最新の観てきた!クチコミ一覧

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クリキンディの教室

クリキンディの教室

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 13:00

あまりにも面白かったので、2度目の観劇。確かに面白い。観るべし!118分。
 筋が分かって改めて観てみることで、巧妙な脚本の台詞の構造がしっかり見える。無駄がない。昔話の辻褄を現代の基準に合わせる、というスタイルの演劇やコントはいっぱいあるが、これほど成功しているものは滅多にない。辻褄があっているという意味ではなくて、笑わせるものとして、ということだが…。SDGsを謳っているが、必ずしもそれに準じているわけでなく、それぞれの個人(教員)が思うこと/できることを積み上げると何かが生まれる、という趣旨だと思う。役者陣の技量に基く芝居作りは、とにかくスゴイ。一言で笑わせる台詞もいっぱいある。とにかくスゴイ。こんなに笑いっぱなしの電夏は初めて。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私事ですが、二月に母を亡くしました。コロナのせいで長々会えなかったせいか、冷たい体に触れても、どうにも死を感じられず、今に至るまで、実感のないまま、涙ひとつ流せずにいました。
そんな私でしたが、作品に込められた子の想い、親の想い、妻や夫、友の心。丁寧に個々の心を描いたこの作品は、ようやく私に母を想う涙を流させてくれました。そして何もしてあげられなかったという想いを少し軽くして頂いたように感じています。有難うございました。

I

I

休みなくおやすみ

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2022/03/05 (土) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

満足度★★★

制作の心遣いは良かったけど、内容が…。彼女死んでも、思い続ける男と、その男を思っている女友達の話。ブラトニックだけでは人生…

クラブ・ハルシネイト

クラブ・ハルシネイト

劇団在りが欲し

大阪大学豊中キャンパス2F 大集会室(大阪府)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/05 (土)公演終了

満足度★★★★

振り付けも良く、僕の好きなミステリー系でもあり、楽しめました。第二段があっても良い感じ。演劇でシリーズモンがあっても良いかも❗

裸の町

裸の町

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場付属養成所

青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 19:00

座席1階

「小劇場企画」と銘打っているが、休憩を挟んで2時間の本格的な会話劇だ。

時は戦前、お人好しの男性が金貸しに大金をかすめ取られ路頭に迷うという筋書き。舞台からは当時の庶民の生活、夫婦の力関係などが「こういう感じだったんだな」と思われる。パンフレットによると、作者の真船豊は「意識的に『人間』だけを描いた」というが、舞台から受けた印象は人間の本質というよりも「庶民の生活」や当時の空気だった。

金貸しを信頼して大金を預けるという、かいしょのない亭主に付き従ってきた妻。冒頭、この妻が凛として正座をしている姿が印象的だ。身ぐるみはがされて路上に出るしかない状況を招いたことに、妻は怒り心頭で夫に罵詈雑言を浴びせる。しかし、その激しい罵りもどこか最後は「また付き従うのではないか」という、何だか優しさのようなものが感じらる。こんな情けない男とは、今ならとっくに三行半で離婚というところだが、簡単にそうならないところに、もどかしさすら感じた。
この「凛としている」という表現がぴったりの女性が「もう実家に帰ります」という場面で、なぜかずっと沈黙をしてしまうというところに、昭和初期の夫婦の生活感というか、男と女のつながりのようなものを感じる。「今ならとっくに逃げられている」という状況でも、時代が夫婦の最後の糸をつないでいる、というふうに思われるのだ。

この妻を演じた八代名菜子の演技がすばらしい。当時の「日本の妻」の姿を十分に表現できているのではないか。さらに言えば、今回の舞台はこうした演技を十分に発揮できるこの女優のためにあるような筋書きだ。そういう視点で見ると、この長い会話劇も別の風景が開けて楽しめるのだと思う。

裸の町

裸の町

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場付属養成所

青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

お人好しで破産した夫富久(岡山豊明)と、歯がゆい思いの妻キヨ(八代名菜子)を軸に、金貸しの増川(星野勇二)と、憐れっぽいその妻(藤代梓)も絡む。各々の言い分、生き方がくっきりと浮かぶ舞台だった。

増川の「3000円貸したから、3000円かえしてもらうのは当然。そのうち2000円は戻すなんて話を間に受けるとは」という話は至ってまっとう。増川を信じている富久の世間知らずのおぼっちゃまぶりが痛々しいほど。富久は自分の虫の良さがわかるから、信じたいということも自覚している。
ついには海辺で純白のペルシャネコが縁起が悪いから、商売も失敗したと言い出す夫の責任転嫁は、素晴らしく滑稽だった。

なんの商売が潰れたのか、海辺に来てやっとわかる。クラシック専門のレコード屋という、浮世離れした商売だったとは、人物像の駄目押しだ。このレコードが、最後の明るさをもたらす伏線になる

1富久の夜逃げ先の部屋、2同差し押さえ後、3金貸し増川の家、4近くの路上、5海辺の崖の上、6停車場側の支那そば屋、と場所がどんどん変わる。美術と小道具をうまく使って、それぞれリアルな雰囲気を見せている。とくに海辺のバックいっぱいに真っ青な空の布をかけたのは、パッと雰囲気が変わって見事。

この戯曲が変わっているのは、二人舞台にいても、一方だけがずっと話して、相手はほとんど答えないシーンが続くこと。独白、傍白ではなく、相手に聞かせる対話なのだが、ほぼ一方通行。これでも舞台が成り立つのは、発見だった。
1場では増川、2場の冒頭はキヨ、最後の6場は富久のほぼ独演会。とくに6場はずっと黙ってあらぬ方を見ているキヨが、何を考えているのか、セリフはないのに、その内心が非常に気になる場面だった。

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

楽しかったぁ~。
現代の勧善懲悪ものらしいが、内閣府直轄の組織、女性人権救済機構「WHRRO」の”闇”組織が活躍することから完全な正義とは言えないが…。娯楽要素たっぷりにミッションを遂行していく面白可笑しさをしっかり味わせてくれる。現代女性の仕置き人は、お色気あるボンテージ コスチュームを身に着け、それぞれ得意とする(特)技でターゲットを陥れる。
さぁ肩の力を抜いて、舞台で繰り広げられる物語を楽しもう。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台美術は、ほぼ素舞台。平行に段差を設け、上段の左右に大きな衝立があり中央が出捌け口。WHRROの1人、ピーチ(コードネーム)の表の顔はアイドルで、劇中ライヴでは観客も歌に合わせてケミカルライトを振る。アイドルの時だけ、上手に簡易テーブルと椅子が出され、オタク3人が賑やかにゲームに興じたり喋っている。

物語はチラシや説明のとおり、篠山ファンド社長を落とすこと。彼は女性を騙し金を引出させ、集めた金でファンド運用して儲けている。しかし内実は苦しく粉飾決算をしているらしい。WHRROの5人は、彼に近づき、証拠集めをするが…。展開はそれほど複雑ではなく、寧ろ その過程で繰り出す特技などを観て楽しむといったところ。

物語は、登場人物をグループ分けした描き方。メインの5人は、グルメライター・OL・アイドルといった表の顔と裏(落とし屋)の顔を持ち、夫々違ったキャラ設定。WHRROスタッフは、演出担当でジョー(宮澤賢司サン)を始め、ジェット、チーフは真面目キャラ、そしてオタク3人は道化役として面白可笑しく掻き回す。一方、篠山ファンドの3人は敵役であるが何故か憎みきれない愛嬌のようなものがある。そして、おとし屋のリーダーの妹、またOL同僚は脇役として支える。カテゴライズした設定で人物像を破綻させない工夫が観られる。

公演の魅力は、何といっても5人のおとし屋ー星宏美サン、雪乃しほりサン、水野ふえサン、寿 春歌サン、有川結女サンーの得意(技)をもって演じる姿。暗号解読・破錠をする時の凛とした姿、誘惑する時の色香など要所要所を楽しませる。舞台そのものがショー的要素を漂わせ、客席を巻き込んだ一体感が心地良い。一方、物語の根幹である おとし屋の5人が何故WHRROの闇組織に加わることになったのか、その背景が描かれていない。また組織の設立経過の説明が弱く、活動の概観が伝わり難いのが少し残念。敢えて、おとし屋 対 敵役という対立構図で娯楽劇に徹した観(魅)せ方であろうか。
本公演はシリーズ化も可能で、前提を深堀しておくと観応えが増すと思うのだが…(星宏美サンが2代目ハニーであることから前作〈今作はEpisode2〉があるのだろうか?)
次回公演も楽しみにしております。
キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一石を投じられた様に心の内から波紋広がってくる作品。
ニュアンスこそ違いますが若くして同じ事があったので尚更。
何故彼は・・・とことん紐解いていくその結果が吉とでるか凶とでるかは置いておいて・・・友人達の真っ直ぐさがかなり羨ましい。
(一番羨ましかったのは作品内容ともオーバーラップする座組全体の連帯感だったかも)

理屈を吹き飛ばす肉親ならではの言葉、そして更に更にと想いの交差するシーンが折り重なってもう見応え充分!と思っていたらなんと2時間越えの大作。
高揚感や失望感、観進んでいくほどに引き込み力が更に更にと強まっていくので、これはむしろ有難かった(良作であれば長時間歓迎派)
何より哀しいストーリーでありながら心の栄養剤にもなり得るTEAM6gさんの持ち味がしっかり効いているのが良かった!

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

リブレセン 劇団離風霊船

雑遊(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。舞台装置も「おお!こんな風になっていたのか!!」
ちえさんは今まで見たことのなかった感じで笑えました。

ネタバレBOX

役が抜けないということばを聞いたことがありますが、そんな感じだったのでしょうか。
カーテンコールは微妙でしたが、あそこで拍手して目を覚まさせてあげないといけなかったのかな。
ロボット・イン・ザ・ガーデン

ロボット・イン・ザ・ガーデン

劇団四季

京都劇場(京都府)

2022/02/23 (水) ~ 2022/04/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

原作を読んでいないし、チラシのかわいいロボットのイラストを見て、子ども向けかなと思っていましたが、子どもは見なくてもいいんじゃないというくらい大人向けです。タング(ロボット)が愛らしくて、動いている姿に感動します。文楽の人形遣いに似ていなくもない。歌、ダンス、言葉、どれも力強くて、劇団四季の良さをあらためて感じました。
嵐の二宮くん主演で映画化されるそうです。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ泣きました。中盤から涙腺崩壊。花粉症も相まって鼻の中は洪水状態。めっちゃささりました。

【2月27日まで上演中】夜を治める者《ナイトドミナント》

【2月27日まで上演中】夜を治める者《ナイトドミナント》

お布団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/02/11 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/13 (日) 13:00

3ヶ月前のワークインプログレスの時は冒頭で示される「古典作品の人物の名前を使っているが全く違う物語(大意)」を鵜呑みにしていたからか「ハムレット性」はあまり感じなかったがこちらの前半の「ハムレット性」たるや!(驚)
(ワークインプログレスより上演時間が25分ほど長くなった影響もあるか?)
それでいながら中盤あたりからパンデミック系に転じ、場ごとに投射される字幕などの印象からか、どこかゲームじみた感覚になるのがまた面白い。
そう言えば以前観た何本かも含めて前半は原典に(比較的)忠実、後半でガラリという基本形は変わらずか?

怪葬

怪葬

早稲田大学演劇研究会

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 18:00

面白かった❗️大学生がやるのは活気があって、良いね❗️
皆弾けてました。
私も弾けました。
早稲田大学初めて観てはまりました。
次回も必ず観たいです。ご苦労様。皆さま。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自分にとって本当に大切なものは何なのか。そしてその思いの深さが感じ取れました。
人生大切に生きたいですね。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いくら仲の良い友人、家族でも、何を考え、どう思っていたのか、は
わからない..... でも、わかりたい、わかっていたい!
そんなことを強く感じました。
そして、良い言葉がいっぱいありました

Anonymous Gods

Anonymous Gods

Orgel Theatre

雑遊(東京都)

2022/02/24 (木) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いろいろな想いが見え隠れし、交錯し、
生と死に纏わる考えが廻りました。

新平和

新平和

烏丸ストロークロック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 13:00

ドキュメンタリー演劇とでも言おうか。重い話題だが演劇的である。120分。
 広島に生まれ育った栗原チエ子は、原爆が投下された際は爆心地にいなくて被爆しなかったが、全ての家族を失う。老境に入った彼女が回想する被爆後の広島の現実を、ある意味淡々と描くことで芝居は進行する。チエ子役の女優はマスクをしてほとんど台詞を発せず、他の役者陣が替わって台詞を語るのは、発言することを奪われた被爆者を象徴しているように思った。終盤に見せる、被爆1年後の光景のシーンがとにかく印象的。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

阿南敦子さんをはじめ、良い演者さんばかりなので、始まりからすっと物語に入り込め最後まで没頭できる舞台でした。
人生のラストは今までどのように生きどんな風に人と関わってきたかを考えさせられるいい舞台でした。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主人公は平田貴之氏(ブラマヨの吉田と博多大吉をブレンドしたような雰囲気)演ずる葬儀屋の倅、矢野雅清。学生時代にプロを目指してお笑いトリオを組んでいた。子供が出来てやめたアフロの岸健太郎(吉成浩一氏)と、家庭を持っても独り夢を追い続ける一ノ瀬昌太〈しょうた〉(笑福亭べ瓶〈べべ〉氏)。妙なカリスマ性がある陽気な昌太には妻(市原茉莉さん)と最愛の娘のひまり(いしひろのさん)がいる。『自分の人生を愛し、愛する人生を生きろ。』とは ボブ・マーリーの名言。昌太はこれに近い座右の銘を掲げている(正確には覚えていない)。
昌太のお気に入りの秘密の場所は、とある海岸のある地点。そこから見えるのは満月が鏡のような海面に映し出され、互いに向き合っているような夢幻的光景。主人公の母が亡くなった晩、こっそり連れて来てくれたことがある。
そんなある日、一本の電話が鳴り、陽気で明るい筈の世界はその残酷な姿を露わにすることとなる。

前半が単調でイマイチのれないが、市原茉莉さん演ずる昌太の妻の登場からいよいよ物語が門を開く。彼女の熱演に一気にこの世界にのめり込んでいった。
葬儀屋の父親、田中リュウ氏が長谷川和彦に似ていた。
後半に訪れる阿南敦子さんの独白といしひろのさんの叫ぶ台詞は必聴。その文学性の奥の深さにずっと脳裏にこびりつき、思索させられる。ここだけでも必見のシーン。
カーテンコール時、阿南敦子さんは号泣。その想いの深さにこちらからは想像もつかない程の苦難の日々を感じた。
是非、観に行って頂きたい。お薦め。

ネタバレBOX

構成をもっとバッサリやっても良かったのでは。昌太の葬式から始めてもいいと思う。
チラシのヴィジュアルが素晴らしいので、これをステージ上で見せない手はない。巨大な満月が海面に映り、月光による光の道が夜を縦に切り裂く。この光の道を通って誰もがあの世に行くと云う。そこでは死んでしまった懐かしい面々が宴の準備をして待ってくれている。「いつの日か辿り着いたそこで旨い酒を酌み交わそう。」と昌太。
愛する娘への誕生日プレゼントとして、名前の由来となった向日葵をありったけの数、育てている。満月の夜、この世で一番の美しさをプレゼントしようと。

冒頭、駅で電車を待っている面々。そこに人身事故による運行の遅延のアナウンス。口々に文句を付ける人々の声。

ラストは冒頭の場面が繰り返される。飛び込み自殺者を罵る人々に向かって、ひまりが叫ぶ。「死にたかったんじゃないよ!生きたかったんだよ!」。この台詞が一番胸に残った。

『自殺は最期まで生と向き合った者の足掻きの行為である』とは凄い観点。今作の魅力はただのオプティミズム(楽天主義)に見せかけてニヒリズム(虚無主義)を肯定した上での反転にある。薄っぺらい妄想上の人生讃歌ではなく、毎日の生活の痛みに紡がれた言葉。阿南敦子さん演じる姉が、自殺未遂の過去を語り出すシーン。自身の体験から弟の死は自殺かも知れないと語る。自殺であったとしてもいいのだ、と。

中盤から物語は昌太が自殺ではなく事故死であったことを証明する旅が展開され、ハッピーエンドに向かって話は進む。その通俗的な流れを断ち切り、一変させる工夫が今作の肝。ライトサイドとダークサイドを共に肯定することによって深みを増す昌太の人物像。(ニセ大仁田こと故森谷俊之を思い出した)。それ故に「死にたかったんじゃないよ!生きたかったんだよ!」の声が痛い。
キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

メッセージ性が強い舞台だった。

その人の見える世界に、もっと想いを寄せることができる世の中にしたいと思った。

平田貴之と、市原茉莉が、引っ張っている。
特に市原茉莉は初見だが、空気をもっていける迫力に驚いた。
彼女の芝居には、脚本には書かれていない旦那への気持ちも込められていたように感じた。

お見事。

ネタバレBOX

プロローグの平田貴之の眼に注目したい。
なぜ、これだけまっすぐな眼をしているのか。
また、言葉を発する間に、何かを溜めていることを感じたい。
そこを感じるだけで、この物語への没入具合は、変わるはずだ。

そして、プロローグが終わると、彼の眼が日常の眼に変わっている。
そこからが、物語の始まりなのだ。

後、好きな箇所を挙げると、市原茉莉が回想シーンの役柄に入るところだ。
スイッチの入れ替えが、スタン!と入り、「これぞ、役者!!」と思える鳥肌ものだった。

劇場全体が、彼女の芝居に釘付けでした。


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