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ことし、さいあくだった人

ことし、さいあくだった人

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

バーが舞台のちょっとシニカルなラブコメディー。終始笑いが絶えないですね。リラックスして楽しめました。

ことし、さいあくだった人

ことし、さいあくだった人

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!!笑いました。小さなバーで繰り広げられる男と女のあれやこれや。大殺界なんてすっかり忘れていましたが、いまだに信じられているんですか?
年末に見たら、臨場感がさらに増すことでしょう。

ことし、さいあくだった人

ことし、さいあくだった人

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 華4つ☆

ネタバレBOX

 何でも六星占いに大殺界と謂われる時期があるそうで3年間続くのだとか、各人の大殺界は生年月日で知ることができるという。今作は、マスター・松坂を含め某スナックに集まる人全員がその大殺界に在る人々の群像劇だが、このおどろおどろしい名の占星術用語が齎す不吉なイマージュを梃にネット小説家デビューを目指す柴田が、その小説のネタ探しにこのスナックを利用し、客達のゴシップをネタに小説として面白く仕立て上げようと奮闘することが主筋となって、このスナックの近所にある会社の社内恋愛、不倫関係、親友の彼を奪い合う三角関係のもつれが引き起こす嫉妬やバレルことを恐れた駆け引き、徐々に明らかになる深層と真相を含めた悲喜交々が描かれる。
 ところで普段はテンで駄目な柴田が、アルコールが入れば天下無敵となって顧客のプライバシーも何のその! 唯、小説を面白くしたいという念だけから、あちらに火をつけ、こちらを煽りの「大活躍」。
 この大騒動に更にサブストリームが貫入してくるのであるが、こちらは男性3人。1人は25歳童貞の木佐貫、矢鱈死にたがるのは、木佐貫タッチと名付けた苛めを女子から受けてトラウマを抱え、女子を前にすると竦んでしまうからであった。仕事をしてもウダツが上がらず、この日は先輩の和田、課長の小谷野と飲みに来ていたのである。言わずもがなではあるが、この3人が先の登場人物達と絡み合いながら進展する物語に、天下無敵と化した柴田が要所、要所で小説を面白くする為に仕掛ける転轍が物語を更に奇天烈な方向へ向かわせる。
 ネタバレはここ迄にしておくが、科学技術がここ迄生活に組み込まれた現代にあって大上段に構えて占星術の話を作っているのだから、無論、キチンと意味を詮索しても始まらない。寧ろ意味を無化する点にこそ、今作は力を注いでいる。その点で無邪気に笑って劇場を後にするのが良い作品でもある。因みに大殺界の後は種子だそうである。今作でもラストは、大殺界を抜けた人々が新たな種子の界に入ってゆくことで締め括られている。が、どんな種子界かは観てのお楽しみ! だ。ぴょん!!
きゃんと、すたんどみー、なう。

きゃんと、すたんどみー、なう。

やしゃご

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/07/14 (木) 19:00

120分。休憩なし。

ランボルギーニに乗って

ランボルギーニに乗って

劇団鹿殺し

あうるすぽっと(東京都)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
最初から最後まで、エネルギー溢れ、熱い舞台でした。
現実と空想を織り交ぜた内容で、話に着いていけるかな?と思いましたが、ちゃんと付いていけました。
歌、ダンスも盛り沢山で、擬人化した車の演出など、見所満載で、目が足りなかったです。
エンタメ性溢れ面白く、でも、それだけではなく心に響く内容でした。
役者さん達の汗を飛び散らせながらの熱い演技に感動しました。大満足でした!

私、のはなし

私、のはなし

まばゆいみちで

オメガ東京(東京都)

2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

私の恋人 beyond

私の恋人 beyond

オフィス3〇〇

本多劇場(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演を観たが、今回は題名に「beyond」が付いている。小説を読んでから観たのが仇したか初演は(小説の)筋を追い切れず、演出は面白いが楽曲のバランスがいまいちだったりした。進化した「私の恋人」が観られるのだと確信し、前回は最後方席だったが今回はなるたけ前の方(どうにか中程)を取り、役者の表情が見える観劇はできた。
のんの歌唱が劇的によくなり、渡辺えりとのハモりは泣かせた。劇の方は3○○の世界である。ただし歌が多めの。
舞台が進む内、(だいぶ忘れていた)話の筋を微かに思い出す。
・・主人公の青年は、ある特別な人物(男)の事を追っている。男が飛ばす車の助手席には女が居り、青年は彼女と恋人であろうとする者なのである。「特別な男」が余命の限られた身で人類史を辿る旅をする中、どん底から拾い上げたのが彼女で、挑戦が終りを見ない前に男は倒れたので、彼女は己にそれを継ぐ使命を課している。青年はその男と同時には生きていない。一方この青年は、原始時代、ナチス占領時代、そして現代日本と三つの人生を転生し、しかもその記憶を持つ存在なのだが、「どの人生」においても常に彼女の存在を探していた。ついに出会った彼女と、彼は恋人となるものの、決して「彼のもの」にはならない彼女とは別れの予感の中にある。とてつもない挑戦をした男をリスペクトしながら、それを否定せず彼女をどう愛そうかと迷っている・・大方そのような筋だったと記憶する。この小説が描いた図は一体何なのかと考え、手が届きそうに感じたイメージはこう。・・一人を愛することと人類に思いを馳せること、両極に見える両者は同じである、という方程式を成立させる哲学を持ち、それによって生きる。人生は終わらず続き、不在の中に存在を見、存在していても不在の影が重なる。彼は彼女を得るために、というより彼女を得ることの価値を最大化するために、そしてそれに相応しい自分であるために、壮大な物語を紡いでいる。

一時間半強のステージは目まぐるしく、小日向文世とのん、渡辺えりと、歌い踊れる4名のアンサンブルもガッツリ動き、ソロも歌う。
ある所までは筋を追っていた自分も3○○の不可思議の世界にいつしか浸り、漂う情感に身を委ね、そこはかとなく湧く切ない怒りや、軽やかな気分や、跳躍の不安と情熱に飲まれた。

アジール街に集う子たち

アジール街に集う子たち

劇団アレン座

吉祥寺シアター(東京都)

2022/07/02 (土) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

前回あたりから気になるユニットだったが、配信にて初・アレン座観劇。(映像は定点のみ。風貌・表情は見えないが人物識別にさほど難はなく、物語の流れは掴めた。)
アジール街、と俗称される地区はその意味通り避難場所となっている。ちょうどトー横区域のように家族問題を抱えた女子が流れ着く場所であり、男も居るが、その経済の大部分は女子が売春で稼ぐ金である。だが、男らは女の経済に寄生しながらも、アジールが守られるために存在しており、微妙なバランスがうまく描かれている。一つには、女子たちに自己決定の余地がある事に拠る。物語の冒頭、主人公が母親とのこじれた関係を振り切って噂のこの街へやって来た日、男らは彼女らにここで生きる手早い方法を教え、選択をさせるのだ。一晩寝れば三日間宿が確保される、と。少女は逡巡するが、決断する。通常は物語のもっと進んだ時点で訪れる分岐点を、易々と越える。そして彼女は街に住む者たちの物語を目撃する。(彼女の目を通して街が現れる。)
力なく崩れ行く悲しいエピソードたちは、現実をある仕方で映したものと言え、力なく名も無き者の末期を「ただ見届ける」という態度の内にのみ彼らの連帯があり、しかしアジール街は結局その名前を返上する事になる・・その予感を強く残して終わる(人によっては光ある未来を思い描いたかも知れないが)。

架空の街の不思議な(現実に置き換えればグロい)ユートピアの象徴は、ホームレスの男(30代の想定か)で、彼は彼の元にやって来て話したい者たちの話を聴く、その代りに少額のお礼をもらい、生き延びている。彼が語る哲学がその来歴と深く結びついている事を周囲が段々と知る所となり、皆が彼との間に友情を感じ始めた頃、外部の「暴力」により彼は亡くなる。
この人物の存在により、作者が「アジール」に込めた願いを覗く思いがする。
女子たちの「声」が特徴的(現代的?)で、最初はこれで成り立つのかと訝ったが、演劇空間としても独特な世界が生まれていたように思う。

私、のはなし

私、のはなし

まばゆいみちで

オメガ東京(東京都)

2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実話ベースとのこと。大なり小なり誰でも死にたみを抱えて生きているし、よくある話といえばよくある話。飲み屋で身の上話として聞いたんなら「いろいろ大変だったね。で、俺もさ…」と共感して盛り上がったかもしれないけど、今回の演劇作品ではあんまり心動かなかったなぁ。

最悪な大人

最悪な大人

劇団献身

新宿シアタートップス(東京都)

2022/07/13 (水) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/14 (木)

価格3,200円

14日19時開演回(110分)を拝見。

「女の壁/憧れの雪国」「幕張の憶測」と観て来たが、2年前、星のホールでの公演が(私見だが)あまりにもダメ駄目だったので、それ以来、敬遠していた団体さん。
だが、今宵の、2016年初演の本作、笑いも泣かせどころもかなりチカラのこもったホン。展開のテンポの良さに、客席が沸きに沸き、当方も思わず、その勢いに飲まれてしまった。

演じ手では、久方ぶりに拝見する日高ボブ美さん、お馴染みの高木健さん等の熱演もあり、充分に愉しめた110分だった。

ネタバレBOX

【配役】
加瀬(太陽の父親。運送会社の所長。元フードファイター)
…加瀬澤拓未(かせざわ・たくみ)さん
太陽(引きこもりがち・内気な青年。運送会社の仕分けバイト)…谷川大吾さん
野口(運送会社の社員。配達。出産を控えた妻あり)…古賀友樹さん
鈴木(運送会社の社員。配達。運転が荒い)
…本折最強さとし(もとおりさいきょう・さとし)さん
石田(運送会社のバイト。配達。お調子者。うどん)…川久保晴さん
酒井(運送会社のバイト。事務。太陽の片思いの相手)…納葉(おさむ・よう)さん
文月(運送会社の新卒総合職。現場研修中。要領はいいが、実は性格が…)
…中井友望(なかい・とも)さん
内藤(営業所の入っている建物の最上階の住人。運送会社の出す騒音に苦情を言いに来たが…)
…日高ボブ美さん
柳沢(2丁目に最近引っ越して来た、見た目のいかつい男。実は加瀬とは因縁のある元フードファイター)
…高木健さん

【追記】
酒井役の納葉さん。記憶だと、王子小劇場でのヨハクノート「真夏の夜の夢」(2018)が初見だとばかり、ずっと思っていた。だが、今回、確認してみたら、アノ問題作!東京ジャンクZ「蒼いラフレシアの鼓動」の初演(2015)に出演されていた…ホンマ、ヒトの記憶は当てにならんのぉw
ランボルギーニに乗って

ランボルギーニに乗って

劇団鹿殺し

あうるすぽっと(東京都)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鹿殺しの20周年を記念するスペシャル公演、それに相応しい大活劇ドラマ。
下町の工場からSFの世界までランボールギーニで疾走する痛快さ。
登場人物はみな素敵だが、中でも菜月チョビの軽やかさと丸尾丸一郎のかっこよさはしびれる。

ランボルギーニに乗って

ランボルギーニに乗って

劇団鹿殺し

あうるすぽっと(東京都)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/07/13 (水) 19:00

有名な劇団だが実は観るのは初めて。長く続く理由が分かる芝居ではあったが、私のテイストではない。125分。
 オープニングはカッコよく、全体にテンポよく物語が展開される。現在から始まり、中学生時代の回想、その頃書いてた物語、の3つが絡み合う展開で、歌・ダンス・生演奏など盛り沢山だが、ストーリーが今一つピンとこなかった。

ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いいキャスト陣による力作。室内の女性たちと、窓の外から聞こえてくる絞首刑を求める怒号との対比も鮮やか。大原櫻子が出る舞台を観るのは、1月の『ミネオラ・ツインズ』以来だが、何もこんな難役ばかり選ばなくてもといいのに、と言ってあげたくなる。約2時間半(休憩15分)。

ネタバレBOX

終盤の歌、これ何だったっけ?と思いながら聞いていたのだが、古謡ではなく、ケイト・ブッシュの曲だと気付いてびっくり。
ランボルギーニに乗って

ランボルギーニに乗って

劇団鹿殺し

あうるすぽっと(東京都)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この劇団さんははじめて観た。
話題になっているのでとても気になっていた。
観る前は、私好みじゃないかな、と心配していたが、メチャクチャおもしろかった。
クルマに興味がなくても、楽しめる。
丸尾さんが本当にカッコいいです。
ショーあり、歌ありで華やかで観たあとスッキリして帰途についた。
最高に満足でした。

ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

ザ・ウェルキン【7月21日~24日公演中止】

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なかなか面白い現代劇である。
宣伝では「12人の怒れる男」のにならった推理劇と言っているが、それは看板にすぎない。
登場人物は確かに12名。対照的にここは女性のみ、しかも妊娠経験のある者ばかり。彼女たちが被疑者(大原櫻子・意外の大好演)が妊娠しているかどうかを審判する。その審判が行われるのは18世紀半ばのイングランド。当時最も合理的思考が支配的だった地域なのだろうが、彼女たちの審判の思考過程や生活環境は現代とはもちろんズレている。しかし、ここが非常に面白いのだが、その判断の中に、今も我々が生活規範として信奉していることも少なからずある。時代それぞれの論理と倫理の落差を感じながら、ドラマが進行するのが新鮮だ。テーマとしては直截に女性のジェンダー問題が取り上げられるが、その先には人間が子孫をつなぎ、文化をつなぐ営み(歴史)への視点がつながっている。
推理劇と言うが、被疑者がとらえられている罪は、今はもう存在せず、忘れられている罪状への決まり(法)だ。この辺の設定も非常にうまい。犯罪の方はどうでもいいのである。
罪を犯しても、妊娠している罪人は死刑だけは免れることができる、と言う法があった。被疑者は妊娠していると言って死刑を免れようとする。そこで、妊娠経験のある女性が集められて果たして彼女の主張が正しいかどうか判断するためこの審判が開かれることになったのだ。当時としては進歩的だった(実体験検証)である。
最近の裁判でもこんなこと、やってんじゃないの?と言う作者の冷めた目が次第に観客の客観的な視点にもなってくる。
舞台は二部構成で、短い世態スケッチのほかは、12名の審判する裁判所の白で統一された一室のみ。ここも「怒れる男」と同じだが、事の正邪ではなく、物事を判断する、のは時代を超えて何時もあったことだが、それは移ろう。しかも当事者は気づかない。ここは正邪も判断も安定している「怒れる男」とは大きく違う。被疑者をめぐる一つ一つの話題の選択が巧みで、現代の観客も引き込まれる。しかも、議論が、一方の主張に傾斜して感情的になることがない。劇としてはものすごくうまい。
ここは若い演出家・加藤拓也らしいところで、どこまでも冷静なのだ。現代の、時代が変われば、どうせ判断も変る、という判断中止の世情を映している。現代劇なのだ。
終幕の歌(富山えり子・歌も曲もいい)になって女性たちが唱和するシーンになっても、決して煽ることはない。「友達」でも見たが、舞台の上の集団をうまく動かして、普通ならそこで感情を盛り上げるところを時代の「風景」にしてしまう。新しいタッチが舞台の魅力になっている。舞台面のつくりもうまい、休憩に入る前、煙突にカラスが飛び込んで煤まみれになるところなども、戯曲指定かもしれないが、作りがよく出来ている。
女性を演じた12名の俳優にはそれぞれしどころがあって、みなその期待にこたえている。吉田羊は主演が務まる女優ということを実証した。久しぶりに見た長谷川稀世が無理なくカンパニーの中に溶け込んでいたのもさすが。この本を発掘してきたシスカンパニーもさすがである。タイトルの「ザ・ウエルキン」はイギリスの古語で天空・蒼穹の意味の由。変に甘い翻訳をしないで放りだしているところもいい。
見た回は九分の入り。







『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/01 (金) 14:00

バーを舞台にアルコール依存症の者たちの生態を描く120分。
病院の更生施設内の話だった2年前の「ブラックアウト」と較べて「野放し」なだけに危うさもパワーアップしてしんどい(いやそれだけ演者が巧みなんだが)。げに恐ろしきはアルコール依存症。
あと、同じ装置内ながら様々な見せ方をする照明が見事だし、某出演者さんの歌唱力には感服!

ユー・アー・ミー?

ユー・アー・ミー?

演劇ユニット TakeS

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2022/07/08 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

知己から手渡されたチラシを見れば「作:鈴木聡」。ラッパ屋を1回しか観れてなく、別の鈴木コメディを手近に観られるぞ、と楽しみに出かけた。ところが開幕するなり既視感。初めてラッパ屋を観た作品がこれであった(これと合せて2回観ていた。先日のSPIRSLMOONと言い、題名で気づかないのか俺、と我が脳ミソを疑う俺。)
本家のモデルを思い出しつつ、比較しながら観てしまうとどうしてもあちこち不足感を抱く事になったが、お話はやはり面白い。
舞台は開幕から終演まで、とある会社のエレベータ前ロビー。時流に鈍感な主人公が、出世コースに乗り遅れるどころか、自分の「存在」まで脅かされる。時流とは例えばスタバ・コーヒーのカップ。メールチェックと反応の迅速さ。中身のない「スタイリッシュさ」が誇張されるが、主人公はどこ吹く風である。が、芝居の序盤で「異変」が起こる。現実にはあり得ないフィクションだが、現実にあり得る事態の「本質」を映した現象ではあり、主人公の焦燥は観客にも身につまされる。

舞台は、初日でもあってか、ギクシャク不具合がある。言ってしまえば「時間の処理」と演技のディテイルの詰めで損している。音響の手捌きも。。
会社勤めの「あるある」には作者鈴木氏の見聞の裏打ちを感じさせるが、中でも「悲哀」の側面は「正直者は馬鹿を見る」的な洞察・共感をもって描き、敢えて突き放し、戯画化して笑いの対象にしている。だがカリカチュアな笑いの根底にリアルがある。
この芝居の全体像(構造)を理解し共有する事が肝要だろう所、世界観の揃ってなさが時折気になった(皆が同じ場所を目指している事自体が芝居を支えている事は多い)。
戯曲上扱いが難しそうな最終盤(不条理に情勢逆転する)も、やはり難しい。理想的な和解が成立したその直前のクライマックスでは十分にカタルシスに至ってよく、その後のどんでん返しはお遊び的なオマケ(「しかしお客さん現実はこっちだよね」、という)、匂わす程度の終わり方にしたかった気がした(「終わり良ければ」の形をもう一歩探りたい)。
・・やはりどうしても本元と比べて観ざるを得なかった。

「# FAFAFA-ファウスト」 「Like Dream and Dreams(ゆめみたい)」

「# FAFAFA-ファウスト」 「Like Dream and Dreams(ゆめみたい)」

DE PAY`S MAN

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/06/22 (水) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

青年団系劇団の舞台ににユニークな振付を提供していた木皮成が、この度は棟梁となり構築したパフォーマンス。
アゴラ劇場の通常のステージ側(入口の反対側)に客席を組み、建物の3階に当たる会場内ロフトには中央に出力機材があり、世界を統べる佇まいのDJが音を出し、人間界を操る垂直関係が視覚化される。
パフォーマンスのカテゴリーはDanceであり、出演陣は踊れる俳優が主軸。だが、物語進行の各場面は多様なアイデアが盛り込まれる。
全体的な印象は、場面の精度・雄弁さに凸凹がある(鮮やかな瞬間もあるが停滞と感じる部分もある)。ファウストのドラマツルギーと作り手の距離感をもっと知りたく思ったが、題材へのこだわり、情熱を信じるに足る内容ではあった。演出の造形欲求を満たし、俳優の身体を解放する「場」としてのファウストなのか(間借り)、譬えて言うなら永住を前提のレジデンスで取り組む過程に俳優が参与するという関係か。テキスト重視のタイプ(後者)と見えたので、分からなさも含めて受け止めようと言う気になったという訳である。次の一歩を気長に待ってみたい。

ネタバレBOX

余談であるが、客席から見上げる三階部分を演技エリアにした光景は、日暮里のd倉庫を思い出させた。この春になんと閉鎖されたという。
悪くない劇場だったが、どうにかならないのか。コロナ関連の補助はないのか。
現代劇作家シリーズ、ダンスフェス、俳小の舞台、アンサンブルもあった。・・特に俳小の「群盗」はこの劇場が生んだ秀でた舞台だった。
私、のはなし

私、のはなし

まばゆいみちで

オメガ東京(東京都)

2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

綺麗な女性ではあるけれど、決して要領が良いとは言えない「私」
そんな「私」多田唯似、現在22歳の人生をダイジェストで観てきたかの様で中々に濃ゆく見応えある内容。
(表層しか見えていなければ)自分が彼女と接点があったとしても「全然恵まれている方だと思うし、そこまで悩まなくても良いんじゃない。もっと大変な人は大勢いるし」とか言ってる自分の姿が容易に想像できたりして思わず寒くなってくる。
ちゃんと励ましているつもりで
う~ん、やめてくれ寒いから。
そもそも冒頭の「綺麗な女性ではあるけれど」のくだりからなんかもういただけない。

じゃあ、今回のこの様なカタチで「私、のはなし」を聞いたうえで、彼女にどんな声掛けが出来るのか、その言葉が簡単に出てこない。
更には観終わった今、戸惑っている。
それは理解できないからではなく、逆に何を観て何を感じたかをハッキリ自覚したうえで戸惑ってしまっている。
こんな気持ちにさせてしまうのが狙い通りなのだとしたら、恐るべし…な旗揚げ公演

ネタバレBOX

兄との事は表に出る事もなく、かといって簡単に忘れられるはずもなく・・・

葬式シーンでは、まず遺影が目に入って、てっきり友人の輪湖奏くんが亡くなったのだと最初思ってしまった(これは一人何役なので仕方ないのか)
しかし何故先生が死ななければならなかったのか、いまひとつ良く分からない(あえてだろうけれど)

それ以外にもパパ活とか、結構ハードな出来事が何気に通り過ぎて行くのは、ある意味“リアル”ではあるけれど、どこか未消化な感覚が、
この未消化さが「私」の気持ちとリンクするものなのか

荒削りなようで繊細、何とも変わった感覚。
楽しそうに笑っている一面も見たかった。
今後の活動が、かなり楽しみ、期待の伸びしろ★4で
きゃんと、すたんどみー、なう。

きゃんと、すたんどみー、なう。

やしゃご

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

開場時から舞台上には役者さんが配され
軽~トークなどもしておりまして
早めの入場をと勧めますね~♪

重たい話と
生きるのが辛そうな方々が多いかなぁーと思える話でしたが
笑いも多めに取り込まれてて
バランスが良かったかしら~と感じた2時間超える作品
=開場時からを入れると2時間半だねぇ

終演から5分後にスタートした
アフタートークはゲスト:松本哲也さん(小松台東 主宰)でして
作・演出:伊藤毅氏が司会(風)の
ふたりトークが25分程でした=割とグダグダ感(失礼)な
トークタイムでした=満席でしたがアフターには8割ほどの方々が残ってましたわ
初演とか他作とか本書きとかのネタバレ的な話は
割と面白く聞けました~♪

ネタバレBOX

関東圏郊外。三人姉妹が住む一軒家。
舞台セットは10畳の和室=居間を中心に奥に縁側~庭~勝手口が配されてます
長女は、知的障がい者である。=作中では話の進行で半ばまではわからないデス
親はもう亡く、主に三女が家を仕切っている。=というのも
何となくでしか作中は伝わってこなかったー
次女が結婚し、夫と建てた新居への引っ越し日。=とも最初は
よくわかんなかったー
引っ越し業者とともに作業をするつもりの姉妹たち・・・・。
であったが何かゴタついてるらしく業者の男女が
舞台奥の縁側で2時間以上待たされてて。
居間の手前のトコには姉妹を手伝うつもりで来た漫画家さんが寝て待ってる状態。
開場時の設定ですねー
ゼロアワーで諸注意アナウンスが入って
そのまま段々と客席照明が暗くなって舞台スタートです!

いろいろと詰め込まれた設定が徐々に開示されて
生き辛そうな登場人物たちが
それでも生きてく様子を覗き見るような芝居でありました

後半に出てくる次女の夫の研究室助手さんが説明する
生命は最初に口と肛門ができる管状態でー
食べて排泄するのが基本と言うのが
なんか作者の言いたいコトかなぁ~とか思えたデスよ
いろいろと考えさせられた舞台でした

ちなみに長女の結婚相手も施設で出会った知的障害な男性で
役者さん演技上手やわぁと思ったデス
とりあえず説得されて直ぐに結婚とかは無しにというので
次女の夫くんが彼の自宅に送る最中に
車道に飛び出して車に跳ねられたという連絡を次女が受け
次に鳴った電話を取れずに問題を先延ばしにする間は巧かったー
彼氏の生死は・・とオープンエンドで結末は観客の想像に任せて
舞台上では長女の結婚に姉妹が賛成して
次女が喜ぶ長女に綺麗に化粧をしてあげるシーンで終演です
暗転も無しでアナウンスでの終演でしたが・・
いろいろと続いてゆくのがあるんだろうなーと思わせての話ですよねー
う~む姉妹側だけでこの長文

引っ越し業者側も いろいろあるんだが・・・

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