最新の観てきた!クチコミ一覧

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プラズマ再臨

プラズマ再臨

無名劇団

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

過去拝見したが、かなり内容が変わっていたので、新鮮だった。直近で二人コロナになり、直前で1/3を変更したらしいけど、上手くまとまっていました。流石島原さん。このまま、千秋楽まで頑張って欲しい‼️

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

フジテレビジョン/アークスインターナショナル/サンライズプロモーション東京

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2022/08/15 (月) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大人気アニメ映画のミュージカル。映画未見で少し不安もあったが、十分楽しめる内容。というか、キャストさんの歌唱レベルの高さに大満足でした。夏休み期間で内容的にもお子さんにも、とてもお薦めですね。観劇後にキャストさんを色々調べてしまう位、魅力的なキャストさんが多かったです。

ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ

ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ

パルコ・プロデュース

東京国際フォーラム ホールA(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

13、000円のS席(15列目上手側ブロック)で鑑賞。
途中休憩20分を含めて2時間半のステージだが、はっきり言って始まって30分程度でもうがっかり。
既存のフィルム・コンサートとは一線を画すとの触れ込みだったが、80名超のフルオーケストラと60名の合唱団による演奏も、最近の音響効果が進歩した映画館と比較すればそれほどの迫力は感じないし、12名のダンサーにしても、ダンス・テクニックの点でも(さらにカメラワークの効果も加味すれば)どうしてもスクリーンで上映されている映画本編の方に目がいってしまう。売り物のひとつだった花火にしても2つのシーンでステージ両脇で3m程度の高さの火花があがるだけで、それほどスゴイとも感じない。

これで13,000円とは何たるぼったくり!

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 先ずは、虚心坦懐に見るベシ!

ネタバレBOX

 板上はその前後中央を下手から上手まで通る平台。この平台の中央から迫り出した一段低いほぼ矩形の平台を手前に置きここから中央の平台の奥に重ねてそのセンターに一段、幅の狭い平台を置く。最上段の高所を左右から挟むように鳥居のような木製構造物。各々の柱の内側には黒幕、ホリゾントは紗のような薄い幕で覆われており、この紗幕がスクリーンとして用いられる。基本的に中央平台の奥、上手・下手が生演奏者のスペースであるが、楽器を持って移動しながらの演奏や弾き語りもあり、これらの演奏の素晴らしさ、映像の用い方の上手さは一度体験しておきたい。殊に生演奏では、和太鼓、小鼓、鉦、篠笛、津軽三味線、ヴァイオリン、洋式パーカッション、琴に似た形状だが自分には名称の分からない筝の一種であろう楽器(ギターのように斜め横に抱えて演奏)等々を奏する演奏者陣。尚、出捌けは上手・下手各2カ所、都合4カ所。
 全体として、若い主人公(達)を歌舞伎俳優、ベテランが上手に盛り立て、若手の役者は、内側に力の籠った演技で奮闘している。この辺りのキャスティング・演出もグー。法然役は歌舞伎役者の市村家橘さんが演ずるが、流石の品を感じさせる。
 物語は、オープニングで法然や慈円(親鸞の剃髪をした後の天台座主)、親鸞の生きた時代背景を活写する所から始まるが、この際、平家物語の冒頭が筝の弾き語りで演じられ、この場面では身の顫えを覚えた。また、この場面では同時に平家の落人武者、山賊や、叡山に居るものの経も読めない僧、常に収奪の対象となる貧しい民、今は体を開くしかなくなった元白拍子等々が現れて、末法の世界を視覚化している。
 親鸞は9歳で慈円の下に赴き剃髪したが、この時詠んだ歌を聴いて慈円がこの子は病んでいる。(無論、心を。現代流に言えば深いトラウマを抱えていた)ことを見抜くのは流石である。法然と慈円との関係も天台絡みであり、無論親鸞も慈円を経由し延暦寺で29歳迄修行して後下山することになった訳だが、この三者の因縁も無論仏縁と解釈することができよう。これらエリート僧たちと対比されて京の都の荒れ果てた様が挿入されたり、里での民衆の苦労や盗賊・山賊らの危険が対比されつつ描かれていることで、作品はいやが上にも厚みを持つ。この間親鸞は、殺生を禁じる仏法の為肉や魚も食えず、戒律の為女人を禁じられる兄弟子、同輩らと厳しい修行に耐えながらも煩悩の頸城から逃れ得ぬ己を責め苛む。この聡明極まるが故に理知的に煩悩を越えようとする方法に根本的な疑義を抱いたのが法然と親鸞であったということであろう。そして慈円には彼らを理解し赦す度量があった。無論、親鸞の兄弟子や同輩にも親鸞同様の悩みを抱える者達があった訳だが、この結末は終盤で表現される。
 ところで親鸞自身は、どうしても理論で煩悩を脱することが出来なかった。解脱の切っ掛けは、女人禁制の延暦寺に命の危険も顧みずやってきた女人に対峙した際、彼女が女性であることで無意識に不浄の者と下げすんだことであった。彼女は問い掛けた。「お母さまはいらっしゃいますか?」 と。最終的な答えは無論‟母から生まれた“である。女性は更に問うた。「お母さまは女性です、女性が不浄ならば、あなたは不浄から生まれたのですか?」と。親鸞は答えられなかった。これが親鸞が覚醒する切っ掛けとなった事件である。後は観てのお楽しみだが、今作、史実に基づいて書かれているという。随所に現れる仮借ない人の世の有様は、史実の持つリアリティーであることを肝に銘じたい。
夢・桃中軒牛右衛門の【8月16日~17日公演中止】

夢・桃中軒牛右衛門の【8月16日~17日公演中止】

流山児★事務所

小劇場B1(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

新劇合同プロジェクト「美しきものの伝説」に続く宮本研戯曲の観劇。こちらは対話に妙味少なく、出来事をなぞっていくようなつくり。最後の中国人学生(毛沢東)との会話が一番面白かった。とはいえ、これも宮崎滔天が学生の中国革命への考えを聞く、という形で、対話としてのぶつかりや発展はない。

もう一つの見どころは浪曲の師匠、桃中軒の病床での妻への愛と後悔を語る場面。これは、死んだ妻も三味線を持って再度現れる。師匠役の名演技だった。

歌を派手に使った場面で盛り上げるのが、長い展開の芝居を飽きさせないで見られた。「草枕」の那美モデルが、宮崎滔天妻の姉で、主要人物の一人として男まさりのキップの良さを振りまく。那美役の女優も、啖呵を切った威勢のいい演技で舞台を引っ張った。

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

conSept

ザ・ポケット(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

孤独な魂の切ない触れ合いを描く。前半は小島聖の、恥隠しを秘めたハイテンションに引っ張られ、後半は平田満のいぶし銀の優しさに心動かされた。後味のいい芝居だった。

ロンドンの地下鉄駅で女(小島聖)が、ベンチの初老の男(平田満)に突然話しかける。しかも首筋にキスして。とにかく喋り続ける女と訝しむ男。女は男の店(肉屋)探し当ててデートに誘い出し、レストランではセックスを持ちかける。事後、「たまってたの?」という女に。「いや。おれはマスターベーションの達人だから」といなす男。そして女は、男にある要件を持ち出す。最初から狙いはそれだった。女には別れた恋人との間に19歳?の一人息子がいて、家を出て今米ニュージャージー州にいる。男は芽吹いた恋心が砕けるのを感じつつ、男の思いがけない提案が女の心を開く。

セットは簡素ながらも、ベンチやベッド、肉屋のカウンターなどを用いて、場面のリアリティを助ける。俳優が舞台奥で着替えるのも悪くない。

男のセリフ「個性や人格なんてものはない。人は自分のしてきたことの集まりにすぎない」「人は自分が何かを気にしすぎだ。何をするかを考えたほうがいい」が、人生論として広がりがある。思わずメモしたいいセリフだった。平野啓一郎の分人主義にも通じる。

りょうと上條恒彦のAパートを見る予定だったが、コロナでまさかの全部中止。急遽、当日券でBパートを見た。客席が6割の入りだったのは勿体なかった。

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

フジテレビジョン/アークスインターナショナル/サンライズプロモーション東京

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2022/08/15 (月) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

夏休みということもあって、一種のファミリーミュージカルになってしまうのかとやや不安だったが、
何というレベルの高さ!誰が歌っても聞き応えあり!これだけでも充分価値あり!
かれこれ20年ほど前に観た映画のキャラクターが次々に頭の中に浮かんできた!
まるで彼らが生身のカラダになったようなそんな気さえしてくるほどの楽しさだった。
セットがやや閉鎖的なのが気にはなったが、出演者の演技・歌がそんなものをぶっ飛ばす勢いだったので、
暫くぶりの観劇、大満足であった!!

観るお化け屋敷「カーテン」

観るお化け屋敷「カーテン」

下北沢企画

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ厳禁の作品なのでさらっと感想を。
入口から入るときはちゃんと周りを見たほうがいいです。
私は速足で通り過ぎてしまったので色々と見過ごしてしまったようで後悔しています( ノД`)
上演時間が1時間10分と会ったのですが実際は45分位だったのでまだ終わりではないだろうと皆さん暫く座っていました。

ネタバレBOX

本編より劇場内に入るほうが1人で見に来たのでドキドキしてしまいました。
お化け屋敷のような雰囲気だったのでなるべく前の方が見えるように速足で歩いてしまったのでちゃんと仕掛けを見れてなくて残念。
ストーリーはスプラッターホラー系ですね。内臓とか苦手な人にはちょっとかな。
客席や通路に仕掛けがあるんだろうなぁと思っていたのですがそれほどなくてちょっと残念。
もう少し脅かしてくれても良かったかなぁ。
鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

アトリエ・ダンカン

吉祥寺シアター(東京都)

2009/05/15 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

ある俳優の出演履歴を眺めていて目に止まった「アトリエ・ダンカン」、最近全く耳にしなくなった名前が懐かしく、唯一観たダンカン・プロデュースのこの芝居の事を思い出した。(この時期はこりっちなど全然知らなかったな..。)

出演していた芦名星が亡くなった時期もつい調べたが・・もっと前かと思ったら三浦春馬の直後、コロナ期に自死した一人であった。
芝居の方は、映画が良かったので(脚本・演出が鄭義信という事もあって)当時の自分には高いチケット代を払って吉祥寺シアターで観た。
超常現象を扱うのに適した映画の方にはっきり軍配。この出来の「差」が、出演者の芸能人としての「売れ方」の差と重なって見え、同情と反発を感じてしまった舞台鑑賞でもあった。映像出演の機会が頭打ちなタレントが、舞台に流れるパターンであったとすれば、仕事に熱も入らぬだろうし観る者にとっても甚だ迷惑な話・・という反発と、見た目だけのタレントが売る芸もなく殻も破れず困惑する姿への同情。当時はそんな想像しかできない自分だった、て事かも知れぬなぁと思わないでもなかったが、しかし主演だった女優の死の報を(十余年を経て)耳にした瞬間、当時この舞台から思い描いた殺伐とした芸能界の風景が、蘇って来た。
この「痛かった」舞台の風景は、芸能界に足を突っ込んだ一人の人生の断面として焼き付いた。ドキュメントである。それほどに、彼女は役ではなく本人の気分を発散していたように映った(不満の原因を探った記憶ははっきりとある。ただ純粋に演技上の混迷であった可能性も今は考えなくはないが)。演技者としての現在地から「あんな時代もあった」と振り返る道もあったのに・・とは、他人の無責任な願望であって、事実を飲み込むしかない。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
親鸞の半生を力強く描いた物語。親鸞の生い立ち、修行や煩悩はもちろん、当時の時代(社会)状況を描くことで「人間・親鸞」が見事に立ち上がってくる。脚本の深みと広がりは十分堪能できるが、音響・音楽や照明効果といった舞台技術によって一層 印象に残る作品に仕上がっている。特に和琴演奏の高谷秀司氏、音楽 竜馬四重奏の竜馬 氏(ヴァイオリン)/仁 氏(鼓)の生演奏は、舞台に臨場感をもたらす”力”があった。

物語は約800年前。当時の疲弊と混乱した時代背景は、現在のコロナ禍の閉塞と混沌とした世相に重なると。敢えて そう描いているようだが、親鸞の人間らしく生きる、人々に寄り添った生き方は、現代人にも通じるのでは…。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

まったく新しい‼︎宇宙創造論

まったく新しい‼︎宇宙創造論

演劇ユニットG.com

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

G.comの舞台を観るのは5年前の『雨季』以来。レムの「新しい宇宙創造説」をモチーフにしてるというから難解なのかと思いきや、いやー、面白かったなあ。あのスペースを縦横無尽に使った芝居で、充分に楽しませてもらった。

今は昔、栄養映画館

今は昔、栄養映画館

みやのりのかい

OFF OFFシアター(東京都)

2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

すごい舞台でした。

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『帰還不能点』
初演からの二度目。今回は浅井伸治氏が演った役を照井健仁氏が演っている。
近衛文麿と松岡洋右が強烈に焼き付く。
泥沼の支那事変(日中戦争)の収め方が日本の命運を決めた。
良い役者が勢揃い。岡本篤氏と黒沢あすかさんはぐっと泣かせる。

ネタバレBOX

「みんなを救えないことが貴女一人を救わない理由にはならない!」
この一言が全て。

アフターアクトとして、西尾友樹氏と岡本篤氏の一人芝居が付いてきた。
西尾氏作品は山崎を追悼する飲み会に誘われたものの、どうしてもその山崎を思い出せず悶々とする不可思議なコメディ。一体どう受け止めていいものか観客も苦笑い。
岡本氏作品はモロ師岡調の泥酔おっさんモノ。これがやたら上手い。敗戦2年後、岡田と山崎が久方振りに飲む様子。
まったく新しい‼︎宇宙創造論

まったく新しい‼︎宇宙創造論

演劇ユニットG.com

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明は、少し「難解さ」を思わせていたが心配無用。しっかり楽しませてくれる。お薦め。
物語は虚構に次ぐ虚構の世界、展開していく どの場面が現実なのか想像する楽しみ。その観(魅)せる面白さが半端なく凄い!虚構という足元が覚束ない不安、それを逆手にとって不安定もしくは不明確な世界に我々は生きていることを思わせる。壮大な宇宙、解明しきれていない諸々を創造する、そこに舞台化する面白さがある。一方、現実は目に見えないコロナ…得体の知れない疫病と戦っている不安な日々、それでも逞しく生きていく。そんな状況下、演劇という虚構の世界で面白可笑しく楽しませ、勇気づけてくれる佳作。

公演は「演劇ユニットG. comがコロナ禍の演劇を模索するためにスタートしたアトリエ第Q藝術3部作・完結編」と銘打っており、第1部・第2部のダイジェストを(映像で)観せ物語に広がりを持たせる。舞台は稽古から上演する迄、スタッフ・キャスト、そして観客まで すべて人と関わる。内容は、虚構等という人との関係を希薄に描きつつ、舞台そのものは濃密に描いている。勿論、コロナ感染予防対策として、例えば第2部「神様はつらい。」では舞台と客席の間にアクリル板で仕切るといった配慮をしている。色々な意味で劇作の試みがされた公演だと思う。第1部「虚数」を観ていないのが悔やまれる。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央にテーブルと椅子、正面壁にはゲーム モニターを思わせるスクリーンがある。上手には演台があり、説明にあるノーベル賞授賞式のスピーチから物語は始まる。これから展開する物語(場面)のプロットや難しい理論の説明をスクリーンに映し出す。舞台セット(会場 構造を活かした)の工夫は、随所で見られるが、それは実際 劇場で観てほしい。

人物は、私、妻、娘、息子という一人称、他にプログラマー、デバッガー、アバターという三人称のような存在が登場する。物語は、今から数年後、ストックホルムで開かれているノーベル賞受賞式の壇上で、ノーベル賞を受賞した私(大学教授)のスピーチから始まる。受賞した研究は『宇宙ゲーム理論』。そして、このゲーム=宇宙を作ったのは誰なのか?という問いについて、私はある真実を皆様にお話ししたいと…。私のスピーチが終わると、一転、家庭団欒のような光景。息子は後ろ向きで顔は分からない。アップテンポな描き方、現実か虚構か判然としない世界を作っているのは自分だ と思っている人々。果たして、操り操られているのは、その主導権を握っているのは…。

スタニスワフ・レムの「新しい宇宙創造説」をヒントに劇作しているらしいが、原作にはそもそもストーリーは一切なく、架空の書物 の 架空の執筆者 が取った 架空のスピーチ が延々書き連ねた超難読本らしい。それを舞台化し観客に分かり易く、しかも面白く観せる。それは観客の脳内を刺激し続けること。現実の世界ではなく、かと言って現実から離れ過ぎた荒唐無稽でもない。随所に高度な理論や哲学的な台詞が散りばめられており、現実と虚構の程良い距離感が知的好奇心をくすぐる。物語は私の「宇宙ゲーム理論」をベースに、そのバーチャル世界へアクセスしたり逆に手玉にとられたりといった創造ならぬ騒動が繰り広げられる。まさしく目まぐるしい変化--七転八倒の人間賛歌SF劇だ。

思わぬ所からプログラマーやデバッガーが現れ驚かされる。また庭を使った場面をスクリーンに映し出すといった、中継光景が闇に照らされた照明で幻想的に見える。もちろん、壁(扉)を開けるため 実際の光景(演技)を観ることも出来る。ゲーム プログラミング言語・数式等を映し出し、仮想空間へ誘う巧さ。プログラミング・書き換え・上書きを思わせる描き方。「仮説」ゆえに「理論」として認められなかった私とその家族の物語は、観応え十分。
次回公演も楽しみにしております。
ひとつオノレのツルハシで

ひとつオノレのツルハシで

MyrtleArts

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

漱石と妻の夫婦喧嘩の最中に、突然転がり込んできたボロだらけの浮浪者風の青年。青年がエキセントリックに漱石の「坑夫」に食いつき、「他人の話ででっち上げただけ、己を掘れ」とツルハシを置いていく(らしい。少しうとうとしたので不正確)。

4年後、彼岸過迄を書いている漱石のもとに、再び青年がやってくる。「己を掘ってきた」という漱石に、青年は「狭苦しい話」「妻の本心とか、友だちとの仲違いとかどうでもいい」と、もっと深くて広い話を書けと批判する。青年は田中正造を尊敬し、この4年、行動を共にしてきたという。「谷中村には紫の炎がある、文学がある」。その正造が死んだと、臨終の言葉「鉱毒問題の本質からすれば、(正造の臨終の席に人々が集まった)ここもまた敵地」を繰り返し、その言葉に受けた衝撃を広げる…。

身の入らない支援者たち、言葉だけの同情者への「ここもまた敵地」の正造の言葉の刃を、漱石に突きつける作劇のポイント。青年が幻視する「紫の炎」に、たった一人でも自分の道を突き進む生き方、情熱、真実の人間の心を託す。

言葉は理屈っぽくて、核心になかなか触れずに仄めかしが多い。その分、消化しにくいが、要は書斎対現場、文学対行動の対立ということになる。1時間35分

ネタバレBOX

漱石の書くものが所詮狭い書斎の高等遊民の話という批判はその通り。日本は「亡びるね」の文明批評は影を潜めてしまう。でも「こころ」が、明治の己を殺し、御一新に胸膨らませた己を葬る覚悟の文学という見方は、一つの見方ではあある。

最後に妻が青年を突き放し、田中正造の跡を継げと激励するのは、シニカルなひねりがあった。普段なにかと夫に蔑まれて鬱屈しているせいだろう、いざとなれば女は強い。
あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

再演とは知らずに観劇。途中で、記憶が走馬灯のように回りながらの観劇。これはこれで、とても勉強になった。キャストや内容も若干(背景は前の方が良いかも)変わっていたので、変化を感じながら観劇できた。個人的には前回の方が良いと感じたが、また見てみたくなる作品でした❗

観るお化け屋敷「カーテン」

観るお化け屋敷「カーテン」

下北沢企画

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

色々と面白い仕掛けがあり驚きました。
ネタバレなしで観た方がいいと思うので
観るおばけ屋敷を堪能してください。

普段よく行くスズナリが
あんな風になっているとはおもろ…!

やはり大きな音はビクッてなりますね。
前のお客さんも大きな音でビクッとなってました。

ネタバレBOX

空中浮遊がとても綺麗でした。

もう1人くらい客席のど真ん中に
隠し込んでおいて絶叫させたりして欲しかったが
コロナ禍では無理かぁ〜。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

素晴らしい作品。自分的にこういう方向性の作品は全面的に支持。地獄の末法の乱世、シリアスに煩悩と戦って超越者にならんとする若き僧達。鎌倉時代、1201年の比叡山延暦寺(滋賀県)が舞台。親鸞役の柿本光太郎氏が秀逸。彼の表情一つ一つがリアルな空気感を伝えてくれる。
ずっと生演奏を続ける「竜馬四重奏」の二人、ヴァイオリンの竜馬氏と鼓(他和楽器)の仁氏。要所要所で和琴(わごん)を演奏し浪曲調にうなる高谷秀司(たかたにひでし)氏。細かい工夫が効いていて飽きさせない。子役の男女二人が可愛らしかった。吉良藍流(きらあいる)さんと坂元明登君。こういう真剣に仏教と向き合った作品を今後も期待。

「南無阿弥陀仏」(阿弥陀仏に帰依します)を唱えたのは空也とされていて、法然、親鸞と続いていく。『仏説無量寿経』に説かれた法蔵菩薩の誓願、「全ての衆生(生物)の救済が叶うまで私は如来にはなりません」。而して法蔵菩薩はすでに阿弥陀如来となられている。このことから法蔵菩薩の誓願は叶っており、この世の生きとし生ける全てのものは救済されることがすでに約束されている。これが浄土宗、浄土真宗の教義の中核。

ネタバレBOX

舞台は下山までだが、もう少し教義を語って欲しくもあった。

自分が浄土真宗に興味を抱いたのは、「日本のヘレン・ケラー」こと中村久子さんの話。「お念仏なさいませ。一切は阿弥陀様にお任せすることです。」との言葉に衝撃を受けた彼女、「煮えたぎっていた坩堝は坩堝のまま坩堝でなくなりました。」との境地に至る。あるがままの自分の許容。そのままの自分自身と向き合う為の念仏。「私を救ったのは、両手両足のない私自身の体であった。」とまで綴った。
遡行の記憶にて

遡行の記憶にて

カスタムプロジェクト

コール田無 多目的ホール(東京都)

2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

結構難問でした!
引っ掛かる台詞やシーンがかなりあったのですが、全然結び付かなかったです。
でも、楽しかったです!

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