最新の観てきた!クチコミ一覧

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マニラ瑞穂記

マニラ瑞穂記

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2022/09/06 (火) ~ 2022/09/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高崎領事役の浅野雅博はじめ、いい俳優がそろっている。明治末期のマニラという特殊な場面を、そこに確かに生きた人の存在感と歴史の厚みを持って現出させた。昨年、新国立劇場演劇研修所の修了公演で見て、それはそれでよかったが、文学座はやはり格が違う(いまさらな感想を失礼!)。

それぞれの人物がしっかりしていた。特に女たちは同じような境遇でいて、全然違って5人5様。もん(鈴木結里)は無邪気な恋心が可愛く切ない。はま(鬼頭典子)は姉御肌。いち(下地沙知)は酒におぼれて、自暴自棄から平穏を引っ掻き回す厄介者。タキ(鹿野真央)は男にもてるのに、男に持たれず凛としている。くに(増岡裕子)はおせっかいもの。最初の顔中すすだらけの海賊のようなぼろ姿から、着替えた後のきれいどころへの変身が鮮やかだった。

「南洋の海をコップでくむような、キリもないことを人間は繰り返している。」
「あの人は若い。理想がある…わたしもむかしはそうだった」
「日本人は夢が好きだ。理想が好きだ。しかしわれわれ日本人には、理想とか主義とかを、本気で最後までやり通す能力があるんだろうか」「日本人は夢を持つのが好きだ、その夢に熱狂して酔うのが好きだ」
などなど、いいセリフがちりばめられている。

ネタバレBOX

1幕で話だけで消えた、日本の自作自演の領事館襲撃計画が、2幕で本当に実行される。そのほか、1幕、2幕ともフィリピン独立を応援する志士たちの話で始まるとか、戯曲の構造がよくできている。伏線、照応がよく計算されている。

照応構造の最たるものが、「女を金で売買する秋山も、国を金で買ったアメリカも同じじゃないか」という高崎領事のことば。アメリカ許さんと意気盛んだった秋山(神野崇)が、ここから自らを省みるようにだんだん変わっていく。

古賀中尉(駒井健介)との決闘という生死をめぐる一つの頂点を経て、女たちと立場が逆転し、女にののしられ足蹴にされるどん底に落ち込む。ここが最大の見どころだが、おんなたちのしたたかな生命力と、それと一体の依存性、恨みと絶望=開き直りが噴出する。黒澤明「隠し砦の三悪人」の火祭りの場面のような、一種ハレの、日ごろの鬱屈の解放された瞬間だった。

最後は襲撃される前に、領事自らが火をつけて避難。口のきけない元女郎の老婆シズ(寺田路恵)が一人、焔の前に立ち尽くす、象徴的な幕切れだった。
舞台「学徒隊」

舞台「学徒隊」

NPO法人文化活動支援会まつり

南大塚ホール(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演じられてる状況を、現実には及びませんが、いろいろ想像し、考えながら観させてもらいました。

ネタバレBOX

舞台転換の時に、普通の格好の人が手伝っていたのが、少し気になってしまいました
俺は、君のためにこそ死ににいく2022

俺は、君のためにこそ死ににいく2022

劇団夜想会

俳優座劇場(東京都)

2022/09/13 (火) ~ 2022/09/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

お薦め。
7年ぶりに「愛する者を守るために散っていった若者達の純粋な心を描くと同時に、恒久の世界平和を祈念したい」思いで上演した力作。今観るべき作品であり、考える内容である。物語は戦争の凄惨さを眼前で現すのではなく、あくまで特攻隊員たちの心情を丁寧に掬(救)い上げるように描いている。心中を思えば、悲惨な光景を描くよりも厳しく残酷である。

冒頭、舞台幕に里の山々、野原、自然豊かで長閑な風景が映し出され、姿なき祖母と孫の会話が流れる。その中に、これから始まる物語で核となる言葉が…。戦争は悪いこと、だから日本は悪いと学校の先生は言う。本当にそうなのか、その時代を懸命に生きた人々の思い、そして触れ合った事実が脳裏から離れない。そこには国を愛し家族を愛した純真な若者達がいた。何のために、そして誰のために自分の命を犠牲にしなければならなかったのか? を切々と綴った公演。場内のあちこちから聞こえる嗚咽が、公演の素晴らしさを如実に物語る。
(上演時間2時間40分 途中休憩15分含む)追記予定

真っ赤なブルー

真っ赤なブルー

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

脚本の取り替えっこ、演出の取り替えっことも言えるけれど結果的に 「生きること」と戦う少女2連作みたいになっていて興味深かったです。
確かに違う個性なのだけれど、何か凄く似た者同士じゃん!的な部分も同時に感じられたり
それぞれに自身が書いたものと同じくらい一体化した状態で落とし込まれているんだろうなーと思いながら拝見しました。

生きていくうえで主人公少女が挑む相手として1作目 結城さん脚本では少女自身(自分の内面)なのに対して2作目平安さん脚本では社会(特に大人)に目を向けているのが特徴的
1作目は自分の意志というものが全く無い自分をとことん見つめ直して追い込んで、結果 自意識をめっちゃ肥大させながら(笑)自身のあるべき姿を追い求める結城さんらしい作風。
2作目、これを観ている自分って少女からピストルを向けられる立場にあるのだなぁと、ちょっと哀しくもあるけれど、そうかもね、そうだよね、頭の片隅でそう意識しておいた方が良いよね、と
周りの同級生よりちょっと真面目で繊細と言えば良いのでしょうか、こちらの少女も生きづらそう、でもってハードボイルドファンタジーな世界観

やっぱり主人公と同年代の人が観ると(頭で考えてじゃなく感覚的に)同調できる部分があるのかなと、そんな目線からの感想も聞いてみたいと思いました。
女子高生を対象に上演するっていうのも良さそう。

ヘンリー八世

ヘンリー八世

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2022/09/16 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、見応え、聴き応えのある芝居だった。なんといっても吉田鋼太郎演じる枢機卿の欲望、陰謀と王への追従ぶり、それをすべて失う失脚のおそれと、哀れと絶望の生々しさが素晴らしい。失脚の場面では阿部寛のヘンリー8世と互角に対していた。宮本裕子のキャサリン王妃の裁判を拒否する威厳と苛立ち、離婚されて死んでいく最後の悲しみも良かった。このように、場面場面がくっきり描きこまれて、その人物の喜怒哀楽が舞台上に現出するのは、さすがシェークスピアだ。吉田鋼太郎の演出もメリハリがはっきりしている。(2年前の初演は「わかりやすくしすぎた」と、キャサリン派と枢機卿派の色分けなど表に見せないものも今回は多かったが)

阿部寛は、そこにいるだけで舞台を圧する存在なので、絶対君主ヘンリー8世として文句ない。ただ誠実なキャサリン王妃を見捨てて、アン・ブリンに乗り換えるのが、「我が良心の痛みのため」と切々と訴えるのが、本心なのか、演技なのか。王の威厳の裏の本心はなかなか見えづらかった。王とはそういうものかもしれない。(これも初演のときは、もっと苦悩する王として演じたらしい)

音楽、美術、衣装も素晴らしい。この舞台でしか味わえない特別の空間を作ってくれた。3時間5分(休憩15分込み)。初日だったこともあり、客席も早くから、惜しみないスタンディング・オベーションだった

ネタバレBOX

開演に30分遅れたのは残念。ヘンリー8世が王妃を離婚する動機である男子=世継ぎが生まれない苦悩を示すセリフのないプロローグと、アンと王が初めて出会うダンス場面などは見逃してしまった。

2幕の後半、金子大地演じる若いカンタベリー大司教をヘンリー8世が気に入って、重用する。なぜそんなに気に入ったのかわからず、取ってつけた感は拭えなかった。これは戯曲の弱点だろう。
マニラ瑞穂記

マニラ瑞穂記

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2022/09/06 (火) ~ 2022/09/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目。どうやったって #下池沙知 さんしか観られない。洋酒の海に溺れる、神経をヤラレたヨレヨレ金魚をモナカや薄紙のポイででもいいから、なんとかして、文字通り掬ってあげたかった。イイ客が付かなかったイチを救い出したくて切なかった。
激動の彼の地で、揺らぎ逆転する信頼や主従関係。裏切りの畝りは個人の領域を越え民族全体の空気に。それはまるで現代のネット世論に左右される世界のよう。
そして戦争を誘導する政治家や資本家たちに振り回される国民、民衆の憐れさが、誰からも疎まれ蔑ろにされ忘れられるシズの姿に映る。
今こそ、観ておくべき作品。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱりすごい。濃密な時間が流れていくというか。その場にいる感覚。臨場感っていうですかね。それがすごい。雨が降り出すと寒くなってきましたよ。冷房が効いてたというのもあると思うんですが。寒くするのも演出だったのかな。
終了後のバックステージツアーも楽しく、舞台上からの景色を堪能させていただきました。

ネタバレBOX

テレビを正面から見るとあんなことになってるとはなあ、、、
俺は、君のためにこそ死ににいく2022

俺は、君のためにこそ死ににいく2022

劇団夜想会

俳優座劇場(東京都)

2022/09/13 (火) ~ 2022/09/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高に素晴らしかったです。
もう観ていて涙が、あとからあとから、もうこれでもかというくらい止まらなかった。
悲惨で、かわいそうで、もうどうしていいかわからなくて...
女学生の、野バラ、ふるさとの歌声がこの作品を盛り上げていて美しい。
何度も再演されているので、さらに磨きがかかっていてムダが全くない。
映像を入れたり、至るところに工夫がされていて、よく考えて作られていて感激した。
クライマックスは上官のシーン。
ネタバレになるので書けないがこれがスゴい。
このために来てる人もおそらくたくさんいると思う。
名高達郎が出るのをメチャクチャ楽しみに行った。
カッコよかったです。









真っ赤なブルー

真っ赤なブルー

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

二作品…どちらも若い女性の心象風景を描いた内容。本公演は、U-33projectの作 演出・結城ケン三氏とroute.©︎の作 演出・平安咲貴女史が互いの脚本を交換して演出をつけあうという企画。奇しくも同じような題材のように思えるが、テーマらしきものは事前に打ち合わせをしたのだろうか。

物語として紡ぐには、少し難しいような独特の世界観を表現しようとする。そして何となくではあるが肯いてしまう、もしくは共感する、といった妙味を持つ作品。観せ方は共通しているところもあり、不思議と二作品が影響しあっている。例えば自分(主人公)と別の自分を対置させることによって、主観と客観の両面を巧く描けること。当日パンフに「真逆のようで似ている、似ているようで真逆な両団体をぶつける事で起こる科学反応」と記しているが、その目論見は成功したと思う。
(上演時間1時間35分 転換5分)

ネタバレBOX

舞台美術は、奥を一段高くし通路のようなところに切り板 木材を張り合わせて作ったオブジェのような飾り。壁にも同様のもの。そして幾つかの箱馬と同型の椅子があるだけのシンプルなセット。それぞれの上演前にタイトルにある赤またはブルーの照明で枝影を映し出す。妖しげな美しさが印象的だ。

(上演順)
《route.©️》
『U』 作/結城ケン三  演出/平安咲貴

主人公・佐藤正見〈まさみ〉は自分の意思というものがなく、すぐ他人に頼ってしまう、相談してその意見に従ってしまう、困ると嘘をついてしまう。そんな困ったちゃんである。そんな自分に別の正見A・B・C(3人)を登場させ、内面と対話するような客観的な観せ方。本人も含め4人は白い衣装で同一人物を表現している。先の 頼る、相談する、嘘をつくの場面を具体化するために、猫屋敷、苺谷ミルク、超在-チョウアルという人物を登場させる。こちらは外面という存在ゆえ、私服(浴衣含む)という外見上の違いを観せる。さらに黒衣装の人物が1人おり、冒頭 自分・正見とは反対の方(後ろ)を向いている。人生とは自分が主人公…といった哲学的な台詞があるが、この世界観は劇中劇という形を借りた自分探し、自分であり『U』=『you』でもある。ブルーな気分を妙味ある物語に仕上げている。

《U-33project》
『愚者の恒心』作/平安咲貴 演出/結城ケン三

主人公・ペケは女子高生、そして影響を受けたのが真理恵ちゃんという赤いワンピースを着た女の子。それ以外の6人は白いブラウスに黒ズボンで統一。それは特定の人物ではなく、むしろ社会であり世間を(役名を?で)表しているよう。
ペケは自分を「僕」と言い、何かと戦っている。女子高生が「私」ではなく「僕」、そこに性差に対する偏見や差別への嫌悪が見えてくる。あくまでそれは一例に過ぎない。「病(傷)んだ空気は美味しくない」という台詞に込められた思い、それが銃口(ゆび鉄砲)を向ける行為へ。しかし、描かれているのが満員電車内の不快感、クラス内の人間関係(苛め等)といった身近にある不満に鉄槌を下す。最低な感情(理不尽)を取り除いたら最高に気持ち良くなれるのか。理想の現実とは…。屋上で出会った少女 真理恵ちゃんとの ひと夏の寓話か。

自分が求める完璧な世界、そのためには社会(世間)と対峙(退治)する。『U』と異なり動的な印象を受ける。それは白いウエストゴムを器用に変形させ、ドアや車両を形作ることで、空間的な広がりや違う場所/光景を見せる。また「?」達が倒れるたびに赤い紙吹雪、もちろん血しぶき(真っ赤)イメージが美しくもあり刺激的である。演出の違いが一目瞭然となる面白さ。

ポップに憂いを描く、鬱々しさを可愛く描く、その科学反応は面白い内容であり、企画であった。次回公演も楽しみにしております。
晴れたらいいね

晴れたらいいね

関西芸術座

ABCホール (大阪府)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

良い舞台でした。戦中ものでよくある自己犠牲賛美や悲惨な状況の中ひたむきに生きるといった表現にとどまらず、生き残ることを前面に出しているのが新鮮であり価値ある作品だと思います。

ティファニーで朝食を4 横浜公演

ティファニーで朝食を4 横浜公演

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/09/01 (木) ~ 2022/09/01 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

とても面白かったです。
スタンダップコメディを模した前説、お二人の演技、台詞回し、
どれも古き良きアメリカを思わせる。
雰囲気たっぷりの作品でした。

夜鳴く鳥は朝に泣く

夜鳴く鳥は朝に泣く

吉祥寺GORILLA

王子小劇場(東京都)

2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/09/09 (金) 14:00

105分。休憩なし。

Dear my パパ

Dear my パパ

ネルケプランニング

THEATRE1010(東京都)

2022/09/03 (土) ~ 2022/09/10 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/04 (日) 17:00

赤ちゃん目線のカメラの効果は絶大。今回は悪役として出演していましたが、カーテンコール時の藤重政孝の自分の子供、自分と親の関係性に関する気づきのひと言が含蓄がありました。もちろん、ステージの方もドタバタだけではない、心にグッとくる魅力がありました。

「パタリロ!」~ファントム~

「パタリロ!」~ファントム~

ネルケプランニング

天王洲 銀河劇場(東京都)

2022/09/01 (木) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/04 (日) 13:00

ナンセンスギャグあり、ノスタルジーあり、ラブコメあり、アクションあり、要するになんでもありのいつものパタリロ。タマネギ部隊はイケメンステージへの登竜門か。

舞台「ドロシー」

舞台「ドロシー」

ドロシー

草月ホール(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/09 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/08 (木) 19:00

騙し騙されの物語が進み、これで終わりかと思ったら、サイコスリラーが始まり、こっちのほうが本筋でした。最後まで筋が読めないステージ。

WORLD~Run for the Sun~

WORLD~Run for the Sun~

舞台「WORLD」製作委員会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/11 (日) 14:00

言葉で説明するにはあまりに複雑な人対人、人対組織、組織対組織の関係の中でもがき苦しむ人間たちを描いた傑作です。まだまだラスボスにはかすった程度なので、次回の展開が楽しみでなりません。今回は杉江大志演じる役がずっと刑務所に入ってしまってる人物だったので、いつものアクションが見れなかったのが残念といえば残念。次回に期待。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

KAATを見ていたが、2回目でも凄いの一言。セットの細かさと音響、特に雨音はSEかと思ったらちゃんとポタポタと垂れていて下の缶にぶつかるリアルな音になっていて感心した。
全てが自然体で、時々あった長めの間も感情が感じられて良かった👏

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前回のKAAT再演を観ての今回。期待通りバッチリ。不明だった部分もクリアに。細密度に瞠目。緒方晋がやっぱりなあ(感無量)。夜が明ける。笑いがある。

ネタバレBOX

KAAT公演ではペニノらしい舞台を観られてよしよし、といった所だったが、客席からの距離があった。遠目に覗く感覚も良いね、とは書いたが吉祥寺シアターでやると聴いて期待したのは当然「間近であれを見る」であった。全くその通り。音響も客席の両サイドから流れ、場に居ながらにして観察しているというこの(VRじゃないが)透明人間の悦楽。前回では不明だった表情の変化・・覚えているのはラストの緒方氏と弟分とのやり取り、笑ってるのか泣いてるのか・・に込めたドラマ(短い時間経過でどう心情が変化したか)が、作者の意図が、分かった。(心が)寒い時は飯を食う。そうして人は力をもらう。俺たちの生業(漁師)はそれなんだなんて事は一言も言わないしメッセージ性めいた匂いは微塵もない。木枯らし吹く大人の心を見てか、台所とは無縁そうな若い二人がそれぞれの場所で、料理をする。素知らぬ風に、黙って。。それで十分じゃん。。と思ってしまう。「赦す」という言葉が何故か浮かぶ。
笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なぜか一番残ったシーンは、おでんを食べていたところ。左側の席ということもあるが、漁師さんたちのほうが、とても気になった。
おでんのにおいがとても美味しそうで、湯気も立ち上っていて食べたくなった。
役者さんが本当に美味しそうに食べているのがとても良い。
食べたふりをしたお芝居も多い中、貴重なシーンだ。
ここが目玉のようなきがする。必見。

本当に、自然な波の音、照明... 芝居でなく本当に目の前の暮らしを観ている感じがスゴいです。
この手のお芝居だと、声が小さくて聴こえないことが多いが、見事にキチンとハッキリ聴こえるので、
助かる。
さすが、何度も上演されて、賞をとった作品だと、感心し、素晴らしいと唸った。
とても価値ある作品に出会い、満足でした。

真っ赤なブルー

真っ赤なブルー

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2作品とも、独特の雰囲気と不思議感がありました。
伝えたい事は分かったような気がしますが、果たして自分の理解で良いのか・・。
ですが、タイトルの「真っ赤なブルー」という意味が分かったような気がしました。
役者さん達、熱演で、可愛くて、ついつい口元が緩みました。
面白かったです。

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