プルーフ/証明
DULL-COLORED POP
王子小劇場(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了
純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2022/02/18 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
宮城野(東京公演)
劇団あおきりみかん
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2022/02/11 (金) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
アルプススタンドのはしの方
稲村梓プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2022/02/09 (水) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
『ウエア』『ハワワ』
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
遁屯【トントン】
山口綾子の居る砦
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2022/01/28 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了
ガラテアの審判
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了
地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇―
あんよはじょうず。
TACCS1179(東京都)
2021/12/29 (水) ~ 2022/01/02 (日)公演終了
#31.5『パブリック・リレーションズ』
JACROW
雑遊(東京都)
2021/12/21 (火) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
vitalsigns
パラドックス定数
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/17 (金) ~ 2021/12/28 (火)公演終了
疚しい理由2021
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/12/15 (水) ~ 2021/12/22 (水)公演終了
Transcendent Express
Cuebicle
上野ストアハウス(東京都)
2021/12/10 (金) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
遡行の記憶にて
カスタムプロジェクト
コール田無 多目的ホール(東京都)
2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/14 (日) 12:00
今回観た作品は、観客参加型ミステリー劇だったが、最初に主人公の女の子?がタイムリープしたところから始まり、真犯人究明の後半戦では、主人公が何回か経験するタイムリープは実は○○だったことや、犬飼教授が読んでいる本が実はカルト的人気を誇った小説○○○○○○だったりと、カレンダーの日付のことも含めて、細部に至るまで入念に仕掛けが仕組まれていて、更にはゼミの仲間の他愛のない主人公との会話も実は、○○○だったりと、意外どころか、想定外の出来事の連続に、緊迫し、思いがけない結果に足元を救われ、推理って思った以上に難しいと感じた。
後半戦が終わった後の、解説コーナーで俳優のリアクションも含め、程よく息抜きしながらも、大いに笑えることができて良かった。
劇中、笑える場面が意外と多くて楽しめた。そして、登場人物の性格やアクが強すぎて、更にそれを演じる俳優が訳に入り込みすぎているように見えて、圧倒された。
夢・桃中軒牛右衛門の【8月16日~17日公演中止】
流山児★事務所
小劇場B1(東京都)
2022/08/10 (水) ~ 2022/08/17 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
台風直撃にお盆の土曜、ずぶ濡れになりながら地下の小劇場に集った面々。伊藤弘子さんの「お宅らも好きねえ」的ないなせな口上から開幕。主人公・宮崎滔天(とうてん)の妻役・山﨑薫さんとその姉役・伊藤弘子さんの見事な掛け合いで今作の裏事情が語られていく。宮本研の1976年の作品を詩森ろばさんが現代向けにアレンジ。オリジナルを知りたくなる程の大胆な脚色、これを当時宮本研が書いたのなら衝撃的すぎる。
全然難解ではなく娯楽に徹しているので心配しなくて大丈夫。
盟友、孫文(さとうこうじ氏)による清朝政権の武力革命での打破に夢を懸けていた宮崎滔天(シライケイタ氏)。1904年、その夢は破れ浪曲師に転身。桃中軒(とうちゅうけん)雲右衛門(井村タカオ氏)に押し掛け弟子入りし、桃中軒牛右衛門(うしえもん)と名乗る。とはいえ革命の夢を諦めきれない若き中国人達が協力を求めて訪ねてくる毎日。その世話を焼く、妻の槌(つち)とその姉の波。(本当の名前は前田卓〈つな〉、夏目漱石の『草枕』で那美とされているのでこうしたのだろう)。1911年、孫文による辛亥革命が到頭成功するのだが・・・。
さとうこうじ氏は流石。ある種、キーになる役を演らせたら必ず成立させる強さ、凄い力量。
山﨑薫さんのファンなら今作は必見。開幕から終幕まで常に合いの手を入れ続けるような好演。
シライケイタ氏が「誰かに似ているな」とずっと考えていたのだが、IWA JAPANのプロレスラー、松田慶三だった。熊本のお座敷唄「キンキラキン」を木暮拓矢氏と唄い踊りまくるのは名場面。
牛右衛門の弟子、馬右衛門役の星郁弥氏を観るのは今作で三作目、その度にどんどん大物化している印象。一体何処まで行くのか?
各キャストの直筆サイン付き生写真が一枚300円で販売中、要チェック。
夜明けのディストーション
劇団とりもち
アトリエ第Q藝術(東京都)
2022/08/13 (土) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
自分ではファンタジー系の作品は割と好きな方だと思っていたのだが、こういう舞台が「ファンタジックな作風」なのだとすれば、今後は考え直さないといけないのかも。客入れ時の選曲などで、こちらが勝手に期待を高めてしまったのが悪かったか。
今は昔、栄養映画館
みやのりのかい
OFF OFFシアター(東京都)
2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
当パンにも書いてあった演出家によるギャグの修正、ト書きの変更などが何だか裏目に出てしまったのではないか。そんなことを思いながら帰る台風の夜…。
FAMILY~夏が思い出させてくれたこと~
ヒューマン・マーケット
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2022/08/02 (火) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】
conSept
ザ・ポケット(東京都)
2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/13 (土) 13:00
台詞量も多く濃密な会話劇でした。
小島さんのつかみどころのない女性役が素敵。
照明も綺麗だった。
「ともしびー恋について」
メメントC
オメガ東京(東京都)
2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
自身の問題意識や関心、ちょっとした興味まで「演劇」表現に投じ存分に楽しんでいる印象のある嶽本女史。仏道世界の旅から娑婆に戻った?前作(山の羊舎との合同)にてその筆力を改めて実感し、厳しい日程ながら今作は実演で観ようと出かけた。過去上演「ともしび」の改作との事で、男三人が夜伽に過去の女性経験を話す、という流れで複数のエピソードが再現される。人生を生きる当事者の主観と客観の隔たり、人間世界を俯瞰して突き放しつつ心に留め置く距離感が絶妙なチェーホフ作品には、(演劇では感情移入が標準的態度であるので、その対照である)虚無主義、ニヒリズムが際立つ。俳優が熱情を体現する程に嘆息は深くなる。
今作では楽器演奏が付き、回想劇に相応しい古きを懐かしむような楽曲が劇を彩る。また狭い劇場ながら装置がうまく抽象(比喩)性と機能性を兼ねて独特な空間を作り、そこに一番感心したと言えば感心した。若干噛みが多く集中を削がれる箇所もあったが、面白く観た。嶽本女史の世界には才気の煌く瞬間と、拘泥(恐らくは製作の動機に繋がる)による見えづらさとが同居する事があり、どちらもこのアーティストの特徴と過去の観劇の印象とも合せて思う。
その一つかどうか・・劇を貫く世界観としてチェーホフ(あるいは作者)がラストに男らに言わせる「この世は無意味」的な趣旨の台詞は、そこに持って行くまでに演出上または戯曲上の「何か」が欲しい。仏教的な無常感は「客観」真理を言い当てているのに対しチェーホフは人間の心情とその発露を描いている。前者から一気に後者へ飛躍した感じを持った。やはり今も仏道の世界を旅しているのだろうか・・。
楽曲の演奏者の一人がどうやら嶽本女史であると最後に気づいた(そして終演後やおら挨拶に立つ..冒頭を見逃したので知らかったのは私だけかもだが)。後でプロフィールを見れば女史は音大出身。多才な人である。
頭痛肩こり樋口一葉
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
数ある井上ひさし戯曲の中でも、随分前にある知人が「あの」と枕語を付けたニュアンスで本作を紹介していた事が頭に残り、気になっていた演目。そこへ「ちりとてちん」の貫地谷女史が出演とあって自分にしては早い時期に予約した(席は大分埋まっていたが)。
宇野誠一郎作曲と思しい楽曲が心地よく流れ、歌が折々に歌われる。古い感覚が普遍性に届いていて心に沁みる。
女性のみの舞台である事に途中ではたと気づいたが、女人芝居にしばしば見受ける息苦しさがなく広がりがある。家長であり仕事人である一葉の風情(社会に開いている)にも拠るだろうが、面々の個性の棲み分け、幽霊の存在も「広がり」に貢献している、
「女性」の物語である事への気づきと共に胸を締め付けられるのは、後半の事である。男性の井上ひさしが、意図を悟られず周到に(難しいことをやさしく)、テーマを狭めず外堀を埋めてついに獲物をしとめるように核心を突く。達人技には唸るばかりである。
休憩中にチラシを手に取り「答え合せ」をすると、増子倭文江に、若村麻由美の名。そして音楽監修に国広和毅の名が目に止まる。今回、宇野誠一郎の楽曲を(間違いないと思うのだが)新音源に誂え直している。中音域のストリングスが、あの「白い巨塔」(70年代の方)のオープニング曲の音色そのもの(シンセか本物か判別困難なアレ)で耳に心地よく、今回は「古さ」にある良さを再生する国広氏の仕事であった。芝居への貢献に徹する仕事振りには毎度舌を巻く。