温室の前
Lilas
RAFT(東京都)
2022/09/22 (木) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初めての岸田國士戯曲でした。余韻がじんわりと長く残る。
二人きりの兄と妹、生きるのにじゅうぶんな金はある、病気がちだった身体が健康を得た、雑貨屋のような店をやり温室で植物が花をつけるのを楽しみにしながらそれでもどうにも閉塞的になるふたり。
そこへやってくる妹の同級生と兄の同級生。閉塞が終わったかのように見えたのは束の間、「やっぱりね」という展開に。
100年前に書かれた戯曲だけれど、なんというか「そういうとこやぞ」って言いたくなる登場人物をみてると人の営みは変わらないって思いますね。
控えめな照明と凝った美術、ちゃんと着替える登場人物。いろいろと好感を持ったお芝居でした。
笑顔の砦
庭劇団ペニノ
吉祥寺シアター(東京都)
2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この規模だと最近は全席指定となるものだが珍しく全席自由で幸運にも最前列の中央付近で観劇。心に沁みる緒方晋さんの在り方が良い。時代錯誤的なところもあるけれど。
淡々と2つの部屋にある日常を追うことになる観客。なんとも不思議な観劇体験。
しょっぱなから食事の支度、ほんとうに食べている、ごはんを噴き出すシーンに一瞬はらはらしてしまいコロナ憎しの気持ちに。そういう雑音が心底いやになるほど素晴らしいお芝居。
生活感のある素晴らしく作り込まれた美術、それが2つあり、しかも片方は時間の経過とともに変化がある。観客はそれを観察するのも楽しみのひとつになるがしかしまあ、暗転の中でよくあれを毎回正しく設置できるものだと内心舌を巻く気持ち。
漁師たちの言葉が絶妙にバラバラなのも良い、ちゃんと配役表にその人の出身地が書いてあり、なんのつながりもなかった人たちが仕事を通じて仲間になったのだというのが分かる。良いなあ。
人にはそれぞれ背景があり、集ったり、別れたり。そういうものだと教えてくれる。
『地獄変』
芸術家集団 式
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お見事!! 身体表現、心地よい台詞、赤と黒の世界。上演時間70分とアナウンスされたのですが終わらないで欲しい、ずっとこの舞台を観ていたいと思いました。絵師の思いと重ねあうところですが、何度も何度も作り変えて練り上げた作品だと思いました。ブラボー
賊義賊 -Zokugizoku-
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2022/09/21 (水) ~ 2022/09/27 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ちゃんと台詞のあるお芝居も出来る人たちが、あえて台詞を排除して殺陣と表情とパフォーマンスで魅せてくれるシリーズ。観るほうは想像力をフル回転するからかものすごく作品に没入できる。あるシーンで涙があふれたし(お芝居であまり泣かないのだけれど)そのとき両隣の観客が手で口(マスク)を覆っていたの、「わかる」しかなかった。
シリーズはすでに大阪で上演済みながら、「賊義賊」は観ていなかったので楽しく拝見した。
主演・小玉百夏さんと竹村さんが旧知の仲なのは知っていたのでようやく主演で観られたのが観客としても嬉しいし梅棒の伊藤今人さんがご出演というのも個人的に胸アツ。
楽しかった!
次の「心踏音」は大阪で初演を観ているがとても良かったのでまた観られるのが嬉しい!観に行きます!
『地獄変』
芸術家集団 式
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
炎に焼かれるところをどう表現するのか楽しみに行きました。
ウワー、と心の中で叫んでいました。
こういうふうに表現するのか、イヒョウをつかれビックリでした。
父親役の役者さんが見事でした。
娘役の役者さんも可愛かったです。
いびしない愛
ばぶれるりぐる
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
コロナ禍の真っ最中、不振にあえぐ高知県の小さな宗田節製造工場にある事務所。そこに泥棒が忍びこむことから始まる、居場所だとか生き方だとかの物語。
美術が素晴らしい。トタンの壁、建築がそこにある感じ。物語のキーになる扉、妙にリアリティあって好き笑。
皆さまのご感想手厳しいなあ。わたしは「何も事件が起こらない日常」こそが好きなものでこれくらいのゆったりさは全く問題なく楽しく観られました。
幡多弁は分かりませんが何を言ってるかはだいたい分かります。
(この作品、幡多弁の地元・高知県土佐清水市でも上演したというのがすごい)
ご出演者さん皆さま芝居巧者。出色は蟷螂襲さん、さすがの一言。
シリアスな場面と力を抜いて観られる場面、双方のバランスが良かったです。
足跡
さるしばい
萬劇場(東京都)
2022/10/06 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
「5…」
四分乃参企画
JOY JOY THEATRE(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
菜の花日記 飛龍伝
ワークショップの方がいきなり飛龍伝をするのはかなりハードルが高いんじゃない?と思ってましたが、飛龍伝の世界観はバッチリ見る事が出来ました。演技は荒削りな部分はありましたが、役の気持ちがしっかり伝わりました。
ミモザ 蒲田行進曲
演出、演技共に満点、めっちゃくちゃ面白い!
ビブリオライブ4
本気の本読み!ビブリオライブ
NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今回2回目の参加でした。このライブは観劇ではなく参加と感じています。今回もとても面白かったです、複数回参加するともっと楽しそうですよね。続けてほしいと思います。次回も期待してますね。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
15日餅の回を拝見しました。なかなか面白い見せ方だったと思います。仮想と現実をイメージで繋げるとの前説も導入として良かったですね。短い時間にうまくまとまっていたと思います。次回も楽しみですね
『地獄変』
芸術家集団 式
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
なかなか面白い内容でしたね。普通のお芝居とは少し表現方法が違っていて、新鮮でした。身体的に表現するお芝居も拝見したことありますが、そこにお芝居も取り込まれていて面白かったです。主人公の絵師の役者さんの演技はとても熱演でした。
「5…」
四分乃参企画
JOY JOY THEATRE(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
奇燃
カリフォルニアロール
早稲田大学学生会館(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
演技も学生さんの演技としてはかなり上手い。殊にリク役、閻魔役の殺陣での動きがグー。大人の役者が演じたら身体から滲むものが見えて更に深みが増すことは間違いない完成度の脚本でもある。
YOKOHAMA 3 PIECES
theater 045 syndicate
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
地元神奈川の劇団が3作品持ち寄った公演だが、中々の充実度だった。
もっともKAAT大スタジオの広さを埋めるための工夫と力量の必要も実感。密度が薄くなる。客席がやや寂しいのもそれに輪を掛ける。オムニバスという事で可動な舞台装置に限定されると、「広さ」がいや増し、声も吸われる。
マイナス条件はともかく・・。まず、虹の素。横浜川崎でコンスタントに公演を打ち、青の素という若手公演も手掛けて「頑張っている」印象だが未見であった。実在する(した)生物に着目しドラマ化した舞台で、「なぜこの物語なのか」興味を惹かれる所だが、その「?」に答えるもう一つが欲しかった気がする(40分)。
二つ目がG9プロジェクト、横浜で活動30年になる劇団との事で名前は知っていたがこちらもほぼ初めて。作品は「12人の怒れる・・」を高校版に翻案した短編(登場人物も12人)。素行の悪い生徒の処分を決定する会議を見届ける。シンプルで判りやすい芝居を、演者・観客共々如何に面白がれるか、要はアンサンブルを見せる演目とも言える。キャストの演技アプローチの不揃いが、徐々に珍味の域、逆に面白くなるが、締める所ではもう一つ締めたかった(約30分)。
三番目が無論(?)私の目玉、theater045(約35分)。平塚直隆作品のナンセンス爆発の路線はその通りであったが、間抜けな男子高生のいじましい青春断章?が045がやるせいかハードボイルド色を帯び、作品にも合致していた。話が何やら妙な方向へ行き、伏線の台詞がラスト前でふいに輝き、「まさかあれをやるのでは」と確信した所(あれ、と言ってもあれを聴いた事はなかったのだが)、やっちまった時には腹が捩れた。その後に訪れる爽快感が忘れられぬ。(そういや昔斎藤晴彦という歌う俳優がいたなぁ)
名作ヨコハマヤタロウから注目の劇団だが今回は継続に値する企画を打ち出した(theater045がやる所に意味がある)。他団体も巻き込みつつ是非続けて欲しい。(そのためには毎回theater045が秀逸な一本を提供せねばであるが...ところでこの劇団名の略称は無いものか。)
『雨の世界』
ウテン結構
サブテレニアン(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
雨の世界…冒頭はサスペンス風に始まるが、いつの間にか女同士の少し痛い友情物語に変転する。俗信の雨女、その悲哀と雨天(嵐)ゆえに知り合った旅人の話を交差させ、「雨」をテーマにした物語を抒情的に紡ぐ。更に雨女になった謂われ、「日知」といった家系的な繋がりを描くことで、ネガティブ イメージを払拭し前向きな姿を観せる。
公演の魅力は、本当に幼い頃からの親しい友人ような演技、その息の合った自然な会話が実にいい。全編 効果音または音楽が流れシーンの雰囲気を漂わせる。また衣装の色彩は、赤・白・黒といった強調色で 薄暮のような室内空間に映える。
(上演時間1時間20分)
ビブリオライブ4
本気の本読み!ビブリオライブ
NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/15 (土) 10:00
毎ステージ脚本と配役が変わり、即興演劇もあり、まさに俳優を味わう一日!俳優の役に入る瞬間、鼓動とパッションを劇場では味わえない近さで感じることができて非常に充実した空間を味わうことができた。
しかし、毎回ゲストが来るといっても、小劇場演劇の延長線上の関係者が多いんじゃないかと思っていたら、なんと、僕が今日観た回では元SKE48で現在はモデルをしていらっしゃる平松可奈子さんがかなり狭い空間で、それも、目と鼻の先ぐらいの近さで演技したりしているのが滅多にないであろう状況で、貴重な経験ができて良かった。
前半の別役実風なお互いに言葉が噛み合わないで進行していき、どんどん行動がエスカレートしていく女に嫌々断り切れず付き合い続ける男のやり取りの会話劇での、感情の起伏がどこにあるのか分からず、急に激昂したり、また静かだがややサイコパスで普通じゃない女を、平松さんは見事に演じ分けていて、感心した。
また、エチュードの時も、無茶振りに余裕で答えていて恐れ入った。
最後の朗読劇の際に、自然に涙が溢れて言葉も詰りつつ、台詞を言っているのが、いかにも演技してますといったわざとらしい感じじゃなく出てきているのを見て、平松さんに演技の才を感じた。
俳優の人たちと、ゲストのフリーの俳優さん、元SKE48で現在モデルの平松可奈子さんとの赤裸々でぶっちゃけたトークや、俳優による自虐や毒舌がない混ぜになった会話が面白かった。
ひとりでできるもん!
うずめ劇場
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
うずめ主宰ペーター・ゲスナー氏の還暦と在住30年で一つお祭りを、という事で落語を題材にした舞台。前作に続き内田春菊絡みだが、今回は脚本の書き下ろし。下調べゼロ。うずめ劇場の今回の見世物は・・(ひとりでできるもん、の心は・・)?とわくわく開幕を待ったが、文句なしに嬉しい題材。春菊氏のエピソード創造力と、落語への愛情が窺える脚本に観ながら内心ウハウハであった。「一人でできる」のは落語のことである(言われなくたって書いてある)。
毎回終演後のパフォーマンス(女性落語家を中心に)とトークがあり、私の回は三遊亭律歌、小噺の後内田氏進行による対談。客席にいた某元アナウンサーが質問コーナーで振られていたが、彼女は「花柄八景」を生んだ公演企画(噺家縛りの新作上演)を企画した人。そんなこんなで落語三昧な贅沢な時間であった。
芝居の方は最近ペーター氏の演出に感じられる飾らなさと、役者本位、ポイントを押えたアイデア演出(限られた材料で最大効果、的な)が印象に残る。
多彩な客演者もさることながら、うずめ俳優三名(今回はゲスナー氏もガッツリ片言日本語で登場したが)の働きに胸が熱くなった。かなり個人的な思い入れが以前に増して増量しておるが、これも芝居の内、としておこう。
ラビリンス
関西大学劇団万絵巻
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★
良かった‼️内容としては、僕も共感できる内容。ただ、人生はラビリンスとも思っている僕には、あの殺陣の必要性が…。殺陣が得意な劇団ではあるが…
アリスの本当の母親役は誰よりも光っていた。四回生らしいが、演劇ファンとしては、演劇を続けて欲しい人材。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
精神病院つばき荘
トレンブルシアター
シアター711(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
数日前にこの芝居を観劇した知人に薦められて観劇。
とても面白かった!
タイトルからして、重〜い芝居を想像していたが、いい意味で裏切られた。