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憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

言葉がなくても、伝えられる想いがある。
言葉がないからこそ、受け取れる想いがある。

涙と、泥と、血と。汚れにまみれ、嗤われ見下され、悔しさに吼えても。
それでも決して消えない灯を胸に点し、生きてゆく姉妹。
彼女らを取り巻く愛と、戦いと、慈しみとを「ワードレス殺陣芝居」という形式で描いた『憫笑姫』。

台詞は一切なく、発せられるのは叫び、笑い、泣き声といったプリミティブな感情表現のみ。
舞台装置も至ってシンプルで、書き割りは一切ない。
けれど、聴こえてくるし、見えてくる。
賑やかな城下町のざわめきや、豪奢な王宮の大広間や、土埃舞う戦場に漂う血の臭いまでもが脳内に像を結ぶ。

ミラとエラの姉妹愛。騎士団長との師弟の絆。女官たちとの友情。それらを破壊しようとする王と側近の陰謀と、圧倒的な強さ。
悪役までもが魅力的な人間として活躍し、スピード感溢れる殺陣の中に織り込まれた人間ドラマに自然と涙が溢れる。言葉などなくとも人の心はこんなにも強く動かされるのだ、と初めて知った。

努力し続けた人間が、最後に報われる。
哀しさの中にも優しさと希望とを感じる結末に、心からの拍手を贈った。

そして、次回作品『賊義賊』も観ようと心に決めた。

ネタバレBOX

王がミラに手を差し伸べ、二人が踊るシーンがとても好きでした。偽りの笑顔とわかっていても、その優しげな眼差しに毎回ときめかずにいられなかった……。
スコトーマカフェ 他7篇

スコトーマカフェ 他7篇

♯Q

新宿眼科画廊(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/09 (金) 19:30

初見のユニットのコント集。面白い!89分。
 マンガ家小山コータローの原作によるショートコント8本を女優5人で上演するのだが、コントそのものも、演じる力も見事で、存分に笑わせてもらった。
「オープニング」4分。
「埋没女子」埋めた女と埋めるのを手伝った女と埋められた女。9分。
「リベンジ!」田中に、鶴の恩返しの更なる恩返しに来た鶴。9分。
「逆に」逆に、の使い方が問題だ。7分。
「猫なで声とインカムと」不思議な女子3人のオフ風景。9分。
「断捨離イン・ザ・ダーク」プロ断捨離ニストvs片付けられない女。13分。
「グッドモーニング」引っ越し前夜の姉妹。8分。
「目撃談」目撃された女と目撃が違う女。10分。
「スコトーマカフェ」とあるカフェでの2組の会話と店員たち。20分。

夜明け、踝、泣け -2022remix-

夜明け、踝、泣け -2022remix-

劇団milquetoast+

スタジオ空洞(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/09/09 (金)

価格3,000円

9日、定刻の19時やや遅れて開演の初日舞台を拝見(107分)。

前説に大変工夫が施されていて楽しめた。それゆえ、本編もさぞや!と期待したものの…
途中までは、個々の登場人物たちの関係性がよくわからないまま。後半、”説明台詞”の連発でようやく理解が届いたところで、ストーリーは一気に収れんに向かっていく。
人物の描き方や場面の設定などは、個人的な嗜好には全く合わない、嫌いな部類の芝居で、あまり良い"読後感"を得ることは出来なかった。

なお、主演の、かくたなみさんの熱演には大いに感じるものがあった。
彼女の演技だけでもチケット代の元は取れたかなぁ。

ネタバレBOX

【配役】
山田新生(春奈子や美智代の幼馴染の店長代理)、他…沼田天音さん
天宮春奈子(娘)…坪和あさ美さん
三千世界=天宮美智代…森紗苗(もり・さなえ)さん
ステーロ(保科塁)…内田啓太さん
ヴェルダ(羽川柚葉)…みみみさん
みゆき/ギター伴奏…ナガイタツヲさん
天宮希夜子(妻。山田のコンビニでバイト)…かくたなみさん
天宮永遠(とわ、娘)/怪人エテルーナ…芦屋那奈さん
天宮公輔(夫)/精神科医/万引きGメン・生田目…飛田修司さん
嵐舞ふ夜〜汝、鬼と哭く〜

嵐舞ふ夜〜汝、鬼と哭く〜

劇団土竜

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2022/09/08 (木) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

内容も殺陣も良かった‼️
周年記念ということもあって、人数もかなりいたし、息もそろっていた!もう一度観たいとお思えたし、過去もハズレはなかった。
良かったの一言。
時代背景を分かって見た方がより楽しめるけど、分からなくても大丈夫です😊

ロック!!

ロック!!

劇団Pinocchio

Regalo Gallery&Theater(大阪府)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

満足度★★★

若い人向けかなぁ〰️
年齢層は幅広かったけど、笑いのツボが…
でも三年ぶりに公演できて、感動でしたね〰️😭少しもらい泣きです😊

憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壱劇屋さんの台詞の無い殺陣芝居は以前から気になりつつも、はたして台詞がない殺陣メインのお芝居で楽しめるのだろうか?と一歩踏み出せずにいました。
今回、熊倉さんがご出演されると聞き、わからなくてもいいや、熊倉さんの殺陣を浴びたい!とチケットを取り、観劇しましたが、そんな心配はただの杞憂でした。
台詞がないからこそ、より伝わってくると言うか、演者の皆さんの伝えよう、表現しようとしているものがダイレクトに流れ込んできて、9公演見に行きましたが、9公演とも泣きました。
その眼差し、指先、背中、全身から伝わってくる。

そして、殺陣芝居というだけあって、殺陣がものすっこい!
姉妹も、女官’sも側近も王様も団長もアクションモブの方々もみんなすごい!
中でも側近と団長の殺陣は圧巻でした。
熊倉さんの殺陣が素晴らしいのは知ってましたが、竹村さんがあんなにすごいとは。
上手い方同士の殺陣はめちゃくちゃカッコいい。
見ないと損をするって正にこのことだなって感じでした。
壱劇屋さん、箱で推します!

そして、お目当ての熊倉さんは、絶対、重力無効化装置と加速装置付いてる。
なのに、一手一手がめちゃめちゃ綺麗。
んでもって、生の舞台でスローモーションで倒れていくのなんで????
普通、あの体勢、スローでキープ出来ない。
体幹おかしい…。
殺陣シーンも、殺陣シーンじゃないとこもいちいち手つきがやらしくて、癖に刺さるやつ。
と、大変素晴らしかったです。
壱劇屋さん、また熊倉さん呼んで下さい。
そして、これ読んだ方、熊倉功の名前見つけたら、絶対見に行ってください!

ネタバレBOX

プッコちゃんのジャンピングパンチがめっちゃ好き❤
あと、倒れ込んだ団長を見るプッコちゃんの表情がぐっとくる。
空蝉

空蝉

あやめ十八番

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/09/01 (木) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/03 (土) 13:30

前回公演がサスペンスフルな法廷劇だったのに対して今回は娯楽に徹した「立体落語」とでも言うべきエンタメ作品。
複数の古典落語を組み合わせた上にイマを採り入れた(例:地獄の「エントリーシステム」)物語は元ネタを知っていなくても楽しい。
もちろん元ネタを知っていればより楽しく「やっぱりそれだよねぇ」だったりも。
また、劇中の噺家(役)のみならず他の登場人物の台詞回しも「落語調」で「いかにも♪」で楽しい。
惜しむらくは(あくまでこちらの責に帰するが)同工異曲の芝居を過去に複数観ていたため新鮮味に欠けたことで、そういうことなく本作に接したかったな、と。

舞台「学徒隊」

舞台「学徒隊」

NPO法人文化活動支援会まつり

南大塚ホール(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

パイプのような小道具が、入ってすぐに目に飛び込んできた。
これをどうするのかと思っていたら、器用に移動したり組み換えたりして効果的に使っているのがスゴいとビックリしました。
戦争の悲惨さが伝わってきて胸が締め付けられました。
ラストも衝撃的でした。
後半が最高に素晴らしくて、グイグイ引き込まれて見事でした。
前半の前置きは少し長くて、退屈でした。
戦闘シーンは音響効果と照明が上手く使われ迫力があり、スゴかったです。
観てとても満足でした。

A.R.Pフェスティバル

A.R.Pフェスティバル

A.R.P

二子玉川ライズ スタジオ & ホール(東京都)

2022/09/06 (火) ~ 2022/09/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ひとつひとつの短編がどれもおもしろかった。
特に結婚前夜が最高によかった。
笑えて、最後のオチがう~んと唸るくらい見事でした。
どの作品もオチがキチンと、バシャッと決まっていて満足でした。
観てよかったです。

舞台「学徒隊」

舞台「学徒隊」

NPO法人文化活動支援会まつり

南大塚ホール(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

第二次世界大戦末期、沖縄戦に従軍した學徒隊の平穏な日々と過酷な日々を対比するように描いた力作。端的に言えば平和と戦争、そして鎮魂である。繰り返される凄惨な場面、しかし 当日パンフに「現実はより過酷で凄惨であり 再現など到底出来ない」とある。物語は平穏な日々と従軍の日々という二幕であるが、一幕目が少し冗長に思われる。しかし、それは二幕目との(上演時間)バランスのようでもあり、どうすればという言葉が見つからない。むしろ、平穏な日々を描き込むことによって、戦争の不条理が浮き彫りになる。公演の魅力は、舞台セット、照明・音響といった舞台技術の効果的な演出によって印象付ける巧さ。勿論、約40名の役者の熱演に支えられている。ラストは、観客に考えさせるような投げ掛けだが…。
(上演時間2時間40分 途中休憩15分含む)

ネタバレBOX

舞台セットの後景は暗幕、建築(作業)現場で見かける単管パイプ足場(キャスター付)を幾つか組み、それを移動させることによって場所や状況の変化を表す。冒頭は張紙、布で覆っているからアルプススタンドのようだが、二幕目の戦場シーンでは剝き出しの単管パイプが荒廃した防空壕を思わせる。中をくぐり抜けて上り下りすることで躍動感が生まれ、高さも相まってダイナミックさも生まれる。

物語は、日記を綴るようなスタイルで描かれ、その生き様を後世に伝えるかのようだ。
冒頭、屋外での結婚披露宴のような賑わい、そして学友の一人が祝辞を述べるところから始まる。卑小であるが、パーティでドレスアップしているが、足元はスニーカーで見かけは少し不自然。次シーン迄に対応出来ないのだろう。暗転後、戦時中の沖縄の学生(今の中学・高校生くらい)が、男女別学にも関わらず恋(憧れ)に近い話、男同士の諍いなど平穏な日々を送っている。二幕では沖縄戦の凄惨な話。転戦するたびに描かれる惨い酷い場面が繰り返される。男子学生は戦闘を、女子学生には看護の役割で従軍させる。精神を病み、仲間を見捨て、民間人を見殺し、自死の強要などで戦局の悪化を順々に展開させる。そこに人間のエゴ 本性を見せつける。

音響は、平穏時や場転換の小康状態の時には波音、戦時になると轟音と雨音に変わり風雲急を告げるかのよう。何より印象的なのが、大勢で低く唸るような肉声が響き、会場内を木魂する。薄暗い中で、照明は白銀や朱色を戦闘シーンに多用し、同時に役者の叫び声、悲鳴、怒号、罵声によって臨場感を増す。役者は戦時中を思わせるよう 顔に墨塗り、衣装は男子学生の汚れた国民服、女子学生のモンペ姿。物語で伝えたいことを外観からも訴えている。

ラスト、特別出演の小沼雪乃さんが海に向かって祈っている姿。そこに鎮魂と平和への祈りを思う。もう少し踏み込んで描い(語らせ)ても と思ったが、この結末もありかな。なかなかの骨太作品、観応えがあった。
次回公演も楽しみにしております。
夜の女たち【9月3日~8日公演中止】

夜の女たち【9月3日~8日公演中止】

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2022/09/03 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/09 (金) 14:00

予備知識皆無で観に行ったが、実に興味深い舞台だった。62分(20分休み)78分。
 溝口健二監督の1948年の映画をミュージカル化して舞台に載せる。何故ミュージカル?と思ったが、観てみて納得の舞台だった。原作の映画はドキュメンタリーかと思うリアリティだそうで、そのまま舞台化すると深刻に鳴り過ぎるのだと思う。ミュージカルにしたことで、やや冗長感は出るが、歌の力で見せる、みたいなことが成功していると思う。軸になるのは、江口のりこ・前田敦子・伊原六花の3人だが、伊原が最も生き生きしているように見えたことが、伊原が目当てで観に行った者として嬉しい。アンサンブルの女性6人と北村岳子が良い仕事をしている。

『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

『Q』:A Night At The Kabuki【7月29日~31日公演中止】

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/08 (木) 18:00

2度目の観劇。やはりいい。そして深い内容の反戦劇だと改めて気づく。(3分押し)90分(15分休み)60分。
 初演も観ていて、再演も2度目なので内容は分かっているのだが、今回は2人が出会うのが「いくさが終わったとき」ということが強く入って来た。ウクライナのことを考えると、銃撃音とか、すごく気になる。
 野田の戯曲は言葉が美しいのだが、特に本作ではそれが目立つ。

夜鳴く鳥は朝に泣く

夜鳴く鳥は朝に泣く

吉祥寺GORILLA

王子小劇場(東京都)

2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/08 (木) 14:00

2度目の劇団だが若さを感じる舞台なりの面白さを感じた。102分。
 デリヘル嬢の愛奈と、同棲していた売れかけている芸人の達也の両方が、事故で死ぬ。愛奈の友人の葉月と達也の兄で警官の達彦は、それぞれに事件ではないかと疑い調査に入るが…、の物語。多くの関係者それぞれの状況と回想シーンとが入り交じり、分かりやすくはないが、興味深い物語が展開される。作・演出の平井が学生だったときの戯曲に手を加えたそうで、やや無理な展開にも、それをもブッ飛ばして上演する力技にも、「若さ」を感じる。好感が持てる舞台だった。デリヘル店の店長を演じた村松ママンスキーの佇まいが何とも言えない味を出す。

SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

Aga-risk Entertainment

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつもと少し違うアガリスクでしたが、
心温まるコメディで面白さ全開でした。

カラオケ自体は苦手ですが、
それを感じさせない展開がよく笑いっぱなしの2時間でした。

アガリスクの舞台はやはり毎回観るべきだと改めて思いました。

COLOR

COLOR

ホリプロ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/09/05 (月) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

交通事故で記憶喪失になった青年の混乱と回復、新たな生きる道の発見の物語。シンプルで淡彩のパステルカラーで描いたような舞台だった。舞台上の右から上部にかけてを覆う白い壁が、木のようにも、波のようにも、繭のようにも見える。そこに映像を映すことで、作品を視覚的にも膨らませる。

青年(成河)と母(濱田めぐみ)、父、編集者、友人(浦井健治)の回を見た。全編に歌がたっぷりあって、85分と短いが、濃密な音楽劇になっているピアノとパカッションの生演奏。。最初のうち、青年の歌が音程を外したような、稚拙な旋律になっているのが、記憶喪失の戸惑いをよく示している。母の嘆き、喜び、青年の右往左往も歌があることで、情景の積み重ねや説明抜きに、観客に伝わってくる。

ユーフォ―キャッチャーにつめこまれた動物のぬいぐるみたちが、記憶のない世界に閉じ込められた自分に重なる場面が面白かった。

豪華キャスト(母は、柚希礼音とのWキャスト)からすれば新国立の小劇場という小さい空間でやったのはぜいたく。でも新国立の小劇場でもまだこの芝居には大きく感じた。100-200人の劇場で、俳優の息吹をもっと近く感じれば、母子の悩み、父の強さが一層濃密に迫ったと思う。

ネタバレBOX

最後、青年が再びバイクに乗る場面、本ができて評判を呼び、でもそれに飽き足らず、13万円だけの貯金をはたいて、ドイツ・デュッセルドルフに旅発つ。絵を描くことで交流し、言葉の通じない寂しさはありつつも、新しい草木染の世界にたどりつく。そして、白い壁はやはり木がモチーフだったのだとわかる。

原作者の実体験に基づく話であるということに驚いた。
Show me Shoot me

Show me Shoot me

やみ・あがりシアター

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

冒頭の夫婦漫才(「三鷹はいい街ですよね。××もあるし、△△もある」「それ吉祥寺のことだよ」)からはじまって、コントを次々とつなげたような芝居。隣に越してきた関西弁乗りの夫婦、会社の喫煙室での会話、OL二人のランチ風景、社宅に住む兄とヴォーカロイド作曲家の妹、性格の悪い彼女と「一日一善」がモットーの彼氏、読み聞かせ会の子どもたち。

関西弁夫婦に押されて、自信をなくした根暗の漫才夫婦の危機を軸に、いい年したOLのカブトムシ取りや、おじさんの早朝ランニング風景なども織り交ぜていく。ばかばかしい話なのだが、俳優たちがそれぞれ個性的なキャラを熱演していた。その中にあって、根暗の漫才夫婦が、終始どよーんとした雰囲気をまとわせていたのが、コントラストをつけるともいえるし、足を引っ張るともいえる。関西弁妻のさんなぎの迫力が目立つが、おとなしいけれど漫才の妻役の加藤睦望の天然ボケの感じもよかった。

ネタバレBOX

台本があれば、コントを確認したいと思ったが、販売がなかったのが残念
Show me Shoot me

Show me Shoot me

やみ・あがりシアター

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2時間の上演時間であるが実にスピーディな舞台で楽しめました。フライヤーのあらすじを読んでいたので、すんなりと入れたが、未読だと戸惑う方もいるかなとは思いました。今回も登場人物のキャラ設定がしっかりしていて、密かに応援したくなる人達でした。

ネタバレBOX

序盤で漫才やコント仕立てで、登場人物の背景や人物像を伝え、社宅を中心に徐々に絡み合う人間関係が面白いです。アンサンブルや舞台上の家具等の設置変更等も各役者さんが行い、技量と練度の高さが伺えました。
老獣のおたけび

老獣のおたけび

くちびるの会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昔雑遊あたりで観た切り、と思っていたら割と最近吉祥寺でも観ていたくちびるの会。どちらも中々イケる舞台だった感触のみ記憶に残ってい、期待値やや高で観劇。

役者力に頼んだ芝居、とは言え、不条理な設定がじわじわと効力を発し、花開いたと感じた。日本の不条理演劇の開祖別役実の作品に肖った訳ではなかろうが、、チョイスは正解。子供に好かれるキャラ、しかし害獣、の二面を備えた存在に頼んだ芝居、とも言えるか。
終始目に映っていたのは認知症老人という「困った存在」で、そのデフォルメされた表現としてのそれ。「困り」つつも理解に努め、「共生」を模索している所へ排除主義が介入してくる。安全を掲げ、遵法精神を発揮して(法の奴隷)、正義面して人の弱みを突く(コロナが増産した、否見える化した)何とか警察的な人間共を自分はつい重ねて見ていた。
ひいては、そうした大衆の反知性化を歓迎し「何もしない」政治で「やってる感」の演出だけに勤しむ、我が国の統治者たちに身を預けておる現状へのやるせなさも。(まァこれは個人的な、投影ではあるが..。)

父権的で一方的に価値観を押し付ける父、であれば結婚は双方の合意のみで成り立つ、父無視で良いではないか。実家を出て10年間近寄ってもいないのだし・・とはならない所は、現今の何でもありな風潮にはそぐわぬが、慣習は内律的なもの。どこか韓国ドラマを思い出させる(かの国では家父長制が強いがこの理不尽な代物と「付き合う」事を良しとしている所がある・・映画等の印象だが)。
役者力に頼んだ、と書いたが、とりわけN氏の設定を体になじませ「認知の揺らぎ」を無言で見せる演技に感服な一時間半であった。

ネタバレBOX

今回も出演陣はノーチェック。登場のつど嬉しい瞬間が訪れた。開幕ノートPCに向かう主人公らしい青年(明利)。と、そのパートナーらしい女性(千春)。おや橘花梨(見てすぐ判らず声で認識。そう言えばくちびるの会常連であった)。深夜連ドラの脚本の締切が迫る中、恋人はいつ父親に自分の事を話してくれるのかと彼に言い募る。と、兄からの電話で一人暮らしの父の変調が知らされる。「私も行こうか」と彼女。断る青年。彼の側にも理由があり、父は父権的な男で今の自分の状況では結婚を納得させられないと踏んでいる。相思相愛ではある。
所変って実家の居間。あれ中村まこと?そうだっけ(そんな大事なキャスティング見落としたのけ)。象になった、というのは後の台詞と衣裳とを重ねて徐々に理解される。中村氏の痒い所に手が届く気持ちの良い演技(=声の威力はデカい)を味わう。兄登場。木村圭介、間違いなくどこかで見ており、後で調べるとゴジゲンのアゴラ公演、そうあのへんな気がした。が他にも前回のくちびるの会、劇団献身でも二度、少なくとも4回見てるとは...(脳の老化)。
「象になっている」の演劇的表現は、「長い鼻」のついた衣裳の他、上半身の仕草、歩き方で。父権的な態度が一発で知れる。「ああこの父なら逡巡するな」と即座に思わせる。
ピシッとスーツを着込んだ兄(雅史)は、父(徹)の「稼げる職につけ」に従い銀行員になっている。それが嫌で弟・明利は家を出た。実家に近い兄と違い、久々に帰郷した明利には、近所の者も冷たい。父の土地を耕作地に借りている隣の農家の父(大村)と、息子(タカシ)。父が小うるさく、自治会だ何だと顔を出しているが、打算的な裏面が次第に露呈。息子はマイペースで叱られキャラだが、徹とは馬が合う。「象」になった徹にも気づかない(気づいても気にしない=徹と認識しているので)。この息子タカシ役は名に覚えのある藤家矢麻刀(青年団系のユニット、ジエン社、東京夜光で実は見ていた)。不知は大村役の堀晃大のみであった。
残る主役・明利役の薄平広樹は、鮮明な記憶はなかったが、調べれば新国立研修所出身、しかも花の第8期生(私が勝手に親しみを抱いてる)であった。荒巻まりの、滝沢花野、西岡未央、坂川慶成の居た期のメンバーであり、卒公の「親の顔」にも出ていたのだ、と個人的に大いに懐かしむ。若い作家志望の等身大、と思える姿を演じていた。
絵に描いたよなハッピーエンドに、なぜかやられてしまった。
A.R.Pフェスティバル

A.R.Pフェスティバル

A.R.P

二子玉川ライズ スタジオ & ホール(東京都)

2022/09/06 (火) ~ 2022/09/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

OPのダンスと短編
ラストが長めの話でまとめた
お祭り公演でした
ほんにラストの
風が吹けば桶屋が儲かる的な話は
多少強引さは感じられたが
楽しく見られれる話となっておりました(^-^)

ネタバレBOX

基本明るく終わる短編なのですが
割とオーソドックスでレトロな感じが
抜け切れていなかったかんぁーと
最後の話が綺麗に大団円でまとめていたから
もっと先の短編らはハッチャケてても良かった気がー

自分的には「結婚前夜」が
次々と訪れる人物連鎖が楽しかったな~♪
おちも好みでした
Show me Shoot me

Show me Shoot me

やみ・あがりシアター

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

笑えました。やみ・あがりさんてこんな感じでしたっけ?面白かったので、迷っている方はぜひ!追記予定です・・・

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