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『VAMPIRE~Reunited In Pain~』

『VAMPIRE~Reunited In Pain~』

TEAM空想笑年

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/09/14 (水) ~ 2022/09/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/16 (金) 14:00

5年前の作品の改訂再演。国家を脅かす7人のヴァンパイアとそれを討伐する騎士団という構図で始まりながら実は……という物語は戦の無為・虚しさを示しさらに身勝手な野望の醜さも押し出す。
そんな内容が国政を私利私欲に利用する昨今の政治屋批判に思えてしまう。初演時はそんなことは思わなかったのに、この5年間でそれだけ世の中が堕ちたということか?
なお。アクションの切れ味と音響のシンクロ具合は言わずもがなな見事さ。

長い夢

長い夢

シタチノ

王子小劇場(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/23 (金) 13:00

過去のトラウマから人から嫌われることを極度に恐れるヒロインの上田詩織は、他者を助けることを優先する“都合の良い女”になることで自分を守っている。そんな彼女の前に現れた藤波賢斗によって、彼女は新たな“居場所”を手に入れる。だが、それは周りから見れば、寂しい女とヒモ男との危うい関係にしか過ぎない。果たして2人の関係は、そして彼女は何を見出すのか?

温室の前

温室の前

Lilas

RAFT(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/23 (金)

価格4,000円

23日15時開演回を拝見。

小西優司氏による演劇創作カンパニーLilas(リラ)の第二回公演は、岸田國士の戯曲『温室の前』。
でっ、岸田國士モノなので、今回もまた、秋の夜長に文庫本を紐解くような…の心持ちで臨んでいたはずが、いつの間にか、ストーリーは、或いは? と危惧していた結末へ。
アノ兄妹の亡くなった親の目線で、見守り続けた98分間。そして終演後も見守り続けるだろう余韻を残した作品だった。

なお、4人の役者さんの手堅い演技に、常ならぬ信頼感をもって観劇させてもらったことを付記しておく。

【追記】
チケット代4千円は、本来の3,500円に、任意の電子パンフ代5百円を追加した額。

ネタバレBOX

【配役】
大里牧子…華奈さん
大里貢(牧子の兄)…小西優司さん
高尾より江(牧子の親友)…飯田南織さん
西原敏夫(貢の親友)…藤堂瞬さん
コマギレ

コマギレ

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2019年の初演を観ていたので、ある程度内容は覚えていましたが(一部変わっている箇所もありました)、それでもやはり心動かされ改めて完成度の高い素晴らしい舞台だと思いました。各人の苦悩が切ないのですが、適度に笑いが散りばめられており重くなり過ぎず、実に温かいです。
公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

今、タイムリーな話題として女流棋士の編入試験もありますが、本作でも二人の女流棋士の苦悩が見事に描かれており、終盤の二人の対局は名シーンだと思いました。また師匠の幼少期の回想シーンと弟子への想いを踏まえての、超人戦の戦いには胸熱くなりました。勝負の世界の厳しさと好きな事に打ち込む情熱を魅せてくれた舞台でした。
長い夢

長い夢

シタチノ

王子小劇場(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/09/23 (金) 13:00

初見の劇団。丁寧な作劇だが、やや冗長な感じも否めない。115分。
 仕事はできるが人に嫌われることを避けるウェディングプランナーの詩織(若松春奈)は、ふとしたことで小説家志望の藤波(國島直希)と出会い一緒に住むようになる。仕事に逆に張りが出てくる詩織だが、周囲からは藤波はヒモに見え…、の物語。高校時代の回想を加えた状況の説明から、2人の出会いまで40分弱かかるという辺りに冗長感を感じる。全体で2時間弱だが、もっと場面やエピソードを絞って90分くらいにしたら、もっと見やすくなると思う。役者陣に巧さを感じるし、前半で現在と回想を照明で区別するあたりも丁寧。ただし回想シーンで女性の役を男性が演じているのだが、何故だろう。
 いろいろな芝居で見たことがあるらしい役者が多いが、男優なので私が覚えていないのが問題(-_-;)。

コマギレ

コマギレ

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開場前から長い行列が出来、皆(?)スマホで将棋を指しているような凄い絵面。
藤井聡太監修の伊右衛門ペットボトルを観客全員にプレゼントの太っ腹。

将棋のプロ棋士(六段)・熊谷学、演ずるは井保三兎氏。両親のいない貧しい家庭で育ち、何とかプロ(四段)になるも今は負け続き。史上最弱のプロとしてネットで妙な人気を得ている。
その弟子、女性で初めてプロ棋士となった天野桂子(岡本美歌さん)。彼女の凛とした美しさと関西弁が女流棋士っぽく魅力に溢れる見事な配役。(現実世界では里見香奈女流五冠が棋士編入試験を今まさに行なっているところ、未だ達成されていない)。

熊谷一門の道場は毎日弟子が遊びに来て、豚肉のカレーライスとコーヒーでおもてなし。出世頭の郷田竜王(渡辺あつし氏)、マスコミ大注目のスター、天野桂子・香子(鈴木彩愛さん)姉妹。そんなある日、桂子が脳梗塞で倒れてしまう。退院後、復帰をするもどうも後遺症が残ってしまい・・・。

流石によく出来ている。後半からの盛り上がりが凄い。熊谷の幼少時代のエピソードをシルエットで再現するセンス。天野役の鈴木康平氏と友人役の門地ジル子さんが実に巧い。『無法松の一生』の回想シーンを思い出した。ぐっと感情移入させておいて山田洋次流の落としで笑わせるテクニック。いつのまにかに劇場は熊谷師匠の心の風景の中に、観客はその安らぎに身を委ねてしまっていた。
昔、Kioskで毎週『週刊将棋』を買っていた頃の気持ちを思い出した。

江崎香澄さんと鈴木彩愛(あやめ)さんはスピンオフで観たい程キャラが立っていた。

ネタバレBOX

「○○? 強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど・・・、オイラ(俺は)負けないよ。」
「えー、こまたっ、駒達が躍動するオイラ(俺)の将棋を、皆さんに見せたいね。」
佐藤紳哉棋士の名台詞を橋本崇載棋士がパロり、『ハチワンダイバー』にも載った定番ネタ。
将棋連盟会長役の野崎保氏が見事に決めてみせた。

中盤まではよくある話であんまり嵌まれず。熊谷の幼少時代、天野と仲良くなるエピソードあたりからぐっと来た。貧乏で勉強も運動も駄目な気弱な子供、唯一の武器が祖父から習った将棋だった。ガキ大将の天野に認められ、片道二時間以上列車に揺られ神戸の将棋大会へ。中学生達を相手に優勝してしまう。天野の家でお母さんに振る舞われた豚肉の入ったカレーライス。初めて食べたカレーライスが美味しすぎて涙を零す。ずっと自分を応援し続けてくれた天野は早逝し、忘れ形見の娘二人を我が子のように可愛がることに。

意識が途中で途切れてしまう、棋士としては致命的な桂子の後遺症。手番が分からなくなり、二手指しを繰り返して敗れ続ける。タイトルは「駒切れ」かと思わせて、意識の「細切れ」とは成程。
クライマックス、師匠から弟子に思い入れのある大事な扇子を譲ったように見せ、いざ対局中にそれを広げてみると『キフよめ』。慌てて記録係から棋譜を見せて貰い確認する桂子。自身の引退を賭けて対局に臨んでいる女流名人(山本綾さん)が桂子の二手指しを自ら制する名シーンと合わさって今作の肝、胸に焼き付く。
エピローグ、漫画家(野田あゆみさん)が完成した雑誌を皆の前でお披露目、巻頭カラーの美しい見開きに熊谷・桂子の師弟対決。狙い通りの畳み掛けがズバリ決まって大喝采。
深刻な後遺症すら呑気に受け流す熊谷師匠の楽天的な人生観、アイディアの大勝利。
影と刻罪のテュシアス

影と刻罪のテュシアス

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観劇した皆さんのほとんどの人が、ぜひ観てほしいとおススメしたい作品だと思います。
絶対感動するし、涙するし、観劇後に作品名を見返すとなるほど!と共感します。

影と刻罪のテュシアス

影と刻罪のテュシアス

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

9月21日より配信されている 現在 上野ストアハウスにて公演されている
影と刻罪のテュシアス 【Soldenia公演】拝見させていただきました。
先週舞台を観劇して感動させていただいた作品をまた拝見できる❗️
めっちゃ、めっちゃ 嬉しい限りです。
超オススメ舞台です。

 蓼喰ふ虫

蓼喰ふ虫

TOKYO PLAYERS COLLECTION

OFF OFFシアター(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
原作(小説) 谷崎潤一郎の「蓼食う虫」の舞台化、他で舞台化されたか知らないが、何て濃密(蜜)で味わい深い物語であろうか。舞台美術が物語の核心を突くようで、対外的には夫婦という体裁を取り繕うが、内実は隙間風が吹くといった情景を見事に表出している。

「現代の夫婦が演じる、約100年前の夫婦の話」であるが、現代でも色褪せることなく、いや時代が変わっても人の心に忍び寄る「浮気」という「病気?」に翻弄される夫婦は多分、いや間違いなくいるだろう。
説明にもあるが、既に夫婦関係は破綻しており離婚を念頭に置いているが、小学生の子供のことを考えると、決断できず先延ばしにしている。100年前には無かったであろう言葉「仮面夫婦」、それを当時(昭和初期)の雰囲気を醸し出し抒情豊かに描いた珠玉作。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は 柱と梁で外観を作り、その内にソファや丸テーブル、椅子が置かれている。奥は摺りガラスのような引き戸、上手は木目の美しい戸、下手には小箪笥がある。観るからに形だけの夫婦のような 隙間だらけの家(光景)、離婚の鍵を握る子供は途中からしか登場しない。「子は鎹(かすがい)」というが、この家には鎹も見あたらない。

好きで結婚した女なのに、なぜ妻になると、欲情しなくなるのか。セックスレスが原因で不和に陥った斯波夫婦。夫・要(秋本雄基サン)は勝手気儘に娼婦・ルイズと情交し、妻・美佐子(榊菜津美サン)は夫公認の男・阿曽と逢瀬の日々を送る。関係はもはや破綻しているのに、子供・弘のことを考えると離婚に踏み切れない優柔不断さ。 夫婦から相談を持ちかけられた要の従兄・高夏の尤もらしい説明にも…。

ぐずぐずと煮え切らない態度、何となく自然発展的に夫婦関係が解消できないかを探っている様子。なんと虫の良い思いであろうか。
また美佐子と阿曽の結婚話…阿曽が添い遂げる約束はしない。将来の気持を拘束する、不変ではない心に約束など出来ないという説明。都合が良いというか こちらも虫の良い話に聞こえた。夫婦の思いや在り様は、当事者でなければ解らない、まさしく「蓼喰う虫」も好き好きなのだろう。

舞台は昭和初期を思わせるような雰囲気が漂うが、それはスピード感ある現代とは違う時間がゆったりと流れているような感覚。劇中で美佐子の父に同伴し文楽など観劇する場面、サラッと当時の粋な遊びー風俗といった情景を描く。その父や愛人・お久の和装姿、美佐子やお久の髪型が時代という風情を漂わす。

ラスト、布団の上に座り、行燈に灯された要とお久の顔 見詰め合う様はゾクゾクとするような艶めかしさ。新たな男女関係に発展しそうな予感が…。雨音・強風の音響、葉影・妖しく揺れる照明といった舞台技術も見事な効果を発揮する。
現代の実際の夫婦である、秋本雄基さんと榊菜津美さんの瑞々しい共演に観(魅)入らされた。
次回公演も楽しみにしております。
かもめ

かもめ

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/09/20 (火) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
人々の心の内、その表し難き小宇宙を緊密に繋ぎ合わせた秀作。物語は、冒頭に全人物を紹介するかのように登場させ 以降 夫々の関係や知り合ったがゆえの道行きを丁寧に しかも重厚に紡いでいく。演出は、「かもめ」の核心と思われる刺激的な言葉(台詞)を抽出し、体当たり的な演技で魅了する。描きたい核心、そして観せるといった解りやすさを実に上手く共存させる。

諦念と倦怠を思わせる雰囲気を破り、内からの咆哮が観客の感情と思考を揺さぶる。信念、芸術、才能、愛情、嫉妬等が渦巻く胸の内を吐露する、その激情と冷笑といった場面が巧みに描かれ、その情景を印象的にする。全編 薄暗く沈鬱のような雰囲気を漂わせるが、その重い空気を打ち破るかのような熱演に惹きつけられる。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)追記予定

三年前のリフレイン

三年前のリフレイン

劇団東京座

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/09/16 (金) ~ 2022/09/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

ボクシングにて時間を止めて勝ち進む主人公に
色々絡んでくるSFなのだがー・・・
どうにも何ともいえない軽さが感じられて
面白味が失せてた感強かったなぁ~と
なんでも盛り込めばいいもんじゃなく
減じたりするのも重要だよなーと感じた約2時間の作品
途中10分間の休憩あり

ネタバレBOX

前半でひたすら大きな溜息をついてた方が
休憩時間にて抜けたんですけど・・・正解だったと思えたデス

開演も15分~受付も同じように遅れるし・・・

SF定義をボヤ~っとした感じにしてしまい
主人公が光速(=高速ではない=説明では光速ね)で動けるという設定で
これが時間に関与して過去とか未来とかが関わるんだがー
その説明が不足だし説得力に欠けてたわい

タイムカード式のタイムマシンとか出てくるので
コメディ調も噛ませているんだが
上手くできてない=いっそのこと黒子さんを配して
突然にホワイトボードとか持ち込んで時間跳躍説明とかした方が
理解が高まるし受けると思ったなぁ・・・

台詞のについても聞き取りは易いんだが
単調な大声が多くて抑揚が無く
会話のリズムとかも無かったなぁ

主人公さんとかライバルとか身体が絞れてて
見事な肉体美はあったので努力はソコ認められるのだが

主人公が能力上昇の切っ掛けになる
元トレーナーさんの自刃シーンは
よくわからんかった=すっきりさせるか
他の方向・方法でもーと思えた

舞台を前後に分けて
前を牧神とか日常で後ろをSFチックにしていたのは高評可できるが
トラック突っ込みシーンでのライトとか組み込むのはーと思えたね
音=効果音と演技でも表現は楽に出来たハズだしなぁと感じた
CDとかの裏の並べはキラキラして綺麗でユニークな舞台美術発想でしたが
レトロな感じのSFさが何か今一つでした

SFしたかったら
原作物で「七夕の国」とかは似合いそうな感じですね

主人公と組織の女性との恋愛ものに重きを置けず
組織に囚われてくる主人公可愛そうって
子犬とかが段ボール内で雨に震えてるんじゃなかろうに・・・
それで好きですとか・・ねぇ
時間跳躍の設定もいまひとつで
なんとも中途半端な感じを受けた話でした

映画「ジャンパー」みたいな感じのラストでしたが
そんな爽快感も貰えんかったなぁーと
全部あったかいものは

全部あったかいものは

コトリ会議

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/09/14 (水) ~ 2022/09/21 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今回1回しか観に行けなかったんだけど、本当はもう1回観にいきたいくらい好きな作品でした。
笑える部分が多くて一見コメディのように感じるけど、悲しい話だと思った。
それにしても役者が全員良かった。

かもめ

かもめ

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/09/20 (火) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アルカージナがずいぶん若いなという違和感はあったが、総じて俳優陣の演技力は高く、シンプルだがB1の構造を上手く使った演出も良い。
この作品は何度観ても、終幕のニーナのセリフに心が震える。

「かつて生命があったという惑星に向かって僕らは、」

「かつて生命があったという惑星に向かって僕らは、」

乙戯社

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2022/09/18 (日) ~ 2022/09/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上は、宇宙船の内部を模し深海に設置された訓練艇内部。天井から星とその放射を表したような形状の明かりが天井から左右に1つずつ下がりその間の空間には惑星を模したと思われる球体が適度な空間を開けて20近く吊り下げられている他、パラボラアンテナを逆さにしたような形状を示す骨組みの物体が椀を斜めに伏せたように在る。床にはコクピットや居住空間で用いる椅子やスツール等を並べ、それらの位置関係で使用目的を暗示し、機能を示唆するちょっとオシャレな発想の舞台美術だ。(追記9.27)

ネタバレBOX


 物語内容は火星が地球に最も近づくタイミングを狙って発射される宇宙船に乗るメンバー選考最終審査の為に閉鎖空間での行動、精神状態等がメンバーたるに相応しいか否かの審査過程を描くことにあるので、オープニングでは出演者全員が昏い板上を直径20㎝程の光る玉を掌に載せて周回したり軌道を巡るような動きをして幻想的ないイメージを盛り上げる。極めてファンタジックで美しい場面で幕を開ける。因みに選考されたメンバーは火星到着後、生涯火星で暮らすことになる。このプロジェクトはマーズワンプロジェクト2023と名付けられ、2018年に参加メンバーを募った時点で応募者20万という人気プロジェクトである。現在残っているのは、6名。プラス1.(このプラス1については若干説明が必要である。選考に残っているオオカドの親友、ホシノなのだが彼はオオカドと共に大好きな星を見に海辺へ出掛けた際波に攫われ共に溺れた。オオカドは助かったもののホシノは脳死状態で劇中に参加しているのは、ホシノの幽体のようなものである。)
 物語の大筋は、この2人の関係が「銀河鉄道の夜」に準えられ乍ら展開しつつ、同時に閉鎖空間で長時間暮らすことになった6人が閉塞感から徐々に精神の安定を欠いたり疑心暗鬼に陥ったりして己の本性をぶつけ合う様を描いており、精神分析的側面も描かれてゆくので可成り面白い。
 具体的に各々が個々の本性を曝け出す切っ掛けとなったのは、霊能力が高いのかジュリが、「人影を見た」と言い始めたことだった。或はホシノを幻視した可能性もあろうが、常識的には可成り深度の深い海に設置された訓練艇にメンバー以外の人間が入り込めるハズは無く隠れる場所も無いのだが、一時的停電が起きたり何等かの異変の兆候かも知れぬと思える事象も起こるので2人づつ3グループに分かれて艇内を調べることになった。ジュリとオオカドはコクピットをタワラとタマコ、ハナエとミワは各々サイドエリアを。一時停電になった折には懐中電灯を用いる心細さもあり、疑心暗鬼は恐怖も生んで各々は己が裸形をも曝け出すこととなった。各々が発症した症状は様々であるがセックス依存症で女だからバイアグラでも使わなければ男を襲えないと考えているジュリはそれを持参しなかったことを悔やむものの「この所ずっと眠れない」とオオカドに告白する所から始める、然し埒が明かない…痺れを切らしEDなのか! 詰め寄るもオオカドは別の悩み(ホシノを脳死状態にした事故の一件で自分だけ無事に生き延びている苦悩)でその気になれない。(このホシノとの件は、更に後でホシノとのシーンにもろに「銀河鉄道の夜」が被さる形で詳述される。ハナエは、このプロジェクトに関わる研究者でもある(この6人選考の過程でも関与したことを認めており、多くのメンバーから最終選考でもスパイの役割を担い皆の行動・心理状態等のチェックを被試験者のフリをして監視しているのではないかと疑われている)が、本気で宇宙に関わることになった切っ掛けは星の大好きだった幼い息子を亡くし、亡くなった我が子の為に宇宙の何処かに壮大なモニュメントを建設する為であった。一方、今回相方として艇内調査に当たっているハナエは寝たきりになって永かった夫の生命維装置を外し殺したことに纏わる諸々の事情が応募の理由であった。タマコには現実に生きている世界に夢を持てないが、異なる惑星・火星に渡って未来を創造したい、という儚い望みに賭けたい。謂わば夢を夢見るような儚い念があった。だが、彼女の書いていたブログのファンが居た。それがタワラであり、彼には彼女の念は、行けば火星で死ぬより他無い無某な計画に思え何とか火星へ向かうことを諦めさせようとここ迄追ってきたのであった。
 以上の事情にジョバンニとカムパネルラの友情と別れが重なるシーンが被さってくるので極めて詩的で哀歓に満ちた物語になっているのである。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

子役の女の子がすっごい可愛いの。
子役時代のともさかりえを彷彿させるような。というか、ともさかよりもスター性ありそうな。
何かきっかけあれば売れるね、あの子は。

らくご芝居~「丹青の花入れと水屋の富」より~

らくご芝居~「丹青の花入れと水屋の富」より~

ThreeQuarter

JOY JOY THEATRE(東京都)

2022/06/18 (土) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

勤め人やりながら、演劇をやり続けるの予想以上に大変なんだろうなあ。なんて思いながら見ました。
立場が悪くなったり、肩身の狭い思いをしたりとか。

真っ赤なブルー

真っ赤なブルー

U-33project

王子小劇場(東京都)

2022/09/15 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

日曜日のソワレが好きで、よく行ったものです。
最近日曜のソワレって無くなりましたねえ。
すっごい久しぶりの日曜ソワレ。それも良かった。

賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「アクションがめちゃすごくて最高〜!」と「アクションがいっぱいあって最高〜!」と「アクション演出が派手で最高〜!」とが掛け合わさってめちゃくちゃ最高のアクション舞台です!!ってニコニコしてるとストーリーに脇腹を刺されて致命傷を負うヤバい舞台でした 最高!

チェコ・アルファ劇場『快傑ゾロ』

チェコ・アルファ劇場『快傑ゾロ』

プーク人形劇場

プーク人形劇場(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4年前の来日公演『三銃士』をここで観て以来、待ち遠しかった劇場公演。立ち見だった先日の新宿ストリートシアターでの上演も楽しかったが、今日はステージ近くの席で、人形の操演の細やかさなども含めて堪能させてもらった。

SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

Aga-risk Entertainment

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全く予定になく、当日お呼ばれしたので初日に行きました。
前半は、ステージも客席も手探りだったけど、始まってみればどんどん盛り上がり、
最後は感動の作品でした。
前知識なく観に行ったけど、満足でした。

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