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Silent Blue ~farewell Song~

Silent Blue ~farewell Song~

ネオゼネレイター・プロジェクト

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/11 (金) 14:00

詩的でファンタジック、コミカルで陽気な終末世界。漠然と新海誠監督作品(で描かれる終末世界観)に通ずるようなイメージもあった(私見)。
そしてちりばめられた映画ネタ(特撮ドラマ含む)・文学ネタの愉しさよ。台詞で語られたりもじった扮装・演技があったりと元ネタを知っていればいるほどニヤリ、的な。
開場して舞台美術を目にした時の感覚も含めて「あぁ、ネオゼネレイター・プロジェクトだぁ♪」で満足満足♪

となりの田中さん

となりの田中さん

劇団俳協

TACCS1179(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

それぞれ4組の夫婦の事情とかが、興味深く描かれていておもしろい。
だんだんと、自分がそこの住人であるかのように気になっていく。
最初は自分とは関係ないところで起きていて、関係ないと思っていたのに、自然と自分が彼らの中に仲間入りしてるのが不思議です。

最初劇場に入った時は、漠然と部屋が並んでいるだけと見えた。
しかし、この部屋がよく工夫されてできているなあ、と観ているうちに思った。
この部屋の作りが必見。
同時に中が全部観れて、無駄がない。
この夫婦、あっちの夫婦と。
ボーッとしてる暇がなく、有意義でおもしろい。

ギョっとする出来事もあり、楽しかったです。

チェインブレイン

チェインブレイン

dopeAdope

サンモールスタジオ(東京都)

2022/11/09 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観てきました。
なかなか面白かった。

ネタバレBOX

3つの平行世界からなる会話劇で、それぞれが別の世界の登場人物を小説として、描いているという三すくみ的な構造。
内容はまったく違うのですが、どことなくdopeAdopeの以前の作品、DOPE OUTを思い出す内容でした。

私はコメディ的要素多めのDOPE OUTが好きでしたが、会話劇としての面白さはチェインブレインも負けていない、というかそれ以上かもと感じました。
THE BEE

THE BEE

16号室

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/17 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/11/17 (木) 14:00

被害者が加害者と同じ環境の中、加害者になる?
なんかストーリー的に理解不能だったけど、一人芝居で面白かった。
まさかのナマ尻も目てしまった~~~ぁ。でもかわいらしいお尻だった

捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

韓国の踊り、韓国のプロの人が踊るもので本格的。
貴重なものを観れて、感激でした。
クライマックスの捨姫が現れるシーンは、綺麗で神秘的で感動的でした。

めったに観れない、能と韓国の踊りの融合、素晴らしかったです。
第二の企画も期待です。

捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最高でした。おそらく初めて観た能、わかりやすくなっていて入り込めたし、前半は感動して泣いてしまいました。

前説と幕間の話が長くてねむくなってしまったのが残念でしたが、情熱は凄く伝わってきたので応援したくなりました。

主演の男性の方と老婆役の方がとにかく素敵で、鍛錬とはこういうことかとその立ち姿、歩き姿をみるだけで非常に感慨深かったです。

演奏の皆さんも本当に素敵で、修練の末にこの演奏が出来るようになったんだろうなと感じられる演技で、終始感銘が止みませんでした。

演者さんも演奏家の方々も声が本当にすばらしくて、人間の身体という楽器を余すことなく使っているのがわかって羨望さえ覚えました。

この度は素敵なご縁をいただき、誠にありがとうございました。

帰りに物販でたくさん買ってしまいました。こだわりのTシャツもスヌーピーのコラボグッズもとっても可愛かったです。
大切にします。

捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

ベリー・ダンス、あったっけ?

ネタバレBOX

ホーミーの歌手を中心に皆で読経する場面で、ホストのコールを連想してしまった。
『黄泉の国でも愛してる』

『黄泉の国でも愛してる』

縁劇ユニット 流星レトリック

ザ・ポケット(東京都)

2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心温まるストーリーでした。たくさんの愛が詰まった作品で吉原優羽さんらしい脚本。音楽にこだわりがあるようで生演奏も素敵でした。
星レトさんにはいつも泣かされてしまいますが今作はいつも以上に会場で鼻をすする音が聞こえていました。

王道のようで王道ではないと思わせるのが言葉の運び方。心に刺さる言い回しがこの方の魅力かと。

触れただけ

触れただけ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
劇作家協会新人戯曲賞 受賞作。
一見 オムニバスのように思えるが、何となく繋がりを感じさせる短編連作集といった構成。現代、東京という喧騒の中にいるが、人の心は満たされない、といった会話劇。漠然とした社会不安、そして人間の寂寞の対照として大都会が浮かび上がる。

物語は三場面で、それぞれ独立した話のようだが、台詞の中でそれとなく関係性を臭わせる。会話は、何となく いびつな男女の人間関係の鬩ぎ合いを描く。演出は、場景を都度転換し、状況と情況を表出し物語をしっかり支える。その丁寧さは、やはりSPIRAL MOONらしい。

一場…挫折して弟のマンションに転がり込んだ兄とその恋人、弟の三角関係の含みある会話、二場…その恋人の妹と援助交際をしている中年男の とぼけ思わせ振りな会話、三場…中年男の元妻と学生時代の恋人による探り合うような会話。その三場の同時進行するような関連構成は巧い。表し難い心情表現を味ある言葉(台詞)と演技で観せる。その機微、滋味ある会話は観応え十分だ。
そしてラストの風景は圧巻で、実に印象的である。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

物語に共通しているのは車騒、そこに大都会 東京の雑踏を連想させる。多くの人や車が行き交うが、けっして一人ひとりの心は満たされているわけではない。そこに人の寂しさ温もりを求める姿が浮かび上がる、そんな少し切ない短編3本。
場転換は、薄明りの中で少し時間がかかるが、それによって今の情景(シーン)の反芻が出来、次シーンへの期待が膨らむ時間となる。

第一場…少し高い平台に開き窓、手前にテーブルと椅子が置かれている。平台の下手にソファがあり少し離れた場所のよう。窓の開閉によって車騒が聞こえたり遮断される丁寧な演出である。
或るマンション10階の一室。不動産会社に勤める弟・直人(市川歩サン)、兄の恋人 奈美(菅野奈都美サン)、無職の兄・利男(佐藤希洋サン)が愚痴ともつかないとりとめのない会話が続く。利男と奈美の別れ話、直人の会社による周辺の宅地開発という当たり障りのない話。
直人は奈美に、ノルマ達成のため契約書を偽造したと告白する。奈美も子どもの頃の万引きを告白する。両親の愛情を独占していると感じていた彼女は、妹と同じ立場になるため万引きをした。泣く家族を見て、それからは他人の痛みは分かるが、自分の痛みが分からなくなったと言う。秘密事をばらしあった2人は、窓の外を眺める。外界から急ブレーキと衝突音。

第二場…第一場の少し高い平台を小料理屋の座敷に見立て、正面に襖のような衝立。
個室にスーツ姿の中年男・大西(樋口浩二サン)と女子高生風の高橋(奈美の妹〈嶺岸加奈サン〉)が座っている。2人はどうやら援助交際しているらしい。大西は離婚したので正式に付き合いたいと言い出す。 大西は人生絶頂期にも関わらず 妻が買い忘れた卵を買いに出たまま戻らなかった。そして妻に送った離婚届はいつの間にか受理されたと。
高橋は、恋人と別れて大西と正式に付き合ってもいいが、友達と互角な関係を保つためにも、自分のJK(実は噓)価値を認めるなら今後も金を払うべきだと、結婚を仄めかせて話す。 立ち去ろうとする高橋の前で、大西は思い立ったように前妻に電話をかける。大西が話し出した途端に電話は切れる。

第三場…第一場同様に正面に窓があるが小さく、上手にも枠がある。真ん中に四角いテーブルがあるが、第一場と比べると全体的に こじんまりとしている。そこに木下(大西の元妻〈秋葉舞滝子サン〉)が住む古びたアパートの一室を表す。
木下は同窓会を装い学生時代の恋人・祐介(牧野達哉サン)を呼び出す。木下の携帯電話が鳴るが すぐに切る。 祐介は突然の呼び出しに訝るが、木下は夫が買い物に出たまま戻らず、離婚したことを告げる。彼女は1人で生きる寂しさ、恋愛感情とは別に2人で暮らすことで紛らわそうと持ちかける。今住んでいるアパートは立ち退きの時期が迫っている。他愛もない会話の中で祐介に傲慢な優しさを見たかのように、今度は「よりを戻さなくていい」と言う。 不意な停電、畳を叩き階下にいる住人(婆さん)に苦情表現するシーンは、マンションとは違う人情味(近しさ)を感じる。
かつて自分を置き去りにし、今また翻弄する木下に祐介はかすかな怒りを感じる。明かりが戻り、卵を買いに行くと言う祐介に、木下は帰って来るかと確認する。 その時、木下の携帯電話が再び鳴り出すが…。

ラスト、暗転したのち一瞬にして夜の大都会の光景が…見事な演出である。
次回公演も楽しみにしております。
しびれ雲【11月6日~11月12日昼公演中止】

しびれ雲【11月6日~11月12日昼公演中止】

キューブ

本多劇場(東京都)

2022/11/06 (日) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

このうっとおしい時期に心和む最高のエンタティメントである。ケラはもともとうまい人だから、そこはよく心得ていて、いつもの黒い笑いでなく、優しい笑いで劇場を包んでいく。なんと、今回は泣かせもする。
どこか内海の島と思しき海辺の町の昭和10年の話である。夫の七回忌を済ませた未亡人(緒川たまき)とその娘(富田望生)。未亡人の妹(ともさかりえ)と夫(萩原聖人)。この港に記憶喪失して流れ着く三十男(井上芳雄)と島人たち。この三組の登場人物をめぐる愛のメルヘンである。どこの方言とも知れぬ島の言葉が日常会話で流れ、舞台のテンポも、リズムも心地いい。しばしば使われる「御免なちゃい」「ありがとう」と言う言葉が、舞台の空気を作っていく。言葉を作って、その話しかたイントネーションまで決めている。ほとんど、木下順二以来のことではないかと驚嘆する。
物語は、ケラ作品としては稀に見る見やすい話だ。美貌の未亡人が、一人娘が婚期を迎える葛藤、亡き夫の同級生の街のケーキ屋(三宅弘城)は思春期からの想いをたちきれない。その妹は、夫との些細な日常の感覚のズレにいら立って、離婚しようとしている。目覚めから朝ごはんに至る間の二人のいさかいなどよく出来ている。その間に、ホントはこの二人、惚れぬいているのだとわかる。七回忌の法事の日に島に流れ着いた船で、記憶を喪失していた男は、狂言回しの役も務める。この男の正体が、解りそうで解らないところ、そして最後の解決など、ドベタなのだが、まったく嫌味がない。とにかく展開がうまいのだ。島のバーとか、頼りにならなさそうで、実は頼りになる医者、とか脇の設定もうまい。
俳優は全員役に嵌まって好演。音楽も、いつもながら的確。どーでもいいことで、難癖をつければ、ラジオで番組を選局するシーンがあるが、この時代はNHK一局(第一放送)で第二放送はあったとしても短時間の教育放送で選局の対象にはならない。
休憩15分を挟んで3時間半。長いがちっとも飽きない。
コロナで予定の初日からほぼ一週間の休演もあって開けたばかりだが、休演の間も準備を怠らなかったことはよくわかった。


吾輩は漱石である

吾輩は漱石である

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/11/12 (土) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

井上ひさしには珍しい失敗作。そこは井上ひさし、転んでもただでは起きない。シェイクスピアもいうように、どんなだめな芝居にも何かいいところがある。例えば扇田昭彦は「笑いがない」と書いているけど、舞台で俳優が演じると、ちょっとした所作ややり取りで笑いが起きる。鏡子夫人(賀来千香子)が、察しの悪い朝日記者(木津誠之)に嫌味を言ったり、夢の中のインテリたちが華厳の滝からの投身自殺を巡って哲学的に論じたり。一番は、ニセ校長役の賀来千香子が見せる文明開化の歩き方。左足、右足を新旧、西洋・日本、洋才・和魂と、びっこを引いてみせるギャグは、戯曲の文字面だけではわからない。日本の外発的な開化をユーモラスに身体で表現したものだった。

ネタバレBOX

あまり登場人物同士のぶつかりや、それぞれの見せ場の乏しいのも、戯曲の構造の弱いところ。休憩後(戯曲では3と4)は、3つの長台詞が主要部分を占めてしまう。一つは、賀来千香子演じる偽校長の演説、2つ目は同じく賀来千香子の演じるマドンナの半生を語る話。この2つをきっちり見せたのは、さすが賀来千香子であった。(マドンナがヌードモデルになっていたというのは、井上ひさしらしい遊び)
3つ目は、生徒が、登場しない校長に出す抗議の手紙。面白いところもあるが、これが長い。鈴木壮麻が演じた生徒が読むのだが、セリフとして全部覚えきれないのではないか。たぶん、読み上げる小道具の手紙に、全文は無理でも、きっかけは書いてあるのではないだろうか。

芝居の構造だけでなく、テーマ的にもちぐはぐ。漱石お得意の「淋(さむ)しい」をキーワードに、しがないインテリ教師たちの侘びしさを示すのはわかる。それをマドンナが体で慰めるのは、ストリップ小屋育ちの井上ひさしらしいご愛嬌だ。でも淋しさの処方箋が「何もしない方がいい」「気の合う仲間の顔でも眺めながら、できるだけじっとしているのが、じつは一等世の中のためになる」では、首を傾げてしまう。太宰治が寂しそうに言うならわかるが、漱石が本気で言うことではないだろう。とはいえ、漱石のセリフではなく、三四郎(代助、宗助も重ねられている)のせりふだが。

ニセ校長の演説する教育の目標が「空っぽな人間」を育てることというのも、本気なのか皮肉なのか、その真意がつかめない。
捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

能楽堂初体験でバリ姫を鑑賞させて頂きました!

最初に軽い解説あり中間にもまた小休止的な軽い解説も入って初心者にも能に楽しく鑑賞出来る構成になっていて有難ったです。

韓国バリ姫というのも今回の演目で知りネットで調べて異文化をしる機会になりました!

また能を鑑賞してみたいなと思える機会になりありがとうございました!

UTOPIA

UTOPIA

coconkukanunity

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

登場人物の全容が解ってからは、
パズルが解けるように話が繋がっていきました。
少しせつない物語ですね!?
同じ感じのトーンの衣装も暖かさがあってよかったです!
こんな不思議があるのなら、雨の日も悪くないですね!

捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

きれいな舞台だったです。

吾輩は漱石である

吾輩は漱石である

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/11/12 (土) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

チケットをとっていた知人が行けなくなってしまい、代わりに観に行ったのだが、途中であれ?というか、昔この舞台の初演を観ていたことに気がついた。40年ぐらい前だと思うが、しゃぼん玉座の旗揚げ第2弾として上演されたのが本作。ただ、当時もどうもピンと来なくて、旗揚げ公演は割と面白かったのに、これ以降しゃぼん玉座から離れてしまった覚えがある。

こちらは頂いたチケットで観ているので気楽なもんだが、これを正規のチケット代を出していた知人が観たならば、何だか悶々としちゃったのではなかろうか。

『錆色の木馬』

『錆色の木馬』

劇壇ガルバ

SCOOL(東京都)

2022/11/13 (日) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

山崎一演じる老人が誰なのか、この部屋はどこなのか。観客も一緒にわからなくなってくるような芝居だった。しかし、最後はリア王の名セリフが痛いように刺さってくる。「生まれたばかりの赤ん坊がなぜ泣くか知っているか。この阿呆どもの舞台に引き出されたのが悲しいからさ」。

最初、老人が別の人(観客には見えない)に話しかけてる。無くしものを探している。見えない人が出ていったと思うと、若い演出助手が入ってきて、「開演前です。リア王できますか」という。老人は身に覚えがないらしい。それどころか、実は最初にいたと思っていた相手は、老人の見た幻らしい。認知症なのだ。すると今度は別の中年男(大石継太)が、「お父さん、ここは僕の部屋です。お父さんの部屋は向こうです」と。すると、老人はむすこに向かって、リア王のセリフを澱みなく語り出す。息子もケイト伯になって受ける。細かいところは矛盾したままだが、それでも、大筋はだんだんわかってくる。そして、認知症らしい老人は、昔、体に染み込んだリア王のセリフが溢れ出してくる。

山崎一の括弧付きリア王の迫力はすごかった。80分

ネタバレBOX

認知症になった不安と孤独と、全てを失ったリア王の絶望がうまく重なり、リア王のセリフが生々しく響いてくる。「必要を言うな」のセリフは、松岡和子さんに教えてもらっていたので、すごく響いた。そして、生まれた時に泣く理由のセリフが刺さる。

最近上演のない「リア王」。重くて長くておおげさに思って敬遠がちだったが、すごく見たくなった。
捨姫神話「バリテギシンファ」

捨姫神話「バリテギシンファ」

シルクロード能楽会

二十五世観世左近記念 観世能楽堂(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/16 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

能楽堂というのは初めてでしたが、場所は銀座の一等地GINZA SIX地下3階、そこに広くて立派な能楽堂が まったくの驚きです
初心者に優しいワークショップを経ていよいよ本編
照明が絞られ弦、笛、大鼓、鈴、様々な音が幾重にも重なって、えも言われぬ迫力
更に唄が加わると舞台上には神聖な磁場が生まれ渦巻いてくるようでした
バリ姫の能面はフライヤーのものより日本の能面に近くて、哀し気な表情の中の凄味、目が合うとドキッ
お面を外した素顔バージョンも、哀し気な表情の中に芯の強さが滲み出て思わず見入ってしまいます

自分にはひょっとすると難解なのでは…と心配していたのがウソのようにグイグイ引き込まれてしまう不思議で且つ濃厚な時間
狂言も務める川野誠一さんが(時には存在を消しながらも)出ずっぱりで作品世界と観客とを繋げてくれて本当にありがたい存在でした
舞台上には現実とは別の時間が流れているよう
霊験あらたか、空恐ろしい迫力の後に訪れる美しい時間
ご利益がありそうな本当に貴重な体験をさせて頂きました

忘れられない女(ひと)

忘れられない女(ひと)

劇団BLUESTAXI

テアトルBONBON(東京都)

2022/11/15 (火) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

予想していたよりもずっと良かったです。

ネタバレBOX

途中までパチプロ青年を演じているのは、青木さんだと思っていました。つまり主人公の若い頃だと。
だって青木さんに似ているんですもの。
一番印象的だったのは、やはり小劇団の演出シーンです。
あのタイプの演出家って実際にいるのかな?
いるんでしょうね。
私は知らないけど。
忘れられない女(ひと)

忘れられない女(ひと)

劇団BLUESTAXI

テアトルBONBON(東京都)

2022/11/15 (火) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
シリアスで重い感じを想像していたのですが、笑える要素満載の舞台でした。
笑いだけではなく、恋愛や仕事、人生について考えさせられ、感慨深いものがありました。
現実でも舞台の話の中でも、男性より女性の方が逞しく生きているのかなと思いました。
役者さん達の熱演も良かったです。良い舞台でした!

会議は踊る、されど進まず

会議は踊る、されど進まず

リンクス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/11/10 (木) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/11/13 (日)

シアターKASSAIにてリンクス『会議は踊る、されど進まず』を観劇。
「学園祭で何をやるか」ー。クラス単位なのか、クラブ単位なのか、は別として、学園祭での催し物の内容を決める話し合いというのは誰もが経験したことがあるのではないかと思います。この作品はそうした身近、且つ、どこか懐かしさを覚えるような内容がテーマの会話劇でした。
“学園祭の話し合い”という設定は、以前拝見し夢中になったアガリスクエンターテイメントさんの『ナイゲン』にも似ており、今回も舞台上で繰り広げられる会議の展開に、やはり夢中になっている自分がいました。
設定自体はシンプルでありつつも、どのような展開に進んでいくのだろうと、まるで自分自身が学生時代に戻り、他クラスの話し合いを覗いているような、不思議な感覚になりました。ストーリー全体のテンポも良かったですし、登場人物のキャラクターも皆それぞれに特徴があり面白い。クライマックスで見せたダンスパフォーマンスは圧巻の一言でした。
団体、役者さんともに予備知識ゼロの完全初見状態で拝見させていただきましたが、なかなか強いインパクトがあり、しっかりと脳裏に刻まれた印象です。半田サラ役の久代梨奈さん、鍋島極子役の田中海凪さんの“2トップ”はもちろん、周りを固めた演者さん一人一人がしっかりと個性的なキャラクターを丁寧に演じられていて良い座組であったと感じます。他の作品も拝見してみたいところです。

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