃんも、天真爛漫で、ハイテンションで、のべつ幕なしに喋り続ける役でもあるので大変だとは思ったが、見事に役になりきっていて、とても良かった。この役者も前にも何度か違う劇で観たことがあったが、新しい役にも対応できていて、素晴らしかった。
 途中笑える場面も多かったが、現代人の社会問題や病的なものをつぶさに炙り出していて、深く考えさせられた。

ただし、舞台と客席がだいぶ離れているのは、コロナ禍から、緊急事態も開けてだいぶたっているのに、その感覚には、とても気になった。

ほおずきの実る夜に

ほおずきの実る夜に

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

26日午後、東京・下北沢にあるシアター711で上演された藤原たまえプロデュースVol.7『ほおずきの実る夜に』を観てきた。いつもなら知人である役者・古川奈苗が出演していれば観に行っていた藤原たまえプロデュース公演であるが、今回は藤原珠恵自身も脚本・演出に専念し、古川奈苗も宣伝美術担当と言うことでお目当ての役者が出演しないという状況ではあったが、藤原珠恵ワールドが展開されるであろう舞台と言うことで、他の予定をキャンセルして出かけたのであった。

舞台はコロナ渦の最中の都会と田舎。都会に出て有名女優二成ることを目指していた佐藤博美(モリマリコ)が主人公。女優を目指しながらも劇団を主宰し演出も手がけていた博美。しかし、コロナの影響で予定していた公演は次々中止となり、今回は何とか上演できると頑張っていた舞台も出演者の一人がコロナになってしまい結局公演中止に。心身共に疲れた博美は、半ば諦めの気持ちを抱きつつ故郷の島に帰ってくる。久しぶりに会う旧友達。しかし、故郷もコロナに翻弄されているのだった。毎年行われていた島の祭りがこの数年コロナのため中止に。今年こそ開催と、有志が集まって阿波踊りを披露することにしていたのだが、それも直前で中止と言うことに。劇団で演出も手がけていた経験を買われて阿波踊りの演出を頼まれていた博美は、故郷でも挫折感を味わう。しかし、有志たちの熱意もあって、非公式に阿波踊りを披露することが出来、博美はその熱意を土産に再び舞台を目指し都会へと向かっていく。
日本、いや世界がコロナに翻弄される中、ささやかな熱意とやる気が芽生えるという希望のある話だ。
上演時間は90分。
役者では、やはり主人公を演じたモリマリコの存在が大きかった。
また、とぼけた感じを持ちつつ肝心なところはビシッと決める劇団だるま座の剣持直明も活躍していた。

気になったのは、故郷の祭での阿波踊り。今、日本全国で祭と言えばヨサコイか阿波踊りかサンバといった風潮がある。劇中でも触れられていたが、東京では阿佐ヶ谷の阿波踊りは有名だ。ただ、阿佐ヶ谷の阿波踊りの中心は、本来の阿波踊りにある女踊りと男踊りのうちの男踊りを基本としてアレンジされたもの。この舞台で展開された阿波踊りもその系統だ。役者陣の構成などから考えて、祭→阿波踊りという発想なのだろうが、個人的に阿波踊りは女踊りと男踊りの対比で楽しみたいと思っているので、安易に阿波踊りが取り上げられていたのにはちょっとガッカリ。

さて、次回藤原たまえプロデュース公演から、藤原は本格的にプロデュースに専念するらしい。とりあえず、どんな舞台を作り上げていくのか、見届けてみたい。

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