最新の観てきた!クチコミ一覧

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サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

遊戯空間

銕仙会能楽研修所(東京都)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

皆さんの観てきたコメントを観て、これは是非観たいと思い期待を持って出かけた。
期待以上で
半端なく素晴らしい。
こんなすごい舞台があるのか、というくらいスゴい。
能舞台を最近いくつか観たが、内容的には退屈かと心配していた。
しかし、そんな心配は無用だった。内容もおもしろくて引き込まれる。
チケット代こんなに安くていいんでしょうか?
間違いなく、他の劇団では最低、倍の金額になります。

白い衣装がとても素敵だった。
乗馬服、お嬢様の衣装すべてが白で衣装の美しさに見とれてしまった。

踊りが入るともっとよかったが...
そうなるとチケット代3倍にしないと無理ですね。(笑)

バラの飾りが、優雅さをさらにアップさせていた。
超満席だった。価値がある舞台なので当然だと、納得。

来年も是非観たい。





にぶいちの失明

にぶいちの失明

山田ジャパン

新宿シアタートップス(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
テンポ良く、役者さん達の演技やテンションも良く、どんどん惹き付けられました。
登場人物達の、それぞれの苦しみや葛藤、悔しさが伝わってきました。
人生は思い通りにはいかないけど、自分も一生懸命生きていきたいと感じました。
笑いあり、涙あり、感動ありの良い舞台で、大満足でした!

オーガッタジャ!

オーガッタジャ!

発条ロールシアター

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
終演後、何人かが異口同音に 大人の演劇だ と話していた。そう言えば、説明にも「大人たちの 青春真っ只中な群像劇」と記していた。何が大人の演劇だか解らないが、廃墟という役目を終えた建物を通して、人生の応援を謳った、一見 矛盾した観せ方の物語だ。そこには発条ロールシアターらしい、硬派な中にも優しい思いが観て取れる。

表層的には面白可笑しく描いているが、奥底にあるのは、諦念とは真逆の再生・再起と言った前向きな姿勢だ。滅びの美、ましてや頽落のダンディズムなんてこれっぽっちもない。あるのは男の それも中年男性の悲哀、それは仕事=生き甲斐、遣り甲斐を失(喪)った後の人生をどう生き残(遺)るかが…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は暗幕で囲い、上手に何か隠されているような幕、下手に壁に見立てた衝立があり、その一部が簀子(窓枠)のような板が打ち付けられている。この暗がりが廃墟内であり、簀子を外して中へ侵入する。上演前から照明を諧調させ、闇に輝く外灯もしくは星空を表しているよう。実は暗幕の奥には紗幕がある。下手での会話は廃墟ビルの階数を説明しており、同じ舞台であるが空間の違いを表す。

登場人物は、リストラ(クビに)された中年男・環が、廃墟ビルに忍び込んで一時的に寝泊りしようとしている。そこへ着物を着た〈男〉、一見どこかのご隠居のような飄々とした佇まいを醸し出ている。また廃墟マニア・白河清澄やフリーライター・西まごめ、そしてスリの一団…拝島・是政・美園が偶然に出会う。さらに ふらふらと侵入してきた男・津田沼と中年男・環が知り合いだった。廃墟という“不思議な力”によって集められたかのよう。訳ありの人々の人生模様を描きながら、この廃墟に現れる 霊 の話が交錯する。

終盤は怒涛のような展開…廃墟ビルが建つ近くに江戸時代の刑場跡がある。着物姿の〈男〉、実は斬首の役人・山田浅右衛門であり、明治時代になってその斬首刑が廃止になって、生活の糧を失う。会社を馘にされた男と斬首してた人の<クビ>繋がりが、過去と現在を結ぶ。実はふらふらと侵入してきた津田沼は、環を解雇した会社の社長である。社内で人望のあった環を解雇したことで 社員が次々に辞め、会社は倒産寸前の危機に瀕している。それぞれの人の人生模様に各人の思惑を絡め 味わい深い話になっていく。
因みに、登場人物の名前は駅名だが、山手線のように知られた駅名ではない。そこに名も無き一般人…特別ではない人々を表している。

スリの一団は、師匠と男女の弟子といった関係のよう。過去回想、美園の幼少期に師匠・拝島と会話する場面は、その立ち位置(向き合わない)で場景を描いているが、ここは想像力を膨らませないと分り難いだろう。スリだが、美園には仕事?をさせたくない。訳アリの人物ばかりだが、真の悪人は登場しない。廃墟という役に立たなくなった建物の中に、役に立たなくなった人々を集めるが、そこには やり直せるという強いメッセージが込められている。浅右衛門の余生は俳句短歌を詠でいたのだろうか。ラスト 紗幕の奥は大木であろうか、若しくは短冊の山かもしれない そんな余韻を残す。

ラスト、ほんの僅かなシーンに〈女〉役で 則末チエさんが登場する。みすぼらしい着物姿で這いずるような姿、浅右衛門に腕をつかまれ、次のシーンでは斬首される。浅右衛門が最後に斬首した女という説明から、有名な 高橋お伝 ということが分る。一瞬のうちに憐憫を表す演技は見事だ。則末さんは悲哀だけだが、他の役者陣はコミカルに演じながらも、その奥底に滋味ある人柄を忍ばせている。初演は観ていないが、この公演でのキャストは見事な演技力であった。
次回公演も楽しみにしております。
オーガッタジャ!

オーガッタジャ!

発条ロールシアター

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 廃墟マニアと言うタイプの人々が居る。自分も廃墟は好きだが作中人物とは理由が異なる。安心するのである。無理して頑張る必要等無いのだと思わせてくれるから。滅ぶのが分かり切っているのに何を努力する必要があろう? という気持ちを許容してくれそうな空間だと感じさせてくれる。何れにせよ登場するのは廃墟案内人とフリーのライター、伝説の掏摸とかつての仲間、会社をクビになった元社長候補、元社長候補をクビにした二代目。そして刑場で斬首を担当していた者の霊、斬首された女の霊。登場するのは7名の人間と2つの霊。追記11.6

ネタバレBOX

 車の行き交う国道脇の、一見何の変哲も無いとある廃ビル。何でもこのビルの近くには江戸時代刑場があり、獄門、磔、斬首等の刑が執行されたと云う。因みにこれらの刑が廃止されたのは明治10年代であった。こんな歴史があった為かこの廃ビルにも出るとの噂があった。世の有為転変は決して今に始まったことではないが、廃墟が象徴する栄枯盛衰の有様に見合うように廃れた空間には所謂余計者、敗残者が吸い寄せられたかのように集まる。今作は、このような者達を巡って尚廻る宿命の喜怒哀楽を描いてみせた。
サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

遊戯空間

銕仙会能楽研修所(東京都)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今年拝見した総ての舞台の中で一、二を争う凄い舞台。絶対観るベシ! 華5つ☆
公演は11月6日13時開演の残り1回。演劇に興味がある人は絶対観ておくべき舞台だ。
 去年は正面から拝見したので今回は脇正面から。矢張り観る位置によって印象が異なる。それにしても凄い舞台だ。流石に観世さんの教えを受けた役者さんたち、縁ある方々の演技・舞台である。観劇料も極めて良心的。学生さんは2500円、一般は4500円と、この内容でこの観劇料は極めて安い。前回同様10分休憩2度、上演時間は前回より5分短くなった。更なる鍛錬の跡が見え、その分迫力が凄い。それでも休憩を含めて3時間半の長丁場である。役者さん達の質の高い演技(間・抑揚・迫力・言語の身体化等)は無論だが、観客と雖も一瞬たりとも気が抜けない緊迫感のある舞台だ。音響は二十五弦筝奏者・多田彩子さん。三幕物の三島作品だが、各幕の内容に合った曲想が見事に呼応し合い、曲を聴いているだけで物語の内容が想起されるほどだ。筝については全く素人の自分でもトレモロのような技法や筝の見事で様々な技法で奏でられる演奏の凄さには、唯感嘆させられるのみであった。追記後送

イヌの仇討

イヌの仇討

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/12 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

5年ぶりの東憲司演出版。三田和代の、命より名誉・家名という厳しい女中頭、原田健太郎の庶民的で人のいい盗人がいい。出たり入ったりする坊主の春斎(石原由宇)も、「この隠れ場所は赤穂の家来が教えてくれた」など、素っ頓狂なことを言って笑わせてくれる。愛嬌があるし、外の状況を教えてくれる唯一の存在なので、セリフが多い。何より光るのは大谷亮介。柄が大きく、普通にセリフを言っても大げさに聞こえる人なので、時代劇の殿様にはピッタリ。しかもちょっと情けないから、吉良上野介ははまり役である。

ネタバレBOX

討つ理由のない吉良を、大石が討つのはなぜなのか? 井上ひさしの忠臣蔵の新解釈は理屈っぽいように見えて、案外結論は単純。狙いは吉良ではなく、将軍綱吉。討ち入りは「おかみ(幕府、将軍)への挑戦」なのだ。本当にその非道・いい加減を告発したい相手は5代将軍・綱吉とその側近だ。吉良に恨みはないが、幕府への異議申し立てを示すための犠牲になってもらうと(強大な敵への反抗を示すため、関係ない市民を巻き添えにする自爆テロのようなものだろうか)。幕府が吉良を見捨てたことを悟った吉良は、自ら首を差し出すことで、大石の「公儀への挑戦状としての討ち入り」を成功させる。
VANYA‼︎

VANYA‼︎

人間劇場

SPACE EDGE(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

古典のお芝居なのに途中、場面展開では、ダンスも組み込まれていて新鮮でした。内容は少し悲しいですけど、でも役者も皆さんの熱演とても響きました。面白かったです

もねとたいようのコンサート

もねとたいようのコンサート

コロンスタジオ

3丁目カフェ(神奈川県)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/05 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても素晴らしい演奏でした。お二人の途中のお話もとても面白かったです。こういう機会はまたあるといいと思います。とても楽しかったです。

にぶいちの失明

にぶいちの失明

山田ジャパン

新宿シアタートップス(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

テンションがやや高めの始まりから、最後までひきつけられました。

ネタバレBOX

苦しいやり場のない、皆の心の中の葛藤が痛いほど感じられました。心が折れそうになりながらも前に進もうとする姿に胸が熱くなりました。
あんなに優しかったゴーレム

あんなに優しかったゴーレム

ヨーロッパ企画

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/05 (土) 18:00

座席2列27番

今回も大いに笑った。しかもベタに。台詞の緩急が素晴らしい。群像からの会話はいつまでも観ていたい。
今回は映像を買わなくていいほど前で観たので、満足でした。
ラストはかなり強引に思えましたが、特に突っ込むほどでもないのでスルーできました。
次回作も期待。来年は新作か?
今日観た人はおまけトークもありお腹いっぱいで帰路に着きました。

憧れのサンパチマイク

憧れのサンパチマイク

Monkey Works

シアターサンモール(東京都)

2022/11/02 (水) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

リーチのかかった芸人青春ドラマって確かテレビでも去年やっていたと思うけれど、やっぱりこのモチーフというのは手堅い面白さがあります
中々ままならない「芸人」という生き様、その行く末にヒリヒリするものを感じますが、そこはやっぱり根っから笑わせるのが生きがいの人達
いい意味で“食えない奴ら”でした

実際に漫才シーンが織り込まれると物語にもグッと説得力が
漫才のレベルはさすがにルミネtheよしもと級とはいかないものの、将来に可能性を秘めたコンビにはキラッとした笑いがしっかりと
で、そんな漫才の様子を仲間の芸人達が舞台裏で観ている図 これが良い

高齢でM―1グランプリに輝いた錦鯉に思わずもらい泣きしてしまった審査員の気持ち
本作みたいのを観るとそうした感慨がしみじみ理解できます

supermarket!!!

supermarket!!!

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽しかった☆今回は色んな作家さんによる作品なんでいつもの壱劇屋パフォーマンス(身体表現)が盛り沢山じゃない方が良いなと思ってたんで期待通りでした☆それぞれの作品を丁寧なお芝居としての表現で魅せてくれて大満足♪その分ちゃんとオープニングでザ・壱劇屋パフォーマンスが観れるのでちゃんと壱劇屋らしさも堪能出来ます☆

もねとたいようのコンサート

もねとたいようのコンサート

コロンスタジオ

3丁目カフェ(神奈川県)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/05 (土)公演終了

実演鑑賞

いい夜でございました。

をんな善哉

をんな善哉

ちょっこりひょうきん島

小劇場 楽園(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

演出、しっかりしてくれ!

ネタバレBOX

演出いまいち、センスが問われます。装置プランにも問題アリなのかも。座敷に全員が全員上がる必要あるのか?履き物の処理が汚い。上がり下がりに必要以上に時間がかかり役者がかわいそう。劇場の構造上しかたがないのかなぁ。
冒頭の桜餅食べながらの芝居、上手く演出出来なかったかな?食べながら口中の餅をペタペタ言わせながら台詞話すのは頂けない。
タタキの床に外した前掛けが触っているのは和菓子屋としてどうなの?
エリック・サティを使うのもどうなのかな、今さら「君が欲しい」か?
切り裂きジャックを待ちながら2022

切り裂きジャックを待ちながら2022

劇団P・T企画

世界館(大阪府)

2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

悔しい〰️。また犯人をハズした。いい線いってたのに…。
トークショーも楽しめました❗
こんどこそ。

パレードを待ちながら

パレードを待ちながら

劇団未来

未来ワークスタジオ(大阪府)

2022/11/04 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

60年もの歴史がある劇団で、内容も素晴らしいの一言。素直に良かったです。女性五人で繰り広げられる、第二次世界大戦終戦近くのカナダを舞台にした話。女性の葛藤や移民の大変さをとっても上手く表現していたと思います。お客様も満席でした。

にぶいちの失明

にぶいちの失明

山田ジャパン

新宿シアタートップス(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あっという間の2時間でした。すごく良い時間!
次回作も楽しみにしています

猫、獅子になる

猫、獅子になる

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2022/11/04 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い所がいろいろあるよくできた台本で素直に楽しめる。芝居らしいでき過ぎた偶然もここでは気にならない。

ラビットホール

ラビットホール

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2022/10/28 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイトルのラビットホールって何かな、と思っていたが、作品を観てなるほど、と思った。
奥が深い作品で、いろいろ考えさせられた。
役者さん達の熱演に、感動させられた。
他の人の観てきたコメントがとても良いので期待して行った。
期待以上で、本当に素晴らしかった。
観てよかった。
満足でした。

VANYA‼︎

VANYA‼︎

人間劇場

SPACE EDGE(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」を刺激的・印象的に演出した野心作。
人間の生きる、特に労働という社会的な問題を根幹に据えた戯曲。人には色々な顔(面)、階級があり、そして様々な出来事がある。フライヤーの絵柄はそんなことを表しているのかも知れない。勿論 四幕ということも関係しているだろう。出来事といえば、観た回はチョットしたアクシデントがありヒヤッとさせられた。

今まで何度か「ワーニャ伯父さん」を観劇したが、この公演のような身体的なアプローチを加えたものは初めてである。それだけに新鮮でもあったが、違和感(取入れる疑問)もあった。ジャンルの違うARTとの融合を目指し、更なる芸術性というか可能性を模索している。同時に、チェ-ホフの戯曲は日常生活の中にある人の営みが根幹になっており、刺激的な出来事や事件は起きない。その変哲のない情景を少しでも印象付けようとしている。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台セット、冒頭は ほぼ素舞台。あるのは下手にピアノとハンガーラックのみ。大きな空間になっているが、人物が登場して各々が上着を着る。そして激しいダンスを披露するが、何を表現しているのかは分からない。上手ドア(入口)が開き、テーブル、椅子そして梯子を場内に運び入れ、そこから物語が始まる。
ラストは、逆にそれらの物を奥の壁際へ運び、空間を確保する。人物は上着を脱ぎ、薄暗がりで淡色衣装が跳ね踊り、同時にその姿が後の壁に影となって妖しく蠢く。冒頭と最後をダンスで観(魅)せ、物語はその中(間)で展開する。勿論、劇中でもダンスシーンはあるが、それは演技の延長線にあるような動きである。例えば2人で愛を表現する場面では、ソシアルダンスのような優雅さ、そして全体的にはポップで軽やかなダンスで魅せる。

登場人物は、杖つく老教授・セレブリャコフと若く美貌なその後妻・エレーフ、一方、領地の管理に生涯を捧げたワーニャ(伯父)とその姪ソーニャ、そして自然環境の将来を気にかける医師アーストロフ、元地主・テレーギン、乳母のマリーナ、色々な立場の人物を配置している。立場は階級に置き換えることもできる。
物語は、淡々とした日常生活とその会話で舞台の雰囲気を漂わせた静劇であり、そのため身体表現や音楽等の効果的な観せ方が必要かもしれない。ジャンルの違うARTとの融合は、その意味で有機的な役割を試みているようだ。

公演では、身体表現のみならず、抒情的とも思える美しい台詞、工夫や計算された対話の妙など、様々な技巧が観てとれる。巧みな演出によって、チェーホフの人生観が垣間見える。終盤、勝手な言い分(提案)のセレブリャコフを銃で威嚇するが、そこに今までの労働(管理)を蔑ろにされた怒りを描く。チェーホフの「かもめ」では、〈芸術〉の中に生きる意味を与えているが、「ワーニャ伯父さん」では、もっと直接的な〈労働〉に生きる意味を見出している。日常の暮らしは、物静かだが 挫折、忍耐、そして働いて生きていくを実感させるに十分な迫力、緊迫感を漂わせていた。
次回公演も楽しみにしております。

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