最新の観てきた!クチコミ一覧

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みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 舞台設定はスナックにしか見えないカフェ&バーの店内。板中央に楕円形型の大きなカウンター。カウンター奥は開口部になっており劇場奥の壁の手前が高くなって踊り場が見える。落下防止用のバーが横に長く延び右手階段に繋がる。開口部を挟んで上手、下手には正面の壁。下手壁にはカフェバーの入口があり、上手側壁は袖の役割も果たし壁の奥と手前の開口部が出捌けに用いられる。尚、開口部と下手壁の中程にメニューの記された小型ボード。入口から店内に入るとコーナーには雑誌等を置いた本棚、壁は帽子やコートを掛けられるように設えてある。下手客席側コーナーにはパソコン等の載った小机に医師用の椅子。上手客席側コーナーには、客用テーブルとゆったりした椅子。バーカウンター奥の上手正面壁には作り付けの棚が3つあり、それぞれの棚には様々なボトルが並んでいる。カウンター周りにはハイチェアと鞄等を入れる洒落た箱が足下にある。(追記後送)

桜か雪の散るか降る

桜か雪の散るか降る

劇団身体ゲンゴロウ

王子小劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

燐光のイルカたち

燐光のイルカたち

劇団青年座

ザ・ポケット(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

はじめてみる関西の小劇場出身の作者の作品だ。日本の創作劇を上演することに積極的で実績もある青年座が、経験豊富な演出家・宮田慶子を立てての上演である。
ストーリーも劇の構造もユニークな新人の登場である。イキウメに似て時代設定も場所設定も架空、と言うより不詳と言う感じである。内戦下の架空の街の喫茶店を営む一家が舞台である。店は内戦のため、南北の境界に壁を立てた国の、その南の壁際で細々と営業を続けている。壁の上からは常に監視兵の眼があり、戦火の音も、スパイの疑いなどの捜査員が出入りするなどの緊迫感もある。
しかしながら、その壁にはそれほど難しくなく行き来できる抜け道もあり、農家を営む市民が戸外で働くこともできる。店には映画に深い愛情を持つ若者や記録映像を作る人たちも出入りしていて、そこがこの場所を現代の暗喩として性格づけている。
この場所で一家が遭遇するのは、一家離散であったり、官憲の強制捜査であったり、壁を越えてくる者への人間的な支援であったりするが、その描写はストーリーを紡ぐというより生活の断片を並べていくという感じで、そこもこの作者を特徴づけている。作品のリアリティは、境界線を挟んで関西弁と、標準語で話される言葉が違うとか、映画への情熱への共感とか、喫茶店で提供される食物とか生活上の細部で保障されており、南北の政治体制の主張や、戦争の原因、現在の戦況などは一切触れられていない。市民にとって戦争とはこういうものだという戦争に慣れ切った世界である。かつて衝撃的であった「寿歌」の世界がいまは架空の街角の喫茶店に転がっている。
ディストピアのドラマとして、中身は、イキウメや寿歌が透けて見えて、それほどのことはないが、関西弁の力とか、市民生活の細かいリアリテイがとりいれられており、フラッシュバックで短いいシーンを重ねる手法も最近では珍しい。
演出家としては青年座のリーダー格の宮田慶子はこういう作品はあまり手の内ではない(と言うより最も苦手ではないかと思う)だろうが、生活感のとか、家族関係の膨らませ方はさすがの出来で2時間飽きない。しかし、若い俳優たちはもっと頑張ってもらわなくては。関西弁のセリフも浮いているし、ベテランに交じると狭い劇場で人数も少なくないから無駄な動きも目立つ。*の一つは新参作家へのオマケ。


八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

オメガ東京(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

桜か雪の散るか降る

桜か雪の散るか降る

劇団身体ゲンゴロウ

王子小劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台セットがほぼない状態から始まり、色々な道具を工夫しているのが良かった。
戦から戦争への急な展開も言いたい事が伝わりグッときました。

ネタバレBOX

太郎、死にすぎだよと( ノД`)・・・何役もやっているから仕方ないけどやるせない、生き延びる役もあげて欲しかった。
みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Bチーム観劇。ここに書込みたくなるほど、作品も役者さんも良かった。主演の晴森さんが今作品で、役者活動休止との事です。お観逃しなきよう、ファン必見です。

ドードーが落下する

ドードーが落下する

劇団た組

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2022/09/21 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2022/09/29 (木) 19:00

130分。休憩なし。

Letter2022

Letter2022

FREE(S)

ザ・ポケット(東京都)

2022/09/13 (火) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ストーリーじたいは良かったのですが、
こちらのイメージのせいか、ちょっと違和感を感じるところがあり、
そこが気になってしまいました。

桜か雪の散るか降る

桜か雪の散るか降る

劇団身体ゲンゴロウ

王子小劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若い人たちがとても感情豊かに演技されていて好感が持てました、戦争、戦というものがいかに何も残さない愚かなものかというのを真っ直ぐ訴えていたように感じました。時代背景がいろいろになるので仕方ないかもなのですが、鎌倉時代で靴がなんか気になってしまいました。面白かったです。これからも頑張ってください

八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

オメガ東京(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
人の心に巣食う御しがたい思い、その魔物の正体とは…。
舞台美術は、3つの扉があるだけのシンプルなものであるが、物語の展開を分り易くすると同時に、それぞれの人の心の扉の内にある真と実を浮き彫りにする、そんな心象風景を見事に表す。自分の心、その内にあるモンスターが生まれ成長するには或る理由・原因があるが、自身で制御することが出来ない苦しみ、悲しみ。表層的には、自身を見つめ自己変革を図る「夏期合宿特別セミナー」の5日間を描いている。
少しネタバレになるが、心の深淵を覗き込むのは受講生と講師、その2つの観点を巧みに交錯させる。それによって謎めき、サスペンスミステリーのようなハラハラドキドキ感が生まれ、関心を惹き続ける。そしてラストの衝撃的な結末は…劇場で観てほしい。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 公演終了後に追記(ネタバレ)公開。

あゆみ

あゆみ

果報プロデュース

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これは観ておいた方がいい。名前だけは知っていたのだが、成程よく出来た戯曲。柴幸男(ゆきお)本人の演出。他の様々なバージョンも観たくなる。客席二面に挟まれた素舞台、非常に観易い。

登山の格好の前田綾さんの周りに7人の女性(石森美咲さん、稲田ひかるさん、井上みなみさん、小口ふみかさん、田久保柚香さん、橘花梨さん、山本沙羅さん〈プロデューサーも兼ねている〉)。
「初めのいーっぽ!」
主人公の半生の記憶をありとあらゆるやり方を使って7人が演じ続ける。それを椅子に腰掛けて静かに見つめる前田綾さん。胸が痛む描写の数々。母親とはぐれて迷子になって不安で不安で泣き出しそうで、やっと見つけた母親の姿。
BJCの『車泥棒』のような気持ち。
「楽しい遊園地の中で迷子になった小さな子供がお母さん  を探す気持ちは真実。
 多分宇宙の形はその母親が子供を抱き締めた時に湧いてくる気持ちに似ているんだろう。」

顔と名前が一致したのが橘花梨さんだけ。小口ふみかさんは何となくそうじゃないかと思っていた。他の方はかなり見覚えがあるのに名前が出て来ない。人の名前を覚えるのは大変だ。

非常に演劇的でありつつ、物語は映画向き。細切れのエピソードが粉雪のように降り積もる。記憶の雪で辺り一面が真っ白。雪塗れの前田綾さんと観客は自分の映画を観ている。

ネタバレBOX

幼馴染の梅原、仔犬のコロ、尾崎さんをハブったトラウマ、田辺先輩への初恋、母親との上京、会社の後輩・前田との飲み会、結婚式の練習、あゆみを出産、母の死、独り登山。

主人公、中野あみっていうのか!?
中野亜美さんはアンダースタディ(もしもの代役)として物販に立っている。

ラストはあゆみの唐揚げで終わった方が綺麗。そこからのエピローグが余り好きじゃない。

何故だか松任谷由実の『Hello, my friend』が脳裏に流れていた。
八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

オメガ東京(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

最後は意外な方向の展開でした。

ネタバレBOX

軽やかに感じられた前半と、じっくりと心の奥底をぐいぐいと掘り下げていく後半の違いが印象的でした。
みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良かった。

ネタバレBOX

ほんと楽しかった。
全員が、人生の終わりに、そう言えるように後悔のないように。
『田瓶奇譚集』

『田瓶奇譚集』

劇団肋骨蜜柑同好会

駅前劇場(東京都)

2022/09/16 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/21 (水) 15:00

チーム【怪】
劇団肋骨蜜柑同好会「腸詰と極楽」
ある意味スプラッタ系の場面もありつつ漠然と「奇妙な味の短編」を得意とする小説家の作風を連想。しかし具体的な「痛み」を感じさせるの、イヤだなぁ。

たすいち「隣は猫をする人ぞ」
猫がモチーフということもあり、古典的な某有名恐怖小説を漠然と思い浮かべていたら終盤で「あぁ、やっぱり!」。「腸詰と極楽」と共に連想したものとの相乗効果があったような。

日本のラジオ「くるくるさん」
状況設定あるいは舞台設定に「あ、そういうのもアリか♪」と目から鱗。アレをそういう風に使うとは……的な。その意味で「コロンブスの卵」的と言えるか?(笑)

あと、某オムニバスドラマのようにストーリーテラーを起用して三編を繋ぐ型式や各編にチラリとリンクがあったりするのも巧い。これ、事前にHPのあらすじを読んでいなかったら気付かなかったかも?

ネタバレBOX

劇団肋骨蜜柑同好会「腸詰と極楽」で連想した作風の作家は阿刀田高。(あくまで個人的な認識)
また、たすいち「隣は猫をする人ぞ」で想起したのはポーの「黒猫」。壁の中に……というのがまさに。
やっちゃん!?

やっちゃん!?

橋田ゆういちろうのカンパニー

ACT cafe(大阪府)

2022/09/26 (月) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

満足度★★★

内容は誰しも一度は観たことがある、何かの衝撃で人がいれかわるところから始まる。テンポはとても良かったけど…

桜か雪の散るか降る

桜か雪の散るか降る

劇団身体ゲンゴロウ

王子小劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/09/29 (木) 14:00

初見のユニット。平家滅亡期の人物名を使っての壮大なフィクション。若い。132分。
 平敦盛が生き延びて平泉の藤原家に身を寄せ、源義経として生きるが、…という物語。後半の戦闘シーンなど時代考証をブッ飛ばした荒唐無稽な物語で、筋もしっかり通ってるワケではないが、若さで見せてくれてるとは思う。東京藝術大と東京経済大の学生を中心として結成されたそうで、若い役者陣が揃う、と言うか、若い役者しかいない。オープニングはなかなか独特だし、舞台美術も工夫があり面白いが、若干の不手際がありピタリ揃わないところは惜しいと思う。同じ役者が衣装だけ変えて様々な役を演じるので、ちょっと区別が付かないことがある。役者にも今一つの人がいるが、次回に期待は持てる。北条政子役ほかを演じた柳町明里が抜群に巧い。残念ながらタイトルは活きていない。劇団名は東京藝大の講義の「身体言語論」からだそうだ。

かもめ

かもめ

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/09/20 (火) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こちらの劇団だと、「かもめ」も重厚な感じになるのですね⁉︎
でも、こんな雰囲気もいいですね!

みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/29 (木) 14:00

こわっぱちゃん家はいつでもストレートで熱いけど、今回はいっそう力が入っていたような気がしました。
誰もが経験する「別れ」を、ポジティブに昇華させるすてきな舞台、思わず声が漏れました。

ネタバレBOX

握手して繋がる存在が友だち、いつも一緒にいたい。肩を組んで団結してる存在が仲間、一緒にいなくても信頼できる。
このフレーズが印象に残りました。主人公の柚葉ちゃんすてき過ぎです。晴森さんへのはなむけの作品としてふさわしいな!
ガラスの動物園

ガラスの動物園

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演劇は、演じる側も見る側も上演される国(場所)を逃れられないものだと思う。
フランスの代表的な劇団がアメリカの戯曲(それも80年も前の)を母国上演のまま日本でも演じるという。劇団招聘公演と言う興行だけでは絶対に引き合わない形で、したがって国立の劇場の税金公演である。
その疑問はあとで書くが、まず、芝居そのものについて。
「ガラスの動物園」は室内劇で、半円形の新国立のオープンな舞台では俳優たちもやりにくそうで、最初しばらくは、何か身振りも不自然に大きくて、違和感があったが、そこは次第に収まって、後半のローラ(ジュスティーヌ・パジュレ)とジム(シリル・ゲイユ)の場面などはなかなかいい。ジムが黒人俳優と言うのはアメリカなら今のご時世ならやりそうなことだが、この舞台ではまったく自然で、フランスらしい(最近のヨーロッパ映画でもよく見る)。追憶の劇ともいわれている過去にとらわれている人たちの物語でもあるわけだが、このジムは未来も既に過去に取り込まれているような風情であった。
映画で見る女優のイザベル・ユベール(アマンダ)は舞台でも実績のある人ということだが、その真価を見るには、やはり千人以下のプロセニアム舞台で見たかった。冒頭のトム(アントワーヌ・レナール)の語り手として観客に語り掛ける場面も、手品で、これだけの観客を掴もうというのは無理だ。
舞台は、刷毛で茶色の汚しを賭けたようなモルタル壁で囲まれた一室。半具象の難しいセットだ、バルコニーの場は舞台の前面で演じられる。4人だけの芝居で幕間なし、黒スクリーンを下ろしながらの場面転換で二時間。音楽も音響効果も控えめだが、あまり「アメリカ」を意識してはいない。日本で上演される「ガラスの動物園」は日本人好みの小市民家族人情劇でまとめて人気があるが、このフランスの劇団の公園とはタッチが違う。演出者(イヴォ・ヴァン・ホーヴェ)はアメリカに特有な小さな人間関係の中でも独立を求めるところに注目したと言っているが、そのこと一つでも、日本とフランスでは解釈が違い、日本ではおセンチ、フランスでは孤独を厭わない、ということになるのだろう。そういう他国の有名戯曲に対する違いは実際に公演を見て見ないと分らない。そいう機会は留学でもしないとなかなか得られないが、この公演は、そういう違いが分かって面白かった。
翻訳字幕は舞台中央の一文字の上の黒幕に出す。日英で出るのだが、丁寧なのはいいが、演者と距離があるので目が忙しい。同時イヤホーン音声も選択できるようにした方がよかったと思う、どうせ、舞台も第一原語でやっているわけではないのだから。
 舞台は、なるほど、という出来ではあったが、なぜ、フランスの国立劇団を招聘しておきながら、フランスの芝居をやらなかったのかは疑問が残る。フランスはアメリカよりも古い演劇の伝統もあり、古典も不条理劇も、さらに現代劇も皆フランスに名作がある。一度、「ゴドー」をフランスで見てみたいと思っている観客は多いと思う。欧米では歌舞伎のような継承はないから、時代によって演劇作品はどんどん変わる。今のパリの劇場はどんな風にやっていて、それをどう観客が見ているかは演劇ファンは関心がある。この「ガラスの動物園」はコロナでろくろくパリでもやっていないという。なんだか長年の政府間取り決めを誓文払いしたような印象である。
有名女優と、有名戯曲を出しておけば客は集まるだろう、それで言いわけは立つ、という下心が見え見えで、国立劇場の所業としては寂しい。事実、客は一階は埋まっていた。しかし、戦後最初にバローが来た時も、つい十数年前にムヌーシキンが太陽劇団を引き連れてやってきたときも、演目はいかにもフランスらしい一筋縄ではいかないもので、それを機会に学んだことも多い。だが、今は、海外の劇団の上演をというのなら、大きなカンパニーは無理でも、ちょっと気をつけていれば東京ではいくらでも見られる。(ミュージカルならほとんど日本ツアーをやる)今の時代の招聘公演の在り方は少し真面目に考えてほしい。
最期によかったのは高いパンフレットは売らないで、欧米の劇場のようにタダで観劇要覧のような小冊子を配ったことでここは国立劇場らしいおおらかさだった。


「五月、忘れ去られた庭の片隅に花が咲く」

「五月、忘れ去られた庭の片隅に花が咲く」

北海道演劇財団

浅草九劇(東京都)

2022/09/22 (木) ~ 2022/09/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

登場人物のやるせなさと恨み、悲しみが舞台を覆いつくすような、激しい感情を喚起する芝居だった。ここまで激しく濃密なドラマは久々に見た(思い出すところでは「ザ・ウェルキン」のラストに近い、か)。

主人公で次兄(斎藤歩)と、弟の妻だが主人公と密通した彼女(智順)の、まさに愛憎入り混じった口喧嘩、いがみ合いは騒々しい。30年前のばめんと現在が行き来するが、現在では彼女の息子(犬飼淳治)がホモのパートナー(津村知与支)とくらしており、帰ってきた次兄を忌み嫌う。津村のおねえ言葉や、舞台をかき回す無邪気なトリックスターぶりが最高に面白い。単に言葉だけでなく、くんずほぐれつ、投げ飛ばしたり、ごろごろ転がったりの、体を張った演技も見ごたえあった。

死んだ弟がホモだったことも示唆されている。鄭義信が同性愛を扱ったのは珍しい。「泣くロミオと怒るジュリエット」では、ロミオの親友が同性愛者だったが。今回は「(男同士の情事を)想像したでしょ、想像したでしょ」などと、きわどいセリフもある。ホモをユーモアにくるんで大いに笑いをとっていた。

ネタバレBOX

弟の死んだ炭鉱事故が、81年のあの大事故かと思っていたら、クライマックスでもっと大きい事故が起きる。これが81年の自己をモデルにしたものだ。長兄が坑道に取り残され、主人公は「注水同意書」の署名を迫られる。「弟に続いて、兄までも俺は見殺しにすることになる」「周りがなんと見るか?」「これに署名したら、俺はここにはいられない」と。彼女はそれでも署名をすすめるのだが、この場面、彼女の目には本当に涙が光っていた。目薬も差していないのに、本当に感情が高ぶる舞台ではこういうことがある。(この前もそういうシーンを見た)。主人公は署名する代わりに、家を出て行った。隠し子の高校生?の必死に止めるのも振り切って。

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