最新の観てきた!クチコミ一覧

14281-14300件 / 183043件中
ほおずきの実る夜に

ほおずきの実る夜に

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごーく元気もらいました。踊り、笑顔で、楽しそうに踊っていて、本当に祭りに来ているみたいでした。
個人的にかなり落ち込んでいたので、メチャクチャ元気になりました。
今回の目玉は、セットのほうずきかな?
劇場に入って、すぐ目に飛び込んできました。
あと赤いちょうちんが、とてもインパクトありました。これも目玉かな?
藤原たまえさんの法被姿、観れて幸せでした。

モリマリコさんの演技、よかったです。華がありますね。
東京の青年、中西さんのしゃべり方、笑えてよかったです。
剣持さんもあたたかい雰囲気よかったです。

いつも観たあと、幸せな気分になる。
今回も期待を裏切らない素敵なお芝居でした。


たぐる

たぐる

ここ風

テアトルBONBON(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

しっかりとした人物背景とストーリーに、笑いもあり、とてもとても楽しめました。大好きな舞台でした。おすすめします。

ほおずきの実る夜に

ほおずきの実る夜に

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め!
社会生活・活動もそうだが、演劇は稽古から本番まで、すべての段階で人と関わっている、と思う。それが当たり前のように出来ない状況が2年以上続いている。公演中止が珍しくなくなった ご時世、本公演も例外ではなく、昨(2021)年8月に中止延期したもの。この間の遣る瀬無い思いを物語に これでもか!というくらいに落とし込んで観せている。現実に苦悩してきた姿を投影し、それを乗り越えて上演を果たした”力強さ”。そして脚本・演出・プロデューサー兼任の藤原珠恵さんが「若中」の名入 法被を着て場内案内をしている。その元気な姿、当日パンフの言葉「楽しくいこうよ、人生は! 今を精一杯生きないとですね」と相まって元気と勇気をもらえる公演。

少しネタバレするが、主人公・佐藤博美を演じた モリマリコ さんが、何故か藤原珠恵さんに見えた。モリさんが藤原さんに成り切ったのか、藤原さんがモリさんに乗り移ったのか?その憑依のような感覚と相まって 夏本番間近(まぢか)、冒頭の少し怖い話(サスペンス風)が描かれると…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台セットは、ほぼ素舞台。あるのは正面壁の上部に ほうずき、上手壁際にも鉢植えの ほうずき、下手壁際にミニ縁台、ビールケース その上に三宝や硝子瓶花が置かれているが、それは冒頭シーンのみ。中央は奥を一段高くしただけで広いスペースを確保している。この広がりが後々重要な役割を果たす。

冒頭、暗闇の中で女性の叫び声、いったい何が起きるのかといったサスペンス風の始まり方である。その後「ようこそ不老不死村へ・・・」という台詞、そしてゾンビらしき人々が徘徊するといった光景…何なんだと思いきや、公演の稽古中という劇中劇である。そのタイトルは「それでもゾンビはやめられない!」らしい(作・演出:佐藤博美)。しかし公演初日を明日に控え、コロナ陽性者が…。公演を中止するか否か、出演者の間で喧々諤々するが、結局は中止せざるを得なくなる。あまりにリアルでストレートな展開は、本公演に係る舞台裏を見るようで、一気に興味を惹く。
博美は心のケアのため、13年ぶりに帰郷(都心から2時間ほど離れた島らしい)する。地元の人々は優しい。今年は規模を縮小しての夏祭り、その時 阿波踊りをする。その演出を博美が担当することになり、再び表現する喜びを感じ始めるが…。

色々と準備を重ね、いざ始めようとした時にストップせざるを得ない。理不尽とも思える仕打ちだが、誰かのせいにする訳でもない。実行するか否かを決めるのは、催事のリーダー(責任者)で、従うか否かを決めるのは個々人、その構図は演劇団体(劇団等)も社会組織(会社等)も大差ないのではないか(いや会社等は強制的な決定か)。その苦渋の決断が、今も続くコロナ禍という状況。誰かの せいにしたい気持を押し通せば、不寛容との悪評が流れる。経済的にも精神的にも八方塞がりの苛立ちが実にリアルだ。

物語に潜む重苦しい閉塞感、しかし表層的にはプチ恋愛や家族愛など心温まる様子を前面に出した物語。阿波踊りの楽しい光景や博美のヤル気、そんなパワフルな演技が力強く伝わる。モリマリコさんの剛腕的な演技とは対照的に河野和彦役の剣持直明さんの柔和な笑み 柔軟的な演技が仄々感を醸し出し、上手くバランスを保っている。勿論、阿波踊りはフォーメンションを考えた定評ある藤原演出の見事さ。
次回(来月)公演も楽しみにしております。
捨て身のハンサム

捨て身のハンサム

2223project

小劇場B1(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/23 (木) 14:00

95分。休憩なし。

たぐる

たぐる

ここ風

テアトルBONBON(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ストーリーがとても良かった

ネタバレBOX

幹夫さんと蝶野さんの存在が良かった
テントの幹夫さんのこれまでの人生ととラストが気になったままになっている
アカデミック・チェインソウ

アカデミック・チェインソウ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/22 (水) 19:00

どうしたんだMCR?!いつもとは少し違う面白さ!!(2分押し)97分。
 とある女子高の生徒8人と担任堀と体育教員熊野が、修学旅行で乗った船が遭難して無人島にたどりつくが…、の物語。設定やオープニングが今までのMCRとはちょっと違うが、ありそうでありえない状況の中で、キャラの濃い女子高生達の相手をする掘先生のあれやこれやは、いつも通りの面白さ。爆笑というより苦笑という感じの展開の中、明るさのある終わり方がいい。
 お気に入りの三澤さきのエンディングでのアレはちょっとビックリした。先日の『花柄八景』で注目した永田佑衣は本作でも巧かった。

「星灯り〜2022ver.〜」

「星灯り〜2022ver.〜」

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、超お薦め。
(煽り表現は好まないが、「超」を付けた初例外)

ずばりテーマは「気づき」「気遣い」そして「痛み」と言ったところか。それも夫婦や結婚しようとしている男女(最近はLGBTQも話題にあるため)が中心の物語。とは言っても底流にあるのは、幅広く相手を思い遣る心情、その大切さがしっかりと描かれている。緩い笑いを交え、実はその後にくる感涙シーンへの伏線になっており、笑い泣きの振幅が半端なく凄い!それが三波四波と(コロナ感染波数とは違い、良い意味で)感情を揺さぶるから堪らない。
(上演時間2時間25分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術はTEAM6gらしく丁寧(理屈ではなく心情を重ね合わせ観せるため)に作り込んでいる。当日パンフに登場人物の相関図が書かれているが、大別すれば、大橋家・ペンションひなげし・そこの宿泊客になる。
上手はカウンター、中央にダイニングテーブル、下手奥に階段、その手前にソファと低テーブル、後方は窓にカーテンがかけられている。これが大橋家になりペンションにも重なる光景(物理的)になり、さらには心情(精神的)にも重なってくるという、二重の意味合いを込めた造作の凄さ。違いがあるとすれば、下手奥にある置台の上、大橋家は固定電話、ペンションは花瓶花と写真立て に置き換えるなど細かい違いで見せる。またカーテンを開ければペンションのテラスになり ヒナゲシの花、さらにラストは客席天井も含め…心地良い余韻に浸れる見事な光景。

縁あって夫婦になっても、所詮は赤の他人、妻・大橋梓(春野桃代サン)は夫・一樹(平田貴之サン)の心には誰も入れない(秘密の)部屋がある。本心が見えない、そんな心の溝が埋められないまま亡くなった妻が、生前 家出して滞在したのがペンションひなげし である。その宣伝文句が「日本一、星が近くに見える」である。一樹がペンションに行って思ったこととは…。
ペンションを経営しているのが、亡き夫・優太郎(笑福亭ベ瓶サン)との思い出を大切にしている遠藤京子(阿南敦子サン)、その娘 綾香(渡部瑞貴サン)、そして優太郎の後輩・河合亮(山本龍兵サン)である。他に京子の妹夫婦が出入りし、宿泊客も含めて巻き起こる笑いと涙の超感動作。

珠玉の台詞がいっぱいだが、両手の指の隙間から零れ落ちてしまう勿体ない感じが…。「1つくらい消えない痛みがあってもいい。そこ(心)に大切な人が生きていると感じられるのだから」や「ひとつの歯磨き粉を分けあって使う。揉め事があっても、翌日には食事の献立を考えている」等--そこに夫婦ならではの優しさ滋味溢れる思い、生活感が伝わる。それらの台詞(言葉)を発する役者の演技力は確かで、座組バランスも良い。

当日パンフ裏面に、脚本:来住野潤一さんが「年齢を重ねると出会いよりも別れが多くなってくるように感じます。しかし、その人達との思い出に別れはないので」と書いているが、本当の意味での「死は、その人のことを忘れてしまった時」を思い出した。また阿南さんが「8年前に上演した『星灯り』を2022年改訂版として復活させました」とあるが、度重なる(コロナ禍)中止を乗り越えての上演は大変な苦労があったと思う。物語の感動シーンの台詞「ありがとう。(私と)出会ってくれて 幸せだった!」は、そのまま自分のこの公演に対する感想に重なる。
次回公演も楽しみにしております。
ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/15 (水)

赤のゴンドラ。ありがちな日常を覗き見る。そんなコンセプト通りの舞台。東京ではないところもミソ。一人に感情移入して、というよりも全体をフフフな感じで観ていたな。で他の色も気になり時間の都合がついた一つを観劇予定。きっとまた違った面白さがあるのだろうな。

ネタバレBOX

映画「ミスト」見ました!!なるほど!
Secret War-ひみつせん-

Secret War-ひみつせん-

serial number(風琴工房改め)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土)

いつも、どこでも、だれでも戦っているんだ。というような…。
何年たっても戦争が終わっても繰り返される戦い。嘘。
その中でも光を求めて人は生きていて…
そんなことを改めて考えさせられた作品でした。

夫婦レコード

夫婦レコード

劇団青年座

俳優座劇場(東京都)

2022/05/27 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/03 (金)

わわわわ姉妹劇なのね。はははは。お母さんのことを想像しながらあれやこれやと笑って泣けちゃうお話でした。元気もらえる作品でした。

「星灯り〜2022ver.〜」

「星灯り〜2022ver.〜」

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

渡部瑞貴、笑福亭べ瓶とのコンビがとても良い。
あの感じは、長年やっていないと絶対にでないと思います。

また、村中友香も、前作に続いて、良い味を出していました。
必見です。

演劇から遠ざかっていた方にも是非、お勧めしたい舞台です。

ゴンドラ

ゴンドラ

マチルダアパルトマン

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダイニングテーブルと三脚のイス。登場人物が3人だけの80分のお芝居。

前半は、うだうだになるかな、と心配になったが、後半の意外な展開が目を瞠る。
パラダイムシフトと言うほどじゃないけど、発想の転換が、鮮やかだった。

シンプルな舞台美術と思ったら、衣装も小道具もコマメに変えてて、下手の寝室と、玄関のある上手と台所やふろ場の空間の雰囲気がさりげなく感じられ見事。

時間の流れと忘れられない記憶と。
こじらせ男の恋は、叶うのだろうか。
意外なところから、救いの神ってのが、いい。

同じ芝居を別々の役者で見せる趣向が面白い。ほかのチームを見られなかったのが残念だ。
白いゴンドラ鑑賞

ほおずきの実る夜に

ほおずきの実る夜に

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冒頭の展開に「え?こう言うお話だったの???」それも楽しかったですが、違いましたね。この続きも見たい気もします。

ネタバレBOX

この2年間の苦しさや心の叫びが満載でした。私の友人にここ2年、1度も電車に乗っていないと言う人もいます(なので、しょっちゅうお芝居見に行く私は呆れられています・・・)。先日やっと決意して田舎のお母さんに会いに行けたと喜んでいました。早く安心してなんでもできる日が来ることを願います。
「星灯り〜2022ver.〜」

「星灯り〜2022ver.〜」

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2時間25分(だったかな)の中帳場ですがそれを感じさせない位面白かったです。
しっかり笑わせてしっかり泣かせる、そして見終わった後に心にじーんとくるものがあり見てよかったなぁと思える作品です。

ネタバレBOX

始まってすぐに後であーーーーとなる場面がありますのでしっかりと登場人物を見ておくといいかも。
「星灯り〜2022ver.〜」

「星灯り〜2022ver.〜」

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

「星灯り〜2022ver.〜」

「星灯り〜2022ver.〜」

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
切ないストーリーですが、笑いを沢山盛り込み、明るい雰囲気でした。
役者さん達は、個性あるキャラクターを好演していて、とても良かったです。
それぞれが面白過ぎたし、泣かせて貰いました。
阿南さん演じる京子の最後の台詞で、自分も救われたような気持ちになりました。ありがとうございました。
心に響く良い舞台でした。

第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022(IDTF)

第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022(IDTF)

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2022/06/16 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

IDTF2022 6.21公演
 The 15th TheaterX International Dance + Theater Festivalの6.21公演は3組のダンスパフォーマンスが行われた。何れも個性的な作品であり、音と身体のコラボレーションとして見事である。(追記後送)

ネタバレBOX

 最初に登場したのは意味を構成する前の音を用い実に深く多様な音声表現を行う赤い日ル女さんとアメリカ、セネガル等で多様なダンスを学び古武術、アートマイムを続けるパフォーマーの西尾樹里さん。タイトルは『    』ハクと読む。意味的には無題に近いが、ここに表現されたものは、当に意味が成立する前の言葉の芽・カオスと身体との類稀なるコラボレーションであった。赤い日ル女さんの発声はタイのカレン族、或はイヌイット、アイヌ等の発声法、古歌を聴くうちに彼らと様々な地域の発声法の類似性や言語以前のカオティックな表現にカオスの持つ深い豊かさ、深さ、未分化故の可能性に魅せられた為。そしてそのような表現を自ら追及する旅が始まった。独自の表現法は現在も模索・開拓し進行中である。10年程前迄はパーカッション奏者であったが、何か道具を用いなければ音楽表現にならないかのような状態に疑問を感じ、現在の表現法を編み出すこととなった。実際にこの方法で表現する者として聞いて下さる方々の前で演者となったのは6~7年前からだ。評者は、実際に彼女の表現を聴いて余りにインパクトが大きくこれほど多様な音声をヒトが作り出せることに驚嘆した! 小柄な方であるが、このような音声を発する為に例えば口を殆ど閉じて喉の奥を用いて発声したり、呼気、吸気と口の開き方や吐く或は吸う時の強度を変化させての発声などで獣の唸りのような音、風の強さや気象変化に応じて異なる風の音に似た音、その他の部位を用いて野に生きる様々な生き物たちの発する命の音、せせらぎや木霊等々を、時折入る静けさで際立たせながら深山幽谷さえ想起される音声は、言語化されない表現としてのダンスパフォーマンスと見事に呼応して演じられる、お二方ががっちり組み合い、交感する圧倒的パフォーマンスであった。
 次に登場したのはコンテンポラリーダンサーの浅野里江さん。メインテーマとして掲げられているのが21世紀renaissanceという所からヒントを得て、その史的意味(所謂西洋の中世にはキリスト教が極大化した結果、聖書に書かれていないことは真では無いとされ科学的知等は異端審問の憂き目に遭い殆ど根絶やしにされていた。ガリレオが弾圧されたのはこの所為である。ところがギリシャで隆成を誇りローマに引き継がれたこれらの知性は往時の交易・交流を通してアラビア語に翻訳されアラブ世界で更に発展していた。ヨーロッパの暗黒時代と謂われる中世、世界で最も発達した文明・文化を誇ったのはアラブ世界であった。その名残はヨーロッパの王侯がアラブ世界に憧れるゴシック・ロマン小説の表現にも如実に描かれている。ところで十字軍やそれに対抗する形で行われたアラブサイドからの反撃等との間にも相互理解を求める領主たちが居た。このような再交流の中でアラブ世界で更に発展したギリシャ・ローマ的文明はアラビア語からラテン語に翻訳されヨーロッパに入り込む結果を生みそれがヨーロッパに再び科学的知を含む文明・文化の再興を齎した。この歴史的事実をrenaissanceという)とは別の解釈をした。タイトルは「ありとあらゆる」。表現は日本神話の八百万の神と謂われるものは、神の転生の姿であるとの解釈が民俗学的な見解に在るそうで、その転生する神が現在も在るのであれば、その神は我らのITや科学技術の世の中にも何ら本質を変えることなく存在し続けているハズだ、との立場から紡がれている。従って音響はギターの爪弾きにバイクの擦過音や発進音が組み合わされた形になった。自分の立場は、可成り史実を重んじる立場なのでこの理論には異見があるが、それはそれとして独自の発想の下に創られた作品として評価したい。
 トリを務めたのはERIKO・HIMIKOさん。タイトルは「儒の花—answer—」である。着想は酒見 賢一の小説『陋巷に在り』から得ているという。春秋時代孔子の弟子であった顔回を主人公とした小説だ。
もんくちゃん世界を救う

もんくちゃん世界を救う

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「桃太郎」がベースになっているので、とても親しみやすい流れを汲んだ物語。
内面に吹き溜まった「文句」
こじらせつつもポワァ~ンとした感じの“もんくちゃん”こと岡山桃子が桃太郎ポジション。
声優さんかと思うくらいのファンシー美ボイスで、ちなみに桃からは生まれていないし勇敢でもない不思議ちゃん。
そして何故かエグい立ち位置のおじいちゃん(笑)
やがて引き連れて、となる犬・猿・キジに相当する面々の絶妙さが、もんくちゃんとの掛け合わせで何とも言えない可笑し味を生み出していくのでした。

「文句」の元凶である“鬼”との対決、本作ではその対決後にも見どころアリ。
人間関係にちょっと疲れた…という若い人に特にお薦めかも。

ナイゲン(2022年版)

ナイゲン(2022年版)

Aga-risk Entertainment

駅前劇場(東京都)

2022/06/21 (火) ~ 2022/06/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/22 (水) 19:00

以前のバージョンは昔懐かしい高校の風景でしたが、今回は番外編ということで役者を一新し、イマドキ感を前面に出した仕上がりになっていました。何度見ても面白いです。

夏至の侍

夏至の侍

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/07 (火) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/17 (金) 14:00

今回の芝居、不覚にも4度泣いてしまいました。ハラハラ涙が溢れて「あ、やばい」と思ったら、隣の女性もハンカチ目にあててたり、あちこちから啜り泣きが聞こえたり。

桟敷童子の芝居は喪われていくものへのノスタルジーが通奏低音としてあるけれども、それが単に昔を懐かしむわけではなくて、どうしようもない時代の流れや社会の変化に翻弄されながら、巨きなものに抗いそこに懸命に生きるひとを描くことで、人間の優しさや勁さ(しなやかなしたたかさ)、どうしようもない業や眩いような美しさまで、深い人間像がいつも胸に迫ります。

ネタバレBOX

今回は出演者は誰も亡くならなかったのでいつもよりはいつもよりは息を詰めずに観ていられましたが、やはり予定調和では終わらない。最後の舞台転換でただ一度だけ現れる、崩壊したはずの水車の息を呑む美しさと、いないはずの「夏至の侍」を手にする女将さん…それは死んだ息子なのか、この過酷な日々を生き抜いてボロボロになりながら今ここに至った孤独な自分自身なのか、それとも帰ってきた娘たちと多くの仲間に支えられて過ごした夢のような日々なのか…これが余韻のあるラストでした。

音無さん素晴らしいですね。こんな激しい一面もあるのかと、いつものTVでの穏やかな役どころに不満が募ります。村井さんと二人での業・業・業にまみれた作品観てみたいです。

劇団の役者さんたちも私にとってはお馴染みになってきましたが、人物像を掘り下げた確かな演技と鍛えられたアンサンブルで、いつもながらに時空を超えた世界に連れて行って私の日常を忘れさせてくれ、そしてこれがお芝居であることも忘れて没頭させてくれます。

もりちえと客演:瀬戸氏のリアル夫婦も、底抜けにいい人でよかった。前回の芝居での夫婦になる件では笑っちゃいましたが、今回は台風や倒産の緊張感に私が耐えるために大切な安心感を提供してくれました。あの夫婦の空気感のおかげで、逃れられない不吉な予兆にギリ耐えられ気がします。

それにしても、これでもかというほど善人ばかりしか出てこないのに、ちゃんと人間ドラマが成立していることに驚きを禁じ得ません。別の方が指摘されていましたが、亡くなった息子と夏至の侍を重ねて掘り下げた再演をぜひ観たいと思いました。

このページのQRコードです。

拡大