最新の観てきた!クチコミ一覧

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燐光のイルカたち

燐光のイルカたち

劇団青年座

ザ・ポケット(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

物語の設定としてはイスラエルとパレスチナのような関係が下敷きになっている。
冒頭、主人公が若者をどうしてあんなに驚いた顔で見ていたのか、その意味がストーリーが進むとわかってくる。過去と現在を交互させるのはよくある構成だが、この作品では非常に効果的で主人公の現在の心境をより強く印象づける。

賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壱劇屋の8月から毎月上演される舞台シリーズ
五彩の神楽の第二段の賊義賊

ワードレス
台詞がない舞台

そんなことを聞くと、見に行くのに臆する人もいるかわからないが
全く問題ない

登場人物の感情の起伏、ちゃんとわかります

そして特記すべきは圧巻の殺陣であろう
一度、本当に生で見ることをお勧めする

憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

五彩の神楽の新たなはじまり、憫笑姫を観劇しました!めちゃくちゃ進化してるめちゃくちゃかっこいいーッ!!!!!
初演五彩を映像で見たことがきっかけで壱劇屋さんが大好きになり、ワードレス殺陣芝居を心から信頼した私は、生で見られることが嬉しくてたまりませんでした。
そのわくわくを胸に観に行ったら、殺陣も、物語も、キャラクターも、何もかも進化していて、しかし同じ85分に収まっている、イリュージョン??時空歪んだ??と思いました。

詳しくはネタバレBOXに。
最高でしたー!!!!!
ないと分かっていつつ映像が欲しいです!!!!!

ネタバレBOX

【物語】
誰かを守るため、人は強くなれる。
どんな酷い環境に置かれても1人のために、4人のために、そして全員のために頑張り続けたミラが、大好きです。
私も姉で、妹がいて、妹を守るためなら何が何でも行動してしまうと思う。
そして、頑張ったら認めてくれる人がいる。頑張り続けて、頑張れなくなっても、それでも支えてくれる人がいる。
そのことにとても救われる物語でした。
団長のあの手に、何度でも泣いてしまう。
何度も劇場に通ったあの8月も、そしてこれからも、自分がしんどい時に支えになってくれる物語です。

【殺陣】
主演ミラ役の西分さんの殺陣の進化、エラと3人の女官も合わせた5人5様のキャラクターの性格を表現してしまう殺陣、
ケイレブ団長のくっそ楽しそうな敵軍薙ぎ倒しに、
モールド側近の速すぎる美しすぎる剣筋、
サミュエル王の子どものまま大きくなって剣を振り回す暴力性…!
5人5様と言いましたがそれどころじゃない、登場人物全員そのキャラクター性が殺陣によって分かることに、めちゃめちゃ興奮しました。
女の子は死なない

女の子は死なない

TremendousCircus

シアターシャイン(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久々に心を揺さぶられる舞台を観た。過激さにまず目がいくがそれ以上に作劇がしっかりしていて、役者の演技そして歌やダンスが魅力的で、このテーマをエンターテイメントに仕上げているところにこの劇団の実力が本物であることがよくわかる。

物語は多重構造で、世界を時代を飛び越えて展開し深刻なテーマなのに叙情的であったりする。脚本がまた達者で、演劇史、政治史に詳しい人には堪らない作りになっていたりする。

このある意味問題作を勇気をもって上演したことにも拍手を贈りたい。

またひとつ応援したい劇団が登場した。

ネタバレBOX

かつて演劇は反体制であり、政治や体制と闘ってきた。
そういった意味でこの劇団は演劇の本流であるが、ついにその告発すべき権力が演劇界内部に向けられたということで衝撃的な作品となった。
「税金レイパー」衝撃的な言葉である。しかしいつまでたってもセクハラ・モラハラに対して有効な自主規制が進まない演劇界にとってこの問題作は無視してはいけない作品だと思う。全ての演劇人がもう一度演劇のあり方を見直さなければいけない時期に来ていると感じさせられた作品となった。

テーマの重さと裏腹にこの劇団には歌や踊りや衣装、そして舞台を縦横無尽に使うというエンタメ性も兼ね備えている。もっと大きな舞台で、もっと派手な照明と音響でこの作品を再演させたいと思った。現代演劇を代表する演劇史に残る作品になったかもしれない。

紀伊國屋演劇賞や読売演劇賞の選考委員が観にくればいいのにと思った。
八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

オメガ東京(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

凄い!
今年一番の衝撃か。

ネタバレBOX

安田と財前のエピソードを、内面も見せてほしかった気はするけど。
NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-

NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-

青春事情

駅前劇場(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上は箱馬、二段の階段等を用いたセット。場転によりこれら小道具を移動してシチュエイションに合わせる。
 ホームレスワールドカップの存在を御存知ない方も多かろう。だが実際に存在する。2001年から毎年行われているホームレスによる世界的なフットボール(世界標準のこのスポーツ名はサッカーではなくフットボール)大会であり、通常のサッカーと出場選手の人数等も異なる。フィールドに上がれる人数はゴールキーパーを含め4人、控えの選手は最大4人迄である。
 私的体験で申訳ないが世界大会に関わっていたことがある。1993年日本でアンダー17の大会があった時のことだ。試合はいつもネット裏で観て居た。その感覚から見て、今作、フットボール(サッカー)の本質を良く捉えている。お勧めである。(追記2022.10.4 )

ネタバレBOX

 今作の眼目は、試合開始半年前から本格的練習を始めたホームレスの参加選手達が各々抱えている問題を話したがらず、諸般の事情から現在の境遇に陥っているにも関わらず、世間からは白眼視されることも多く、とどのつまりは、ノケモノにされたり、差別されたりされることによって、自己主張することが元々苦手な人々が多い実情であるにも関わらず増々社会の周辺へ追いやられ、その結果社会参加への意志も挫け勝ちになることに対しフットボールという毬さえあればできるスポーツを通して個々人が他の人々と協働し人間として何等かの前進を遂げる為に催されていることだ。選手資格はBIG ISSUE販売者つまり自立意志を未だ持ち積極的に社会と関わろうという意志をも未だ持ち続けているに人々ということになる。だがハードルは低くない。それは社会からの偏見や彼ら自身が抱えている個人的な事情が関与しているケースが多く、今迄中々チームワークや協調性をも身に付けてくることができなかった事情による。
 この壁を乗り越えさせたのがボランティアとして関わった女学生が彼女の実家が経営している旅館合宿を提案・実現させたことであった。当初、彼女の母は得体の知れないホームレスがリピーターの多い老舗旅館で合宿することに懸念を示していたが、大会参加メンバーの一人が娘同様、登校できなくなりドロップアウトした経緯を知り、参加選手達を知ろうと努めるようになり誤解を解いてゆく。観客は母の遷移を通してホームレス達の個々の事情や具体的困難に向き合い、選手達・サポーター、一般の人々との関係の変容を非常に自然に追体験する仕組みだ。一般社会人の代表でもあるコーチのパスポート期限が切れていたことに本人が気付かずマネージャーに手渡したエピソード等くすりと笑えるシーンも埋め込み良い仕上がりである。

賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壱劇屋からは「ポップでキュートな」のいつもより軽いイメージの紹介がありましたが、師匠との関係、コウとクロの関係とか、いろいろ見どころあったかと。6月猩獸に出演されてた小玉百夏さん、ただものじゃないとは思ってましたが、流れるような回し蹴りとか美しいフォームの飛び蹴りとか想像以上のアクションで、いよいよガチな人来たかって感じが。6月猩獸の時は険しい顔が多かったけど、今回は笑顔も多く、アンパンを落とすところとか、時折みせるくすっとするようなコミカルなシーンもあって、見ててすっかりファンになっちゃいました(笑)
アクションモブとして長く壱劇屋を支えてきた、斬られ役の名人、日置さん。今回はメインどころとしての出演でしたが、想像以上にハマってて、芯としてもバリバリ活躍できることが証明されたし、なにより思いやりのある絡みが出来る人って芯も上手いのだと再認識することに。
それに師匠役の竹村さん、今回それほどバリバリ殺陣をする役じゃなかったけど、突然殺陣を初めるシーンがあってて、そのキレがやばかった。出ずっぱりの竹村さんはもちろんかっこいいのですが、不意打ちの竹村さんもヤバイですね。
妻役の藤島さん、劇中でキャラが一変する場面があるのですが、「これ同じ人か?」って思うぐらい表情とか仕草が変わる。改めて女優さんってすごいな~って思うとともに、女の人って怖いな~とも思ったり(笑)
あと本編とは関係ないけど、劇中でやたらとおいしそうに団子を食べるものだから、団子食べたくて仕方なくなって、終演後も時々食べてる。劇中の飯テロ?って感じもしたけど、それだけ演技が上手いってことですよね。
東京ということと、台風の影響もあって2回しか見れなかったけど、存分に楽しめました(*^_^*)



無神論

無神論

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

記念すべき旗揚げ公演、とてもよかったです。
ホールも、コンサートをやるような、
大きくて綺麗なホールでよかったです。
死という重いテーマでしたが、哲学的になるのかと思っていたが、仲間と本音で感情をぶつけ合うもので、観やすいお芝居でした。
死の真相も衝撃的でした。
旗揚げなので、少し心配してましたが、大成功ですね。
残りの公演も頑張ってください。

当日、受付順だとよかったですね。(チケットの種類に関係なくて)

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私は楽しめた。

ネタバレBOX

小さな頃から、最期の一体感。
素晴らしかった。
陽炎

陽炎

劇団アルファー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 幕の合間に10分の休憩を挟み、この間に大仕掛けの舞台転換を行う。一幕はホリゾントに焼け野が原になった東京の写真が壁面一杯に広がり、その手前には食料品、日用品を扱うただ腰の高さに板を設えただけの「店」が並び、店主は総て女性、上手には元蕎麦屋の瓦礫の梁に筵を下げて入口とした廃屋がその戸口を斜めに曝しているが、無論この家に纏わる女たちが住んでいる。所は銀座三丁目だが、皆焼け落ちて何処に何が在ったかも皆目分からないというのが一般であった。板を使った商いの女たちの背後にも瓦礫と化した柱等が林立し火事場の腐臭を放っている。敗戦1年後GHQが総てを支配する形が露骨だった時代だ。(追記2022.10.5)

ネタバレBOX

 序盤、演技を創りすぎ不自然な印象を齎す役者が多かったのは残念。曜子役は噛みすぎ。演技で気に入ったのは桜役、たけし役、ちあき役、館野役。
 物語に関わる女たちの仕事も状態も様々である。例えば既婚者も戦死したハズの夫が生きて戻って来たり(その時既に戦死したとの知らせを受け妻は再婚していることも)、まともな仕事が無く、生き残る為にはGI相手の街娼をする他無かったり、違法であっても配給では飢え死にする他無い為闇市に店を構える等。こんな状況を居直り状態を示す歌詞の音曲とダンスで示したりするが、単に居直っているだけで負ける迄は‟欲しがりません勝つまでは!“ だの‟進め一億火の玉だ!“ だの言っていた割には誇りを失っていたのは情けない。ドイツでもララ物資が配給されたが、日本とは異なり、人間の食べ物を寄越せ! という叫びが上がった点で、未だに地位協定が行政協定と殆ど変らない日本とドイツの改善された独米地位協定の差は明白である。
 二幕では陽炎と名付けられた純喫茶の店内、筵の下がっていた場所は店内への入り口となり正面にはレースのカーテン付き硝子窓、椅子・テーブル等も戦災にあった劇場で使っていた物を修理したり塗り直してリサイクル、小じゃれた作りになっている。何と言ってもザギンである。出演者の中には極めてダンスの上手い女優、歌の上手い女優の他、カンフーをやっていそうな動きを見せる男性俳優等も居て(作曲家役で普段はヘテロとは思えない素振り)ヤクザ相手に大立ち回りを演じて恰好良い。ザギンもヤクザのシノギには極めて有効なエリアであったので闇市が立つのは自然の成り行き。実際に闇市を仕切っていたのはヤクザであったしマッポも治安対策を名目につるんでいたことは常識である。
 全体として情緒レベルに落とし込んだ脚本になっており、女性達の苦労・苦悩は在る程度表現されていたもののリアルであるよりはエンタメ要素の可成り入った作品という印象を持った。

きっとこれもリハーサル

きっとこれもリハーサル

エイベックス・エンタテインメント

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/13 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

魅力的なキャスト陣のハートフルコメディ。登場人物としては、4人家族と母の知人でもある葬儀屋さんの5人だけであるが、芸達者な方ばかりで会話・雰囲気が違和感なく、舞台に入り込めた。コメディなので勿論誇張部分はあるが、前半は大いに笑わせて貰った。後半からは各人の秘密も重なり、徐々にハートフルな展開に。最後もとても良く、観劇後に家族に優しくなれそうなお薦めの舞台でした。

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この作品に興味を持ったのは、今日の出演者、昨年観た森下知香と二人芝居『セイムタイムネクストイヤー』に出演した加藤大騎、数年前に吉野恵子(そい)が出演した今泉りえプロデュースのライヴに行ったことが切っ掛け。さすが二人共に存在感のある俳優です。申し訳ない。主演の方はよく知らないのです。実は、私自身、固定観念があります。ミュージカルは「1つに形」があるのだということ。従って物語、歌、ダンスが直接つながりがなく、このように派手に見せる舞台、正直、最初は戸惑いがありました。歌とストーリーとの関係、多彩な人物の登場、「時代」についていけない私がいました。しかしながら時間の経過と共に、しっかり作られた舞台セット、実力派の俳優陣と物語の進行、印象的な終わり方。このような舞台も楽しいなあ、と感じました。

 八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

松竹

歌舞伎座(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

歌舞伎座の弥次喜多流離譚(やじきちリターンズ)観劇。
毎度笑いの絶えない舞台。今回は経営難の歌舞伎座が扱われる。文明堂や家族商店(ファミマ)などパロディや、俳優の親子関係のいじりなどのメタ視点によって、歌舞伎座の衰退と再興の物語が現実味を持って迫ってくる。一度上演中止になっただけに感慨深く、歌舞伎役者としての意気込みあふれる芝居でした!

 八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

松竹

歌舞伎座(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

手塚治虫原作の歌舞伎座「新選組」
彌十郎の悪役が魅力溢れ、迫力満点。
敵討ちに燃えて入隊した丘十郎(歌之助)が、仇討ちの不毛さと友とも戦わなければならない不条理を、たくさんの屍の中で感じていきます。

ネタバレBOX

大作(福之助)と丘十郎の友情に胸を打たれつつ、戦のない日本を願って海外に出る幕切れでは、希望と2022年に未だ争いがあるという絶望を感じました。
ピース

ピース

三等フランソワーズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コメディとシリアスが混在していて、感動というよりお化け屋敷に行ったような感じ。可愛いらしいのにリアルな人間味を途切れることなく体感しました。
人によったら苦手なシーンもあるかもしれませんが、すべての役者さんが気迫ある演技で圧倒されました。
舞台美術も古い時代のアメリカという設定にぴったり。

 八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】

松竹

歌舞伎座(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌舞伎座の「浮世風呂」鑑賞
日が外から差し込んでくる描写がきれいで、猿之助の軽快な踊りが見所。風呂桶を武器にして、風呂の床で滑りながら戦う滑稽さから、三助の強さを見せる流れが見事
ふんどしから見える肉体美も素晴らしい

ミス・サイゴン【7月24日~28日、8月22日~24日公演中止】

ミス・サイゴン【7月24日~28日、8月22日~24日公演中止】

東宝

帝国劇場(東京都)

2022/07/24 (日) ~ 2022/08/31 (水)公演終了

実演鑑賞

ベトナムの子供達を直接映像で見せる演出は、意図として機能しているが日本人の感覚としてドン引きはしてしまった。日本で上演されたことにより、ベトナム戦争の反省やアメリカンドリームへの皮肉よりも、戦争に翻弄される人々というテーマ性がクリアだと感じました!

『ワルプルギスの夜』

『ワルプルギスの夜』

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チームB

「ワルプルギスの夜」もしくは「ヴァルプルギスの夜」とは、死者と生者の境目が弱くなる特別な夜。魔女達がブロッケン山でお祭り騒ぎをすると云う。
80年代の小劇場にタイムスリップしたかのような舞台。世界観はレトロSF風味で、『フラッシュ・ゴードン』やらあの辺の安っぽい未来世界が心地好く、観てると段々時空概念が狂ってくる。選曲のセンスも良い。凄くちゃっちいヴィジュアルが一周回って魅力的。

地球が核戦争で滅んで千年後、一部の人類は月と金星と火星に逃れて生き延びていた。地球の陸地は水没し、人の住めない真っ青な惑星。舞台は地球の観測をずっと続けてきた月のコロニー。ミュータントのような奇形な道化達がかつての地球の昔話を伝えて走り回って遊ぶ。はるさん演じる「兎頭」と呼ばれる道化がキーパーソン。双子のレーナ(小泉愛美香さん)とミーア(藤咲優希さん)が奇抜なファッションとメイクで踊りまくり、松田桜さん演じるバレリーナは皆の間を縫って舞う。月人類の口調が何故か花魁詞(おいらんことば)で『ありんす』調。お洒落なPUNKSファッションの観測員達。
そんな中、火星から探査船に乗って数百年振りに3人の火星人類がやって来る。

柳本璃音さん演じる見習い観測員リエットが魅力的。若い頃のマリアンみたいにキラキラしていた。
火星からやって来た考古学者ルベリオ役は佳乃香澄さん、上品。
同じくサンダー役は和泉涼太氏。演技も演出もキャラも“THE 80年代”といった暑苦しさ。
月の女王ユリウス役の神野(じんの)美奈実さんは声色を使い分けてムードを高める。

デヴィッド・ボウイの名曲が高らかに鳴り響き、真っ当、誠実でスタンダードなSFが語られる。レイ・ブラッドベリ風味のラストも美しい。凄く好きな感じの脚本。

ネタバレBOX

『スターマン』
「空ではスターマンが待っていて
 彼は“それを無駄にしてしまうな”と言っている
 その全てに価値があることを彼は知っているのさ」

デヴィッド・ボウイが亡くなった頃に日本公開されたマット・デイモン主演の『オデッセイ』。見せ場でこの曲が一曲丸々大音量で流され、観客は皆涙ぐんだもの。ボウイの息子のダンカン・ジョーンズが撮った『月に囚われた男』なんて映画もあった。

金星は滅び、火星と月の見通しも暗い。地球の再生を願い、探査船で調査に降り立ったルベリオとリエット。しかし地球はすでに完全に滅び、死の星と化していた。絶望的な現実を前に、女王ユリウスは地球に遺してきた全ての魂に懺悔して息絶える。そこに解読された金星人類からの最後の通信が読み上げられる。それは聖書の一節のような讃美歌のような荘厳な詩。『希望は自身の胸の中にこそある。暗闇を自らの希望の炎で照らし出せ』。

「兎頭」の死など雑な展開もあるが、デヴィッド・ボウイの歌で掻き消された。
NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-

NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-

青春事情

駅前劇場(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
表層的にはスポ根もの のようだが、そこは「ホームレスワールドカップ」という あまり知られていない?競技で興味を惹く。自分は知らなかった。この競技、ホームレス状態の人が一生に一度だけ選手として参加できる、社会復帰を目的としたストリートサッカーの世界大会だという。話は、その世界大会を目指すメンバー、スタッフが数々の困難を乗り越えて、という典型的な青春、いや中年の人生再起を賭けた熱きドラマ。

ホームレスの人たちの事情は、敢えて一人ひとり描くことはせず、物語の流れの中でいくつか描くに止める。劇中では、ホームレスになった原因や理由は人それぞれで、中には自然災害で家屋を失った人もいると。今、コロナ禍で暮らしも不安定になっており、先行き不透明な時期であろう。

「ロッカールームを舞台に、実在するホームレスワールドカップ日本代表『野武士ジャパン』をモチーフに描いた過去作を、満を持してここに再演!」という謳い文句…今、再演する意味ーーこれは人生の応援歌なのだ!そしてラストに無言のメッセージが…。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、形の違う いくつかの箱馬のようなもの。正面は(紗)幕、上手・下手には非対称の色衝立、両壁には網が張られ、その内側に複数の空き缶と同数のライトがある。網はゴールのイメージ、空き缶はホームレス、ライトはスタジアム(試合)を連想した。キッチリと作り込まないのは、「ホームレスワールドカップ」へ向けて、時間と場所が流動的だから、イメージの舞台セットにしている。

ストーリーテーラーとして まや(大山麗希サン)がボランティア、そして卒業論文テーマとの関わりで要所々々の状況をコンパクトに説明する。「ホームレスワールドカップ」は、ホームレス状態の人が人生で一度だけ参加できるストリートサッカーの世界大会とのこと。別府(加賀美秀明サン)は海外試合のため資金集め等に専念し、さらに勝利するためプロ選手を招聘することにした。そして新人監督・毛利(中村貴子サン)の下、「さすらいジャパン」の戦いはスタートを切ったが…。サッカー経験者は一人だけで戦術(用語)さえ まともに覚えられない。機嫌を損ねて練習に来なくなったら、携帯電話もなく、家さえないからそのまま音信不通だ。練習を重ねても一向にチームとしてのまとまりを見せない選手たち。監督の提案で二泊三日の合宿を行うことになり…。ここまでが、登場人物の性格やチーム内の立場・役割を説明。そしてチーム状態を見せることで、今後どう変化し纏まっていくかという過程を印象的に導く巧さ。

一方、選手たちばかりではなく、スタッフは海外試合の資金繰りやパスポートの取得や問題も明らかになる。ホームレスになった原因の一つに、姉のために義兄(会社の上司でもある?)を殴り 解雇された男。姉から失踪宣告が出され、11年が経ち戸籍謄本が取得出来ない。また別の男はギャンブル好きで、パスポート申請費用を競馬で失うという始末。ここで、日本のNPO法人ビックイシュー基金の存在を示す雑誌販売の場面を描く。自分たちの手で販売し、利益を得るところに自立の姿を見る。安易に手助けはしない。厳しくも温かいエピソードを挿入する。

貧困という世界共通の問題や、人間の可能性を考える。そぅ 世界中にいるホームレス、国力とでも言うのか、日本に比べ貧困に喘いでいる国々の選手層は厚い。そんな国々を相手に戦って勝ち目はあるのか。社会復帰を目指した彼らにとっての“絶対に負けられない戦い”がそこにはある。色々な意味で ラストの「試合に負けただけで、人生に負けたわけではない」という字幕は熱き無言のメッセージとなっている。
次回公演も楽しみにしております。
評決 The Verdict

評決 The Verdict

劇団昴

俳優座劇場(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごく良かった。

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