最新の観てきた!クチコミ一覧

13281-13300件 / 183014件中
トロイ戦争は起こらない

トロイ戦争は起こらない

人間劇場

シアター風姿花伝(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

トロイの王様、妃、プリンスなどトロイの雰囲気がとても素敵で、それに音楽劇が加わり、私的にはドップリ楽しめた。
エレーヌ役の女性が出てくるのを今か今かと待ちわびた。
絶世の美女だというので。確かに魅力的な綺麗な人で、怪しい雰囲気もあり、引き込まれました。
メインの人たちが演じている間、それ以外の人たちもひとりひとり大切にうなり声をあげたり、からだ全体で演じていて、両方を満喫できるのはスゴかったです。
本格的なお芝居で、とても素晴らしくて、大満足でした。

トロイ戦争は起こらない

トロイ戦争は起こらない

人間劇場

シアター風姿花伝(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ラスト「トロイの詩人は死んだ」云々でホメーロスの「イーリアス」を予言している点の何とも言えない痛烈は流石にジロドゥと言った所。

ネタバレBOX

 板上は可成り特徴的な舞台美術で占められている。針金を用いて作られた門や、ハッキリ使用目的の分からない巨きな構築物、椅子の足の間に組まれた鋭角的で銀色に光る構造は、たくさんの刃物が、その、本来空洞であるべき空間を敵意で満たしているようであり、更に下手客席側にも殆ど無意味な針金の構築物、その上手客席側には上部円盤の縁に取り付けられた針金が廃墟の跡に吹く風に空しく回転するが如く物語の合間に回転する装置。板上の他の造作は基本的に平台を組み合わせて作られているが、これらの組み合わせ方は全体に不安定感を煽るように構成されている点も見逃せない。更に出捌けには通常の舞台ホリゾント方向の出捌けと共に客席通路が出捌け用に用いられ、トロイサイドとギリシャサイドをほぼ2分割している。
 原作はジロドゥが祖国フランスが第2次世界大戦に傾いてゆく1935年に、約3000年前に起こった‟トロイ戦争“をテーマに書いた戯曲である。誰も望まぬ戦争が何故起こって来、今もまた繰り返されるのか? との問いが今作の提起する問題であるが、原作者の苦渋とアイロニーに満ちた今作の白眉は、矢張り二場でギリシャ側の使者・オイアックスが登場して以降の展開であろう。無論、オイアックスは次に登場する真打・オデュセウスの前座に過ぎないが、この道化の奇抜な言動の効果なしにオデュセウスの言動の真価はここ迄効果的には描けなかったと観るべきであろう。戦争の門が閉じられるとその表には平和の象徴、オリーブの葉が鏤められている点だけを見ても、戦争の愚かさと狂気は誰の目にも明らかであり、殊にその真の姿を知る者は、誰一人として開戦を望まぬにも拘わらず、人は戦争をことある毎にし続けてきた。この愚行を齎すのみならず、更に悪いことには繰り返し続けることの馬鹿らしさを真正面から捉えようとした、これこそ本来的な不条理劇の傑作というべき作品であろう。
 さて、先に挙げた今作の白眉は、言う迄も無くヘクトール(作中ではフランス語発音はHを発音しないのでエクトール)とオデュセウスの戦争を回避する為の討議のシーンである。充分注力して今作の台詞の醍醐味を堪能して貰いたい。
追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『無畏』
初演を駅前劇場でフェイスシールド汗ダラダラで観劇。その時は「ここまでやるか」と作家の覚悟に畏れ入る。ちょっと前だったらこの内容はヤバかった。1998年、横浜黄金町のシネマベティでジョン・ウー製作の『南京1937』の上映中、右翼が乱入してスクリーンを切り裂いた。兎に角この手のネタはあれやこれやで潰される。面倒を厭う企業はタブー化して問題を更に深刻にする。ネット全盛の時代、情報はダダ漏れ、隠蔽して封印してしまえば国民は騙されるなんて最早無理。ちょっと知性があれば南京で皇軍が何をしたか?なんてすぐに分かる。
2度目の今回、「作品として随分よく出来ているな」と感心。判り易く丁寧、無駄な遣り取りを削ぎ落としている。初演から弄ったのかは不明だが、かなり観易い。簡潔に松井石根陸軍大将・上海派遣軍司令官の南京大虐殺に至るまでの罪を暴き出している。
大量の書籍が机や床に三箇所山積み、椅子の上に積み上げられた書籍も二箇所配置。ただそれだけの簡素な舞台美術だが非常に効果的。
何故、日本軍は掠奪強姦虐殺放火を大陸中で繰り返したのか?
当時の兵士達が全てを告白するドキュメンタリー映画、『日本鬼子』(リーベン・クイズ)も観て欲しい。

ネタバレBOX

西尾友樹氏が冷徹冷酷に林竜三氏を徹底的に追い詰めるクライマックス。暗闇の中、眼鏡のフレームだけがギラリと光るシーンが印象的。西尾氏はこういう役が本当に似合う。松井石根を抱きかかえてぶん投げる。幼児のように惨めに床に転がされる松井。本当なら三船敏郎のような体格だった方がこの効果は生きた気がする。
興亜観音に参りに行く西尾氏の姿で終わる。

松井石根の私設秘書役の渡邊りょう氏がいい味。こういう日本人が一般的だろう。
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

実に壮大で悲哀で愛すべき物語でした。伯爵の膨大な時間の中で、その刹那を生きる人達との関わりが愛しくて切なかったです。相変わらず言葉選びが秀逸で笑いもあり、悲しくなり過ぎない所も良いですね。三回目の上演との事で、初めて観ましたが、とても大好きな舞台です。

魔と怨の伝説

魔と怨の伝説

劇団1980

シアターX(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

そうだ藤田傳・・・今回のは初見だがずっと前に1、2作お目にかかった事がありこういうタッチだった。戯曲としての完成度はぶっちゃけた話、高くない。というか戯曲という形を取った詩と言った方が良い。人物は役を与えられているが多くの場合コロス的に立ち回る。そう見えるのは台詞総体が一つの詩でありモノローグであるからだ、と思う。
だがそれは芝居を観終えて、咀嚼しようと思いを巡らして思い当たる事で。。役者は十分に魅力的に演じ、切り取った場面の視覚的・聴覚的な「完成度」は高く「ドラマ」の展開への期待は高まる。が、ドラマとしての完結は見ない。
この作家の筆致は歴史的な事件・事象を舐め、思わせぶりな台詞をフックに観客に岩山を登らせ、作者の世界観、眼差しを共有させるのだが、事件や事象を一望できる山頂には着かない。これは「歴史」に依拠した作風のためだ、と理解する。
歴史という下地のあるカンバスに、上塗りしていく手法が、つまり下地とのコラボがうまく結実すれば作品としての美を放つが、今作は下地が何であるかは不明。戦後日本の事件に横たわる病理を取り上げた(又は具体的な事件を念頭にした)感触は残すのであるが(永山則夫が浮かぶ)、作者としてはそれが下地となり得ると想定したのだろう。最初に示されるフィクションとしての「事件」は、観客の関心をその先へと引っ張るが、事件の犯人(主人公とも言える)がそうする必然性に辿り着いた実感がない(あるいは描き切れてない)。
事件そしてその謎解きという典型的なミステリーの形を持つ今作のラスト、個別具体の事件の種明かしが訪れる事はない。社会背景、生育過程の風景から、事件の原因を推定せよ、で一個の人生を描いたと言えるだろうか。
書かれた時期には作品の背景として想像し得たものがあった、のかも知れないが。。

ポンペイ

ポンペイ

さんらん

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回はがっつり長編のさんらん。歴史的な大災害に見舞われた町を「災いを予見できた」想定でドラマ化。
大規模な厄災(の可能性)に直面した人間と社会の普遍的な問題が浮かび上がる。

ヘンシン

ヘンシン

イデビアン・クルー

座・高円寺1(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久々二度目のイデビアン。格好いいの一言。完璧なスタッフワーク。
前回はどこで観たのだったか・・舞台としてはとある旅館の風景という事で幾分言語化しやすい(紹介しやすい)世界だったが、今作は背後に横長にパネル(壁)が三枚わたされ上手下手に出入口が開いてる恰好。他は衣裳に特徴がある(途中で見事に変身する)のみで間断なく続く「舞踊」は日常動作のコミュニケーションから抽象的な群舞まで、「ニュアンス」が高解像度で眼前に迫る。ナチュラル演技の対極、研ぎ澄ました動きでナチュラルのイデアを造形する。修練の賜物だ。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/25 (木) 19:00

135分。休憩なし。

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

たて続けに戦争というものについて考えさせられている
と言っても変化があるわけではない
深まっていくだけ
ひとつ再認識させられたのは「空気」
「無畏」にしても「回天」にしても怖いのは「空気」
確か昨年観て今回はパスした「帰還不能点」でも日本の「真空」(意思決定、だれが最終責任者なのか不明)について言及されていたが、方向を決め、推し進めるのは「空気」
世の中の空気、兵の空気・・・
特攻に突き進んでいく狂気は兵の、若者の、国民の空気から生まれる
南京事件も軍の中の空気から・・・
戦争そのものが世の中の空気から・・・
「〇六」では波の音がいつまでも耳に残った
「その頬」では久しぶりに広島弁をたっぷり聴いた
今日の残るセリフは「生きとるだけでなんでこんなに悲しいんね?」
改めて劇チョコの舞台美術はシンプルだが効果的だと感じた(「遺産」は凝っていて印象的だったが)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「無畏」
一昨年観て圧倒された作品だが、再び深く考えさせられた(キャスト同じ)
一昨年と同じく大室弁護士が松井大将の責任を「検証」していくシーンが圧巻だった
松井役の林竜三と上室役の西尾友樹の演技が圧巻
ハコは下北の駅前劇場の方が好きだな(サイズ感)、巣鴨プリズンにも合って、検証シーンでもより緊迫感があった

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

気の遠くなるような壮大な物語。
その壮大さに負けないくらい舞台セットや衣装等、美術に力が入っていて延々と移り行く世界、生活の場へと瞬時に入り込ませてくれる。
冒頭から すっかり目を奪われてしまいました。
きっとお金もかかっているだろうけれど、何よりセンスが良い。
そして決して死ぬことのない伯爵が持つ独特のトーンといい、それぞれの時代を彩っていく登場人物達の多彩さといったら、笑いのスパイスもしっかり効いて 演技の方も驚くほどにセンスが良い。

伯爵は死なないだけでなく、いつまでも若くて美しい。
本物の若さに囲まれて、その中にちゃっかり溶け込んでいる伯爵はひょうひょうとしながらも、どこか一歩引いた立ち位置を必死に維持しているようでどこか物悲しい。
出逢いや別れは長い年月と共に風化していく。
そんな出逢いや別れに意味があるのか・・・
そんな問いかけに胸をしめつけられ、その後の導きにまた心打たれてしまうのでした。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3年前の公演の印象が強かったので、サンジェルマン伯爵役が岡野康弘から4ドル50セントの前田悠雅に替わると聞いたときは不安もあったが、観ているうちにそんなことは忘れて最後まで。この壮大で且つ可愛らしく、切ない愛のお話にうるうる。

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/25 (木)

価格3,130円

25日18時半開演
どのように死んでゆくべきか?の『〇六〇〇猶二人生存ス』(49分)
前を向いて生き続けていきたい!の『その頬、熱線に焼かれ』(70分)
対照的な短編2篇を、い組の回で拝見(途中休憩10分込み上演時間130分)。

ネタバレBOX

前半の、人間魚雷・回天が題材の『〇六〇〇猶二人生存ス』。
海底に先端が突き刺さったまま、脱出不可能という極限下に置かれた二人の大尉が辿り着いた、帝国軍人としての崇高な精神の境地が、かえって後続の多くの若者の未来を奪う、残酷な結果につながった…彼らの人となりをよく知る回天の整備員に、終戦後、批判させることで、人々が抗うことの出来ない"空気"の怖さがよく描かれていた。

【配役】
黒木大尉…大知(だいち)さん 樋口大尉…二村仁弥(ふたむら・じんや)さん
後藤整備員…谷口継夏(たにぐち・けいた)さん


後半の、原爆投下によるケロイド治療の為、渡米した「広島ガールズ」が題材の『その頬、熱線に焼かれ』。
手術後の智子の死を知り、明日の手術に対して気弱になった敏子を励まし、あるいは叱咤しながらも、最後には、前を向いて生きていこう!と気持ちを新たにした「広島ガールズ」。
ただ、それまで成り行きにハラハラしながらも、明るく皆を見守っていたはずの智子が、改めて自身の死という現実に直面させられ、一気に泣き崩れる姿には、胸が痛んだ。
なお、個人的に気になったのが、濃淡はあるにせよ、結果的に登場人物7人のエピソードをひと通りなぞった話の運び。この分、ストーリーの焦点が若干ぼやけたようにも感じられた。

【配役】
敏子…椎木美月(しいぎ・みづき)さん、智子…蓑輪みきさん
弘子…本宮真緒(ほんみや・まお)さん、節子…谷川清夏(たにがわ・きよか)さん
昭代…中野亜美さん、信江…中神真智子さん、美代子…柳原実和さん
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

声を大にして言います!大好きで大好きな作品です!前回も観劇しましたがやっぱり大好きだと再認識しました。沢山の散らばった宝石を一つ一つ集めていって、最後はその宝石達を一つ一つ思い返すような愛しくて堪らない気持ちになりました。今回は伯爵が女性ですが、それはそれで新しい視点が見えてとてもよかったです!一連の変化していく演技が素晴らしかったです。こんなに愛しいと思える作品にはそうそう出会えません。また観れて本当によかったですし、出会ってない方には全力で出会って欲しい舞台です。岡野さんが何の役なのかもポイントです。最高でした。泣けました…!是非この舞台も映像化していただきたいです!

ネタバレBOX

前回伯爵だった岡野さんが今回はまさかのブルボンさん!!!もうそこにいるのは岡野さんではなくてブルボンさんでした。伯爵とのお別れのシーンのそっと触れる演技とか声色とか。わーーー!!!!と草原を駆けたくなるくらい素敵で最高で大好きだなぁと思いました!
瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/25 (木) 15:00

ピノキオやスティーヴン・キング、川端といった古今東西の名作へのオマージュ(風なところ)も含めながら、物語の渦の中に観客を引きこむ手法は見事。大ステージならではの演出もあって、劇団としてスケールもアップ。おぼんろ作品ではお馴染みのさひがしジュンペイには今のロバート・プラントみたいな風格がありました。

ときじく〜富士山麓鸚鵡鳴〜【大阪公演、8月4日公演中止】

ときじく〜富士山麓鸚鵡鳴〜【大阪公演、8月4日公演中止】

カムカムミニキーナ

座・高円寺1(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/14 (日) 13:00

徐福伝説と姥捨の風習、さまざまな日本昔話が結びつく裏系の歴史超大作。見応えあり。

ざんねんないきもの事典 ~いきものたちの逆襲~

ざんねんないきもの事典 ~いきものたちの逆襲~

エイベックス・エンタテインメント

あうるすぽっと(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/25 (木) 11:00

大傑作! 生き物に対する好奇心と愛情にあふれたステージ。トリビア系知識も満載。楽しく勉強にもなるステキな作品だと思います。ビジュアルもカワイイ&かっこいい。

大阪演劇見本市2022

大阪演劇見本市2022

関西演劇振興会議

ABCホール (大阪府)

2022/08/25 (木) ~ 2022/08/25 (木)公演終了

満足度★★★★

朗読劇と演劇プラス抽選会。正に見本市と言った感じで、ちょっとしたお祭り気分。老舗演劇好きにはたまらない感じです。

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

追憶のアリラン(8/18~8/26)、無畏(8/24~8/27)

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自劇団の戦争を素材にした舞台6本をこの夏に一挙上演する企画の一本である。チョコレートケーキがこうした作品に取り組む意図は明確だ。残った子孫たちへ、と言うが、筆者のような先行する世代にとっても、良い企画だと思う。ことに中にすでに見た「帰還不能点」や「その頬、熱線に焼かれ」が入っていて、ことに前者は演劇的にもよく工夫されていて、単に、戦争を指導した者たちだけでなく、それを支えた社会も的確に描出していた。
「無畏」は昨年初演されたが、時期が悪く知った時にはすでに終演していて見逃した。A級戦犯となって処刑された南京大虐殺事件の陸軍司令官の松井岩根(林竜三)の戦争犯罪をテーマにしている。
戦争犯罪はどのように裁かれるべきかと言うテーマが難しい上に、事件そのものが複雑な事情の上に成り立っている。史実はかなり明確になってきているが、それにその時々の国際的な政治判断がついて回る。事件を客観できないところへ、松井の「誰かが責任と言うなら、私だろう」という結論を急ぐ判断があって、それが戦勝国による法廷で裁かれる、と言うところが悩ましい。いつもは、問題の中心から、距離を置く時間や場所をを発見するのがうまい古川健だが、今回はその余裕がなく、史実のデータををできるだけ詰め込もうとする。ほとんど弁明の余地のない上海派遣軍(原口雄太郎)と増援軍(今里眞)の司令官たちとその幕僚(近藤フク)たちが単純化されて敵役になってしまう。作者には、たとえ、部分的なドラマになったとしても、全体をイメージさせるだけの力量はあるはずなのに、今回はそこまで出来て居ない。
これは原爆乙女の米国による治療を描いた「その頬、熱線に焼かれ」の時も感じたことだが、現在まで尾を引いている現実を、観客が芝居の一幕として理解するには複雑すぎるのだ。しかし、そこが生で演じられる演劇のいいところで、今回の敗戦の八月公演は壮挙と言っていいだろう。
今のコロナ騒ぎの政府対応にも、この国の合理的なシステム作りが出来ない病弊は露呈しているのだから。(これでは芝居の「見てきた」にはならないが)

このページのQRコードです。

拡大