朗読劇、余炎
三度目の思春期
マホラ食堂(小田急線経堂駅南口徒歩5分) 2階客席(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/27 (金) 14:00
6月の悲喜交交による「古民家上演版」を経ての朗読版。朗読劇だけに3人の登場人物に加えてト書き担当がいるので情景を思い浮かべたり上演版を思い出したり。
朝ドラをBSで一度観てから地上波を字幕・副音声で観るσ(^-^) にはピッタリ、的な。(笑)
そして会場が食堂の2階テーブル席で演者もテーブルを前に並んで座るカタチだけに台本を手に持つ「一般的な朗読劇」と違って木製の書見台に台本を置くという演出がまた別なオモムキでステキ。演者が劇中の衣装だったり当日パンフレットが劇中の俳句誌を模しているのも〇。
そうして語られる内容が「戦意高揚に文学(を筆頭とした芸術)が使われる時代が二度とあってはならない」なのは秀逸。(10年前に書かれた作品とのことだけれども)
Flower
兎団
中野スタジオあくとれ(東京都)
2024/10/10 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
現代と過去(戦国時代)を往還する というよりは綯交ぜの混沌とした物語。解ったようで実は理解が追い付かない独特の世界観だが、飽きることなく観ることは出来る。この団体 気になっていたので観に行ったが 満席いや増席するほど盛況。開場前から並んでいる人が多く、コアなファンに支えられているといった印象だ。
心の在り様は、時代が違っても…例えば 花にも色々あり 一輪でも存在感ある大輪を咲かせるものもあれば、人知れず野に咲く花もある。それを戦国武将の生き様に準えて描く。もっとも戦国時代と言っても柴田勝家とお市(織田信長の妹)が北ノ庄城で自害するところから大坂夏の陣(主人公 真田幸村が討死)迄を駆け足で描いている。そのため ある程度知られた出来事(史実)を掻い摘んで紡いでいることから、全体的に粗くなっていることは否めない。ちなみに、お市の娘 茶々(後の淀殿)を戦国時代に生きた女性の代表格のように描く。冒頭 お市の最期のシーン、たとえ女性であっても自立することが大切、そんな旨の台詞が現代へのエールに思える。
「兎団式、何でもありの一大絵巻」という謳い文句、個々の武将の心情の深堀というよりは、エピソード等を誇張することで興味を惹く。そしてその時代をどう生き抜くか、その生き様が華々しかろうが 枯淡や簡素であろうが<どう生きるか>が重要だと。これが現代(シーン)の悩める中年男へのメッセージに繋がる。
一見 雑然とした描き方のようだが、史実としての物語は流れており 観せる工夫として歌やダンス、そして衣裳やメイクといったビジュアルで魅せている。勿論 効果的な音響音楽や照明の諧調によって印象付け、それら舞台技術が物語をしっかり支えている。
(上演時間2時間 休憩なし)
いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK『乱鶯 みだれうぐいす』
劇団☆新感線
新橋演舞場(東京都)
2016/03/05 (土) ~ 2016/04/01 (金)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
ゲキシネ 2024年10月10日18時20分〜 ブルク13
ここで終わっちゃうのーーー!!
と、今回も思った。2016年に見ているのに、ちゃんと観てきた!も書いているにもかかわらず、カケラも覚えていなかった。観ていればそのうち思い出すだろうと思っていたけどまるで思い出しもしなかった。舞台を見る視点(座席の問題)があまりに違うせいだろうか。
しかしおかげで最後までドキドキハラハラ、手に汗握って観てしまった。
ピローマン
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/10/03 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
圧巻と言っていい内容。まず本が凄い。ちょっと変わった作劇と思うが、よくこんな物語を構想してここまで書き込めたものだ。終始緊張感が途切れない。
各俳優がまた凄い。登場人物同士の対峙がいくつもあり大量の台詞がバンバン発せられ強めの演技が付けられているが、見事に演じられている。それにしても成河氏は凄い俳優だ。こんな演劇はなかなか観たことがない。
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
ぶっ壊したい世界
劇団TEAM-ODAC
俳優座劇場(東京都)
2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
頑なに悲観主義を貫く主人公を軸に様々なエピソードが加わり、それらもまたヘビーな環境ばかりではあるのだけれど、随所に笑いが仕込まれているおかげでかなり観やすく楽しめる公演になっていました
色んな人生のピースで惹きつけ、終盤に向けてそのピース達がやや強引な話にはめ込まれていった感は否めなかったものの、理屈抜きで言うと目の前の出来事に息を呑んだり、腹立たしかったり、思わず笑ってしまったり
演技と観客の呼吸というか波長みたいなものがピッタリ合っていたのでしょう
客電が点き、扉が開けられ、アナウンスが流れてこようとも一向に拍手の鳴り止む気配が無い初日の回でした
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
兄妹どんぶり
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了
兄妹どんぶり
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/10 (木) 14:00
座席1階
登場人物それぞれがもれなく個性豊かで、一人ひとりに物語がある見事な群像劇。これが作者の中島淳彦の真骨頂なのだろう。そして、歌唱シーンが多いなかで、出演者たちのさすがと思わせる歌の切れ味。シンガーとして活躍する宏菜は文句なしだが、それ以外の出演者の歌唱もとてもよかった。さらに、面白さが途切れることのない演出。これも、青山勝の真骨頂なのでしょう。楽しみにして劇場に来た価値があった。とても満足!
舞台は美空ひばりが生きていた昭和の時代、東京の下町にある居酒屋。主人はレコード会社の金を使い込んでヒットメーカーの立場を棒に振った元プロデューサー(佐藤達)。趣味で始めたような店を、しっかり者の妻(かんのひとみ)が切り盛りしている。そこに、大阪から上京してきた演歌歌手志望の若い女性(宏菜)と義理の兄(佐藤銀平)が「働かせてほしい」と乱入してくる。その直後には女性の姉(山像かおり)もさらに乱入。話は序盤から大変な騒ぎとなる。
複数盛り込まれた、宏菜の演歌歌唱は見事だった。そして、今作が舞台初出演とは思えない落ち着いた演技は次につながりそうだ。そして今作では、かんのひとみが頼りないだんなをしかり飛ばしたり、泥酔したり、多彩な演技を見せてくれる。特に泥酔シーンは恐るべき色気が漂い、迫力があった。
昭和の人情豊かな戯曲は数あれど、中島淳彦ならではの味わいはやはり格別。自分にとって、終幕後に「もう一度見たい」と思わせる舞台は数少ない。今作はその一つとなりそうだ。
燃ゆる暗闇にて
avex live creative
サンシャイン劇場(東京都)
2024/10/05 (土) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
若い出演者たちの熱演は悪くはなかったのだが、やたらと歌うシーンの多いメインキャスト二人の歌がまだまだ勉強不足という印象。キャラ的には多分大変合っていると思うのだけに残念。女の子たちの歌は声も出ているし、表現力もあったと思う。設定は盲学校だが、舞台上の動きから、それを感じづらかった。
現代韓国演劇2作品上演「最後の面会」「少年Bが住む家」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2024/10/04 (金) ~ 2024/10/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『少年Bが住む家』
ある韓国の田舎町、自動車修理店を営む家。母親(鬼頭典子さん)、父親(横山祥二氏)、20歳の息子デファン(八頭司悠友〈やとうじゆうすけ〉氏)が朝食を囲んでいる。変に気遣った妙な雰囲気。向かいの家に引っ越して来た妊婦の奥さん(横幕和美さん)が挨拶に訪れると、慌ててデファンは屋根裏に隠れる。奥さんの職業は講師で父母教育のワークショップの勧誘をする。家族がより良く在る為にはそれぞれの役割を改めて学ぶ教育こそが必要だと。その話に目の色を変えて食いつく母親。胡散臭く思う父親は話を打ち切って帰らせる。ソウルに暮らす28歳の娘ユナ(森川由樹さん)から電話、「サプライズがあるの!」と。帰郷して来るらしい。
韓国のチープな歌謡曲が場面転換ごとに流れる。日本だと昭和50年代位の雰囲気。
少年凶悪犯罪を犯した息子を持つ家庭。地元では白眼視され陰口を叩かれているが父親は意地でも引っ越さなかった。被害者遺族に謝罪したいものの面会を拒否されてそのままに。
鬼頭典子さんは流石の芝居。かんのひとみさんとがっぷり四つで絡ませた芝居なんか観てみたい。
猫背でおどおどした吃りのデファン役、八頭司悠友氏は元弾丸ジャッキーのオラキオっぽい。
横山祥二氏もリアル。生活に疲れ果てた悲愴感。
森川由樹さんは韓国人女性っぽい。パックのシーンが良い。
横幕和美さんは有能なコメディリリーフ。
厳しく冷徹な保護観察官役の藤田一真氏は松岡修造と秋山成勲のブレンド。実にいいムードを作っていた。
少年B役の中田翔真氏は衝撃的なシーンを刻み付ける。デイヴィッド・リンチ作品やラース・フォン・トリアーの『ハウス・ジャック・ビルト』を連想させる狂気。
是非観に行って頂きたい。
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
㊗10周年記念 面白い、お薦め。
親と子、兄弟姉妹、夫婦、恋人などのありふれた関係、そして これまた何処にでもありそうな事を点描して、家族や仲間といった大きな輪の中に滋味ある物語を紡ぐ。そこには 現実は厳しいが、それでも人に寄り添い、助け 助けられといった優しい信頼関係が描かれている。物語は大きな事件も事故も起きない、ごく普通の日常が淡々と過ぎていく。しかし点描している事は、1つ1つが身近に起こる内容で他人ごとではない。だからこそ観客の共感と納得を得ており、クライマックスでは場内に啜り泣きが…。さすが 劇団水中ランナー、笑い泣きといった感情を揺さぶるのが実に上手い。秀作だ。
少しネタバレするが、舞台セットがしっかり作り込まれ、物語の情景や状況が瞬時に解る。この家(自宅)は、劇団稽古場兼事務所にもなっており、そこに出入りする人々(劇団員等)と家族の心温まる話。タイトル「憧憬の記憶」は、登場人物一人ひとりの想いに繋がり、テーマそのものになっているよう。そして役者陣の熱演が この物語を支えているといっても過言ではない。それだけ性格や役割をしっかり表(体)現している。
(上演時間1時間50分 休憩なし)
ハムレットのための特別席
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文『Vol.75 ハムレットのための特別席』
https://gen11.blog.ss-blog.jp/2023-06-08
黒いスーツのサンタクロース
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2023/12/13 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文『Vol.76 黒いスーツのサンタクロース』
https://gen11.blog.ss-blog.jp/2023-12-23
僕と私の遠い橋【東京公演】
玉造小劇店
シアター711(東京都)
2024/10/08 (火) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国
お布団
アトリエ春風舎(東京都)
2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
紀元前に書かれた戯曲、そして第二次大戦後にブレヒトが改作した戯曲、そして2016年にお布団の得地弘基によって書かれた戯曲と、長きに渡り紡がれ続ける『アンティゴネ』の物語ーーと言えるかもしれない。近年の演劇界では、こういう「時間軸を超えて複数作家によって描かれた一作」の上演も見かけられる。これもまた、演劇の魅力と言えるかも。
ギリシャ悲劇の『アンティゴネ』を基点に、20世紀、そして21世紀へと受け継がれた、暴力、そして戦争について。
道化師の森
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2024/05/29 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文『Vol.77 道化師の森 座キューピーマジック』
https://gen11.blog.ss-blog.jp/2024-06-03
兄妹どんぶり
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この手のコメディは下手な人たちがやるとつまらなくてイライラさせられるが、さすがここのプロデュースは違う。面白いだけでなく、各俳優の技量、演出、台本、いずれも高水準のプロの仕事に感嘆させられる。
ピローマン
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/10/03 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
THE STUBBORNS
THE ROB CARLTON
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了