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みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

卒業とリンクして演者も観客も涙 私も涙腺崩壊 ラストのセリフしみたー

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/10/02 (日)

価格6,330円

個人的にはミュージカル座『トラブルショー』(2016)以来となる、光が丘IMA(いま)ホールでの、2日13時開演の千穐楽の回を拝見(120分強)。

劇団ことのはboxの舞台などで存じ上げている役者さん達も多くご出演の2時間、お天気のいい日曜のお昼時に相応しいミュージカルの王道みたいなストーリーと、耳に馴染みの深い90's J-POPの楽曲の数々を、大いに楽しませてもらった。

ただし、素人”耳”にも、歌唱力の力量で、出演者個々に多少のバラつきが感じられた。
とはいえ、そこはまあ、コロナウイルスが猛威を振るう昨今、奇跡的にも、一人の降板者も出さずに千穐楽を迎えられたことを祝して、”終わりよければ全て良し”ということで。

なお、演じ手では、デボラ役・今泉りえさんの見事な歌唱が大変印象に残った。

ネタバレBOX

【配役】
アン・アロイト…橋本愛奈さん(ことのはboxの舞台や、東京ノ温度「おずわるど」ぶり)
ペティ・バーナード(アンの親友)…菊池愛さん
クリス・コーダンテ(アンの親友)…平松可奈子さん
デボラ(悪女。ジャロとの間の子供が死去)…今泉りえさん
エイジャイ・エルンスト(昆虫”博士”)…上田操さん
ハンス・ハルバート(結婚詐欺師だったのだが…)…久下恭平さん
イザベラ・イルゼ(ハンスに恋している)…片瀬成美さん
ジャン・ジャック・ジャロ(覚せい剤の研究者だったが…)…瀬野和紀さん
ケネス・ノックス(FBI)…高橋里央さん
ローラ・ローレン(麻取)…市瀬美和さん
マーク・マクガバン(FBI)…齋藤舞佳さん(ことのはbox「おつかれ山さん」ぶり)
フィガロ(殺人マニアの夫)…佐野眞一さん(ことのはboxの舞台でお馴染みの役者さん)
ゲルダ(殺人マニアの妻)…いのまた有古さん
オリビア・オハラ(ドラッグ・クイーンたちのマネージャー)…篠田美沙子さん(ことのはboxの看板役者さん)
パトリシア・ボーン(ドラッグ・クイーン)…久保雅樹さん
クェンティン・クゥワイア(ドラッグ・クイーン)…櫻井太郎さん
レイチェル・ローズ(ドラッグ・クイーン)…小久保隼さん
サンドラ・スパイク(ドラッグ・クイーン)…、渡邉聖明さん
バネッサ・ベック(アンの恩師)…田中結さん(ことのはbox「「楽屋 —流れ去るものはやがてなつかしきー」ぶり)
ウンダー・アッツ(デボラの知り合いの殺し屋)…加藤大騎さん(ことのはboxの舞台でお馴染みの役者さん)

アンサンブル…
阿部美月さん、大西碧さん、上之薗理奈さん、郡司聡美さん、佐々木花那さん
佐藤寧々さん、田村望琴さん、平井絢子さん、陽実幸さん、若海千尋さん
あゆみ

あゆみ

果報プロデュース

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#石森美咲 #稲田ひかる
#井上みなみ #小口ふみか
#田久保柚香 #山本沙羅
#橘花梨 #前田綾(敬称略)
【千秋楽】わが走馬灯には誰が出てくるのだろう。わたしは何人の走馬灯に登場するのだろう。誰の走馬灯に現れるのだろう。出会いに恵まれた人生だったと思う。でも、自己肯定感が凸凹で矛盾だらけ。きっと悔やんだことばかり映し出されるに違いない。大きな後悔の場面は、もうすっかりドラマとして何度も再生されているので、少しずつ色が足されて、既に原形を留めていない気がしている。それに引き換え、日常に埋もれそうな小さな過ちの中に、触れられない痛みを伴って封印されたモノがあって、ソイツがここぞとばかりに襲いかかって来るような気がする。
40歳になって間もなく、急に人生の残り時間を意識するようになった。枯れていくことの恐怖が芽生え始めて、その強迫観念が覚悟を迫るようにもなった。人生が登山なら、最後の瞬間が頂上で登り続けているのか、或いは40歳辺りで登頂し、後は下り坂を降りているのか……そんなことが実は頭の隅の奥の方でずっと燻っていることを認識している。
人生を綺麗に精算なんてできない。でも、仕方ないとか仕方なかったなんて言いたくはない。できることなら、緩やかに、そして穏やかに、登り切るのか降りるのか、その瞬間まで恐れずに歩みを進めて行こうと思う。

キャストが皆さん魅力的だった。

陽炎

陽炎

劇団アルファー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

ピース

ピース

三等フランソワーズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見始めは、えらいもの観に来てしまったなあとモヤモヤしていましたが、パンフレットを読んでおいてよかったです。なるほど、そういうことなのかな、仁義なき戦いかなと。それぞれのキャラに引き込まれたのと、最後のシーンはあれでいいんやろなと思いました。
お芝居観られてありがとう。!!!

無神論

無神論

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

㊗旗揚げ公演。その物語は観念的であるが、観せ方は激情型でインパクトがあった。特に演出・主演の新藤レイジ役(佐伯啓サン)が語りだすまでの沈黙、それは長く続く。そぅ言葉(台詞)を発しない前半と饒舌に語り、周りの人々(恋人やバンド仲間)との関係が明らかになる後半とでは劇風が違って観える。

自分の死は正しかったのか、という問いかけのある説明は、レイジや彼に関わった人々の生き方が、「無神論」ならぬ「無神経」といった感じだ。けっして楽しい内容ではなく、後半部分は鬼気迫るもの。若さというエネルギーの発散というか発揮を急いだ、もっと言えば生き急ぎすぎという痛々しさが印象的だった。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術、中央にテーブル、その周りに箱型クッション、下手にカウンターが置かれている。誰かの部屋であり Barのような場所にもなる。全体的に薄暗く沈重な雰囲気が漂う。上演前の前説を葬儀における諸注意のように淡々と話す。雰囲気と話のギャップにクスッと笑いが…。

物語は、レイジが高校時代の仲間とバンド活動をしていたが、自分(才能)の限界を知り始めた。いや、何度か劇中でレイジが言う「トゥエンティセブンクラブ」、天才ミュージシャンは27歳で死ぬ、それに憧れているかのような思考と行動でもある。解散を言い出すレイジ、一方 仲間はレイジの存在、その才能を拠り所にして生き 活動している。出会いは高校時代、仲間はそれぞれ無視されたり孤独といった人と関わることが苦手なタイプ。しかし音楽は好きで、その活動に興味を持っていた。レイジは、そんな彼ら彼女らを誘いバンド活動を始め、インディーズバンドとして人気を博した。が、次第にレイジの音楽への情熱が醒めたのか諦めなのか。頼り頼られといった関係が崩壊するが、そこに それぞれの自分勝手な思いを見る。
彼を見限りたいが…。そして起こった悲劇、その真相を探る元刑事のバンド仲間への聞き取りがミステリーとしての面白さを加える。

レイジの静かに吐露するような言葉、一方 バンド仲間は、それぞれの事情と思いを激しく悲痛な叫びとして表現する。その対比が人の生き様を端的に表す。何をどうしたい といった渇きと衝動を生々しく描いているが、どの人物も同じような表現方法(絶叫するような)、その画一的な観せ方が残念なところ。人それぞれ生き方が違うように、その苦悩なりを色々な表現で描いてほしかった。

演出は、物語の奥底にある思い、それをストレートに伝えようとしている。例えば激情した言葉(台詞)は客席に向かって叫ぶ。見えない相手を観客に準えているようだ。また、Barのマスターやスタッフの存在が重い雰囲気を和らげる。前半は幽霊(魂だけ)のレイジ…佇み懊悩する姿、一方 生前の彼の思い出に浸るバンド仲間という死と生を感じさせる。一転、後半は 思い出(生前の記憶)のレイジを登場させ、過去と現在を紡ぐ。さらに元刑事の推理を上手く挿入し関心を惹く巧さ。
次回公演も楽しみにしております。
영(ヨン)

영(ヨン)

玉田企画

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

笑えるわ

クロミネンス・クロニクル2

クロミネンス・クロニクル2

桜餅総本舗

キーノートシアター(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出演の楯真由子さんの妖しい美貌が物語のキモとなり、対になる、木村莉子さん演じる同じ容貌(という設定)のクールビューティーな時空刑事の正義に疑義が生まれる時空警察シリーズでは何度かとりあげたテーマを敵対者側から語られるのが面白い。
このベテラン?と最年少のコンビが、カーテンコールの挨拶で挙動不審状態になっていたのが役柄とのギャップ萌えでした。
ロバートウォーターマンさんの語りの上手さは、うしおととらで演じた巨漢の妖怪からは想像も出来ませんでした。
時空刑事の一人だった吉田圭さんの演技にも眼をひかれました。
時空警察シリーズの一編を堪能しました。

영(ヨン)

영(ヨン)

玉田企画

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

玉田企画のファンです。
小さい劇場でやってた頃から観てたので
芸術劇場まできたのは感慨深かった。

今回の公演は、主軸となるテーマがはっきり提示される中に、時々いつもの玉田企画のノリが入ってくるような感じ。

新たな挑戦には応援していきたいが、これまで玉田企画が得意としていた、集団の中で起こる気まずい空気、見てはいけないものを覗き見してるような感覚が少々薄味であった。

主宰自身も、ストーリーとしてのインパクトが強いため、群像劇でなくなると解説があったが、私がそう感じた要因はまさにそこにあるだろう。
これまでの強みを最大限発揮しながらストーリーが溶け込むとより良かった。
(過去公演「今が、オールタイムベスト」がそんなイメージ)

また進化した玉田企画が観られるのを楽しみにしてます。

『太鼓』

『太鼓』

劇団演奏舞台

九段下GEKIBA(演奏舞台アトリエ)(東京都)

2022/09/23 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

臨場感があり良かったのですが、設定を考えると声の大きさが少し気になってしまいました。
音響が効果的で印象に残りました

天の敵

天の敵

イキウメ

本多劇場(東京都)

2022/09/16 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

イキウメらしい作品で、この再演ではかなり、エンタティメント化も進んでいる。長くもなって、2時間20分ほど。
イキウメは設定の奇想天外度で大きく面白さが左右される。初期作品は日常の一部を隠してしまうような設定が成功していた。「天の敵」では「生命」。一人だけ死なない、となると、どうなるか。
この不死を発見した満州戦線の飢餓の経緯から始まり、不死の条件は、人の生き血を食料にしなければならないとか、日光のもとに出られない、とか非日常の条件もあるけど、それよりも、周囲の人間と共に老いていけない、という日常的な苦しい条件もある。この辺のぎくしゃくも巧みに設定されていて、ドラマは面白く展開する。
幕開きのシーンがテレビの料理番組で、そこでは自然食品とか、長寿のための食生活とか、現代の食・健康ブームが描かれていて、これも、イキウメの特色だが、思わぬ切り口からの現代世相批評になっている。ここが今回はずばり、当たった。
舞台も、かなり余裕を持っていて、一杯飾りの舞台作りにも随所にあるお遊び的なシーンも外してはいない。全体は若干長いかな。プロローグの実際に料理するところとか、最後の部分は少しもたれる。お馴染の俳優たちもすっかりガラと持ち役が決まっていて楽しませてくれる。小劇場としてはこういう独自の作品で、ここまで来たのはお見事で、観客も随分楽しませてもらった。
本多劇場で十九公演。見た回もほとんど満席だった。



桜か雪の散るか降る

桜か雪の散るか降る

劇団身体ゲンゴロウ

王子小劇場(東京都)

2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

仕事帰りに初めて観ました。
今までいろいろな舞台を観てきましたが、演劇ってやっぱりいいなぁとつくづく感じさせてくれる舞台でした。
当日、仕事をしていた時間と舞台を観ていた時間が同じ1日とは思えぬまま翌日を迎え、再び足を運んでいました。
劇場前の看板にあった「現代社会に疲れたら、劇みませんか?」、正に。
世の中の出来事を自分なりに正しく捉え考える時間もないままに、目の前のことだけに費やされて終わる毎日の中で、ふと、立ち止まらせてくれました。
それも非常に美しい音楽と 絵画のような瞬間の数々に彩られた空間の中で、
若々しい活気とエネルギーに溢れた役者さんが巧みな演技と、おそらく舞台への愛情とで。
息つく間もなく、2時間があっという間に経過していました。
時代や環境を超えた人間本来の変わらぬ姿を、喜怒哀楽だけでは括れない細やかな感情に至るまで
役者さんが伝えようとしている姿に心を動かされました。

ネタバレBOX

・オープニング等各所で見られる全身を豊かに使った身体表現は、その音楽と相まって素晴らしかった。
 同時に舞台進行中、微動だにせず静止を維持している身体能力にも驚愕した。
 また、狭い空間を大きく見立てる役者さんの動きにも関心しました。
・小道具の椅子を縦横無尽に使い、稚児の穏やかな1日の様子を伝える場面は平和的で素敵でした。
・秀衡、泰衡親子のやりとりは楽しく、笑いを飲み込むのに大変でした。
・全編を通じ心に残るものでしたが、特に以下の場面は印象深く残りました。
 敦盛の自害未遂での太郎とのやりとり
 泡盛に心の変化が見られた場面
 敦盛が金色堂を壊す場面
 敦盛と姫とのやりとりの場面
 金色堂に桜が舞う場面
 町で皆が賑やかにいきいきと生活している場面
 観衆に言葉で問いかけてくる場面

 
無神論

無神論

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

無神論

無神論

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

難しいテーマをお芝居にしたなあと思って観に行きました。ミステリー要素もあり面白かったと思います。
どちら側に立つかで見方も感じ方も変わるのでしょうけど、みんながみんな自分勝手のようでもあるし、そうじゃないと進めないのもわかる気がするし。私にとっては、見終わってから考える作品でもありました。途中どう終わるのかと思いましたが、ラスト、前向きにうまくまとめた印象です。旗揚げのこと、これからも頑張ってください。

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
主人公の成長と、その時代のアメリカを楽しく描いた作品でした。
アメリカが舞台でありながら、90年代の日本の歌が使われ、懐かしさを感じると共に楽しさ倍増でした。
歌は、正直、実力の差があったように感じましたが、ダンスも衣裳も観応えがあり、とても良かったです。
主人公や友人、出演陣が可愛くて、ドラッグクイーン達の存在感も良かったです。
楽しい時間を過ごせ、大満足でした!

みんな友だち

みんな友だち

こわっぱちゃん家

上野ストアハウス(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

以前に何かの演劇際の短編を拝見して、一度拝見したいと思っていた団体さんです。評判通り素晴らしいお芝居でした。お話自体は悲しい話なのだけれど、それを希望のあるポジティブなお話に。役者の皆さんの真に迫った演技で、何回も泣きそうになりました。あっという間の2時間、その後のアフタートークも面白かったです。次回作も楽しみです

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

もうあっという間の2時間で、リラックスして本当に楽しめました。知っている歌もたくさん出てきましたが、アレンジも加わっていて、場面にあわせて上手く使っていたなあと思いました。内容もいくつかのお話が上手く平行して、ラストにうまく繋がってよかったです。とても楽しい時間でした。

クロスフレンズ 2022

クロスフレンズ 2022

LOGOTyPEプロデュース

光が丘IMAホール(東京都)

2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

[あなたは何曲歌えますか?]
チラシのフレーズですが、私は三曲でした。
そのうちの一曲は大好きな曲で、その当時を思い出しました。
帰るときは、その曲がずーっと、私の中で、響いていました。
半分くらい知っている曲でした。
次回も観たいなと思いながら、帰途に着きました。
素敵なミュージカルでした。

天の敵

天の敵

イキウメ

本多劇場(東京都)

2022/09/16 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2017年の初演から、自分には少々早い再演観劇であったが、超常・異常の世界に浸る娯楽作品に「現在」的視点を鋭く据える作者であるので、パンデミック前後での変化を見たく(配役の違いにも期待)観劇に赴いた。
初演の記憶はわりと鮮明。劇場が芸劇イーストから本多に移っても風景、そして物語にも大きな変化はない。が「見え方」が違う。どこまでもクリアな立体舞台を観た。

ネタバレBOX

まずはTVの料理番組(収録)場面から始まるが、まな板でごぼうを細切りし、フライパンに放り込み、バルサミコ酢を入れる。エアかと思いきや、やがてシャーと音が聞こえ、きんぴらの匂いが客席にも届く。招かれた料理人はこの物語の表の主人公H(名は複数ある)だが、手を動かすのは助手の女性、番組進行をするお喋りMCの質問にはHが答え、コミカルなやり取りの中にHの独自の哲学がちりばめられる。その言葉は簡潔だがMCの、引いては観客が共有する一般認識を覆していく。飽食への警鐘から肉食への疑念、更に「荒唐無稽」な領域へと話は進展するが、領域の境界がいつしか踏み越えられ、不可思議の物語に誘われる。
主人公の役をやる浜田信也が年齢的にも役に適し、荒唐無稽な「仮説」に演劇的リアリティを与える。だが彼と対峙する記者(安井順平)こそ観客が投影する人物で、重い問いを投げかける存在となる。二人の関係という基本構図に彩りを添える周囲の人物らのディテイルが美味しく、人間味ある人間らを鮮やかに象るが、時間を超越した視線を通す事により、人間の類型的な描写を可能にする(「あゆみ」の眼差しに似た、愛すべき人間の形象)。
余白が効いている。冒頭のTV番組での料理の時間、台詞が止まるが料理が進む。限界の長さ沈黙を試みているが、それによってリアルさが刻印される。際物な物語が、どういう身体から語られるのかは重要であった、と見終えてから思う。
台詞の無い若い二人が不思議な存在感を持つ。「現在」の料理教室でアシスタントをしていたりするが、料理番組収録に入る前、真の冒頭でテーブルメイキング等に無言で勤しむ所作が、鮮明な印象を残すのだが、それだけである。ただ、掘り起こされる「話」、世間には出せない事実を、二人は知っているのかいないのか、演出的には特に示唆をしないが、観客はどちらなのか、と「?」を無意識に抱え込む。この存在を置いた事は他の諸々と考え合わせ、演出力を実感させるもの。

総じて、猟奇さが強調された初演に比べれば、奥行きある人間描写により完成度の高い人間ドラマとして見る事のできた再演版であった。
無神論

無神論

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/10/01 (土) 17:30

芸術家とその神格化の興味深い考察。ステージ本番もブラボーでしたが、この作品を亡くなったミュージシャンの葬式と見立てた主宰の開演前と終演後の挨拶も秀逸でした。狂気やメンヘラの表現が得意な面白劇団に成長するかも。

見に行く回の1週間ほど前と前日の連絡、見終わった後のメール連絡も丁寧で、こっちが恐縮してしまうほど。

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