奇蹟 miracle one-way ticket【3月12日~3月17日公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
北村想の人を食った喜劇である。
主人公はホームズばりの名探偵(井上芳雄)とワトソン役の友人(鈴木浩介)。二人が依頼された事件は山奥の迷いの森。そこは聖母マリアの奇跡の聖痕を与えられた女(滝内公実)がいて、そこをまもる神父(大谷亮介)によれば、洞窟にはマリアが現れるという。
探偵は事件の真犯人を、宗教は絶対の真実を人びとに明らかにしなければ存在理由がない。当然その論理の仕掛けには現実的にはムリが出てくる。そこへ四方八方から突っ込みを入れながら、迷いの森の真実が解き明かされる。もっともらしい解説も、引用もあるが、そのネタのすべてを観客が知っているわけもなく、時に上滑りしてしまうのはやむを得ないのだが、それでもいいのである。1時間45分、大人のエンタテイメントだと見定めてしまえば、歌のうまい主役が三曲も歌ってくれるし、スタイルとセンスのいい動画映像を駆使するマッピングはあるし、遂にはマリア様がホログラムで現れる。会話もギャグも今風の罵詈讒謗型ではないので、笑って楽しめる。ピローマンから一転、演出の寺十吾は娯楽作品もそつなくうまい。
しかし、どこかで知った記憶があるが、この作者、独立派のキリスト教信者で、処女作の「寿歌」では、人間は最後に聖地に向かう。神とか、無謬の名探偵とか絶対的なものをあれこれと求める人間の弱さの裏つけの上に出来ているところが、北村想作品のユニークな面白さなのではないだろうか。
600席もある世田パブで35公演。シスカンパニーも度胸がある。
リムーバリスト―引っ越し屋―
劇団俳小
萬劇場(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了
一枚のハガキ
劇団昴
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
戦争について考えさせられる作品。どこかの偉い人に見せてあげたい!
ただ…隣りの男の人が… 指定席じゃなかったら幕間で移動できたのに… 芝居に集中できない事があって、残念でした。
「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー
Whiteプロジェクト
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
短編4部を拝見しました。どの話も切なくて、それでも未来を夢見る事ができる作品でした。12時間もかけて来てくれて本当にありがとうございます。
「悠久に遊ぶ」
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2022/03/15 (火) ~ 2022/03/17 (木)公演終了
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
見事な舞台でした。3人の女優さんたちが素晴らしい。ただ連合赤軍についての多少の知識があれば展開は分かっているのだけど、気が滅入りましたね。狭い会場にほぼ満席のキチキチの状態で、かなりの緊張感を強いられました。
売春捜査官
KURAGE PROJECT
高田馬場ラビネスト(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
主演の月海さん、初めましてでしたが、熱量半端なく、素晴らしい舞台でした。井上さん、塚原さんは何度も観ていますが、やはり安定の演技で、しかもつかこうへい戯曲によりパワーアップされており、文句なしです。
後半の海辺以降は、原作に忠実で見応えがありましたが、前半はふざけすぎの感ありで、あまり感心しませんでした。ということで、星一つ減らしました。
京時雨濡れ羽双鳥/花子
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
能と狂言を下敷きに、戦後の情景を切り取っている
自分にとって「戦後」はリアルタイムではないものの、まだその余韻が残っていたので理解出来る
観客のほとんどは高齢だったが、また若者にはどう映るんだろうと考えてしまった
花子の明るさは救い、本当に狂言みたいだった
セットが凝っていたのだが、そのため見切れて橋の下の演技がほとんど見えなかったのが残念
安藤みどり好演
売春捜査官
KURAGE PROJECT
高田馬場ラビネスト(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
実は前回はチケプレで入らせてもろて。。。お金を払ってもう一回見たくなったので千秋楽観てきました!
やっぱり熱演、魂の叫び、あとコミカルな空気感の醸し方、素晴らしかったです。
席に置いてあった目を引くフライヤー「十二人の怒れる男」も楽しみです。
ありがとうございました!
居酒屋「夢の郷」殺人事件2022春
居酒屋「夢の郷」☆製作委員会
活鮮旬彩 夢の郷(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/21 (月) 17:00
居酒屋を舞台にした芝居を、実際の居酒屋で上演する。前有佳が4年半ぶりに芝居をするというので観に行ったが、楽しい作品だった。
居酒屋でTVの早食い番組を収録しようとする最中に、早食いチャンピオンが殺されて、…、という芝居を、神田の居酒屋「夢の郷」で上演する。故・阿藤快のアイデアだったらしい。筋はよくあるものと言えるが、数多い登場人物のそれぞれに役割があり、アドリブとも演技とも分からぬ巧妙さもあって、楽しく見せてもらった99分。ただし、歴史の話はちょっとコジツケ感が否めない。期待の前有佳はTV局のディレクター役でしっかり演じ、ブランクを感じさせなかった。
終演後、ライブと称して、飲食しつつ、出演者の歌・ダンス・マジックを観る時間があったが、これは、コロナ前には出演者と観客の公開打ち上げだったのだろうな、と思った。コロナが憎い。
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/21 (月) 13:00
3年前に浅間山荘事件を扱った同劇団が、その前日譚とでも言うべき作品。2年、2回の延期を経て上演される。73分。
連合赤軍成立前後の展開を描くフィクションだが、重信房子、永田洋子、遠山美枝子(劇中では、金山美智子)ら3人の、女性の視点から描く「革命」という視点が吉水らしい。革命のあり方だけでなく、男女差別やルッキズムをも題材にし、現代の女性とも通ずる戯曲になっているのは、ある意味でスゴイとも思う。意図的に、カッコイイ重信、容姿で差別された永田、美しい金山、という対比を見せる所も巧い。リアルタイムで見て知ってる事件でも、こういった扱いで見せられると、改めて考えさせられることが多い。
泣くな研修医
劇団銅鑼
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/23 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
目頭の熱くなる場面がいくつもある、いい芝居だった。はじめのうち、セット転換が多い気がしたが、意外と流れが滞らない。主役南野隆治(山形敏之)の、幼少期の回想の声とオーバーラップさせることで、転換だけではない、意味のある時間になった。病室、面談室、医局、研修医室、合コン会場、公園等の場面をしっかり背景を変えて見せることで、正統派のリアリズムにたつ劇団の良さが出た。演者の芝居にぐっと感情移入できた。
新米研修医役の山形敏之がよかった。無力感にさいなまれたり、現場の矛盾に憤ったり、若い患者の死に打ちのめされたり、体当たりの演技でこちらも心動かされた。外科医長役の館野元彦は、セリフは少ないが、登場場面をきりっとしめる。何度見てもいい俳優である。予定100分のところ、見た回は95分だった。
舞台『千と千尋の神隠し』【5月17日~19日12時、22日12時、25日12時、6月25日~7月3日の公演中止】
東宝
帝国劇場(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
映画のファンタジーを、アナログの人力総動員で舞台に見事に再現していた。目を楽しませる満足の3時間(休憩込み)。能舞台をヒントにした橋掛かり付きの回り舞台が、4面をそれぞれ違った場面に衣替えしながら場面転換をスムーズに。妖怪変化の動きはワークショップで試行錯誤したらしい。工夫が見られたのはいろいろあるが、釜爺の6本手、湯婆婆のド怒り顔、三つの頭の頭(かしら=五十嵐結也が半裸で熱演)、龍のハク、巨大化するカオナシ、鳥やネズミのパペットなど。銭婆のもとへ行く水の上を走る列車シーンは、スクリーンの水辺の映像を使って、油屋とは異なる静かな雰囲気を一瞬で創っていた。
映画通りといえば、冒頭、ハクに手を引かれて走る千尋の、上向きに折った手を振りながらのポーズは、「そういえば」と懐かしかった。
カオナシは有名ダンサーの配役で、油屋の中に忍び込むシーンや、水底を泳いで千尋についていくシーン、くねくねしつつキリッとした独特の動きが印象に残った。
宮崎駿映画の中でも、メッセージ性の低い、つかみどころのない作品。舞台を見ながら「鶴の恩返し」の鶴がハクに変わったような、民話的テイストを感じた。千尋が過去を思い出し、ハクが名前を取り戻す場面は素直に心が動いた。リフティングしながら空中(水中)場面をつくっていた。もちろん全編には拝金主義批判、自然破壊の文明批判もちらちらみえる。
透き間
サファリ・P
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/03/11 (金) ~ 2022/03/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
過去観た二作は「悪童日記」「怪人二十面相」と著名な原作だったが今作は知らない作品。舞踊の色が強いユニットであるが今回は舞台上の「現象」をただ鑑賞した。パンフには場面割りが書かれていて、事前に読んでおくのが正解だったかも知れぬ。が、慷慨を知らなくとも面白かった。と言っても最後はストーリー的な着地をしたと見え、純粋舞踊作品というよりやはり「原作の舞台化」を志向するユニットであるのだな、と。
裸の町
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場付属養成所
青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)
2022/03/04 (金) ~ 2022/03/15 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
衝撃の「動員挿話/骸骨の舞跳」以来、日本の近代古典戯曲を舞台化する青年劇場のアトリエ公演を毎度楽しみにしている。真船豊の作品世界は「鼬」を二回、目にしたのみで他に二三作を戯曲で読んだが本作は初めて。損得ずくの世の中、孤高ではいられない生身の人間の本質を透徹した真船らしい作品で、クラシックを中心にチョイスされた音楽と、暗転で浮かぶ(目線は上の方になる)「町」のシルエットが、作品世界を裏で捉えて秀逸(美術:佐々波雅子)。役者は特に夫婦の二人の比重が大きいが、妻役の形象には目が釘付けであった。真船が刻んだ彫像のような力強い人物像たちを皆が好演した。
実は数場の芝居で最初の一場を見逃し、二場の途中に滑り込んで見始めたのだが、椅子に座るや瞬殺で劇に引き込まれ、あれよと最後まで連れて行かれた。優れた舞台である。
カトラリ
現ア集
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2022/03/20 (日) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
やはり ある程度の下地は知らないと楽しめない(?)作品かなぁ と
丁寧に背景などを語るか
今作は切り取った状況の舞台化にしたからか
わかり難さがあったかなぁ と思いました
手記とかは読んでないけどー
山本直樹の漫画レッドは読んでたりするんですよ
「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー
Whiteプロジェクト
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
C Requiem三部作 「前夜」「海月と花火」「ニライカナイの風」3本立てを観劇
今現在の震災の現実を巧みに舞台化した作品集でした
椅子に腰かけての1~2名の会話劇ですが
リアルに飲み物を飲んでたりと
現実に重ね合わせやすくて良い演出だったなぁ~と
カトラリ
現ア集
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2022/03/20 (日) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前作に引き続き連合赤軍事件、今回は山岳ベース事件を扱い、赤軍の活動と人間模様が女性構成員を中心に描かれる
2回の延期を経ての上演
前作もだったが、自分はリアルタイムで知っているものの、若い人達にはどう映るのだろうか
それが一番気がかりだった
「楽園」の窮屈な空間を利用して極度の緊張感が続いた
あと1時間続いたらどうにかなっちゃったかな