咎人の刻印
High-position
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/02/16 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
令和の切り裂きジャックと吸血鬼との出逢い、やがて火花散らし合う異能の者達
キ上の空論 中島庸介さんが脚本・演出であったのが心強かった
耽美の迷宮に置いてきぼりにされる事もなくその世界観を着々と楽しむことができました
ゾンビ映画にも通じる哀しい残酷味、刑事役のヤングダンディーっぷりに可笑し味が含まれていた事も見逃すまい
ただ馴染めなかったのが主人公の設定
連続殺人犯と心揺れ動く綺麗な青年との両立が自分的にはどうもしっくりこない
ファンの人から「そこがポイントだよ、ダメじゃん」と言われそう、ガ~ン
なるほど「咎人の刻印」は シリーズものだったのですね
目一杯盛り上がった後でのお楽しみはこれからだ!感が上手い
ユキコ
東葛スポーツ
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
入場時、スクリーンに2022年の岸田國士戯曲賞受賞シーンの映像が流れる。山本卓卓さんの長すぎる受賞挨拶に内心苦笑してしまう。
闇バイトによる強盗殺人など時事ネタを取り入れつつ川﨑麻里子さん代読による岸田賞受賞挨拶。タモリ方式で挨拶をする川崎さん、すごい!
そしていよいよタイトルの「ユキコ」、佐々木幸子さん本人の話に。あの佐々木幸子さんがついに戻ってきた!と喜び勇んでいたけど、事はそんな単純なことではないということが激しいラップを通じて明らかになってくる。ASDで3級の精神障害者手帳を持っていること、宅建士やフランス語の資格を持っているがASDの過集中のため資格を取るのは容易いこと。演劇をすると決まって対人トラブルを起こしてしまうので夫である金山さんに「演劇をしたい、と言い出したら止めてほしい」とお願いしていること。パチンコの景品交換所で働くのは自分に合ってると考えていること。将来のために高級マンションをローンで購入していること。(ザ・コート神宮外苑、調べてみたら販売価格1億6,500円だった。凄すぎる…!)
難しい状況はあるにせよ、一方で天賦の才といえる役者としての高い能力を持ち合わせた女優さんがパチンコの景品交換所で働いてるなんて本当にもったいなすぎる。ゆっくりとしたペースでいいからまた演劇の世界に戻ってきてほしいとファンのひとりとして切実に願う。劇場の座席に置かれたチラシの中によく「佐々木幸子(野鳩)」って名前を見つけた頃が懐かしい。
「いま東葛キテる感じで、私が出てた頃は暗黒時代みたく思われてる」って佐々木さんの台詞、そんなことないと声を大にして言いたいけど、音響だけをとらえれば3331の地下でやっていた頃など確かにひどい時はあった。しかし今回、高音と低音の迫力をキープしつつ中音域の台詞も聞き取り易くて、私が今まで観た東葛の中で音響が一番素晴らしかった。
リリックとトラックは東葛スポーツを観るうえで欠かせない要素で、音が濁ったり割れたりするとせっかく練りに練られた台本も台無しになってしまう。クリアなサウンドで聴けるというのはとても重要だし、音響を磨き上げることによって鋭いリリックを吐き出す女優さんたちを輝かせ、同時にリリックを粒立てることに見事に成功していたと思う。
入管収容所
TRASHMASTERS
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
入管収容所
TRASHMASTERS
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/20 (月) 14:00
座席1階
かねてより問題になっている入管の非人道的行為を詳細に描いた力作。実際にあった事件をモチーフにしており、それが極めて詳細に取材されており、役者たちの熱演も相まって大変な力作に仕上がっている。
オーバーステイというだけで何の罪も犯していない外国人を収容し、本国へ送り返すのが役割だと平然と言い放つ入管局長。虐待以外の何物でもない収容者の処遇に若手職員が疑問を持ち始めるが、局長ら上層部は「それが問題となれば、法務大臣の顔に泥を塗る」と隠ぺいの姿勢にためらいもない。東南アジアや中東の外国人=テロリストと言い、在留許可を出すことが「テロリストを野放しにして、国民の安全を危うくする」と堂々と言う。官僚たちはそこまで腐ってはいないだろうと実は思ってしまうが、この舞台ではそうした思考がある意味宗教心のように深く入り込んでいることを浮き彫りにする。
日本の刑務所・拘置所も相当な人権侵害、虐待が行われていることが明らかになっており、この国の役人たちの上から目線というか、人権意識は、戦前に中国・韓国などのアジア人を「第三国人」と呼んでさげすんでいた視点となんら変わらず、いったい日本人は何を学んできたのかと嘆息する。
作・演出の中津留章仁は「書きたいことは山のようにあり、その全部を描くことができないのが何とももどかしい」とパンフレットで書いている。この戯曲は、客席と舞台での怒りの共有だ。2時間40分、休憩なしで繰り広げられるハードな会話劇だが、舞台から目を離すことなどできない。人間はどうしてここまで人の命に無関心、無頓着になれるのか。精神病院の虐待事件が今、クローズアップされているが、ここで行われている虐待は、この舞台でこれでもかと描かれた虐待となんら変わらない。恐ろしいのはこれが素人によるものでなく、それなりに法務行政を勉強した人たち、専門職によって行われていることだ。
これが日本の一つの姿であると、そこから目を背けるべきではない。戯曲としても成功している。見ないと損するぞ!
入管収容所
TRASHMASTERS
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/20 (月) 14:00
収監者が亡くなったというニュースは定期的に聞きますね。その都度、日本でそんなことがあるなんて、と信じられない気持ちでいっぱいでした。この劇団は世界の、日本の、都会の、地方の、町の、村の、組織の、家族の、個人の暗部を鋭く描く作品で定評がありますが、歴代作の中で、この作品ほど見ていて憤りを感じ、同時に、血の気がひいたものはありません。あっという間の2時間40分。立体的なステージの作りもグー。
PICT
劇団24区
早稲田大学学生会館(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
主人公の夢を描いた短編集でしたが、どれも面白かったです。
役者さん達は、演技力に差はありましたが、皆、若さ溢れるフレッシュな演技でした。
ストーリーも演出も、よく考えられていました。
ちょっと不思議な雰囲気を楽しめる、良い舞台でした。
リーディング公演『ロッテルダム』『若造(チャマーコ)』
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
上野ストアハウス(東京都)
2023/02/16 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』【2月15日昼公演中止】
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2023/02/07 (火) ~ 2023/02/23 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
心癒される音楽劇。出だしは、楽団がぞろぞろ歩いて間延びしてみえるが、地元の人々の家に分宿して、夜になるといい歌が次々続く。十二分に楽しめた。ひっこみじあんの青年の恋を後押しする二枚目の色男・新納慎也のバラード。バツイチの濱田めぐみが、妻を亡くした風間杜夫によりそうラブソング。そして、赤ん坊をあやす矢崎広の子守歌。夜明けのコーラス。
出演の楽隊メンバーが、舞台上で楽器を生で演奏するのもよい。クラリネットおじさんの中平良夫さんが、赤ん坊をあやすために吹いたりするもの楽しい。アラビア音楽を生かしたエキゾチックな響きだった。1時間45分休憩なし
アプロプリエイト―ラファイエット家の父の残像―
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/02/16 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
大農園の古びた屋敷に、人々が集まって何かが始まり、最後はみんな去っていく。作劇はチェーホフと同じだが、「桜の園」と違い、こちらは激しい言葉が飛び交う。エネルギーみなぎる恨みつらみのぶつけ合い。しかも各人に怒涛の長セリフがある。なかでも次男フランクあらためフランツ(間瀬英正)の、後半の長セリフは半端ない。昨夜から朝の出来事を語って、15分超ではないか。しかもどぶのような湖に入ってきた、体中汚れた半裸姿で熱演していた(いまは冬なのに)。
3兄弟を見ていると疲れるので、ちょっと部外者の女性たちにすくわれた。長男の妻レイチェル役の小山萌子の、はじめの上品さをかなぐり捨てた「脱ぎっぷり」が見事。その長女13歳の「ほぼ大人」キャシディー役の川畑光瑠と、フランツの恋人リバー役の高畑こと美が、普通の人っぽいいい味を出していた。とはいえ、一番の功労者はいちばん「毒をまき散らす」姉の関谷美香子。大変な芝居をお疲れさまでした。
入管収容所
TRASHMASTERS
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
アフタートークで望月さんが開口一番「事件の概要はほぼほぼこの通りです」とおっしゃっていましたが・・・以下ネタバレ
こういう事件があったことは知っていましたが、詳しくは掌握していなかったので今回この舞台を見て良かったです。配信もあるようなので友人にも勧めます。
宝飾時計
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2023/01/09 (月) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
夢見ル化石
劇団ろうそくだんす
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/02/18 (土) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初々しい劇団で全員が舞台を
「同じ好き」で共有している劇団でした!
お話の内容はいいのですが
この難解な内容の舞台は
セリフを中心に(観客にとっては登場人物の会話を中心に)進んでいくため
正直後半戦は疲れました。
動きはもちろんあるのですが、
セリフ中心となっていくため
下半身が動かない。
そのため役者から何か動いて
アプローチしたいというのが無意識に
伝わってきます。(それが初々しくて良い)
役者さんですが猫背が多い...
ちょっとネックでした
お酒をそそぐシーンやタバコを吸うシーンが
ありますがおそらく実際にしたことないような
ちょっと嘘の演技が「うっ!」となっちゃいます
育ちがいい癖がでちゃう。
苦労を語るシーンもありますが
ライトな感じがでる
なので公演内容と役者のもつ引き出しで
ミスマッチが起こっていました。
でも初々しいから面白いと感じました。
ここから自分たちに足りないものを補い
引き出しを膨らませていく
そして5年後にまた再公演した時
より一層に深みがます舞台になるのが
分かります。
めっちゃ期待しています。
また次回作楽しみです🎶
『Auld Lang Syne』(オールド・ラング・サイン)
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/02/19 (日) 11:00
前から知っているが実は初見のユニット。青函連絡船を扱うシリーズの4作目。(2分押し)82分。
初代の青函連絡船である比羅夫丸と田村丸のあれこれを、「蛍の光」の源極であるタイトル曲と絡めて展開する。船を疑人化して歴史を追っているが、そのことで分かりやすくなることもあるが、捨てられてしまうものありそうな気がした。「蛍の光」の3・4番の歌詞が歌われるところを久々に聞いたが、やはり戦争の臭いがするよね。イギリス製の比羅夫丸がスコットランド古謡の同曲の日本語詞を聞いているときの表情は見事。ただし、比羅夫と田村を「英雄の名前」と言っていることに大きな違和感を覚えた。
客入れから会場にいた作・演出の畑澤聖悟が、芝居が始まる前に5分ほど青函連絡船の歴史を語るが、これは必要なことだし、上演時間にはこれが含まれているように思う(上の表記もそうした)。
夢見ル化石
劇団ろうそくだんす
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/02/18 (土) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
センスの良い作風で楽しめました。演出や演技から、皆さんの演劇や映画などへの思いがわかる情熱がほとばしる作品に感じました。ラスト近くの背景にいろんなチラシをみせたことも今後の劇団の方向性を暗示していたように思います。あと久々に見た三人姉妹のラストも素敵でした。
長い長い恋の物語
玉造小劇店
ザ・スズナリ(東京都)
2023/02/14 (火) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
長く曲折もあり様々な感情のある、テレビではおそらくやりづらい内容。笑いもはさみつつよい物語。
次回もみたくなりました。
長い長い恋の物語
玉造小劇店
ザ・スズナリ(東京都)
2023/02/14 (火) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
想い合ってた??の
淡い淡い恋の物語
流れる65年間を世相でなく人で見せたのが見事
前説から豹変させるコング桑田さんの魅せ方良かったです
対話
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2023/02/10 (金) ~ 2023/02/24 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
加害者側の発言はあまり聞くことがないのでフィクションではあるけれど膨大な取材に基づいているのだろうと期待してでかけてみた。冒頭の加害者の母の願いに被害者の父母が最後にどう応えるかを予想し、どのように2時間後にそこに着地させるか作者のお手並み拝見である(最近はどうもこういう嫌味なスタンスになりがちだ。そういう年頃なのだろう)。各人の建前、本音、自分も気づいていなかった内心が的確に披露され、大いに引き込まれた。役者さん、皆さん上手すぎだ。
ただ沢山の事柄を全部盛りにしたところに作り物的なにおいをじわじわと感じてしまった。
ケンジトシ
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2023/02/07 (火) ~ 2023/02/28 (火)公演終了
ハムレット
共通舞台
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
最高😃⤴️⤴️です
今までハムレットは何度も拝見しましたが、どの面からもNo.1でした
悲しい出来事ですね…
次回作めっちゃ期待しています‼️
パラダイムギフト
劇団くるめるシアター
早稲田大学学生会館(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/17 (金) 13:00
タイムトラベルについてはいろんな人がいろんな考えを述べていて、この作品もそのバリエーションの1つでした。この内容だと、脳みそがよく働くよう涼しめの温度設定が良かったかな。