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ナイゲン(R04年新宿版)

ナイゲン(R04年新宿版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

見てきました、評判の「ナイゲン」。
こりゃあ確かに面白いや。

理詰めなのではなく、感情や人間関係が評決に影響を与える点は「12人の優しい日本人」にも通じるような。
いつか冨坂さんや池田さんが演出で、高校生が演じるこの作品を見てみたいです。

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

占子の兎

阿佐ヶ谷ワークショップ(東京都)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/20 (土) 19:00

 途中休憩を挟みながら、3つの演目を観て、聞いたが、今回の座布団劇場という団体は、いわゆる演劇でもなく、かといって、朗読劇、または寄席といったふうにはっきりとジャンル分けすることができない、演劇や朗読劇、寄席というか落語の良い部分巧みに取り入れた、新しい劇の在り方を観て、聞いて、新鮮で、感慨深かった。
 
 最初の演目「老婆の休日」では、どう見ても元気そうで、何も病院に来なくても良い婆さんと、爺さんが、病院の待合室で会話することで話が始まるが、何か身体の具合が悪くて病院に来ているというよりかは、待合室で話し相手を見つけて、世間話をするために、病院通いをするという、本末転倒なあり方に、高齢化社会への皮肉とユーモアたっぷりで憎めない登場人物たちに共感し、大いに笑えた。
 「茶漬けえんま」では、閻魔が茶漬けを食べ、洋風でモダンにスーツを着こなしていたり、閻魔もコンプライアンスを考えなければいけなかったり、あの世で閻魔と釈迦とキリストという違う宗教が同居して、仲良くしていたり、天国と地獄にそんなにはっきりとした差がなかったりと、憎いぐらいに皮肉と現代社会への批判がユニークに、ハイスピードに展開されていて大変面白かった。
 また終盤での、釈迦とキリストとの聖人であるはずの2人にあるまじき、浅ましく卑しく、醜い、まるで人間か、それ以下の醜態を晒し、本性丸だしの俗っぽさが、観ていて大変滑稽で、気付くと、大笑いしていた。
 最後に、リクエスト企画というものを演った。お客さんの拍手の多さで作品を選ぶという発想自体が、ありそうでない試みだと思い、大変面白かった。
 作品は「幽霊蕎麦」だったが、幽霊になっても女房に言いくるめられてしまう、気が弱く、小心者の旦那と、堂々としていて、図々しく、浪費癖が激しい女房と、蕎麦屋の客との、それぞれの噛みそうで、噛み合わず、ずれたやり取りが可笑しく、最後の女房の一言に、なんだかんだ言っても、世の中図太く生き抜くことが出来るのは女性なんだなぁと感心してしまっていた。
    

頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

こまつ座は近年かなり観ているけど、本作は初めて
4月の「貧乏物語」に続き登場人物は女性6人
貫地谷しほりの生舞台を初めて観られた
6年余前の舞台で気に入って以来時々観ている瀬戸さおりも出ていた
世間体、家名・・・、時代の束縛と苦闘する女性たち
幽霊の花蛍(若村)が笑いを誘い、八重(熊谷)の変化は目を見張り、ひとり逆行する多喜(増子)も特徴が良く出ていた
鑛(香寿)は得意の歌を披露
最後の邦子(瀬戸)が後ろ向きにタンスを背負って消えていくシーンはとても印象的だった
ただ、「演劇」というよりは「芝居」の要素が強い舞台だったように思う

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「追憶のアリラン」
この数年欠かさず観ているけど、劇チョコは裏切らない
観ていなかった7年前の舞台の再演だが、今回も心を鷲掴みにされた
キャスティングも的確で、どのキャストも素晴らしい
最前列ど真ん中のおかげで表情も良く見えた
佐藤誓も検事豊川の実直さを余すところなく表現していたが、大内厚雄演じる理知的、怜悧な人民委員会の幹部金が最後にヴォルテージを上げていくところは迫力あった
元農夫崔役の自分より唯一歳上の辻親八は声優らしいハリのある声で場内を圧倒していた
豊川夫妻(月影瞳)の高知でのやり取りはなんとも微笑ましかった
すべてが含蓄あるものだったが、最後の方の金と抗日ゲリラ出身の李(林明寛)との迫真のやり取りは白眉だった

ひとつオノレのツルハシで

ひとつオノレのツルハシで

MyrtleArts

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

主催はMyrtleArtsマートルアーツだが出演 3名と演目はドレンブルシアターそのもの。元新宿梁山泊の僚友3名による「アンネ・フランク」が昨夏漸く実現したMyrtleArtsは未だ正体知れずだが(それでも応援したくはなっている)、ドレンブルの近藤結宥花と土屋良太、川口龍3名の奇縁の方がマートルとの縁以上に謎で気になる。
ドレンブルの旗揚げは確か土屋氏の元パートナーが新人戯曲賞の審査で推していたくるみざわしんの最終候補作という事もあって想像を逞しくする羽目になったが、舞台は実直に(芝居は狂気混じりだったが)作られていた。同ユニットの活動が続いている事は素直に嬉しい。
さて作品。くるみざわしん氏である。小編を目にして(主に戯曲で)抱いていたイメージを良い意味で裏切り、躍動感ある戯曲。面白い。加えて今回の演出は鈴木裕美、実はそれ程その仕事を見ていないが、不可思議な現象を起こしたり、細やかな技術的なワークで架空の歴史上のドラマを象徴的で幻想的な場面を挿入したり、作品に適った演出と言えた。力の籠った三人芝居、芝居はある意味ギャンブルであるが今回は自分の幸運を噛みしめた。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

仏教に、いろいろ宗派があるのは知っていましたが、さわり程度ですが、知れて良かったです!

観るお化け屋敷「カーテン」

観るお化け屋敷「カーテン」

下北沢企画

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

魔と怨の伝説

魔と怨の伝説

劇団1980

シアターX(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「何かつまらなそうだな」と内心思っていたのだが、いざ観てみれば大当たり。気の狂った脚本にゾクゾク。これが映画だったらカルト扱いで大井武蔵野館辺りで延々特集上映されていたことだろう。橋本忍監督作品に通ずる魅力。ただ、一般的には訳の分からぬ超論理に敬遠する方が多いことも確か。

東大卒の息子の農林省への就職が決まり、可愛い婚約者をお披露目するホーム・パーティー。一家の幸福の絶頂の時にそれは起こった。真面目一徹の会社役員の父がパーティー後に息子を滅多刺しにして殺した。止めに入る妻も大怪我。逮捕勾留された父の裁判が始まる。仏頂面で何も答えようとしない父。検事と弁護士の攻防。誰にも理解出来ない父の動機。

後方のスクリーンに映し出される映画のスチールのようなスライド写真。非常に解り易い演出。裁判所から話は始まるが、段々と異世界に迷い込んでいく『羅生門』のようなスタイル。

ずっと仏頂面の父親、神原弘之氏が素晴らしい。全く内面が掴めない。
弁護人、青木和宣氏も自然な語り口で巧い。
証人として呼ばれた刑事、木之村達也氏はずっとニコニコ笑っている。この役作りは怖ろしい。
検事補の角島(かどしま)美緒さんは北川景子や葉月里緒奈系の迫力ある美人。
息子の恋人、山丸莉菜さんはいつもながら可愛かった。彼女が出ているだけで作品の生命力が変わる。
巫女の上野裕子さんも強烈。いつの時代の話なのか?

ネタバレBOX

裁判が進んでいくと、殺された息子が証人として現れる。父が完璧に用意した英才教育、何も選択出来ず鬱屈を抱えたまま素敵な家族を演じ続けたこと。
父は捨て子で東北の養護施設を点々とし、ある家族に養子に貰われた。どうにか勉学に励むことで苦境を脱し、一流企業に就職、妻と子を持つ。だが本当の父親を知らない自分には真似事の父親しか出来ないというコンプレックス。

そして時空は遡り、父の産まれた本州最北端の部落。その地は激しい潮流の為、漁業も出来ず、たまに流れ着く難破した船の積荷が生活の糧であった。その年は難破船もなく、食糧難の為、子供を産むことが禁止される。而して産まれた赤ん坊は殺すに殺せず養護施設に捨てられる。

裁判所に会いに来た実の父親を殺そうとする主人公。「俺が本当に殺したかったのは“父親”だったのだ」と。そこに祈りのような歌が流れる。今や廃村となった生まれ故郷の部落で母親達が歌っている。(ここの歌詞がはっきり聴き取れないのが残念)。呆然とする主人公。降り続ける雪。

いろいろと解釈は可能だが、もう少しラストを上手く纏め上げたらとんでもない傑作になり得た筈。息子を殺さなくてはいけなかった理由が観客にも共有できたなら。

冒頭から襤褸を纏った異形の者達がそれぞれ原始的な道具を使って効果音を鳴らし続ける。この演出が禍々しくて蠱惑的。
at Home

at Home

コントユニット「サバ缶」

天満天六・音太小屋(大阪府)

2022/08/20 (土) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

はじめて拝見。コント演劇?大阪人としては…かも。ある男性出演者を目当てに来てた女性が多いように…。お米がもらえたのにはびっくり👀。次回に期待したい。

『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/21 (日) 13:00

切り出したい美しいシーンの連続で感動した。
セリフの言葉遊びも面白かった。
気が付くと六川さんを目で追っていた。

ナイゲン(R04年新宿版)

ナイゲン(R04年新宿版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ナイゲン(R4年新宿版)…物語は やはり面白い!
冒頭は「理屈」で語られるが、だんだんと「感情」が先走ってしまう会議。議論は色々な方向に漂流し何処に辿り着くのか分からない。混迷している様子、それでいて会議全体の流れは分かり易いといった印象であるから不思議だ。
当初 印象が薄くあまりやる気が感じられなかった議長がその責務を果たそうと…その成長譚が逞しい。文化祭を取り仕切る内容限定会議〈ナイゲン〉は表層の面白さだけではなく、そこに潜む会議体や民主主義の問題を考えさせる。
物語の面白さは伝わるが、少し勿体ない点が…。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

セットは会議で見かけるロ字型。正面にグリーンボード、その上部に時計がある。上演時間とナイゲン討議時間(下校2時間前の時刻 16:20~18:30)に重ね合わせて臨場感を持たせる。客席はL字に設え、観客には会議の立会人のような緊迫感を持たせる。
内容限定会議(通称:ナイゲン)は、県立国府台高校 文化祭”鴻陵祭”における各参加団体の発表内容を審議する場である(文化祭規約)。規約が”自主自律”の精神に則っている。この規約が掲載された「内容限定会議資料」(劇中使用と同様)が観客にも配付される。すでに参加団体の催し内容も確認したところに、学校側から「節電エコプログラム」の催しを押し付けられて…。

発表内容に関する指摘、恋愛(痴情的)感情、上級学年優先や 何となくなど、意味不明の理由まで飛び出し議論は漂流し続ける。始めの理論武装された議論から感情優先のドタバタコメディへ…。いつの間にか文化祭全体会議からクラス代表の顔になっている。下校時刻が刻々と迫ってくる。そんな中、演劇の上演許可を得ていないクラスがあった。ナイゲンの議論は、如何にこのクラスが主体的にエコプログラムを受け入れるか、という話へすり替わっていく。自主自律の精神に沿わせようとするもの。
教室から出られないという密室状態、しかも会議時間が限られているという空間と時間の制約に緊張が生まれる。テンポ良く、また疾走するような会話劇は、立会人的な観客も固唾を呑んで見守っている感じ。会話劇だけに登場人物のキャラクターや立場などが観(魅)せられるか。個性豊かな登場人物を演じるキャストが変われば劇雰囲気も変わるだろう。内容の面白さは勿論、キャストによって違った印象になるから、何度観ても飽きることはない。

が、たまたま「R4年新宿版」は長谷川智也サンの代役として、演出の池田智哉さんが1年生・おばか屋敷役で出演している。圧倒的な存在感は、他のキャストと一線を画す。もう一人・どさまわり役の坂本七秋さんも良い。表面的には、はじけた演技だが、何となく こじんまり とした印象だ。全体として、キャストのバランスに違和感を覚えたのが残念なところ。高みに合わせた演技の調和がもう少しほしかった。

各クラスの発表内容の審議結果を多数決(民主主義的な)で決める。討議では自分の考えを訴えつつも相手の言い分も聞くという態度が大切。物事を決める熟議のプロセスを重視している。意見の一致も大切だが、一人ひとりが違った見方で世界を見ることで世界はまともな形で存在するかも。芝居ではこの役割を3年3組_どさまわり に担わせている。にも関らず、全体討議終了後の採決は全会一致の承認が必要であると…そうであれば議論の過程の多数決は何の意味があったのだろうか、という疑問が生じるところ。
会議後、花鳥風月(杉浦惇サン)が将来に向けて、皆がやりたがる「エコプログラム」を創作すると…。真に問題が解決した訳ではなく、会議内容の真価はこれから問われるのだと暗示している。実に深い余韻を残しており見事!
次回公演を楽しみにしております。
ナイゲン(R04年新宿版)

ナイゲン(R04年新宿版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

成程これが『ナイゲン』か。ワードとしては知っていて、よっぽど完成度の高い戯曲なのだろうと類推。到頭観る機会が来て興味津々。素直に面白かった。伏線回収を含めて見事に練られた脚本。何より演ってる役者陣が楽しそう。作者・冨坂友の母校、千葉県立国府台(こうのだい)高校に実際ある文化祭の内容限定会議、略称『ナイゲン』。自主自立を重んずる校風だった筈が段々と変容し失われていく流れ。冨坂は今作の「どさまわり」的キャラクターで闘争の日々を送ったようだ。

MVPは「監査」の大槻朋華さん。今作で観るのは3回目だがびっくりする程良かった。表情とリズム感、テンポがいい。
「議長」の河西凛氏。この人もいつ観ても良い。売れるんではないか。
「文化副」の兼行凛さん。『青春高校アイドル部』でアイドルをやっていただけに目立つ美人。
ヒールの「アイスクリースマス」の守谷周徒氏は若い時の布袋寅泰にやたら似ている。『INSTANT LOVE』の頃。
「どさまわり」の坂本七秋氏は活動家顔。この人の存在感が作品の肝。
演出の池田智哉氏が「おばか屋敷」で出演も兼ねた。この人のキャスティング・センスは絶妙で役者を見る目が本物。全ての出演者がその力量を発揮していた。
それだけに寺園七海さんと長谷川智也氏の降板が残念。本当はどうなっていたのか観たかった。

ネタバレBOX

高校が舞台なだけに一番盛り上がるネタがチャラ男の浮気と尿意。ちょっと笑いの方向性に余りのれなかった。横暴な権力介入と対峙する姿勢を求める「どさまわり」。本来ならその流れで皆が一つになるのが定番なのだが、今作は新しくそしてリアル。“そんなことも同様に下らない”と学校側の要求を茶化して乗り切ってしまう。その終盤の痛快感が今作の人気なのだろう。
座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

占子の兎

阿佐ヶ谷ワークショップ(東京都)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今回は初めに「老婆の休日」、次に「茶漬けえんま」、トリは以下の三作から、観客の拍手によって選ばれた作品。⓵「幽霊蕎麦」②「猫」③「幽霊の辻」今回は⓵が最も多くの拍手が在った為、選ばれた。

ネタバレBOX


以下、開題と参ろう。「老婆の休日」
 連れ合いを失くして長く、健康な老婆の愉しみは、病院の待合に来て、常連の年寄り仲間とよしなしごとを話すこと。あれやこれやの話の合間に悪戯心を起こして話し相手をからかったりするのも楽しみな茶目っ気のあるおばあちゃまであるが、曾孫が居て、何時頃迄生きるのか? と質問されたりもする。無論、勘ぐって年寄り仲間にこの話をするのであるが、曾孫は瑞々しくて可愛いことに変わりはない。今日の愉しみは若先生に診て貰えることだ。米寿にもなると、若い男性が体に触れてくれることなど、こんな時を除けば無いのだから、等々の可愛い艶話も仕込んであると同時に、認知症問題をさりげなく仕込んであったり、老いのメカニズムに活性酸素が関わっていることなどの実際の医学的知識等も溶け込ませた脚本は、流石に落語作家のものである。無論、思いもかけない視点からの笑いもあるが、それは前回この時はホントに障りがあってやって来た時の話で、良くこんな発想ができるよな! と感心する話であったが、これは実際に聴いて、観て楽しんでほしい。何より基本は健康だから、病院へ来ている、というスタンスの面白さである。タイトルが「ローマの休日」のもじりであるなんてことを言うのはダサいがトウシロウらしくダサいオチとしておく。
「茶漬けえんま」
 板前留五郎が気付くと、何やら紳士的で洒落た着こなしの初老の男性がしきりと茶漬けを啜っている。訳も分からず、何処に居るのかも分からず「此処は何処か?」訊ねると六道の辻だとの答え、してみると自分は死んだらしい、で茶漬けの主に誰かを尋ねると閻魔だとの答え、王と書かれた被り物も付けず、服装もキチンとしてソフィスティケイトされた洋装にびっくりして訳を尋ねると、昔はそんな服装をし閻魔帳を見ながら地獄行き、極楽行きなどの裁定を下していたが、今では死者の自己申告制になっており、裁定で間違いでもしようものなら訴えられて大変なことになってしまうし、司法試験は難しいから、今は裁定は、係の者に任せて自分は判を押して居ればいいのだとの答え、こんな話をしているうちに友人のキリストや仏陀の話も出て、留五郎は何れにせよ閻魔の友達という扱いになってしまった。キリストは、酔うとあばらの傷を見せながら暴れるという。そして現在の天国と地獄の様子を詳しく聞かせてくれた。さて、閻魔庁へ出向くことになった両人、留五郎は閻魔の友人ということで他の多くの物故者たちが長い間並んで審判を待っているのに、着いたら直ぐに審判して貰い、天国へ召喚となった。この際、医者や弁護士、権力者と異なり板前は罪を猶予される割合が非情に高いこともあり、それなりに犯罪得点の高い罪もあったのだが、天国行き、ということになった。天国へ着いた直後、覚束ない足取りで道を辿っていると中国の聖人の足を踏んでしまった。聖人は痛がったもののその過ちの咎は問わず、天国では住人の間に自他の区別は無く、私はあなた、あなたは私という究極の思い遣りの関わりがあるのだと説く。然し留五郎には量子の重ね合わせの論理のようにケッタイな仁徳の極致を実践するこのような思想は理解できない。聖人は、理解させようと彼の頭をこづく。それでも理解しないので蹴りを入れる。尚理解しないので金属バットで殴ろうとした。ホウホウの体で逃れた留五郎の前に何やら手を上下に動かしている人が居る。服装と動作から見て底釣りをしていると見える人物に何をしているか問えば、釣りをしているとの答え。無論芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の1シーンだ。こんな調子で天国の話は進んでゆくが、留五郎は天国の穴から地獄の血の池へ落下してしまった。仏陀は彼が閻魔の友人であることも聞き及んでいたから救おうとするが、中々叶わず、キリストに助けを乞う。やってきたキリスト共々助けに向かうが。そこは落語、極めて破天荒なオチが付いている。元ネタは1977年桂枝雀の新作落語発表会で発表された作品が原型となった作品だという。哲学的であると同時に現代物理学の最先端を行くようなハナシである。
「幽霊蕎麦」
トリを飾ったのも新作落語であった。3カ月前に亡くなった夫は、妻が集まった香典で欲しかった着物を買ってしまい四十九日の法要をしてもらえなかった為、中有の後成仏できず戻って来てしまった。食いしん坊で浪費癖の凄まじい女房は、愚痴る夫に働いて法要の費用を稼げ、とサジェッション。仕方なく夜中に人気のない場所で蕎麦屋を始めた幽霊であったが。稼ぐ度に無駄遣いで法要を出して貰えぬ哀れな幽霊の哀歓漂う傑作。オチは観てのお楽しみだ。
座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

占子の兎

阿佐ヶ谷ワークショップ(東京都)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

落語でありながら少し違うという印象の舞台で、面白かったです。
話も面白かったし、役者さん達の表情が豊かで、とても良かったです。
アットホームな雰囲気で、ゆったり楽しめました。

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人

イエローヘルメッツ(Produced by GMBH)

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/08/25 (木) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/20 (土) 14:00

昨年のリーディング公演を経て
子供のためのシェイクスピア改め
再始動のイエローヘルメッツ💛

クラップと黒コート&帽子
そして机と椅子
真っ黒な海の向こう
中世ヨーロッパへ時空を超えて体感させてもらえます
山崎清介さんの斬新でわかりやすく
シニカルに要約された演出台本は 
時間を忘れて舞台に見入ります🥰

瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目の観劇。めぐみさんのトノキヨが素晴らしかった。みなとの関係などがそのままなのも素直に受け入れることができて良かったです。
チケットの先行発売日に時間がなくて、すぐに開けたページで2階席をとってしまったのですが、これが思いの外良かったので、お勧めします。お安いですし。

ネタバレBOX

ランドセルから百恵ちゃんの下敷きが出てこないのが残念。
追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

追憶のアリランを観たが、非常に見応えのある作品で、戦争の時代に翻弄された善良な人たちが描かれる。物語の展開に、スターリンの大粛正の影や、舞台となった地域の現在の政治体制につながる伏線も仕込まれ、歴史が単純でないことをあらためて感じさせる。

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

占子の兎

阿佐ヶ谷ワークショップ(東京都)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

落語とは違う世界でのおもしろさがあった。とてもよかった。

ナイゲン(R04年新宿版)

ナイゲン(R04年新宿版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

全員が役に合っている配役で、130分の公演でしたがあっという間に感じる舞台でした。
皆さん、可愛くて格好良かったです。

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)

占子の兎

阿佐ヶ谷ワークショップ(東京都)

2022/08/19 (金) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

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