最新の観てきた!クチコミ一覧

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薔薇の牢獄

薔薇の牢獄

演劇集団☆邂逅

天満天六・音太小屋(大阪府)

2022/07/16 (土) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

殺人繰り返すヘンリー8世、6人の妻、死神となった者の物語、見応えある演出、観入った。
3年ぶりの演劇集団邂逅さん、開演前から世界感が醸し出され、皇太子との格差に歪められて行くヘンリーを熱演。
何とか当日券で拝見できて幸せ、とても良かった。

笑う門には貧乏神も来たる

笑う門には貧乏神も来たる

牛窪企画

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/07/15 (金) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女性のお客さん多数、ブロマイドも売れてて、メッチャ人気者!
個人技で笑いも取れて、場馴れした役者さん達で安定感半端なし。
貧乏神が見届ける若手漫才コンビの奮闘記、面白かった!

貧乏神の目的が謎過ぎ、もう少しハッキリした方が好み。

鬱憤

鬱憤

幻灯劇場

京都府立文化芸術会館(京都府)

2022/07/15 (金) ~ 2022/07/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回音楽劇を観てないので、初(幻灯劇場さんの)音楽劇!
藤井颯太郎さん、鳩川七海さん、皆さん、歌うまっ!
ダンスも独創的な動きで、息もピッタリ、ずっと観てたい。
話して働いて徳積んで損得して約束して…
出会いと別れ、人と幽霊、少し心暖まる話、ムッチャ良かった!

さよならの食卓

さよならの食卓

坂本企画

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

永遠の愛!?
不死を手にした人類が、誠実に愛と向き合う、食卓囲む会話劇。

お綺麗な小野&岡田さんの好演、中野さんの怪演、荘司さんの学者感、そして江本さんの演技に魅了され、
坂本企画さんらしい、理詰めなのに、人間味に富んだライトSF、ムッチャ好きな感じ!
引き込まれた!

連星分道

連星分道

劇団文机と熊

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
正史三國志に基づく、魏の建国までの物語。
殺陣を必要最低限に抑え、正史リスペクトに溢れた、渾身の歴史読本の様な会話劇に仕上がってた。

戦ってなお続く、袁紹と曹操の連星の友情に、込み上げる物が!
三國志に詳しくなくとも、ムッチャ楽しめた!

あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

凄まじい傑作。これを見逃すことを考えるとゾッとした。評判の良いものはきちんとチェックしておいた方がいい。観ればすぐに解るように出来ている。
かなり映画向きの題材、今作のラストをきっちり作品化できる奴がいれば凄い技量。(来年公開予定ですでに撮影済み!やれんのか!?)
役者陣はもう何一つ言及する必要がない完璧な布陣。初演の辻凪子さんヴァージョンも観たかった。

主演の芸大生、千夏役の平山咲彩さん。今作を観て彼女のファンにならない人がいるとは思えない。彼女の醸し出す等身大の痛みや生活の質感は至極。少女にこそ、これを体感して貰いたい。
その母、昭子役の枝元萌さん。もうこの方は黒澤明クラスの映画の女優。この人が象徴している表現はすでに作品の枠を超えている。
昭子の勤める縫製会社の後輩、透子役の橋爪未萠里(いゆり)さん。物語のキーパーソン、難役を見事に成立。
縫製会社の新任係長、木村役の瓜生和成氏。全く演技なのか素なのか判断つかない。最早素人には解読不能。
千夏の幼馴染みの役者志望の芸大生、光輝役の田中亨氏。凄くリアル、絶妙な配役。

シングル・マザーで娘を大学にまでに入れた昭子。母子二人の暮らしには近すぎるが故の口に出せない痛みが点在。千夏は小説という手段で胸の内を吐き出そうとするが。

田舎町にやって来たサーカス小屋、その色褪せたテントの美しさ。皆精一杯に優しくて精一杯に正しかった。ただただその無力さに泣くしかない展開。だがそれだけでは終わらない。

ネタバレBOX

「そんな話は置いといて、まずは腹ごしらえ、ステーキを食おう」。これまでの負け戦の分析ではなく、これからを生き延びる為のルートを探るラスト。「書き続ける事こそが生きる事」と言わんばかりにノートに無我夢中に書き殴り始める千夏。この瞬間こそが文学の誕生で、ひたすら書き殴った文字列がこの世界の根本を揺るがす。生きることは目的なのか、書く為の手段なのか、世界と自分との関係性がぐるぐる廻り始める。クラクラする終幕。
あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

三年前にアゴラで初演を見た。平成から令和へ、幕開きの傑作だった。
再演は、コロナのただなか、劇場もスズナリに変った。配役は主人公の女子大一年生の役が辻凪子から平山咲彩に。最も印象が変わったのは美術で、アゴラでは数枚の平台をいろいろな形で組み合わせ、柱を立て、そこに赤い糸が張ってあった。今回は中央の円形の台を置き、その上に二つの丸い机を相似形に置き、それを囲むように抽象的な縦線の入った壁が垂直に立っている。
セットが抽象化されたように本もずいぶんよく整理されていて、人間関係のドラマがテンポよく進む。大分短くなっているのではないか。今回は1時間50分。俳優の出入りも初演の不定形のセットと違って動きやすい。ちょっといいなと思っていた主人公が試作する課題の鮫(だったか?)の童話や、舞台になっている中小企業の繊維工場の生活感のあるシーンはかなりカットされている。その代わり後半になると、乳房をめぐる女性の生き方の論議などは補強されていてこの三年の間にもジェンダー問題はずいぶん深くなったと思う。
この本は、作者がコロナ騒ぎの時に暢気すぎると批判されるのではないかと危惧するように(確かに私は、これは京塚と波野で新派で見たかったとも思った)、初演では、京阪神の地方都市の夏の情景を地方色濃く描いていてホームドラマとしても青春ドラマとしても、それを包括した時代のドラマとしても卓越した作品だった。大阪の現代の「はんなり」も素晴らしかった。令和を代表する一作品であることは初演も再演も同じ、時代を代表する傑作である。
しかし、自分の好みで言えば、夏の縁台に続いているような母子家庭の母子の夏物語が人情噺の色濃く演じられた初演の方が好きだ。今回は大阪弁もせせこましい。初演のゆったりと演じられたサーカス見物のシーンなど忘れられない。橋爪未萌里は今回はなかなか良かった。瓜生は初演の時の笑い声の工夫など捨てなくてもよかったのに。全体に「軽さ」「世話物の人情(赤い糸)」が薄くなったのが私としては残念に思うが、それだけ、解りやすく、ドラマとしてはテーマの緊迫度が深まったともいえるので悩ましいところだ。

ネタバレBOX

地方から出てきたいい作者を時に東京の演劇界はつぶす。つぶすというのは言葉が悪いが東京の演劇界は興行と眼前で直結しているので、作者その対応にうんざりしてしまうということはあるだろう。。パルコも贔屓の引き倒しにならないように祈っている。
ムサ×コジ〜アルティメット─武蔵×小次郎〜究極!─

ムサ×コジ〜アルティメット─武蔵×小次郎〜究極!─

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/11 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/10 (水)

宮本武蔵に関する複数の有名な挿話を殺陣とダンス、それに「しょーもないコント(笑)」で彩ったエンタメ作品。
もう冒頭の「アレ」から「あー、X-QUESTだぁ♪」と頬が弛む。それ以降も「そう来るか!」でありながら「そうだよね、それだよね」な展開が相次ぎ、長年観て来た身としてほぼ満足、いや、以前のような「野田秀樹チックなボキャブラマジック=言葉遊び」が少なめなのがやや残念ではあるのだけれど。
それにしても古参メンバーのあの動き、何なの!? 10年前と変わらない……どころかともすればむしろキレが増したアクションに驚愕。
いやホント、身体だけは大事にして下さいね。(真顔)

12人の私と路地裏のセナ 2022

12人の私と路地裏のセナ 2022

劇団6番シード

テアトルBONBON(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当に、素敵だった。
何だかもったいなくて誰にも感想を話したくないような満足感で、ずっとずっと余韻に浸っていたくて、まっすぐ家に帰りたくないな〜って電車の中でもずっと噛み締めてるぐらい、本当に楽しかった。

演出がとてもお洒落だし、何より12人の人格にそれぞれ個性豊かな(しかも精鋭たる)役者が演じているので、その応酬だけでかなり楽しい。
脳内会議の騒がしさや、現実世界での見え方とのギャップ、借金取りや職場の先輩などとの会話にも、何度も笑わされたな〜。


シンプルなセットや、演劇ならではの"いるけどいない"をうまく扱った題材に想像力をわしわし刺激される。
今回はエンタメからは遠いところにある気がする。だから、スカッと手放しで楽しめるか?と聞かれてしまったらノーと言わざるを得ない。
でも、例えば、夜中まで小説を読む手が止められなかった経験のある人、深く物事を考えたり想像したりするのが癖な人、図書館やコーヒーや紅茶や…カレーの好きな人、そういう人なら絶対に好き!

生でこそ味わってほしい演劇空間、期待以上でした!

ネタバレBOX

人格としての彼らなのか、現実世界にいるほうの彼らなのか、その境界が入り乱れる。それを探るのも楽しかったし、分かった時も楽しいし、分からないなりに都合よく(ロマンチックに)考えてみるのも楽しかった。「スズメ涙」と「通りすがりのヤクザくん」のくだりについては特に。

そして、全キャストに共通して"第一声でキャラクター像を示せる"のが本当に素晴らしい。掴みはバッチリ!とはよく言ったものだね。そして「靴磨き男」と「ケチャップ村田」「下世話な隣人」は本当に、最高でした。
蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人生の最初にして最大の選択、それを夢想または追想のように描いた物語。一見、抽象的とも思える出だしは取っ付き難いが、少しずつ物語の輪郭を表す。表現し難い内容、それを独特な(不思議)感覚と謎めきをもって描いており上手い。

実際の 蝶々結び は解けないようで容易に解くことが出来る。この公演のタイトルは意味深で、解けそうで解けない。説明にある旅人・あなたはかけがいのないものを手に入れた は、心の迷い 彷徨から少し解放されたようだが…。

何故か、ある映画を思い出してしまうのは、線路・冒険・友情といった断片的ではあるが、そこに かけがえのない宝があるからだと思う。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)
-monochrome side.-

ネタバレBOX

舞台は地方にある木造駅舎。中央は少し高くした1番線ホーム、上手に回って降りてきたところに改札口。上手が駅室、上に時刻表が掲げられている。下手にトイレがあり駅員の使用頻度が高いよう。中央客席寄りにベンチ。上演前から蝉の声が聞こえているから、時季は夏であろう。

物語は、一人の男が郷里へ帰ってきた、そんなどこでも見かけるような光景から始まる。この街、駅舎に集まる人々は明るく陽気で、屈託がない。歌って踊って、旅人を歓迎しているような光景だが、何となく違和感を覚える旅人。そして久しぶりに帰郷した理由は母からのハガキ。しかし、その家はなく途方に暮れて駅舎に戻るが、終電はなく、駅待合室で翌朝まで過ごすことになる。

街の人々は、駅員を除けば、高校生の男女4人グループ、医師と看護師、歌う女性。夜にこの人々との不思議な会話や交流が、自分の中の何かを目覚めさせる。昔の記憶のドアをノックされ少しずつ開けた心から見えたものは、今 話し相手になっている高校生と同じ年頃の自分である。何もない田舎町、ここから出て都会(東京)で働きたい、生きたいといった希望を抱く。一方、何ものでもない自分が郷里を出て成功できるのか。端的に言えば、上京するか郷里に留まるのか といった人生の選択に思い悩んだ末に出した結論は…。この悩みは理解出来る。

東京での暮らしは、必ずしも煌びやかな生活ばかりではなく、孤独に苛まれることもある。そんな思いをして帰ってきた旅人が、今 目の前にいる高校生たちが自分と同じような人生の岐路にいる。何か言葉(思い)を伝えなければ、しかし自分の真意がうまく表現できない。まるで夢の中、もしくは心を閉ざした闇の中にいるようだ。

整理できないモヤモヤとした気持。謎めきと不思議な世界観を一役二人でしっかり描き出す巧さ。その表現を 高校生グループが、夜陰に乗じて線路を歩いて冒険に出ようとしている。どこか見た光景だが、それこそが自分で過去に経験した出来事。選択した結果の善し悪し、実行して初めて知ることになる。街を出る出ないの選択と決断、その結果を知った後悔の念に苛まれ 心を閉ざした。が、ある切っ掛け(迎えの女性)によって、高校時代の友情や母の気持、そのかけがえのない思いを知ることになる。そんな描き方で心の内を具現化してみせる。それこそが答えのような…。

何となく、映画「スタンド・バイ・ミー」を連想してしまう。田舎町、線路を歩く冒険、なにより友情を深める。その体験を追想する滋味溢れるところが重なる。
次回公演も楽しみにしております。
月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。〈2022 東京公演〉
脚本・演出・舞台美術、勿論 演技も素晴らしい!
命とどう向き合うかといった重いテーマ、その捉え方、考え方の選択と決断を描いた重厚な物語。多様な観せ方は、地域活性化や性癖といった別の観点からも描き、裾野の広さとテーマの深さ といった両面を見事に成立させた秀作。しかし劇風は重苦しいだけではなく、笑いの場面も挿入し、それが人の優しさ温かさを感じさせるといった上手さ。

物語は、前半の 寂れた温泉街に立つ老舗旅館「月の荘」に関わる人々の話、後半は 次女の真希が海外から帰国した理由と家族(姉 妹 弟)の話、といった二幕で展開していく。自然な流れ、細やかな変化や季節の移ろいを丁寧に演出する。ゆったりとした日常の光景、柔らかい雰囲気の中で緊張と味わい深い会話が繰り広げられる。余韻と印象付けが実に見事だ。笑って泣けて心が温かくなる日穏-bion-の世界…病み付きになる(コロナではない)。

2021年にコロナで中止になったリベンジ公演。当日パンフに主宰・脚本の岩瀬顕子さんが「日々流れるコロナ関連のニュースに正直心が折れそうですが・・・」と記しており、うかがい知れないほどの辛苦があったと思う。それでも一年間大切に温めてきた作品、上演してくれたことを嬉しく思う。
(上演時間1時間55分 途中休憩なし)22.8.13追記

ネタバレBOX

場内に入ると舞台美術の見事さに圧倒される。老舗旅館「月の荘」のホールといった場所で、中央に玄関や客室に通じる出入口、上手に段差ある畳所、ラジオ・小机等があり、横に極楽ノ湯へ通じる出入口、下手に暖簾が掛けられた月の湯。暖簾は色違いで殿方、御婦人と染め抜かれた文字が見え、暗転時に掛け替え時間の流れを表す。板床には囲炉裏、籐椅子や茣蓙布団が置かれ、天井部には桁(けた)のような木材、その奥に竹林が見える。電波の入りが悪い山奥、自然豊かな雰囲気が漂う木造家屋内を出現させる。

物語は、ここで働く人や出入りする人、その個性豊かな人々の性格や暮らしぶりを生き生きと描く。「月の荘」の主人・天野亮太(内浦純一サン)は東京で働いていたが、故郷に戻り旅館主を継いだ。長女・加代子(柴田理恵サン)も都会で助産師として働いていたが、今では地元で助産師をしている。板前の笹川徹夫(剣持直明サン)は妻を亡くし、息子は仕事が忙しいのか会えていない。従業員の鳥居ひな子(中島愛子サン)の客案内はガイド調で笑わせる。真希の友人で山根奈津江(清水ひとみサン)は認知症の父親の介護とクリーニング店の仕事で忙しい。芸達者な役者陣の面白可笑しい仕種や会話は、長閑な光景を観せる。この地には、玉金(たまがね)温泉郷が近くにあり、イベントで町興しに役立てようと企画。二週間前に赴任してきた地域おこし協力隊・下駄屋勤務の米田正彦(小林大輔サン)が色々なアイデアを出す。そして客層を考え「終活ツアー」はどうかと…。前半で色々な伏線をはり、後半へ繋ぐ。

アメリカでデザイナーとして活躍している二女・真希(岩瀬顕子サン)が12年ぶりに娘の凛(種村愛サン)と一緒に帰国する。同時に真希の友人・医師の藤倉信明(伊原農サン)もやって来る。真希は不治の病に侵され、自分の終活の仕方を考えていた。この事実が明らかになった所で、物語の様相が一変する。自分の意志で決められるうちに死を受け入れたい真希(前半介護の話が肝)、最期まで生きる意志を持たせたい加代子(助産師という設定が妙)の思い。理屈で語ることの出来ない感情の世界。生身の人間(役者)が観せる”力”に舞台としての醍醐味、面白さがある。「『いのち』の選択をめぐって巻き起こる家族の葛藤」…その結論は ぜひ劇場で観てほしい。自分は兄弟姉妹ではなく、親との関係で同じような選択を迫られたことがあり、その当時を思い出し苦しくなった。

選択肢という点では、米田の地域おこし協力隊としての働き方・生き方、また彼が亮太に向かって新宿二丁目で働いていませんでしたかという一言で、LGBTQという性癖へ話題を広げる。「玉金温泉郷」のポスターが「奇跡の月虹ツアー」に張り替えられ、終活と極楽ノ温が相まって前向きになれる。「死」と向き合った重いテーマだが、2年後(さらっと米田が来てからの年月をいう)のラストシーンは清々しささえ覚える。出来れば、高校生になった凛が方言で喋ってくれると その地に馴染んだと真希も安心したかもしれない。

時間の流れは、照明の諧調で日中や夕刻、そして夜を巧く表現している。そして衣装の違いはその人が生きている世界を表している。旅館の従業員は地味(和)装、一方 真希は洗練された洋装で雰囲気の違いを醸し出す。音楽はラジオから流れるDJの声、オーバー・ザ・レインボーの曲が少し物悲しく聞こえる。
これらの様子を訳ありな宿泊客 田部次郎(演出 だんじだいごサン)が小説として紹介し、自分自身も生きる勇気をもらったと…。余韻と印象が強く残る作品だ。

次回公演も楽しみにしております。
最後に、スタッフの対応(メールも含め)が実に丁寧で感謝いたします。
「ともしびー恋について」

「ともしびー恋について」

メメントC

オメガ東京(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/08/12 (金) 14:00

ペシミズムを論じたチェーホフのこの短編は、当然ながらとても哲学的だ。物語の躍動感を期待してはいけない。どうしようもない亭主に付き従って生きてきた女性が、偶然に会ったかつての知人男性と駆け落ちする。こうした恋愛話が男性3人の間で繰り広げられる。どっちにせよ皆、死んでいくのに、何のために生きていくのか。演劇では多彩な切り口で表現されるような命題を、哲学的要素を前面に浮き上がらせている。

シンプルな舞台演出がよかった。ギターなどの弦楽器やピアノで奏でられた音楽がぴったり合っていた。役者たちの実力も十分だ。特に、人妻キーソニカを演じた石巻美香は流れるようなお嬢さま言葉の長台詞を難なくこなし、どきっとするような色気を見せる。

しかし、心に響くような何かを期待して地下の小劇場に入ったためか、消化不良感が強かった。結局「この世のことは何もわかりはしない」とつぶやくばかりでその恋が人生をどう変えたのかなど、まったくわからないままで終わる。そういう舞台なのだということは分かっているのだが。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

実に緊張感のある舞台、ぐっと引き込まれましたね。事実とフィクションが混然一体となっているけど、日野原先生チョイスのカラマーゾフの兄弟のエピソードが出てきた時には心の中で拍手。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

緊迫感に引き込まれました。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

臨場感 、セリフ 、演出 とてものめり込んで魅せていただきました。実際にあったハイジャックを題材に書かれている物語ですが その史実をしらなくても 引き込まれていく作品だと思いました

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

夜空を照らす月の下にはたくさんの美しい物語がある、そんな気持ちにさせてくれる素晴らしい舞台でした。どんな命も尊さは同じ、誰もがかけがえのない命を生きている、コロナ禍だからこそそのメッセージが心に響く素晴らしい舞台です。ラストシーンは誰もが月光を浴びて輝く美しい虹を瞼に焼き付けると思います。進化した日隠を見てください!

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最後まで息を詰めて見てしまいました。それにしても知らないことが多すぎる私。帰宅して即ウィキってしまいました。
「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」という台詞を本当に誰かが口にしたのかは分かりませんでしたが「事実をもとにしたフィクションです」なんて標榜していないところがいいと思います。

迷帰路

迷帰路

劇団んけつ

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

満足度★★★

ほぼ女性が出てくる。皆パワー全開でセリフを間違っても、ぜんぜん動じることなく進んでいく。仲良し女性グループの旅行は、日本に帰ることができたのか…

 【再演】全力青春クラブ♣️

【再演】全力青春クラブ♣️

劇団 竜人世界

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/11 (木)公演終了

満足度★★★★

演者が若いので、パワー全開。夏バテ気味の私は、元気をもらえました❗内容も良かったけど、パワーに圧倒されました❗

12人の私と路地裏のセナ 2022

12人の私と路地裏のセナ 2022

劇団6番シード

テアトルBONBON(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度

久しぶりの6番シードは びっくりするくらいダメだった。役者さんじゃなくて本が。。残念でした。。

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