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救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演劇は稽古から本番まで、すべて人との関りで成り立っている。しかしコロナ禍では容易な事ではなかっただろう。福井夏さんがパンフに書いた「面白い演劇がつくれると思う」という心意気は、コロナ禍にあっても演劇人としての逞しさを見せてくれた。2人芝居…福井夏さん、北原州真さん。

物語…初めは、飲み物の嗜好のような他愛もない諍い、それが段々と居心地や存在感といった重い話題へ漂流する男女の会話劇。良いとか悪いとかではなく、お互いが相手を説得にかかる、自己主張を満たそうとする展開は、流れ着いた先が何とも狂気じみている。
日常であれば沈黙してしまうような気まずさ、しかし舞台という逃げ場のない空間で会話をし続ける。迫力ある圧倒的な演技(会話)力、その舞台に釘付けになる。

かみ合わない会話は、「例えば」「仮に」など、なり切り人物から、相手の立場を理解しようとする。同時に多重人格が表れている様を観せる巧さ。また第三者的に観察する自分ー俯瞰によって冷静でいることを主張する。冒頭、取るに足らない拘り、些細な気持の揺れが彼女にとってはどうしても譲れない大事なこと。時に楽しくなくても楽しいふりをする、不本意に迎合する嫌らしさ。
相手の気持を理解することが難しいと感じた時、彼は突拍子もないことを説明する。そして以外な展開へ。
(上演時間1時間)

ネタバレBOX

舞台美術は、大きなダンボール箱、横向き合うように箱馬。基本的にダンボール箱側にいるのが福井夏さん。その場を離れることなくダンボール箱の上に座っている。

2人は相手の言葉を咀嚼して理解に努めているようで、実は自分が抱えている心細く不安な感情を覆い隠している。そして2人が歩み寄れない(出来)事=「魔が差す」として納得させようとしている。自分自身の感情と向き合うことの怖れ、一方で殻を破りながら前進しようとする足掻きが観える。

タイトルやラストに明かされる事実から、実際起きた殺人事件の概観を示す。登場しない福井夏さんの恋人であり北原州真さんの従兄弟であるマサヒロの人格が浮き彫りになってくる。マサヒロはバンド活動をしているが、自己主張が出来ない、誰かに依存するような性格は、2人にとって都合の良い人。しかし段々と疎ましくなり、2人にとって苛立ちと鬱屈の日々になる。挙げ句の果て、人生を変える出来事ーー事件を起こす。行き場のない(暴力的)衝動をジワリ、じっくりと描い(演じ)た内容は、狂気を孕んだドラマへ変貌していく。

照明や音響・音楽といった技術を駆使せず、2人の演技力だけで牽引する、シンプル→ベストな公演であった。
次回公演も楽しみにしております。
光善寺大学学生寮

光善寺大学学生寮

劇団24区

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2022/02/19 (土) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

寮を舞台にしたオムニバス形式の物語。話としては2~3月頃の短期間であるが、ありがちな出来事をコンパクトにまとめている。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

舞台美術は、後景に白っぽい壁、その前に横長のテーブルと幾つかの椅子。シンプルなセットで寮の共用スペースをイメージさせる。壁にオムニバスのタイトルを映し出す。横長テーブルに座り客席と向かい合っている画面は、何となく映画「家族ゲーム」(森田芳光監督)を見ているようだ。

プロローグ…2月という変な時期に新入寮者を迎え、案内をするところから始まる。
第1場面…男性が同じ寮の女性に恋をし、告白に協力する他の男達のドタバタ。
第2場面…仲が悪い女性入寮者が、共通の友人を巡っての嫌がらせを粘質的に描く。
第3場面…上級生の態度が気に食わない下級生が先輩を早く追い出そうと深夜に相談。
第4場面…上級生の卒寮式を1か月繰り上げてイベントを開催するが、いつの間にか狂騒へ。
エピローグ…色々あった寮生活の回想話に花を咲かす上級生たち。

物語は、寮という狭い世界における人間(特に上下)関係。親密な関係を築ける場合もあれば、最悪な場合もある。退寮するにしても、生活がありそう簡単なものではない。苦楽を共にする友情が芽生えるなんて、どれほど期待できようか。とは言え、良し悪しはあっても思い出だけは残る。
主宰・原田彩希さんは、パンフに大学4年間を寮で過ごしたと書いている。話の所々は実話をもとにしたくだりがあり、本作品はドキュメンタリー(冗談)だと。多分、誇張はあるが本当のことだと思う。

深みがあるとは言えないが、大学生らしく明るく元気な公演である。同時に演技力に差があり課題も観える。出番こそ少ないが、寮長の飄々とした態度が面白可笑しく、緩衝的役割としての存在感を放つ。卑小と思いつつも、銃は敢えてのぶっ飛び笑わせであろうが、リアリティで観せるのであればナイフの方が迫真の場面が演出できそう。
久し振りの 早稲田小劇場どらま館 の公演は楽しめた。
『銀河鉄道の夜』

『銀河鉄道の夜』

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2022/02/02 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/02 (水) 15:00

原作準拠の部分を現代パートで挟んだ層構造。
3年前の初演時には気付かなかったが、つまりこれは賢治が書いたジョバンニの旅を追体験した現代の「もうひとりのジョバンニ」の物語ではないか?(ネタバレBOXに続く)

ネタバレBOX

終盤、語り部であり主人公でもある「男1」が列車内で銀河鉄道の夜を読んでいることから彼の幻想/妄想ではないか?と思ったが、「彼女」がカンパネルラとして登場した時に彼に「黙っていて」とサインを送ったことからすぐにその考えを否定し、直後にこの説に至ったのだった。
純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて

純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/20 (日) 16:00

現代の様々な人間関係が表現されていて面白かった。
楽しみにしていた衣装も素敵でした。
そして、やはり自分はアマヤドリのムーブが好きだと再認識しました。

救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

たわいもない会話から、一瞬で世界が変わる展開、面白かったです!
今まで見えてたものが、まるっきり違う景色に見えてしまうのも、
舞台セットがシンプルなゆえですかね⁉︎

凪のように穏やかに

凪のように穏やかに

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/02/17 (木) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観応え十分。
東日本大震災から11年を迎えようとしている。癒えない傷を負った人々に寄り添うように紡いだ物語。表層的には明るく元気に思えるが、けっして上っ面だけを描いているわけではなく、人の心の奥底に溜まった澱を落とすような清々しさを覚える。

物語としての展開はあるが、描かれているのは「人間」である。直接被災した人、直接被災はしないがその関係者、そして現地(東北地方)から遠く離れ、TV等の情報で惨状を知った人々。受け止め方の濃淡は違うが、それぞれの思いの中に辛さが残った。人が持つ感情は複雑、それを綺麗事ではなく、自分に向き合うことによって前進させる。そんな前向きで優しさに溢れた公演。最大の魅力は、被災した人、その人を見守る人、その建前と本音、もしくはどう接し対応すべきか分からないといった内面(心の襞)を撫でるように表現する。しかし、更に心の奥を見詰める自分自身。二律という難しい理屈ではなく、自問自答という苦悩する心を隠すような(日常の)健気な姿。感情の落差に心が揺さぶられる。その様子は全ての登場人物に負わせるのではなく、特定の人物にすることで深刻に追い詰めない上手さ。そして小学生の子供の目を通して敏感に察せられるという切っ掛け作りも巧みだ。
舞台美術がシンプルなだけに演技による感情表現ーー役者の演技力は素晴らしい。
そしてラストに明かされる衝撃の事実とは…ぜひ劇場で観ることをお薦めする。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)追記予定

救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実際にあった事件を元にしているのを知らずに鑑賞したので、ちょっとめんどくさい彼女だから彼はいなくなったんだなぁと呑気に構えていたら・・・。
異常さを出すならば2人で歌いながら踊ってほしかったなぁ。

救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主催で主演の福井夏さんが可愛い。八の字眉で目眩く表情变化、蒼井優系の美人。熱狂的固定ファンを抱えるだけの魅力がある。

大きな段ボール箱に腰掛けた福井夏さん。失踪した彼氏、マサヒロの従兄弟(北原州真〈クニマサ〉氏)の部屋にいる。従兄弟は少しすっとぼけた男で二人の会話はなかなか噛み合わない。マサヒロはバンドマンで彼女を連れて従兄弟の部屋に入り浸っていた。福井夏さんは「二人の会話に合わせていただけで楽しかった訳ではない」と告げる。従兄弟はマサヒロの真似をして、福井夏さんに対応の再現を求める。

とにかく福井夏さんが魅力的なので、チェキを2枚買った。後半ガラリとテイストが変わるので、お楽しみに。

ネタバレBOX

1987年に藤沢で起きた事件をモチーフにしている。ラストに福井夏さんが口ずさむのが「救世の曲」なのか?躍動的なダンスに昂揚する世界。
何かホンがちぐはぐな印象。心理療法の一つ、サイコドラマをもっと駆使して二人にいろんなキャラクターを演らせても良かったかも。
救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

狂気を孕んだ会話劇。展開はある程度想像はついたが,2人の会話における立場の変化には引き込まれるものがあった。

冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~【大和公演、厚木公演中止】

冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~【大和公演、厚木公演中止】

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2022/02/08 (火) ~ 2022/02/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ちょうど一と月前に観る予定の芝居(ロッキーホラーショー)がコロナ陽性者のため中止に。。同じKAATでやる「冒険者たち」のチケットをふと見て「まさか痛恨のダブり?」と焦り、あ、一方が中止でラッキー、と安堵したが、こっちは一か月後の上演であった(1/15×→2/15)。
そんな事で待ち焦がれた公演であったが、感想は微妙。神奈川県下の公共劇場を巡演するという恐らく一度もやっていないKAAT新芸術監督長塚氏ならではの企画で、お話はガンバの、でなく「西遊記」のそれ。ポイントは神奈川との縁が作らせた舞台である点で、達者な役者の八面六臂で愉快な芝居ではあったが・・。

ネタバレBOX

西遊記の一行が何故か「現代の神奈川」に流れ着いた設定で綴られる県下の各所を巡るロードムービーならぬ旅芝居で、奇想天外この上なしであるが・・本音の感想は巡演が終ってからゆっくり書いてみよう。

・・・と公演終了を待ったがだいぶ忘れてしまった。神奈川県の殆ど任意に選んだ「名所」「名物」にスポットを当て、エピソードを語る「旅」の芝居で、要は「神奈川」に寄り添った中身であり公演であるのだが、なぜ神奈川か、なぜ県単位か、引いてはなぜ「そこ」なのかの説明はない。「こんなのに説明なんて要るか?」と言われればそれまでだが・・。地域には歴史の影が生活に何等かの影響を与え、特有の「問題」を抱えるもので、地域を描くとは本来そういったものだが、その奥行がないとどうなるか。「現在」という一瞬を切り取った断面の、その中のたまたま選ばれたポイントを、写メで撮っただけの描写になる。旅客の「人生」に深く影響を及ぼす要素として「地域」が機能する訳でもなく、ただこんにちは、さようなら、後に何も残らない浮薄な観光旅行をなぞっただけの話。実も蓋も無い言い方だが、要はそういうものである。これはちょうど、日本で五輪が開催になる、やった!というのと同じで、西遊記の一行が神奈川に立ち寄ったってよ。やったぁ。そんな感じ。
子どもはこれ、喜ぶのかな~、大人が自分の中に見出す「子ども性」ではあるかも知れない。が、私にはこれ、「幼稚」にしか見えない。子どもってのは、幼稚性から脱却しようとしてる存在なんじゃないの?
まあそんなむず痒い感覚にしばしば見舞われる舞台であった。外から目線で神奈川県民を「慰撫」してる感じも覚えた。ただ、ピンポイントなスポットに少なからぬ所縁を持つ人にとっては嬉しいものなのかも。
九十九龍城

九十九龍城

ヨーロッパ企画

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2022/02/19 (土) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/02/19 (土) 18:00

座席18列44番

今回はイマイチでした。おそらくテーマ的にこれ以上広がらない感じではなかったのだろうかと思いました。限界というか。世界観の正体に対し、こう言った切り込み方で真相をはっきりさせることに違和感を持った。ただ、ラストはまさにザ・ヨーロッパ企画的でよかった。
後、役者の演技が素晴らしい。中でも中川さんの演技が良かったです。
終演後のおまけトークが結構劇の補完ができて有意義な時間となった。
2年ぶりの公演ということだが、もっと頻繁に公演して欲しい。

凪のように穏やかに

凪のように穏やかに

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/02/17 (木) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/19 (土) 18:30

座席1階1列

東北を回って公演して欲しい、と強く思うほどの傑作。3/11を思いだし、冒頭から号泣。

そういえば3/11の募金を街で求められた時に「私も被災者なんですよ」って伝えると、ほぼ100%微妙な反応が返ってくるんです。あ、そうなんですか…って。
あれ、おかしくない?被災者を助ける為の募金じゃないの?っていつも思ってました。そりゃそうですよね、例えウクライナで戦争が起ころうが映像でしかわからないんですから。

震災から10年、当事者にはけっし忘れることの出来ない時間を、笑いと涙で振り替えらせて頂きました。
演者の皆さんの確かな演技に感謝!

まつわる紐、ほどけば風【2月28日(金)~3月1日(日)北九州 一部公演中止 / 伊丹 全公演中止】

まつわる紐、ほどけば風【2月28日(金)~3月1日(日)北九州 一部公演中止 / 伊丹 全公演中止】

北九州芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2022/02/17 (木) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

生配信を観劇
女達の物語
それぞれの愛の物語
素晴らしい舞台でした
25日まで配信あるそうです
お薦め

光善寺大学学生寮

光善寺大学学生寮

劇団24区

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2022/02/19 (土) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/19 (土) 12:00

起承転結のお手本のような作品。転はかなり意外な展開に。テンポよく小さな笑いを投下する傑作でした。遠くまで見に行った甲斐がありました。よくあそこまで非モテ系に見える(現実はどうかわからないが)男性陣を揃えたなあ。

嘗ての馬鹿たちに捧ぐ

嘗ての馬鹿たちに捧ぐ

劇団てあとろ50’

早稲田大学学生会館B202(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/19 (土) 17:00

学生会館B2でお芝居を見るのは2年ぶり。まだまだ油断は出来ませんが、ようやくここまでこぎつけたことに感激しています。できれば明るく楽しい、後味の良い作品がよかったんだけど、置いていかれる側の焦燥感、仕事や勉学で忙しい側の無自覚がうまく表現された重厚な物語でした(タイトルからはチャラい系を予想してたのですが)。部屋の中が暑すぎた。

ネタバレBOX

置いていかれた彼の死因は、たぶん自殺? 後輩くんと女の子のひとりの高校卒業後の進路は? このへんの情報も欲しかったかなあ。はっきり言わないことで後味を持続させ、帰りの電車の中であれこれ考えさせることまでが、作品だったのかもしれませんね。
ミモザウェイズ1910-2020 ~わたしたちの道~

ミモザウェイズ1910-2020 ~わたしたちの道~

日仏女性の人権架け橋 ミモザ実行委員会

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

満足度★★★★

めっちゃインターナショナル。観客もゲストも。日本のポーズだけのジェンダーレスや、これまで女性がジェンダーレスに向けて活動してきたかを勉強させてくれた。ま、今の日本の政治(司法、行政含め)時間はかなりかかると思う。もっと女性が活躍できると、今の日本の閉塞感は良くなると思う。

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

東京にこにこちゃん

シアター711(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

とても面白かったです。

救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★


 脚本・演出はMCRの櫻井智也氏。

ネタバレBOX

彼の作品らしく鬱屈した現代の若者の心理とあてどない日常をベースにふつふつと煮え滾るパトスが、エートスを求めて彷徨った果てに辿り着いた決着を描いた。実際に起こった事件にヒントを得て書かれた作品らしい。人間とは、何かの中間に在る存在であることを知っている中間的な存在であるが、己の立ち位置の選択を間違えると決して精神的安定を得ることはできない。先に述べたパトスがエートスを求めて彷徨う状況とは正しくこれである。彷徨ううちには、その心理的葛藤から様々な矛盾や脱理性的思惟や行動が現れやすい。そしてそのような状態は、自分独りでは解決できない。但し、その不完全で不安定な己を支えてくれているもの・ひとは案外傍に居て殆ど自分では意識できないほど密接に、空気のように自然に存在している。そのことが恐らく本能的に不完全で未完成な自らを追い詰める刃のように作用する。為に今作で描かれたような行為に至ったと考えられよう。支えてくれていた者が詩的な感性と優しさを持つ者であった為に一層、彼らが為したことが明らかになった時、観客は薄気味の悪さと衝撃を受けるのだ。
救世の曲

救世の曲

絶対♡福井夏

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

あにを天湯さん会いたかった

凪のように穏やかに

凪のように穏やかに

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/02/17 (木) ~ 2022/02/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

雀組ホエールズさんは(観客からの)愛され度がほんのり高い。
その柔らかな空気感を共有できるのも生舞台ならでは。

東日本大震災・被災者を真正面から描いた作品なので、てっきり重く暗い雰囲気になるかと思いきや、結構笑わせにかかってくる本作。
何しろ主役(被災者役)である阪本浩之さんのキャラがめちゃ元気。
(このギャップが悲しみの色合いを濃くしていくとも言えるのだけれど)
凪のように穏やかな家族との暮らしを望んでいた男。
ひとりの被災者(阪本さん)が今日まで歩んできた10年。
阪本さんと共演者(家族や友人など)の色んな掛け合いからなる味わいが作品の大枠を形作っていると言っても良いくらい。
中でも珍味なのが斉藤こず恵さん(キヨコ婆さん役)との掛け合い、その笑わかせ“力”たるや。
お互い子役時代からの付き合いだそうで、そうでなきゃ絶対作り出せない掛け合いがもうスペシャルにエグくって素晴らしかった。

被災者だけでなく他者からの視点にも胸が痛くなる、改めて途方もない悲劇がテーマであった中、物語としてはとても前向きになれる涙で見送ってもらえました。

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