「流れる」と「光環(コロナ)」
劇団あはひ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
4/6(水)と翌4/7(木)、池袋の「芸劇」(東京芸術劇場)で「劇団あはひ」の公演がありいずれもアフタートーク付きのソワレを予約しておいた。
下北沢の本多劇場で初めて彼らの「どさくさ」を観てからお気に入りの劇団になっている。
●4/6(水)は「光環(コロナ)」。
KAAT神奈川芸術劇場にて昨年上演した「Letters」を再演に向けてリクリエーションしていたら初演とは全く別のアプローチの作品となったが、いろいろと研ぎ澄まされたのでタイトルを「Letters」から「光環(コロナ)」と改め、新作公演の上演にするというメールが来たのは3月末。
メールの大塚健太郎 氏(作・演出)のコメントによると、能の構造を援用し作品が本来持っていたポテンシャルをさらに引き出した結果「もはや別作品としか言いようのない、しかし明らかに作品本来の姿」だそうで「これはコロナ禍を経験したすべての人に送るわたしからの手紙です」と締め括っている。
こうした電子メールという「手紙」から、すでにこの演劇は始まっているのかもしれない。
もともと「Letters」という作品は、城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市)で実施された昨年8月、10月の二度の滞在制作によって生まれた作品だそうだ。
当時のパンフレットの中には各自のそのときの語りも入っていて、推しの古館里奈さんなんかは温泉巡りをして美味しいものを食べたりとなかなか楽しんでいたりする。
この演目は、舞台の空間も下手の奥から上手の手前に正方形の飛び石で繋がれた舞台があって全体として斜めの菱形のようになっている。
夢幻能の構成をうまく使って(言わずもがなの裏返し的な使い方だが) 大塚氏の得意とする作品だと思う。
lettersの宛先は存在しなかったものすべてという主題とのことだが、量子の重ね合わせ(superposition)や量子もつれ(quantum entanglement)のような演劇であり、劇場空間の「場」はまさにこの宇宙を表しているのかも知れない。
アフタートークでは能楽研究者の竹本幹夫 氏がいろいろと解説もされているが、大塚氏の自己アピールもなかなかだ。😄
●4/7(木)はもうひとつの「流れる」。
松尾芭蕉と曽良、鉄腕アトムと飛雄か梅若丸かの霊と、狂女と渡し守が出てくるが、スピンのπ位相のような時空の不思議な世界は見立ての舞台装置などと相俟って、良くできている。
演者もそれぞれに役をこなしていて見事だった。
こちらもアフタートークがあり、代役で出てきた藤井慎太郎教授(早稲田大学で美学・演劇を研究している大塚氏の恩師)とのやりとりは面白い。大塚氏はHip-Hop好きということで、とても合点がいった。
・「流れる」(「光環(コロナ)」と似た舞台の空間だが全く異なる世界に見える)
https://natalie.mu/stage/news/473153
▼アフタートーク1:「光環(コロナ)」
https://twitter.com/gekidan_awai/status/1512686756889612288?t=3E27u69kniBgOzRIoo_bFQ
▼アフタートーク2:「流れる」
https://twitter.com/gekidan_awai/status/1512630310487269378?t=OghlS4LyVR4RfwHWrZPtmw
(動画はいずれも期間限定公開だったようだがダイジェストにして残してるみたい)
#来福録 #享楽三昧 #あはひ #演劇 #知ポタ
碌な夜がいねえ
みさくぼ
王子小劇場(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/24 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
クセスゴのしずるのコントを千鳥の突っ込みなしで90分みた気分
日常でありそうな場面を大げさな表現言い回しで演じていたため、ものすごく不自然に見えてしまった。
遠回しなセリフが多かったが特に面白い言葉遊びがあったようには思えなかった。
オムニバス形式で3組の話をみたが何か繋がりがあったのか最後までわからず、特に大きな事件もなかったように感じた。
チケットプレゼントで観劇させて頂いたのにこのような感想で申し訳ございません
ダイアナ
×劇作家企画
劇場HOPE(東京都)
2022/10/25 (火) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
中野のポケットスクエアは4つの劇場がありますが、そのひとつ「HOPE」にだけは縁がなく。いちど行ってみたいと思ってました。たまたま3,500円というお手頃価格が目に止まって、これは行くべきかな、と。
出演者に真凛さんが。過去にボクラ団義さんの公演で何度か拝見してました。それもあり、きっと楽しめるだろう、というわけで観劇しました。
結果、とても楽しめました。3人という少人数の演目はいくつか見たことあります。この舞台はさらに、舞台セットがとてもシンプルで。ここまでシンプルなのは初めてだったかもしれません。その制約の中で、見事な会話劇でした。
結局ほとんどの日程で売り切れたようです。木曜日のソワレでしたが、満員でした。たまたま、売り切れ前に買うことができて良かったです。
HOPEはMOMOよりは広いのかな、それでもかなりの狭さだと聞いていました。早めに行って通路側でゆったりと観劇できました。70分という自分にはちょうど良い尺で、そういう意味でも良かったです。木曜日、長いと翌日の仕事が気になって、チケット確保を躊躇することも。
甘藷な者たち
劇団WAO!
ウイングフィールド(大阪府)
2022/10/29 (土) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
アイ・アム・ア・ストーリー
シベリア少女鉄道
シアター・アルファ東京(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
純粋なお話としての面白さはかなぐり捨てており、誇張した演技、奇抜な展開、メタ要素で全力で笑いを取りにいっていた。
ただ1回だけやるのがすごい面白いようなネタを何度もこするので少しくどいかなと思った。
110分あったが、80~90分くらいがちょうどよかったのでがと思ってしまう。
しかし今後もずっと記憶にこびりつくような舞台だった。
終わった後無性にDr.コトーがみたくなった
SessionYoshiya・語り
かわせみ座
プーク人形劇場(東京都)
2022/10/18 (火) ~ 2022/10/22 (土)公演終了
あなたに会えてよかった
せこごと
新宿眼科画廊(東京都)
2022/10/28 (金) ~ 2022/10/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
もしフルポン村上が女性と付き合ったらっていうシチュエーションを観てる気分だった
起承転結があるわけではなく、1時間半ぐらい女々しい男の煮え切らない態度を観ていたが、長いな退屈だなとは感じなかった。
役者さん達の演技が自然で日常にいるめんどくさい男というシチュエーションをリアルに感じられたからだと思う。
個人的にまどろっこしい屁理屈みたいなセリフが好みだった。
男が面倒な分女性人が魅力的にみえた。
ふにゃふにゃ、夕立、夏霞
The Stone Age ヘンドリックス
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2022/10/28 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
今までのヘンドリックスとは違う雰囲気。
演劇でよく使われる、主役をもう一人の役者に投写し話は進む。心で結ばれると表現としては素晴らしいけど、実際には…。
全体としては、満足しました❗
クランク・イン!
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2022/10/07 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/10/29 (土) 18:00
岩松らしい舞台だった。(2分押し)115分。
岩松の特徴である、会話をしているようで会話になっていない展開が続く。映画の撮影のため、大女優(秋山菜津子)・その付き人(富山えり子)・ベテラン女優(伊勢志摩)・若手女優(石橋穂乃香)が山のペンションらしき所にきている。監督(眞島秀和)は結婚しているものの女にだらしないが、そこの新人女優らしきジュン(吉高由里子)がやってくる…。1年前の女優の死の謎も含み、ミステリー仕立てではあるが、解決の安堵感は少ない。秋山は不安をつのらせる女優役を公演。吉高は映像圭で活躍するが舞台経験は少なく、存在感はあるのだが声が心配。
狼少年タチバナ
劇団牧羊犬
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2022/10/26 (水) ~ 2022/10/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2015年初演の舞台映像は、門真国際映画祭2020舞台映像部門で優秀作品賞はじめ4つの優秀賞を受賞…この舞台の映像はどのように映っているのだろうか。「再演を望む声も多かった『狼少年タチバナ』を、キャストを一新して7年ぶりに上演」、その謳い文句から、自信作ということは分かったが、なるほど 力作であった。
当日パンフに主宰で作・演出の渋谷悠氏が「嘘と事実をごちゃ混ぜにされるのが一番タチが悪い。自覚がないなら猶更のこと。そこに悪意はない。しかし被害はある。この物語はそんな人物と接した僕の実体験から生まれた」とある。それだけにリアルであり、舞台としての力強さ芸術性を高めた原動力があるようだ。
少しネタバレするが、嘘の力と信じ抜く力は 何度も嘘をつく男とそれを最後まで信じようとする男の友情のよう。ラスト、2人の男の悲哀でもあり滑稽でもある人生模様がしみじみと描かれていることに気づかされる。これはウソではない。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)
立飲み横丁物語
劇団芝居屋
ザ・ポケット(東京都)
2022/10/26 (水) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
さくらんぼ畑
8.22企画
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2022/10/28 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
チェーホフの戯曲なんで当然洋風☆「日本で創る時はこうやるのよ」て見本のような作品でした☆衣装など全体的に「白」が印象的な舞台やなと思ったら翻訳堀江新二さんがチラシでこの作品に様々な「白」を感じてらっしゃるのを書いておられて納得しました♪喜劇、悲劇、ドタバタ。そこに繰り広げられる世界は「白」の寛容さによって何色にも染まる美しさを醸し出してました☆
黄金のコメディフェスティバル2022
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
パーチーム放課後ビアタイムを観賞。
娘の結婚式を舞台にしたドタバタコメディだが、それを見事なエンターテイメントショーに仕上げている。特にダンスシーンが素敵だ。
登場する女優がカメラマン役まで含めてみんな美人なことに驚く。最後は感動に包まれた。
黄金のコメディフェスティバル2022
黄金のコメディフェスティバル
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/21 (金) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
パーチーム、コヒツジズ鑑賞。
前説のギターから素敵でそれが作品と一体化していたのが素晴らしかった。地震で運転中止になった車中での物語。乗車客は一癖ある人物ばかりで次々とトラブルが起こる。最後のどんでん返しが見事。
古事記・三味線 いろはのい
わざおき
日本橋社会教育会館ホール(東京都)
2022/10/25 (火) ~ 2022/10/25 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想遅くなりました。三味線について分かりやすく教えてくれてからの演奏。初心者にとってはとても有意義でした。今度はもう少し三味線の演奏を長く聞きたくなりました。歌舞伎も、だいぶ以前にいったことがありますが、あらためて行きたくなりました。いろはのろ があるときはまた伺いたいですね。
あなたに会えてよかった
せこごと
新宿眼科画廊(東京都)
2022/10/28 (金) ~ 2022/10/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったと思います。私は、脚本や演出、演者の皆さんから演劇に対する気持ちや向き合い方を一生懸命表現されているように感じました。物語の中の皆さんもその日その日を一生懸命生きているのが、伝わりました。
時間軸と、場面展開に少しだけ追い付けなかったところがありましたが、帰りの電車で自分なりに確認できました。
今後も頑張ってください
狼少年タチバナ
劇団牧羊犬
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2022/10/26 (水) ~ 2022/10/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
華5つ☆ ベシミル!! 少し特異な視座から描かれた人間。脚本、演出、舞台美術、役者陣の演技、照明や音響効果、何れもグー。而も深く考えさせる。
短編劇集「新江古田のワケマエ」
劇団二畳
FOYER ekoda(ホワイエ江古田)(東京都)
2022/10/29 (土) ~ 2022/11/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
【A】「そう言われると今年一番はあの日かな」【B】「咲良を待ちながら」観劇
江古田にある古民家を改造した会場。劇団名からも明らかなように、二畳分のスペースと最小限の音響・照明効果だけで公演を行う。公演は、約30分の2短編の上演だが、実に味わい深い内容であった。
もしかしたら遭遇する、若しくは経験するかもしれない、そんな奇妙な感覚にさせられる作品。現実から少し離れた設定だが、皆無とは言えない微妙なリアルさが面白い。同時に、会場が面している千川通りの車騒が、絶えず日常を意識させるから、何とも不思議な気分になる。
勿論、素舞台で役者の演技力だけで観せることになるが、両作品の出演者とも見事な表現力であった。共通して言えるのは、「間の取り方」 その空白(無言)のような時間の使い方が上手い。何となく隙間は埋めたくなるが、敢えて話(筋)をピーンと張らないで、逆に弛めることで物語に込めたテーマらしきものを表現する。当日パンフにあった「日常とは違う時間の流れを感じて」は十分に伝わった。
(上演時間1時間10分 途中休憩なし)
スカーレット・プリンセス
東京芸術祭
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2022/10/08 (土) ~ 2022/10/11 (火)公演終了
立飲み横丁物語
劇団芝居屋
ザ・ポケット(東京都)
2022/10/26 (水) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
いつも拝見している劇団だが、今回はどうも違和感があった。
義理人情の世界が舞台だから仕方がないのかもしれないが、いつもにも増して言い回しに「古さ」を感じてしまった。
どんな所でも、今どき、こんな言い回しはしないだろうと思う箇所が散見され(いつもない訳ではないが)、少々首を傾げた次第である。
もう少し短くもできたのではとも思う。
しかし、小道具としてのマスクの扱いはお見事!
ここまでリアルに今のマスク事情を舞台で再現した作品を自分は知らない。