最新の観てきた!クチコミ一覧

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そのあとの教員室

そのあとの教員室

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2022/04/08 (金) ~ 2022/04/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

戦後の教育のあり方がGHQにより変えられてたんですね。戦争は良くないが、負けると今までの生活の全てが奪われ変えられてしまう怖さを感じました。

LAST RENTAL VIDEO

LAST RENTAL VIDEO

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2022/04/06 (水) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

登場人物が多いせいか、前半は話がとっ散らかった感じがしないでもない。しかし、後半は締まった展開になり、個性的なキャラクターの存在が引き立って見えた。レンタルビデオに引っ掛けたいろいろな含みもなかなか面白い趣向だったと思う。
全員が良く動き、熱の入った芝居をしていた。特に女性陣の動きの良さに目が行ってしまった。キャラの造りとしてはジェニファーさん、お気に入りです!

大迷惑

大迷惑

SUGARBOY

本多劇場(東京都)

2022/04/07 (木) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルから入る話の流れは観客の“次は何?”という感覚を惹くので、惹きつけたまま、飽きさせない。シンプルにセットもキャラを引き立てるにはちょうど良いのではと思う。良い感じにまとまった舞台だった。
ごく最近、ちびっ子たちとガチャガチャ騒いできたせいか、子供の持つ、あっちにもこっちにもこぼれまくっているエネルギーみたいなものを、こども大人の二人に感じてしまった。猫兄の臭さ加減も、しない匂いがしているような気がしてしまった。結構入ってみていたのかもしれない。

そのあとの教員室

そのあとの教員室

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2022/04/08 (金) ~ 2022/04/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千穐楽観劇。観応え十分、お薦め。
1946年9月、戦後1年経った国民学校 教員室が舞台。戦前の教育を信じて疑わなかった教師達、しかし終戦とともに大きく変わった、と言うよりは今までの教育を全否定されて戸惑う教師を通して「教育」とは、を考える。
また教育者である前に人間であり、その矜持と責任を問う、一方 教員という地位(職業=生活の糧)維持のために必死の言い訳をする。天秤が揺れるが如く右往左往する滑稽な姿に「教育」の危うさが表れる。

延長線上には「平和」「民主主義」といった、現在当たり前のように享受している国民主権(「御真影」「奉安殿」といった台詞に対し)、その大切さが明らかになってくる。公演の内容は硬質だが、時に笑いを誘い観客を飽きさせない上手さ。見事!
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台セットは、教員室内…教員机や書棚が並び、所々に雨漏れ用の桶、盥や飯盒が置かれている。受ける物によって音響が異なる細かさ。雨漏りによって校舎の戦災状況がそれとなく分かる。

GHQは戦前・戦中時に軍国主義的な教育を行った教師を教職から追放する政策を掲げる。日本政府はこれを受けて、教育適格審査委員会等による審査によって教職員不適格者を排除することにした。そんな背景の中、GHQから1人の女性トヨコ・ヤマモト・ペリー(家納ジュンコサン)が、この学校に現れる。この学校で教えを受けた男が自殺した。ペリーは、その原因が「教育」にあったと糾弾する。そして教師一人ひとりの行状を明らかにしていく。どうして自殺しなければいけなかったのか、その謎解きが審査委員会の審査と重なり教師達の保身が始まる。
自殺に追いやったと思われるのは、以外な人物で驚かされる。

戦前、最も重要に扱われた「御真影」「奉安殿」、そして身についてしまった軍国的動作、笑うに笑えない当時の状況。しかし 生きていくため教職追放を免れる方便の数々。教員の揺れる思いを織り込み、「教育現場」の難しさを色濃く描く。運動会で使用する音楽(軍歌不可)、国旗掲揚の否定、戦争同盟国の音楽(ベートーベン等)のレコード廃棄等、時々の教育方針に翻弄される。今も言える真の教育とは?を考えさせる。平仮名しか書けない大工・亀山正(永井博章サン)が、英語を話し通訳的な存在になる。まさに生きた「教育」とは何ぞやといった皮肉も描く。

日本の教師責任…例えば、戦前であれば当たり前の体罰(ビンタ)を行った教師・西条和子(紗織サン)は、悩み退職を考える。しかし生徒の調査票では、これからも「(西条)先生から教えてもらいたい」という結果。一方、教師・浦島繁太郎(千代延 憲治サン)はペリーに戦争に絡めて、罪なき人々を死に追いやり、故郷を焼け野原にする、そんな教育をしたアメリカを非難する。重い遣り取り、その濃密な会話が物語の核心を突いていく。

役者(登場人物は8人)は、それぞれの性格や立場を鮮明にしており、バランスも良い。ほぼ出ずっぱりで、その場(教員室)から逃れられないといった雰囲気を漂わす。本公演は、久し振りに吉祥寺シアターでの上演。物語に出てくる国民学校名が何となくこの地を連想させるような…。
次回公演も楽しみにしております。
エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/11 (月) 18:30

何回か上演されているそうだが初見の戯曲。巧妙に作られていて面白い。120分。
 小説家の卵の一色は、担当編集者の夏川から、同姓同名で出身地や大学も同じ人間のブログがあると聞く。その謎が徐々に解けるに従って、劇中小説の物語や、胡散臭い写真家の卵や、デビューしたいフォーク・デュオの話が収束するあたりは、鴻上らしい巧妙さが見られる。ただ、結果的に解けた謎が納得できるものがというと、そうでもなくて(そうだ、と思う人もいるだろうが)、何となく不満が残ってしまうのが残念。
 初舞台だと言う吉田美月喜(TVのCMで注目してた)は、セリフを叫び過ぎるきらいはあるが、重要な役をしっかり演じる。バジリコFバジオやKAKUTAや箱庭円舞曲やなどで見ていた阿久澤菜々がカワイイ役を演じる。

奇蹟 miracle one-way ticket【3月12日~3月17日公演中止】

奇蹟 miracle one-way ticket【3月12日~3月17日公演中止】

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/04/10 (日) 14:00

東京千秋楽に2度目の観劇。カーテンコールを5回もやってくれたが、最後に鈴木が言っていたように「モヤモヤする」芝居であり、それをこそ狙っているとも言える。確実にエンターテインメントになっている。

新★名探偵ポワロ

新★名探偵ポワロ

PureMarry

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/04/08 (金) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ポワロ さんのテレビシリーズが大好きなので、絶対Jr.はいるわけがないと言う邪念から逃れられませんでした(笑)。息子もお芝居するのが上手なんですね。
誰が犯人なのか?あれ?あの人の動きがおかしい・・・と言うのは気づきましたが、彼が真犯人だったのですね。ドキドキしながら見ることができました。

エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

南沢奈央さん目当てですが、さすがに鴻上氏、上手い舞台ですね。この演目2度目の観劇になるけど、増々面白くなってきてます。リアルとファンタジーがミックスして、とってもいい塩梅。

ジャングルジャングル5

ジャングルジャングル5

アイビス・プラネット

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2021/09/15 (水) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

配信というものにどうしてもいまだに苦手意識がある私が、唯一配信でもこんなにおもしろいのか!と衝撃をうけたのがピーズラボ。
もちろん、好きな役者さんが出演しているというのが大きいですが、でていない回も思わず観てしまうくらい面白かった。
配信でこその視聴者参加型のインプロ。生でも配信でもこんなに楽しめるのって本当にすごいことだとおもう。
一人芝居は寝る前とか好きなときに何回も観たし、お気に入りのシーンだけ観たりしてました。劇場にいかれない寂しさを沢山みたしてもらいました。

ジャングルジャングル5

ジャングルジャングル5

アイビス・プラネット

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2021/09/15 (水) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

私はピーズラボの大ファンなので プロト0から
全部観てきましたが 1回として同じではなく
特に短編の素晴らしさは 映像だからこその演出や照明、音楽 全てが演者とひとつになって
夢中にさせる素晴らしい作品ばかり
インプロバトルは 想像できないような物語が
生まれるのを 視聴者も参加型なので配信だけど
一体感を味わえる演出になってる
これからもずっと ピーズラボを観ていきたいです

ジャングルジャングル5

ジャングルジャングル5

アイビス・プラネット

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2021/09/15 (水) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

配信という環境は役者さんと観客の距離が遠くなる(舞台と客席の一体感が薄くなる)がそれをぐっと近づける力があるように思う。即興であるゆえのライブ感が1番かもしれないが視聴者からお題を募集するシステム等、運営面でもその辺は考えているように感じる。(客引きパンダ的なキャスティングでない(と思う)あたりも良い。)なのでリアルタイムでみられる回を見るようにしています。一人芝居も配信と相性はいい方だと思う。1人しかいないので。配信芝居の見たいのはそこじゃない問題やずっと引きの画で表情が見えない問題が生じづらい。そして 価格設定が非常に考えられている(安ければ良いという次元の話ではなく)

ネタバレBOX

ただ残念なことに短編に関しては今回は録画したものを配信。そうすると芝居の配信ではなく映像作品となるわけでそういう見方をするとちょっと物足りなさは感じた。例えば音声だけとか何か手はなかったのだろうか。
LAST RENTAL VIDEO

LAST RENTAL VIDEO

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2022/04/06 (水) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

サブスクが何かよく分からずに見にいきましたが、送料無料に惹かれて入ってるア◯ゾ◯プ◯イムもサブスクということなんですね。近所のレンタルビデオ屋さんが潰れないように祈ってますが、確かにサブスクは便利です・・・と言うラストのオチに複雑な気分でした。
冒頭、レンタルビデオ屋さんの段差で転んだ彼女に笑いが起き「転んだあ」の声に拍手があったので、これってハプニング?と思ったらカーテンコールでそう言ってました。その状況からリピーターさんが多いのが分かり、愛されている劇団さんだと思いましたが、笑上戸なのか盛り上げたいのか、始終笑っている方がいて興を削がれてしまった面もあります。
ビデオがその物語の主人公を体現していて、映画の種類が何となくわかって面白かったです。しかし、追い詰められて性格(?)が変わってしまったり、脱走を図って壊れてしまったりと、無くなって行く物の悲哀も感じました。

貧乏物語

貧乏物語

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/04/05 (火) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現在のロシア等含め、言論や思想を自由に語れる事が、どんなに豊かな事か改めて考えさせれる作品。6人の女優さんの熱演が素晴らしく、中でも保坂知寿さんは流石の存在感。

なんとなく幸せだった2022

なんとなく幸せだった2022

かるがも団地

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/31 (木)

わくわくドキドキな今の若者たちの振り返り劇??今回2回目のかるがも団地。いいわぁ。歌を絡め青春を謳歌!!とか言いたいかも。若さもらいました 笑

ネタバレBOX

舞台監督さんの対応が高評価。途中地震で中断した回でしたので。
ツインテールドールハウス

ツインテールドールハウス

四日目四回目

北池袋 新生館シアター(東京都)

2022/04/08 (金) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

メルヘンチックな光景の中に観念的な物語を紡ぐ、そんな奇妙で独特な世界観。不思議と観入ってしまう公演である。女生徒4人と男生徒1人による、高校二年生三学期の話。
自分探し、それを或る媒体を通して確認する。女生徒の性格付けはチラシ 説明にあるが、女性らしい(偏見かもしれないが)特徴をもって表すところも面白い。それが物語の肝になるという巧さ。
(上演時間1時間15分)

ネタバレBOX

舞台セットはメルヘン的な絵柄(花、リボン、額縁に蝶々、タンス等)の光景幕、上手にピアノ、中央に新聞束の台があるだけ。

登場人物は、花の名が付いたかわいらしい名前。完璧主義者・林桜子(金曜日のアイ サン)は、ツインテール。林桜子の親友・加藤桃(鈴木彩愛サン)は勤労学生、髪型はポニーテール。優等生・梅澤静香(井澤佳奈サン)は音楽好きで、ショートヘア。愛川家長女・愛川杏(水落燈李サン)はお嬢様で おさげ。4人のヘアースタイルは夫々の性格を表し、髪型を変えることによって自分自身も変わるような。自分探しへの切っ掛けは、自称アマチュアカメラマン・西海渡(越石裕貴サン)が、桜子へ写真モデルを依頼したため。それも人形の格好という変わったもの。その撮影を密かに覗いていた杏も被写体として撮影されるが…。

人形の姿をすること、それは今までの自分と違う感覚を目覚めさせた。本当の自分とは という模索が始まる。桜子は、外見=体(見えるもの)と心(見えないもの)を見つめることによって、今まで、こうしなければいけない、こうあるべきだ、といった枠、固定観念を自分で築き生きてきた。また杏は、家族からの期待など、知らず知らず意向に沿うといった不自由な生き方。凝り固まった杏、その面倒を見る桜子。写真の被写体になることで知った本心、同時に髪型を変える(おさげ を下す)ことで、心身ともに解放され自由へ…。そんな少女の揺れる気持がメルヘンチックな光景の中に描かれる。外観の浮遊感に比べ、内容は心の彷徨といった硬質な心象風景。そのアンバランスな公演は不思議と魅力的であった。

桜子は、自分のアイデンティティを喧伝するよう、新聞束の上に乗り拡声器を使って叫ぶ。一転、モデル(人形)姿は、フリルの付いた可愛い衣装。演出は硬軟(柔)といった対照を意識した工夫。
次回公演も楽しみにしております。
下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

第27班

王子小劇場(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/26 (土) 14:00

突飛な設定もありつつ、それを絵空事ではなくそれなりに「あるかも?」と思わせる(笑)のが見事。そしてその設定を最大限に活かしてカフェの常連客とその周辺の人物が縦糸・横糸となって織り上げる恋愛系物語……コミカルな中にハッとする/刺さる部分を織り込んで巧み。
そう感じたのは登場人物名が一般的な名前でなく物語などのタイトルであることから。それぞれの「ドラマ」を無意識的に読み取っていたことによるのかも。

そのあとの教員室

そのあとの教員室

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2022/04/08 (金) ~ 2022/04/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小道具がとても凝っており、しっかりと作り込まれていたので話にすんなりと入っていくことができました。

ネタバレBOX

まさに今の世の中の動きに警笛を鳴らす内容であったと感じます。前半はテンポよい展開でしたが、途中からスローな展開になりました。政府のプロパガンダが国民に与える影響の大きさを感じました。
貧乏物語

貧乏物語

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/04/05 (火) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

24年ぶりのこまつ座での再演。初演は見逃したので、舞台で見るのは初めて。小菅で「お務め」中の河上肇に転向を促す判事、特高、内務省に対し、女たちが肇に転向を進めるべきか否かを議論する。そのときの次女ヨシ(安藤聖)の、自らの体験から絞り出すような訴えは圧巻だった。ヨシの唯一最大の見せ場である。
全1幕3場(だと思う)のこれが2場。非常に深刻で深い場面だ。

1場は明るく爆笑場面が多々ある。ここで輝くのが、元女中役の枝元萌と、女優の卵役の那須凛。この二人の存在には、今オーラが出まくっている。すばらしい。ただ、井上芝居としては、二場、三場に遊びが少ない。休憩なし2時間というコンパクトな戯曲になっているのも関係する。

井上ひさしはヨシを主人公に書くつもりだったようだが、ヨシの出番は少ない。河上肇の妻のヒデも、重石のような役で、見せ場は一番少ない。でも、この二人がこの家の中心なので、安定した筋になる。枝元や那須が明後日の方の話をしていても、軸はぶれないので安心してみていられる。井上ひさしの評伝劇以外は、考えてみれば群像劇で、この人が主人公と決めがたいものがある。「きらめく星座」などそう。

ばらの騎士

ばらの騎士

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

元帥夫人アンネッテ・ダッシュがすばらしかった。1幕終わりの、年齢による衰え(脚本の指定は32歳だけど)と過ぎ行く時間をしみじみ考える独唱は、作品のテーマを凝縮したもの。3幕最後の三重唱は、三者三様の諦念、喜び、戸惑いが、オーケストラと合わせ、妙なるアンサンブルになって響いた。

2017年の新国立公演、METライブビューイングに続く、3度目の観劇。
3度目にもなると、細かいところにも目が行く。1幕の朝の面会・陳情シーンは、元帥夫人の科白は二つ「(ゴシップもニュースも)知りたくない」と、「こんな髪型、おばあちゃんみたい」。貴族社会が去り行く時代に目をふさぎ、加齢を嘆く心情が、ここに端的に表れている。(大事なのは、長すぎる時間を、「どうやって」耐えるかなの、とこの後の独唱は歌う)

テノール歌手は、ベルカント・オペラへのオマージュであるとともに、風刺。オックス男爵の癇癪で中断するあたりは、とうじのウィーン社会(もっといえば流行)から、イタリアオペラなどもう古い、という宣言のようにも見える。寄付を求める孤児たちは、戦死者の子というから、戦争も背景にある。

オックス男爵を妻屋秀和がやった。時代遅れの帰属意識の滑稽ぶりを強調する演技が、非常にコミカルで分かりやすかった。なじみのある日本人歌手がやったからこそ、(ドイツ語でも)日本の観客に一層わかりやすかったともいえる。最初予定した歌手の都合での交代だったが、怪我の功名であった。

とくに3幕最後の三重唱、二重唱がよかったこともあり、カーテンコールはいつもの倍近く長かった。お義理でなく心からのスタンディング・オベーションも多くみられ、客席の満足度は高かった。4時間10分(休憩込み)予定のところ、終わってみると10分以上延びた。スコアがあるし、テンポも特に遅くしたと思えないが、どこで予定と違ったのかは不明

ネタバレBOX

ゾフィーの安井園子が、最初少し声が聞き取りにくかったが、不調だったのか、そういう歌い方だったのか?
「夜の虹」「ダイヤモンドヘッド」「苦い珈琲」

「夜の虹」「ダイヤモンドヘッド」「苦い珈琲」

カラ/フル

LIVE&CAFE BAR PLACEBO(大阪府)

2022/04/09 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こんなに座席数の少ない会場とは知らず、ぜいたくな時間を過ごさせていただきました。1本目と3本目はこわいお話、真ん中の2本目は笑えるけどやっぱりこわいお話。女の戦い、もっと観たいです。

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