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水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな

水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな

カオスカンパニー

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/03/05 (土) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

舞台は未来の地球、遥か彼方の星から永遠に逃避行の旅を続けている女性型アンドロイド(瀧澤利恵さん)とその教育係(トモリト・シユキ氏)。土砂降りの雨の中、行き倒れた二人に小さな町の住人(たまさんとあずきさん)が手を差し延べる。今では世界の果ての誰にも興味を持たれなくなった寂れた惑星、地球。妙な電波が受信され、住人の二人(太田篤実氏〈脚本も〉と黒柳寿弥氏)は解読を試みている。

旧ソ連圏のSFっぽい静かなムードの会話劇。選曲がなかなか凝っていて、急にメタルが轟いたりする。小道具のアンドロイドへの通信機が、分厚いiPadに各色の光がピコピコするレトロ風味でカッコイイ。

ネタバレBOX

かつて地球はナノマシン(超極小機械)に自己増殖機能を付けたものを宇宙開発に運用したが、グレイ・グー(無限増殖による暴走)を起こし制御不能となった。その後ナノマシンは自己進化を遂げ、新生物として人類とは別の方角へ向かったようだ。
姉を亡くした天才科学者(舩津健司氏)はAIに魂を宿らせようと研究、友人にその子の教育係を頼む。その危険な研究は上層部に察知され、全てのデータの破棄を迫られる。アンドロイドを連れて教育係は宇宙の果てから果てへと逃げていく。

ラストは教育係が死に、アンドロイドは新生物となったナノマシンにいざなわれ、未知の世界へと旅立ってゆく。

話は悪くないのだが、詩情が足りない。歌で言うなら、ガッチリと論文のように書き込まれた歌詞に見合ったメロディーがない。もっとタルコフスキー的に宗教的暗示を散りばめても面白かったかも。
七日目の朝に

七日目の朝に

ONE AND ONLY

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2022/02/25 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

2月27日午後、下北沢にあるステージカフェ下北沢で上演されたONE AND ONLY朗読ライブVo.23を観てきた。これは、上演されたのが交流のある脚本家・加藤英雄の作品『七日目の朝』と言う関係からである。この団体の公演では、朗読の途中や合間に楽器の生演奏が加わるが、今回はギターとフルート。出演者9人にミュージシャン2人に対して、コロナ渦の影響からか観客は自分を入れて6人という大変贅沢な環境で鑑賞することとなった。

舞台は、長い遺恨を持つ川を挟んだ二つの町「東町」と「あざやか町」の商店街。川の埋め立てを機に商店街を合併しようという区の構想に乗り気な「東町」とそれに反対の「あざやか町」。その話し合いが行われている会場に、両商店街を股にかけた、まるで「ロミオとジュリエット」のような恋愛騒動が持ち込まれたり、埋め立てられる川の精や住んでいる魚達が人間の姿になって乗り込んできて合併ではなくもう一つ新しい商店街を作ったら良いのではと言う提案を投げかけたりとドタバタの大騒動に発展。その結果は・・・

という話で、事前情報では80分の上映時間であったはずが前説では90分、実際には100分という長さの作品となっていた。100分というと朗読ライブのスタイルだと長く感じられるのだが、今回は中盤からの進行がスピーディーだったり、オリジナルの歌とダンスがあったりと長さを苦痛に感じさせない面白さがあった。話の中心である二つの商店街の会長役を務めた中野聡と神成健太郎、そして区の職員約の山崎はん菜の熱演が成功の鍵と言えるだろう。
ただ、一つ気になったのがフルートの音量。実はこの楽器、思っているより音量が大きいので1人台詞の時に音が重なると台詞がやや聞き取りにくくなったのが残念。
それと、個人的に気になっている役者、松木里江と内海里依の演技もなかなかの出来映えであった。
加藤英雄ワールドの楽しく不思議な世界を堪能させてもらった。次回も楽しみだ。

ダンシング・ヒロイン

ダンシング・ヒロイン

自由劇場

アトリエS-pace(大阪府)

2022/03/05 (土) ~ 2022/03/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

大学でできないのか聞いたところ、大学から学外の人物は大学に入れたら❌とのこと。同じ旧国立大学(現在は独立行政法人)で対応が異なるのは、学生可哀想。アホな行政の為に学生が可哀想すぎて…。
内容はSFが入っていて、現実味はないけど、言いたいことはスーと入ってきた。少し泣ける内容で、次回から応援したくなりました‼️

水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな

水の行方、夏の端 -みずのゆくかた、なつのはな

カオスカンパニー

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/03/05 (土) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

システムの構築や専門用語が多々出てきた時点で内容が頭に入ってきませんでした。

ネタバレBOX

最後どんでん返しとかも無くラストだったので物足りなかったかな。
THE LAST SHOW

THE LAST SHOW

制作「山口ちはる」プロデュース

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 14:00

100分。休憩なし。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい舞台でした!
素敵なセリフが散りばめられていて心温まる、明日からも人生楽しもうと思わせてくれる作品でした。
役者さんも良かった!次の公演も是非観たいです。

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

地下アイドルオールスターズによる夢の祭典のような。心身共に疲れ果てうんざりしていた心がいつしか癒され再生し、ラストの全員によるダンスの頃には、驚く程気分良く楽しかった。それは凄く不思議な気分で虚構による治癒効果か?こういうことがあるから人はいろんなものに接するべきだ。所詮頭で考えたところで世界には太刀打ち出来ない。

日本版『チャーリーズ・エンジェル』、決めの衣装は『キャッツ・アイ』調でエロカッコイイ。
星宏美さん(元めろん畑a go go )、雪乃しほりさん(元仮面女子)、水野ふえさん(元仮面女子)、寿春歌さん(バクステ外神田一丁目)、有川結女さん(Super★Angel)。
地下アイドルグループの雄、仮面女子(アリス十番他)を擁するアリスプロジェクトのファンが多く会場を埋める。ペンライトやサイリウム持参で水野ふえさんの歌のシーンは盛り上がる。
雪乃しほりさんのアニメキャラのようなスタイルが目を惹く。悪党役の永井良氏も細かい工夫が効いていて良い。
殆ど美術もセットもないのだが、テンポの良さと展開の速さ、出演者一人ひとりのキャラの魅力で飽きさせない。この演出と脚本から同業者はかなり学ぶ点があるのでは。スピード感が心地良くシーン終わり毎にフッと感情の余韻を残すテクニック。
ラストの全員で送るダンスは素晴らしかった。「来たお客さんを全員満足させてやる」とのアイドルの意地を感じた。サービス精神が尋常ではなく、客席との一体感は流石。観客を手の平に乗せてくるくる回してみせる、アントニオ猪木のプロレス哲学に通ずる。かなり面白い。

ネタバレBOX

14年前のホンの為か、ヲタクの描き方が古い。もう一周回ってちょっとキモカッコイイ見せ方もあるのでは。
台詞のトチリがちょこちょこあり、観てる側もハラハラするのだが、その時の他の演者のカバーが良い。これぞアイドルグループ出身の強味、雰囲気や勢いで無理矢理場を成立させていく。場数の経験値が物を言う。
寿春歌さんの役が韓国人で、愛称が『トッキ』(ウサギ)。設定が細かい。星宏美さんのストーリーには直接関係ない、内面の揺れがスパイスとなって作品世界に効いている。
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

気軽に楽しく観ることが出来ます。あり得ねぇ~,ストーリーが浅い,個々の落とし落とし屋の苦悩の背景が見えないなどの感もありますが,そんなことは気にせずに,彼女たちの演技や魅力に注目しましょう。楽しい演劇時間になります。

はれわたる

はれわたる

演劇集団SINK

阿佐ヶ谷シアターシャイン(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コロナ禍を正面から若者の心に視点を。そこにあるコロナ禍の家族の心情も経済状況もしっかり取り上げて。それを見ている満員の観衆も没入して、久々の舞台を観て受け止める心臓は限界を超え張り裂ける。目からは、脳の指令によりずっと、涙がマスクを濡らす。感謝だけです。脚本に、演者の皆様に、舞台を用意して告知したスタッフの皆さんに。

君に会いたい

君に会いたい

しゅうくりー夢

ザ・ポケット(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「なんとかサスペンス」といったTVドラマを見ているようだ。ベテランから若手まで、俳優さんの面構えも決まっていて安定の演技である。登場人物は10人だが関係性もしっかりしていて、それぞれに見せ場があり、脚本が良く練られていることが分かる。

お話は元公安のはみだし刑事「居在家(いざいや)」とその同僚の御影池のコンビが警視庁捜査一課の高御堂の(一応の)指揮の下で連続殺人犯を追い詰めて行くというもの。ハードボイルドをうたっているが私立探偵ではないので孤独感は薄く、(主人公に関しては)暴力的でも無いので古典的なハードボイルドとはちょっと違う気がする。まあスピンオフということなのでそれは他の作品で観てほしいということなのだろう。

何度も流れる曲は1967年のザ・ジャガーズのヒット曲「君に会いたい」である。表題はここから採ったのだ。あまり本筋と合っていないと思っていたが、あの人とあの人のことかとこれを書いている内に気がついた。作者が(自分自身と)この曲が大好きだというのはよく分かった(微笑)

ネタバレBOX

「なんとかサスペンス」のようだというのは、それならTVで見れば十分ということにもなる。有名俳優さんが出ていないのは弱みにもなり、完成度の高さはマンネリ感にもつながる。悪く言えば時間潰しで何にも残らない。そのためTVドラマでは特殊な環境が舞台だったり、豆知識的なものを入れて、ストーリー以外の何かを持ち帰ってもらおうとしているのだが、ここでは何もなかったような気がする。まあテレホンセンター(の受け答え)がそれだったのかもしれない。そして小劇場的な尖ったところもほしいけれどそれはちょっと贅沢すぎるか。

昔の事件の真相は二転三転し含みを持たせて一応の結論に達する。そして現在の事件は未だ決着に至らず最後の謎のシーンは次作の予告となっている(のかなあ?)。

頼井が大地に接近した動機が胸糞悪く、尚子が空に惹かれて行くのもちょっと無理があった。まあ想定内ではあるけれど。しかし役名がほとんど忘れていて読めないのには参った(泣)

「作者が(自分自身と)この曲が大好きだというのはよく分かった(微笑)」
と書いたのは表題を本筋でなく副筋から採ったのは松田環さんの「主役は私よ!」という主張が感じられたということ。勘違いだったらごめんなさい。
後ろに近づく淋しさ以外は

後ろに近づく淋しさ以外は

排気口

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/03/05 (土) 18:00

価格3,000円

以前より高評価を聞いていたが今回が団体初見。思いのほかコメディ寄りでナンセンスな展開。ある意味、小劇場演劇らしい。一見、よくありがちな芝居をするように見せかけて全く明後日の方向への会話にするという、観客を翻弄し続けるところが人気の秘密なのかもしれない

ネタバレBOX

配信をしていないようだが、確かに配信向きではなく現場で観たほうがよい作品のようである
 、恋をする

 、恋をする

肉汁サイドストーリー

荻窪小劇場(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/03/05 (土) 15:30

価格3,200円

やはり肉汁サイドストーリーらしい、ラブストーリーと言っても一筋縄ではいかない。
人間の業というか性(さが)というものを見せつけられる、辛い世界

ネタバレBOX

ノンナが一体、何をしている人なのか最後まで謎であった。
トヨキとハリマのエピソードは生の舞台よりも映像に向いているであろう。
透き間

透き間

サファリ・P

京都府立文化芸術会館(京都府)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/05 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

はじめてサファリ・Pのお芝居を観劇する前に、佐々木ヤス子さんのスペースを聞いていたおかげで楽しめました(^^)
京都と東京での座席の見え方、あらすじは読んでおく、演劇というよりも美術鑑賞のような舞台…
セリフの掛け合いをする演劇ではないです。
まさにその通りで、役者さんのしなやかな体の動きが「キレイ」で、怖くて悲しくて、こんな舞台がある事をはじめて知りました(^^)
東京公演も無事に公演出来ますように!

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

劇団肋骨蜜柑同好会

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土)

価格3,700円

5日19時半開演回(110分)を拝見。

肋骨蜜柑にしては珍しく、わかりやすい筋立て・人物設定。
コロナウイルス的な厄難「怪鳥」に振り回される人々の有り様が快調なテンポで描かれ、110分の上演時間、アッという間に過ぎていった。
ヒトによって見え方が異なる「怪鳥」の”正体(=真実)”については、途中で大方読めたものの、その出現のメカニズムは…ホンマ、よう、あんな理屈、考えつくもんやなぁ!と感心しきり。

という訳で、殆ど”完成品”だと思っていた肋骨蜜柑同好会が、実はまだ変わっていく可能性を秘めた肋骨”未完”だと認識させてくれた本作、誰に対しても、素直に面白かったと言い切れる快作だった。

ネタバレBOX

【配役】
<田瓶(たがめ)市役所農林整備課有害鳥獣対策室>
森末欽二(優柔不断だが、心優しき管理職の室長)…吉田覚(よしだ・かく)さん
郷田留美子(全てに前向きな、神社の娘)…小島望さん
若瀬和人(赤羽美鳴の入院先を訪ねていくうち、いつしか恋に?)
…水口昂之(みずぐち・たかゆき)さん
<株式会社ハッピーライフ>
湊本真弓(亡くなったテキヤの親分の、愛娘)…永田佑衣さん
隼田猪四郎(亡くなったテキヤの親分の、配下)…室田渓人さん
<山根生物学研究所>
神宮寺恭平(主任研究員。平田とは若い頃からの因縁が…)…安東信助さん
<第一発見者>
赤羽美鳴(平田の大家。夫はハッピーラインの顧問弁護士だが失踪中)…嶋谷佳恵さん
<元大学教授>
平田久一郎…フジタタイセイさん
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ楽しかった!みんな可愛いくてかっこよくて、でもそれだけじゃない!演技もなかなかのもの!お話も良かったし、良い時間をありがとうございます♪

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上はかなり込み入った舞台構成になっている。

ネタバレBOX

下手手前側壁に短辺を並行にしたL字型の一段高い踊り場が設えられこの踊り場にはバーカウンターと手前の円椅子。この上手に葬儀屋家族の居間。居間の奥にはかなり大きな水屋箪笥が置かれている。白、黒で下手の踊り場付設備や葬儀屋の平台が塗り分けられているのは、無論今作は生死の問題を中心の1つに生計と夢実現の鬩ぎ合いの2つを大きなテーマとした作品であり、丁度楕円の数学的解を求める作業に近い問題を扱っているからである。この住環境は1階部分を為すがホリゾントと1階部分の間には2階が作られており、下手から2階へは観客席に平行に、葬儀屋の居間から2階へは垂直方向に梯子型階段が設えてある。2階部分の出捌けは左右1ヶ所ずつ。1階はバーカウンター奥、葬儀屋の家との間等を区切り、場面転換に応じて出捌け箇所をその場に応じた設定に変更して用いている。方法は吊るす布、ショー等で用いるキラキラしたスパンコール仕立ての垂れ幕等の位置移動、隠す場所の変更で対応。
 その他側壁面、ホリゾント壁面に張られた鉄筋様のパイプが、登場人物各々の綾なす人間関係を表しているようでもあり、後半飛び出してくる保険会社渉外担当者との保険金支払い関係の交渉場面での利害考証関連問答等をも示唆していよう。
 幼少時から思春期に複雑な家庭環境で育った経験を持つ者には、基本的に心に沁み入る物語であり、深い共感を誘うことは間違いない作品であろう。役者陣の演技力の高さも特筆すべきものがあった。
 ただ、多少気になったのは序盤の台詞で聴き取りにくい台詞が若干あったこと(これは自分の年齢のせいかもしれないが)。また昌太の死因が自死なのか事故死なのかを巡っての保険会社渉外担当者と弁護士との論戦では、昌太が小笠原さんに送ったラインの送信時刻から撮影時の時刻は特定でき写真も小笠原さんの証言で特定できる、更に遺体発見箇所と発見時刻、潮流との関係と往時の天気などから送られた写真と撮影場所との関係は相当正確に特定できるハズである。保険会社の利害があるから渉外担当は、自殺としたい訳だし、保険金殺人事件の場合、保険会社が事件性を立証できずに保険金を一旦支払い、その後事件が立証されたケースはいくらでもある。そういったことが弁護士サイドからは問題視されなかった。無論、弁護士サイドがそういうことを言って昌太がひまりの為に残した保険金が支払われてしまえば、今作は不幸な中にも救われる場面がある作品になってしまうので作家はそれを避ける為に姉の発言を入れたのだろうが、自分にはイマイチシックリこない感覚も残った。焦点が2つある楕円だからだろうが。
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

比較的淡々としているので、もう少し舞台演出があると良いかな。個人的には、軍曹殿(寿さん)の新しい可能性が見れて満足です。カッコ可愛いところは、さすが、PrettyAsh。今後も役者として、期待出来ます。
ピンクのサイリウムは、2つがお勧めです。ヲタクネタ面白いですよ。

新平和

新平和

烏丸ストロークロック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

広島発、作演出をストロークロックの柳沼氏に委託した合同公演の格好だが、一言でその特徴を言うならローカルな、リージョナルな、である点。チエ子という老人が介助担当の青年を伴って平和公園を散策しながら、生い立ちから戦争、原爆、戦後を丁寧に回想し再現していく構成。原爆投下、被爆者の存在、非核三原則といった従来全国区のイシューであったものが今、地方の生活圏域から、郷土史的視線から、光を当てられる時代なのだと思わされた。風化の現実を感じる反面、この舞台の目線が持つ強度は、人が想像し得る「時と場所」がある事に拠り、「具体」が持つ底力に釘付けになる。それでいて「抽象」即ち歴史を俯瞰する視野が確保され、安易に物語に回収させず物語を超えて迫って来るものがある。

甘い傷

甘い傷

一般社団法人横浜若葉町計画

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

5年前龍昇企画で上演された作品で配役も重なっている(7人の内3人)。とは言うものの演出西沢栄治、今回出なかった俳優に外波山文明、藤井びん、様変わりと言える。
コロナの間に様々な描き手が白壁に絵を描き込んだ若葉町wharfの企画公演として、参与の龍昇が持ち込んだと思しい本作には横浜縁りの中山朋文(ヨコハマヤタロウに出てた人ネ)やTOKYOハンバーグ舞台で目に馴染みの小林大輔、若い役は若いのが演じ、オールメイルで女役二人も本域で演じ、しっとりと趣きある芝居であった。個人的にハマったので星5つ。

三年王国

三年王国

人格社

新宿眼科画廊(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

荒削りだが、そこは若さの魅力であり、伸び代だろう。冒頭の緩い会話が、物語の底流を成していようとは…。上手い展開だ。

高校生活の甘酸っぱさを感じるが、描いている内容は深い。それは「自分という存在の確認、後悔のない生き方の模索」といったところ。物語(脚本)は、色々な場面を点描するが、それらを収斂していく怒濤の終盤が凄い!演出は何となく つかこうへい の「熱海殺人事件」の冒頭を思わせる圧倒するような大声+音楽(「白鳥の湖」ではないが)。

説明で興味を惹く「アレ」は、高校での部活動に起因している。自分にはピンとこないが、人にはそれぞれ大切にしているもの、気になるものがあろう。公演でも「アレ」は最後にやっと明かすが、途中で主人公・小田川の大切にしているものを「アレ」と勘違いさせる、そんな誘い方も巧い。
ただ演技は「演じている」といった力みが観えたので、もう少し自然体であれば…勿体ない。
(上演時間1時間10分)

ネタバレBOX

舞台美術は、低い平台をいくつも合わせ、学校(部室)内の板張りをイメージさせる。中央にテーブルと椅子、その後ろにスクリーンがある。状況に応じてテーブルを搬出し、換わりに授業机を搬入する等、状況に応じて光景を変える。

地方の進学高・新聞部が舞台。冒頭、部室で部員(2年)の小田川と写真部の間宮(2年)が自己紹介に関する無駄話。新聞部は旗田が卒業し今では薮(3年)と二人だけ。そこに新入生の権田原が入部し、物語は動き出す。中学まではそこそこ頭が良かったが、進学校では目立つこともない。自己紹介では、自分自身を表現出来ない。制服を着て腕章をしていれば高校新聞部と外見から分かるが、具象的なものがなければ自分をどう表すか?表向きには緩い部活動は楽、一生懸命に活動する必要なし。

何故 廃部寸前の新聞部へ入部したのか、真の目的は自分の存在アピールのため。順繰りに行けば、薮先輩が引退すれば私・小田川が新(第73代)部長になれる。新聞部以外は、傍観というか諦念にも似た虚無に近い高校生活。だから小さな世界でもお山の大将になりたい。しかし権田原は強かな新入生で、新部長へ立候補し…。
小田川が尊敬する旗田も同じような自己主張の気持だったことが分かる。2人して花火をする際、魂を燃やす=ポジティブではなく、焼失=ネガティブという意らしく、怠惰、諦念、無常といった高校生活が浮かび上がる。笑うに笑えないリアルさが垣間見える。

小田川が大切にしている物ーー黒板拭きクリーナー。人に知られず憤まんを大声で発散する時に大音を重ねる。大切に持ち歩くところから「アレ」と思わせるが、実は違う。

高校(生活)はシンフォニー、色々な生徒がいる。それを第九交響曲の合唱団に準えるが、自分は指揮者になりたい。そこに自我・自存を見ることができるが、その期間は3年間だけ。まさにタイトル「三年王国」(3年生のことではない、と思う)である。スクリーンに合唱団映像を映し曲を流す演出は、臨場感があり上手い。
終盤、各人が思い思いに絶叫する場面は、つかこうへいイメージ。さて、気になる「アレ」が分かるが、それは新聞部らしいものとだけ…。
次回公演も楽しみにしております。

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