最新の観てきた!クチコミ一覧

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ゾンビいまさら

ゾンビいまさら

劇団かもめんたる

あうるすぽっと(東京都)

2024/02/07 (水) ~ 2024/02/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

去年観劇したかもめんたるの舞台が良すぎたため、
今年は少しだけ物足りなさを感じた。
それでも、おもしろいことに変わりはない。

オデッサ

オデッサ

ホリプロ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2024/01/08 (月) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

英語と日本語の使い方が上手い舞台だった。

べつのほしにいくまえに

べつのほしにいくまえに

趣向

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/05/26 (日) 13:00

価格10,000円

観たことがないタイプの舞台でしたが、夢中になって観続けました。めちゃくちゃ良かった。あっという間の128分でした。未だ余韻に浸っています。私自身が結婚、家族、ハラスメントにトラウマが有るので、劇の世界に惹かれたのかな・・
チケットの特典で台本を貰えたので、大事に大事に読みます。

最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Bチーム観劇。お見事!に尽きる。グッと引き込まれますね。カルト集団の相互依存や相互洗脳(?)はホントに怖い。色々と考えさせられました。

あしたはてんきにしておくれ

あしたはてんきにしておくれ

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

トツゲキさん、やっぱり巧い。家人を亡くしてからは、斎場モノは以前よりも気になっているのですが、見事に惹きつけてくれましたね。

ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中

ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中

劇団青年座

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

青年団だと思っていたら、青年座だった。(那須凜さんが青年団だと勘違い)。
カイツブリ(=小型の水鳥)のことを、博多の今宿辺りの訛りではケエツブロウと呼んだ。

主演の伊藤野枝役、那須凜さんがノリノリ。第一幕はいつもの顔芸デフォルメ連発で沸かせる。鬘が右にズレているように見えたが、それがデフォらしい。第二幕だとガラッと変わって美人女優の趣き。きっちり演じ分けて見せた。
大杉栄役は松川真也氏。EXILEのMATSUとか石原夜叉坊系の色気のあるワイルド、女にもてないと大杉栄じゃない。
MVPは作品の軸的に主人公である叔父役の横堀悦夫氏。佐藤慶っぽい魅力たっぷり、この人の視座こそが作品を貫かないと物語にならない。
祖母役の土屋美穂子さんも素晴らしい。役者陣は文句なしの力量。遊び人の父役の綱島郷太郎氏は本田博太郎系で和んだ場を作る。

甘粕事件で28歳で惨殺された伊藤野枝、郷里の博多に帰省する12年間をスケッチ。

劇中、娘の魔子がやたら美しいと称賛されるので調べたら、確かに橋本環奈っぽい美人だった。

最前列に全盲の方が座られてバリアフリー日本語音声ガイドを聴きながら鑑賞。どんなふうに感じれるものなのか?

ネタバレBOX

何故かラストは『天国への階段』。

第一幕ではホンは悪くないのだが、演出のテンポが悪くカッタルイ印象。この手の場縛りで数々の傑作をモノにした井上ひさしの才能がよく分かる。キャラの関係性の練り込みが足りない。いろんな小ネタを仕込むべき。(後になって仕掛けに気付くような)。
第二幕でいよいよ待ちに待った大杉栄の登場、これが幼稚なアジテーターでガックリ。(実際の大杉栄も初期衝動の全肯定、自由であることへの偏執的な追求、自分の中のes〈無意識の衝動〉への絶対的忠誠に固執している印象)。皆で踊り出すギャグも空振り。(実はここが今作一番の心臓部だった)。脚本がどうにも転がらない。やたら「後先考えない一瞬の煌めき」を訴える割に、キャラクターからそれを一切感じない。まず観てるこっちを今興奮させてくれ。大杉栄と伊藤野枝に会ってみたかったな、ぐらい思わせてくれ。言ってる内容が空虚で全く乗れない。今の価値観(フェミニズムなど)で彼等を再評価しようとするから文脈がおかしくなる。どうしようもないイカれた情念だけで鮮烈な生涯を叩き付けたシド・アンド・ナンシーで良かった。その烈しさに人は憧れる、みたいな。伊藤野枝ってもっと動物的だったんだと思う。動物であろうとした。全く理解不能な獣の行動の観察日誌じゃないと。古き因習に縛られた田舎の閉鎖的空間から突然変異の異分子が誕生、思想的テロリズムでそれらを全て打破しようとする痛快さ。本来はきっとそんな物語を期待させる。

特にラスト辺りが好きじゃない。主要キャラが皆死んでしまっているので脇キャラの取って付けたような感慨。これじゃ第一幕が生きない。ナレーションの入れ方にも不満。

架空のキャラを創作して実家に置く手もあったと思う。メチャクチャ伊藤野枝的な生き方を軽蔑する家父長制の権化のような女。その女が彼女の惨殺に泣き崩れるラスト。

※大杉栄のアナーキズムとは、政治的思想ではなく自分が希求する生き方のことなのだろう。自身の自由を束縛するものへの抵抗。国家、法律、モラル、ルール、共同体、伝統、義務···。社会主義や共産主義、反体制運動にも同様に組織の束縛が付き物な為、否定。“自由”とは無意識の欲望、衝動であると。芸術家に近い思想。社会運動家として括られた為に虐殺されたが、全く違う文脈の人だと思う。

※大杉栄と伊藤野枝の熱気に当てられて家中の者が釣られて踊り出す。怒り心頭の横堀悦夫氏までが気が付くと踊っている自分に気付いて照れ笑い。ここを巧みに構築できたなら。(二人が亡くなった後に残ったメンバーで踊る場面が必要か?)
ピテカントロプス・エレクトス

ピテカントロプス・エレクトス

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とても面白いというか,そそられた舞台。会場入りして,まず囲み舞台であること,その真ん中に穴があることで,どのような芝居になるのかに関心。芝居が始まり,役者さんが登場,その所作や発声に能の気配満載で,自分の好みであることを確信。それぞれの場面場面の表現も能に通じるところが感じられる。ただ,芝居最後の言葉の洪水は,一つ一つの発言はよく理解できるのだが,全体としてこの芝居における意図,メッセージを掴みきれたかというと自信はない。ということで,観劇の感想は冒頭の一言になってしまった。

ピテカントロプス・エレクトス

ピテカントロプス・エレクトス

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

シアターイーストに足を踏み入れると、なんと!真ん中に四角い穴があって客席はその4面を取り囲んでいます。穴は工事用のコーンとコーンバーで守られていますが、監視しているスタッフさんの目を盗んでお猿がコーンを倒したりバーを外したり。その度スタッフさんが直しますが、お猿はまた隙を狙って・・・と攻防が続きます。受付でチケットを受け取る時に「面白い前説とかありますか?」と聞いたら「前説はないですが早めに入ったほうがいいですよ」と言っていたのはこれだったのね!とお猿さんとその後の展開に期待したのでした。

ネタバレBOX

「ゆく河の流れは絶えずして・・・」はまだ良かったですが「おーーーい」という呼びかけの声を聞いた瞬間に、そうかそれか・・・と不安が胸をよぎり、やっぱりこちらの劇団さんはベースが古典芸能なんでしょうか。そのペースについてゆけませんでした。
おっしゃっていることはまさにその通りとは思いますが、別の表現で見たいものです。
お猿さんが大挙して出てくるとまでは思っていませんでしたが、100万年後の未来が出土したとも思えませんでした。
ライカムで待っとく

ライカムで待っとく

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

『ライカムで待っとく』を観劇。

昨年の話題作で、岸田戯曲賞候補にもなり、今回は再演。

あらすじ:
 神奈川で雑誌記者をやっている浅野は、妻の家族の不幸で沖縄に帰省するのだが、社長から「ついでに1964年に起きた米兵殺傷事件を取材をしてきて!」と持ちかけられる。
調査をしていくと世間では知られていない事実を知り、知らず知らず1964年・沖縄に入り込んでしまい、真の姿が見え始めてくるのだった…。

感想:
 基地問題、米兵による暴行事件など、沖縄が抱えている問題を市井を通して描く事が多いが、今作は『内地から沖縄がどのように見えているのか?』という視点で、沖縄出身者ではない観客自身が雑誌記者と一緒に真実を知り得るという流れだ。
世間では知られていない事実が見え始め、「それは間違っている」と思えども、我々にはどうにも出来ないジレンマ、既に諦めかけている登場人物たちに不満と怒りすら感じてしまうが、それを感じる事が沖縄問題を身近にするきっかけになって行くのだろう。そこが作家の狙いともいえる。
 雑誌記者が真実を知り始める流れで1964年に入り込んでいくのだが、タイムスリップものではなく、『気が付いたらその時代にいた』という演劇特有の表現は抜群だ。
 内地の人が訴える正しい沖縄の在り方とアメリカから被害を被っている人々の沖縄で生きていく在り方、この考えの違いが衝突するクライマックスがテーマであり、内地の我々が考えなければいけない問題定義に圧倒され、震えてしまうのだ。
まるで清水邦夫と蜷川幸雄が作った革命劇を観たような錯覚すら覚えたのは間違いない。

傑作である!
最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

映画にできそうなストーリー。熱演で迫力ありました。

ネタバレBOX

Bチーム、みんなはまってました。
最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/05/26 (日) 13:00

熱量のある役者の芝居に圧巻です。クラス20人それぞれのレジスタンスを垣間見たような小気味良さと清々しさがありました。まさに二十面相ですね。また、空間の使い方が絶妙で、大きな劇場じゃないのに、舞台に広がりを感じました。

ピテカントロプス・エレクトス

ピテカントロプス・エレクトス

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

東京芸術劇場シアターイーストってこんなにレイアウト自由な劇場だったのか!と入ってみてビックリ
壁際の四方向全てに座席が配置された囲み舞台
どこが正面?ヒントになるものは舞台上に無いのだけれど、心配ご無用
どの座席列も正面、どこに座っても平等に鑑賞できます
(お目当ての役者さんがいる場合、その役者さんがどのラインの席に座れば好みの角度で観られるのかスタッフさんに聞いてみても良いのかもしれません)

ネタバレBOX

まだ若い劇団さんなのにエレガントな香りは一体どこから
ピテカントロプスを扱われるという事だったので、てっきり言語の無いパフォーマンス的な表現がメインの内容かと思いきや、しっかり“対話”がメインの舞台
何十万年という時を隔てた人類種達が、やがては現代人と未来人が穴を通じて対話を繰り広げる4編
言葉のキャッチボールをひとつひとつ拾っていこうとがんばってみるも、残念ながら自分の理解力ではニュアンスを嗅ぎ取るくらいが限界
意図されたものが色々あったのではないか、それらをポロポロ取りこぼしていたのではないかと思うと本当に残念
後付けの気付きでも良いのでアフタートークという名目で解説してもらえるとありがたかったです

発声の仕方がかなり独特、あぁそうだった!劇団あはひさんは能など古典芸能のエッセンスを取り入れているのだと合点
ただ、今回はそれが段々と眠気を誘導する装置になってきたものだから大変
絶対に舟だけは漕ぐまいと踏ん張って聴き込んだ先に見えたのは・・・あぁ何とも幻想的な光景だなぁと
警鐘を鳴らす意味合いも表現されていたというのに、これでいいのか
そして★はどう付ければいいのか

舞台の上の者たちへ

舞台の上の者たちへ

逃飛行

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2024/05/25 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本日拝見しました。旗揚げらしい若々しく元気なお芝居でした。荒削り感はありましたが、ストレートに言いたいことを表現しており、十分に伝わったと思います。これからの活躍に期待です。

マーヴィンズ ルーム

マーヴィンズ ルーム

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本日拝見。複雑な内容のなか、登場人物の心の動きを見事に表現されておりとても素晴らしい演技でした。ラストをむかえて、これからもこの家族を観ていきたい、幸せになってほしいという気持ちで見ていました。
心に刺さる場面もたくさんあり、2時間もあっという間でした。素晴らしいお芝居でした。

舞台の上の者たちへ

舞台の上の者たちへ

逃飛行

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2024/05/25 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ダイアナ− 2024

ダイアナ− 2024

J’S STUDIO

【Lucky base】※旧クエルボス(東京都)

2024/05/18 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

まほろばのまつり

まほろばのまつり

劇団匂組

座・高円寺1(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/05/26 (日) 14:00

座席1階

舞台の案内には「平家落人伝説の残る、信州・木曽の架空の村」とあった。平家落人伝説と言えば、長野県最南端、飯田市の遠山郷。急峻な山あいにへばりつくようにしてある村で、さまざまな神事が今に伝わっている。作者である大森匂子がどこの村をイメージして書いたかは不明だが、自分はこの遠山郷を連想しながら見た。

冒頭に出てくる踊りはおわら風の盆を思わせるような感じだ。旅芸人の一座で身重の女性がこの山村に捨てられ、村の名家の男が嫁として「拾って」、生まれた娘を育てる。この女性、娘、そして男の母親。3世代の女性をめぐって物語は展開する。東京の大学から学術調査に来たという男を狂言回しに、焼け野原の東京が五輪を開くまでに急成長して地方の人々を引きつける時代を表現する。さらに、東京に出るということと、信州の山深い集落に生きるということを対比させ、3世代の女の胸の内を描いていく。

演出の力量だろう。この舞台はシンプルで美しい。よく取材されている信州弁も効果的だ。山深い地域の方言のためか、信州に少し暮らした経験のある自分も何を言っているか分からないところが多々あった。しかし、この舞台はやはり、信州弁でないと美しさが表れてこない。

この舞台が信州のどの地域をモデルにしたのかは、あまり重要でないのかもしれない。「木曽路はすべて山の中」と島崎藤村は書いた。山の中で生き抜く人たちに思いをはせる、いい舞台だった。

演劇作品集『ちがう形』

演劇作品集『ちがう形』

中野成樹+フランケンズ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/05/22 (水) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナカフラ久々の劇場公演。特に東京公演は8年ぶりとか。新宿シアタートップスは舞台エリアがブラックボックスに近く、ナカフラ上演の多かった横浜のSTスポットを連想させます。初ナカフラがSTだった僕には、色々なことを思い出させてくれる公演でした。AプログラムとBプログラムの二本立て。若手日本人作家の戯曲、中野さん書き下ろし、ハムレット、誤意訳、等々、新旧ナカフラファンにとって嬉しいラインナップ。あらゆる意味で「ナカフラの現在地」を感じ取れる有意義な公演でした。

ネタバレBOX

ナカフラが複数回上演しているワイルダー戯曲や、20年かけて『ハムレット』を上演するプロジェクト『EP』シリーズなど、ナカフラらしい上演もありつつ、若い日本人作家の戯曲も積極的に手掛けている。出演者のキャリアにも幅があり、良い座組だと感じました。土日公演にはカンパニーメンバーのお子さんなども出演し、年齢幅は更に広がります。「いま日本で劇団公演を行うこと」の、モデルケースのひとつになりうると言えるでしょう。軽妙な現代口語と鋭い見立て演出、高品質な演技、絶妙の間、etc。ポップ&ハイセンスと評されるナカフラらしさ全開のプログラムでした。
Deep in the woods

Deep in the woods

終のすみか

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第13回せんがわ劇場演劇コンクールでオーディエンス賞を受賞した団体「終のすみか」の公演。僕自身は、劇場でしっかり公演を観るのは初。男女3名による60分の会話劇。劇中に流れる時間は大体1泊2日くらい。会話はほぼ途切れることなく、お互い距離感に気を遣い合いながら交わされる。静かで、けれど情報量多めの物語。

ネタバレBOX

幼稚園からの幼馴染みである男女3名。学校で同じクラスになったことは1度しかないが、大学卒業程度までそれなりに交流があった。そのうちの男性の一人が、祖父の別荘へ移住して一年が過ぎ、残り二人の男女が別荘へ遊びに行く。これまで定期的に交流を重ねてはいるが、決して親友と呼べる距離感ではない。一人は結婚し、一人は結婚したが離婚秒読み、もう一人は独身。うっすらと恋情の空気感も流れるーー。ドラマの隆起を連想させつつ、あまり沸騰し過ぎず、穏やかな時間と気遣いの心が交錯する。終点はどこだろう?と興味をもちながら観劇できた。自身の感情を明確に表現するのではなく、どこか配慮を伴いながら交わされる現代口語会話劇は見応えがありました。世の中が激動し、社会的な問題提起をしようにも目移りしてしまいそうになる現代において、自身の生活と自分自身を見つめようとする内省的な創作が、僕には好印象でした。
ハムレットQ1

ハムレットQ1

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2024/05/11 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

柿沢ハムレットに続いて観劇。吉田羊のハムレットが、狂気を演じているときは裏声でコミカルに、素に戻ったセリフは地声で、と顕著に演じ分けていたのが目立つ。

Q1はスピーディーというが、それでも休憩込み3時間ある。それをほとんどカットしていないのだろう。ポローニアス(佐藤誓)が息子への使者レナルドー(佐川和正)にいろいろ伝言するところなど、初めて見た。
確かに短いところもいくつかある。第4独白の欠如は有名だが、他にもハムレットがイギリスから舞い戻ったことは、兵士の報告しかない。レアティーズ(大鶴佐助)との剣試合も、誘いに来る貴族の口上も含め、全体があっさりしている。クローディアス(吉田栄作)に毒杯を飲ませて命を奪う駄目押しをしない。今回の演出は、クローディアスが自ら剣を受けて死を選ばせている。その前のガートルード(広岡由里子)も、夫の制止を無視して毅然として毒杯を仰ぐ。二人の苦悩と絶望は大きいという解釈だ。

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