最新の観てきた!クチコミ一覧

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オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木) 14:00

 三世代の女性母娘4人+1人の40年?を通して描く、女性が生きていく上でのさまざまな困難についての物語。幅広い年齢を行き来しつつ、一家の中にあった「秘密」を巡り家族の関係や自己認識がどう変化していったかを丁寧に描く。女性の人生、特に「結婚」システムに属さ/せない女性のそれがいかに構造的無理ゲーか。「子ども」は更に食い物にされる凄惨な世界。
 女性のみで演じられることで、「もちろん男性も大変だけれど」と念のためのお断りを入れる必要なしにこれらの女性に対する複合的差別状況に集中できたのはよかった。男性との関係を通さずに、こうして女性が自分を正面から見つめる機会を得られるのはやはり貴重。そして「子ども」が十分に護られぬ状況へ向けられた視線にははっとさせられた。日本で女性をやっていくってトラップ多すぎだな……と思ってる人にぜひ観てほしい力強い舞台。

phantasma alley【3月24日19時公演中止】

phantasma alley【3月24日19時公演中止】

複合創作ユニットwakka

王子スタジオ1(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/03/24 (木) 12:00

初見のユニット。具体的な物語はあるようでいて、実は抽象性の高い芝居。残念ながら私のテイストではないな。

オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木) 14:00

座席自由席番

価格3,500円

芝居を面白く観る事ができました。またこのメンバーの芝居が有れば、観たいと思います。

『はじまり。』 『確固駆(仮)』

『はじまり。』 『確固駆(仮)』

演劇集団ところで

なかのZERO(東京都)

2022/03/22 (火) ~ 2022/03/23 (水)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ブラッド・ブラザーズ

ブラッド・ブラザーズ

ホリプロ

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2022/03/21 (月) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2幕の思春期になった14歳のミッキー(柿澤勇人)とエディ(ウエンツ瑛士)がとても面白い。客席の笑いも多い。性への好奇心と、素直になれない臆病と、大人への反発、粋がっていながらポルノ映画行きを母親(堀内敬子=要の役として好演、歌も見事)に見抜かれて照れ隠しするかわいさ。等々。そこにリンダ(木南晴夏)が加わった、恋と友情の入り混じった三人関係。これは高校時代に私にも覚えがある。

ネタバレBOX

2幕後半は悲劇へ向かって一直線。14歳から18歳まではナレーションで済ませたうえ、18歳になってからは駆け足というほどのテンポアップで意外だった。だが、早いテンポが感動を薄めることはなく、観客をどんどん引き込んでいく。

リンダの妊娠、結婚の後、エディ―とのクリスマスパーティーの約束が、ミッキーの解雇でダメに。ミッキーの、「とてもいやだった仕事、一日中立ちっぱなしで段ボールを組み立てる。それさえ、3か月職がないと、素晴らしい仕事に思えてくる」というセリフは光る。そこからミッキーは一気呵成に転げ落ちていく。

妻リンダの「裏切り」と、二人の「密会」をミッキーが見るところは黙劇ですませる。リンダのエディに頼る心の芽生えをナレーターが「女のなかにはいつまでも少女がいる。少女を思うままにさせたらどうなるか、女はおそれつつも、やってみたくなる」と語るだけ。

エディに銃を向けるミッキーに母が「撃っちゃダメ」と真実を告げる。するとミッキーは「どうして僕を手放してくれなかったんだ。エディの人生が僕の物だ他かもしれないのに」と叫びざま、エディを撃ち、自分も警察隊に撃たれて死ぬ。このラストは衝撃だった。母が二人は双子なんだという前は、「僕にはエディは撃てない」と打つ気がなかったのに、自分とエディが交換可能だったと知って、一層絶望が深まったのか、近親憎悪なのか。

ライオネルズ夫人が「生き別れた双子が、互いに双子だと知った時、二人は死ぬ」と語った迷信が怖いように完成する。

母が「嘘だと言って、芝居だと言って、やり直せるよもう一度と」と静かに切々と歌う。死んだ二人がここで起き上がって大団円という演出もあり得るが、シリアスな劇としてはもちろん死んだままの方がいい。歌詞は「昔の映画の場面だといって。マリリン・モンローの」とあり、「マリリン・モンロー」の名前が劇中歌で繰りかえされたのが、ここに収れんして舞台を浄化する。
不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

壱劇屋

門真市民文化会館ルミエールホール・小ホール(大阪府)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/25 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日初回を拝見しました。面白かった…!!
感情や状況の表現を含むマイムパフォーマンス、美しかったです。
人数こんだけだっけ?もっといないっけ?と思うくらい密度、複雑さで、70分飽きがなくて、次は何が出てきてどんな世界が見れるんだ…?とワクワクしました。

マイムパフォーマンスに圧倒されてる間に、あれよあれよと奇妙で、少し気持ちの悪さもある、おかしな世界にこちらも巻き込まれている感覚になって、中心でそれに翻弄されている女性と一緒に逃げたり迷ったり浮いたり沈んだりしている気分になりました。

「よくあるアリス」とは離れてるらしいけど、セリフないしどこまでわかるかな〜と思っていたのですが、全く問題なかったです。
知ってるようで知らない世界。
要所要所あのキャラかな?と思うところはありますが、無理に重ねなくても良かったですし、コミカルさやマイムのスタイリッシュさのなかで発揮される暴力的ですらあるアリスの「つよさ」は原作や有名アニメで触れたアリスに通ずるところがあります。

最後の迫りくるパフォーマンスの連続からの、ラストシーンが印象的かつなんだか爽快でした。

phantasma alley【3月24日19時公演中止】

phantasma alley【3月24日19時公演中止】

複合創作ユニットwakka

王子スタジオ1(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木)

たまたま時間が出来、料金も1,000円と言う事も有り当日券で観劇。
チラシで気になったけど予約まで至っていなかった作品です。開場と同時にスタンバイしていてこれから何が始まるのか生まれるのかわくわく。うん。すごく構成がお洒落。会場をうまく使っていたと思う。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/10 (木) 14:00

【B version "Music"team】
、事前情報通り前々日に観た A version と演出(や装置)がガラリと変わり人物造形まで違う(たとえばコメディリリーフがAではロバートでBではクレアだとか)ことに「これが演劇の多様性というものか!」と感服すると同時に観た2つの version とさらに異なる C version も同時に稽古をつけていた谷さんに驚愕すると共に一人の演出家でさえこれだけ違うものが創れるのだから他の演出家だったらどうなるだろう?と思う。
「4人の役者と最低限なら椅子とテーブルだけで上演できる」と谷さんもツイートしていらしたので、いろんな演出で観てみたいとも思った。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

【A version "Hip"team】
本作を観るのは通算で4回目となるが、15~20分の場を重ねるスピーディさに程よいスリルと笑い、さらに途中に休憩を挟むツクリなどによって2時間超の上演時間を感じさせない。そして第一幕・第二幕ともラストの切れ味が心地よく、やはり良くできた戯曲だな、と思う。そして今回は3つのバージョンでかなり演出が異なるようで「あの人はここの部分をどう表現するのだろう?」などと想像/期待しつつ観た。諸事情でCを見送ったのが悔やまれる。
【補足】戯曲だけが良くできているのでなく、演出・演技も良かったのは言わずもかな。

マリーバードランド

マリーバードランド

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初観劇の劇団。口コミの評判から凡そ想像していた範囲ではあったが、予想以上に楽しく観られた(足が向いたのはその「想像」と違うコメントを目にしたからだったが..)。開幕時はウッと押し寄せる学生演劇の雰囲気に一瞬引いてしまったが、アンサンブル、的確なテンポで畳みか成行きを目で追ってしまう。程よく予想を裏切る展開が荒唐無稽な話にも注意を繋ぎ留め、人物の心情に関心を向けさせるのに成功している。
「問題」発生、その解決が常道から逸脱するのもシチュエーション(場所は南極)のなせる必然と納得(映画「The Thing」の悪夢も南極だった)、ドタバタあって又元鞘へと収束される時点で、揺れに揺れた「その他大勢」の中で唯一最初から姿勢一貫した一人=新婦が(照明を当てずとも)浮かび上がる。何という事もない話だが彼女の真情吐露に溜飲を下げ、余韻を残した。好きも嫌いも人を求める心も理屈でない、最後は心の声に従い、進むしかない・・的なメッセージ?が、殆どそんな説明も台詞も無いがじんわり滲んで来たのは中々痛快で。

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『耳があるなら蒼に聞け~龍馬と十四人の志士~』

坂本龍馬を殺したのは一体誰なのか?慶応三年十一月十五日(1867年12月10日)、京都の近江屋にて暗殺された坂本龍馬(沖野晃司氏)と中岡慎太郎(大神拓哉氏)。『ハロー張りネズミ』の一篇を思い起こすようなミステリー。
1870年2月、箱館戦争にて捕らえられた元京都見廻組・今井信郎〈のぶお〉(竹内尚文氏)のもとに板垣退助(今井孝祐氏)と謎の女(森岡悠さん)が現れる。「誰が坂本龍馬を斬ったのか?」。今井信郎は「その日現場に居て全てを見ていた」と語り出す。そこで彼が見た事実とは日本の歴史が引っ繰り返るような驚愕の光景・・・。

緑谷紅遥さんが可愛かった。

ネタバレBOX

話は興味深いのだが登場人物が多過ぎて回りくどく長い。タイトルは龍馬暗殺の汚名を着せられることとなる新選組について龍馬が嘆くもの。非常に解りにくい。新選組側からも一人語り手を立てるべきだった。
『無表情な日常、感情的な毎秒』2022年2月公演

『無表情な日常、感情的な毎秒』2022年2月公演

エンニュイ

STUDIO MATATU(東京都)

2022/02/25 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

配信で鑑賞。いずこかの狭い空間で、居酒屋の座敷とテーブル席のエリアを設え、その居酒屋の店長(恐らくチェーン店の)の葬儀の帰りに現・元従業員の男女6名程が実質「貸し切り」状態でそこに居る。最初客席に向かって並び、気恥かしそうに「始めます」的な挨拶をしてズルっと芝居に入るのが端緒。現実の時間と地続きで境界を消している。超リアルなやり取りゆえ、当然音楽も効果音も無し、ハケはトイレの中座のみ。あとは現従業員が脇の方で駄弁りながら(一人は飲みながら)待機、途中からは店仕舞いして仲間に入る。
殆どが会話で進むが、所謂舞台上の即興というのでなくきちんと作られている。次第に見えて来る「店長の死」が当然軸になっているが、その事実と各人の受け止め、距離感がまたリアル。殆ど感傷がない。「死」を軸に劇の骨格は有りつつも、目を引くのは情景のリアルさ。その事は「脚本のよく出来た」ドラマと違い、「生きてる」人間の様そのものが醸す面白さの勝利に導いている。観客は秘密を共有した感覚になった事だろう。
映像ではこの「リアル」は、突如でかい声を出す野郎の存在と低い声の振り幅がかなりあって鑑賞にとってきつい要素。だが、二度目はイヤホンをして改めて見始めたらほぼ巻き戻しマークをクリックする事なしに「芝居を鑑賞」できた。
感傷を最大限抑制した「劇」では、リアルの純度の高さにより、僅か0.1%濃度の「厳粛さ」でもアルコールのように血を熱くする効果を持つ。過去二度観たエンニュイとは色の異なる、挑戦の姿勢を見受け、好感。

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

脚本の久保田さんの龍馬愛が溢れているのだと思いましたが、歴史に疎い私には不親切な舞台でした。え?このシーンってあの前?後?とこんがらかるのでした。登場人物の名前も覚えきれないし。複数回見たらもっと納得できるのかと思いますが、チケプレに外れてしまったので1回しか見られないのが残念です。

悪いのは私じゃない

悪いのは私じゃない

MONO

ABCホール (大阪府)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

期待以上の安定のおもしろさ。大満足でした。会話てんこ盛りで、引き込まれてめっちゃ一生懸命観てしまいました。ぜひぜひ行って観てください。おすすめです。

『はじまり。』 『確固駆(仮)』

『はじまり。』 『確固駆(仮)』

演劇集団ところで

なかのZERO(東京都)

2022/03/22 (火) ~ 2022/03/23 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/23 (水) 18:15

3/23の夜の部観て来ました。
役者さんがみんな若いなぁと思いました。年金生活者でもついていけましたよ。良かったです。

今の学生は楽しそうなシェアリングして学生生活を過ごすんだね。楽しそうだね。後半のごちゃごちゃが迫力ありましたよ。#興那覇智早

かもめ

かもめ

Art-Loving

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木) 19:00

145分。休憩なし。

かもめ

かもめ

Art-Loving

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

三宅 弘朗
初っぱなから、光と音でもっていかれました。
見ごたえのある作品でした。
吉永小百合さんと人気を二分した俳優座の栗原小巻さんもニーナを演じていました。
瑞生桜子さんには、彼女のような妖精オーラがありましたね。
異彩で場を創り出す梶原航さん、美魔女の魔力を振りまく鳥越さやかさん、繊細な青年を指先でも表現してくれた佐山尚さん、皆さん、皆さん、素敵でした。

ネタバレBOX

名声と栄光にあこがれて女優を志したニーナが悟ったのは、結局はそこは忍耐の世界。若い人がこれを理解するには少し時間がかかるのかもしれません。そして付け加えるなら、すべてを見せる覚悟ですかね。
ニーナはこれから行く地方の教養のない有力者に。。。食いつなぐために。妄想させてしまう終わり方です。
オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女優さんが5人で性被害の話を演じると聞くと告発ものかと身構えてしまうが、それはむしろ細い横糸で太い縦糸は家族の物語であった(と感じた)。

誰しも家族や友人のことで気になるが聞けなかったこと、知ってはいたが知らんぷりをしたことの二つや三つはあるだろう。何かすれば良かった、何もしなくて良かった、どちらもあるだろう。また家族だろうが親友だろうが絶対に知られたくなかったこともあっただろう。知られなくて良かった、知ってもらえていれば楽になれた、どちらもあっただろう。観ている内に舞台上の出来事と同時にわが身のことを思い起こさせられた。あれで良かったのかと問うても答えが返ってくることはないのだが。

登場人物の結子は話題の中心ではないが全体の進行役とでもいうべき位置づけで、滝沢花野さんのしっかりとした発声、きりりとした立ち姿、安定した演技が全体の確かな芯となっていた。

粗末な人たち 新宿編

粗末な人たち 新宿編

モミジノハナ

雑遊(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木)

24日19時開演回(82分)を拝見。

キャバクラに入店した新入りのサクラが、無邪気な刃(ヤイバ)で相手の内面をグサグサ刺していく度に、それまで平静を取り繕っていた職場の人間関係に波紋が広がっていく…
サクラのキャラクターで笑いを誘いつつも、実は、結構、濃厚な82分の会話劇。

なお、役者さんでは
お声で「ああ、あのヒトだ!」とピンと来た、ヅカ★ガール『妖花迷宮』の「大神紫」役・太田ナツキさんと
海千山千⁈のキャパ穣たちを手玉に取ったり・取られたりな、黒服役・奥泉さんとが
特に印象に残った。

ネタバレBOX

【配役】
アユ(売れっ子キャバ嬢。黒服の黒岩と隠れて”風紀”関係にある)…野花紅葉(のはな・もみじ)さん
ケイコ(10年選手のキャバ嬢。実は黒岩と同棲している)…石澤希代子さん
サクラ(小説の材料探しにキャバクラへ。無邪気過ぎて対人スキルがゼロに近い!)…太田ナツキさん
マリ(女子大生キャバ嬢。かなりしたたかな女性だったが、サクラから指摘され…)…波多野伶奈さん
黒岩(黒服。ケイコの指導?でこれまでは巧く立ち回っていたが…)…奥泉さん
『サロメ奇譚』

『サロメ奇譚』

梅田芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/03/21 (月) ~ 2022/03/31 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朝海ひかるさんの芸能生活30周年記念作品、去年年末結婚もされたので長年のファンからは祝福の舞台となった。とにかくこの人のファンは幸せで、未だに女学生のようなサロメ(設定では32歳)が雷に打たれたような恋に身を震わせ、下着姿でバレエを舞う姿に見惚れることが出来る。どんな役でも成立させてしまうこの天才女優は内面から染み出した心のかたちが姿形を段々と覆っていくよう。元宝塚男役トップスターから、近年は井上ひさしの戯曲に多く出演。喜劇からシリアスから作品に準じて初めからそんな人だったように存在する。

新約聖書の『マルコによる福音書』に記されている実話がモチーフ。イエス・キリストに洗礼を授けた洗礼者ヨハネ(ヨカナーン〈ヘブライ語〉)は後に救世主の到来を告げた“先駆者”と呼ばれることとなる預言者。古代パレスチナの領主ヘロデ王の妃ヘロディアを非難した罪で獄に繋がれた。妃の娘、サロメが宴の席での見事な舞踏の報酬として彼の首を所望する。
この逸話を19世紀フランス、耽美主義文学者オスカー・ワイルドが戯曲化。そのドイツ語訳をリヒャルト・シュトラウスが曲を付けオペラ化。世紀末芸術として喝采を浴びた。

更に今作は舞台を現代日本に翻案。風俗王と呼ばれる悪趣味な社長(ベンガル氏)、その妻(松永玲子さん)、娘のサロメ(朝海ひかるさん)、忠実な側近(東谷英人氏)、落ち目の幹部(萩原亮介氏)、チャラい若手社員(伊藤壮太郎氏)、そして謎めいた預言者ヨカナーン(牧島輝氏)。
かなり喜劇風味、現役JKのような妄想に塗れたサロメの純愛がおかしくて哀しい。

ネタバレBOX

「ヨカナーン、お前の唇にキスをするよ」、好きな男とキスがしたかっただけの話で他には何もない。自分はその純粋なる偶像崇拝の空虚さが好きで、何処まで行っても世界には自分一人しかいない感覚。朝海ひかるさんのルックスに合っている。

朝海ひかるさんの独り芝居でも成立するもので、他の俳優は書き割りのよう(多分意図的)。そこに不満を抱く人もいるだろう。もっとちょこちょこ弄れば今後どんどん面白くなっていく要素がある。

これを月船さららさんならどう料理するか?なんてことを考えて観ていた。

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