最新の観てきた!クチコミ一覧

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雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

月組を観劇しました。
雨をテーマにした、不思議な雰囲気を味わえる作品で面白かったです。
音響の雨嵐が迫力あり、舞台を盛り上げていて良かったです。
雨女の話は、あまり共感できないような・・という印象でした。
不思議な世界を楽しめました。

海の木馬

海の木馬

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/05/30 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

木馬と言えばトロイ戦争。本作でも近代戦争に「木」の飛行機を用いた愚かしい史実が題材となっている。客演小野武彦を現在の老人とし、時代を遡った回想場面にそのまま登場して当時を演じるというシンプルな趣向が効果的であったが、震洋と命名されたその片道切符の"航空機"に乗るべく彼らが配置された山陰地方の漁師町では、機密情報はとうに漏れていて彼らが「特攻」で散る運命であり、町を挙げて迎え入れる体制。靖国の妻となった戦意十分な女性(板垣)や、小野氏とささやかな交流を持つ女子(大手)、夫が出征中の家のために婦人会長に名乗り出させられ、覚束ない働きぶりであった女性(石村)が彼らとの交流や空襲の激化の中で逞しくなっていく、等の心温まるエピソードの合間に、軍の上官らが役得をほしいままにする様や、出動命令が出ては村人と別れの挨拶をし、出動時刻までの数時間(時には半日)を緊張に体を固くして待機したかと思えば「敵機来襲の情報が誤り」として解除される、という事が何度も繰り返されるなど、日本軍の組織力を皮肉る視点も挿入している。彼らを歴史の英雄に祭り上げる事を許さない「愚かな組織の犠牲者」という視点は、ラストに結晶する。
終戦直後に筑豊で起きた武器弾薬庫爆発事故を描いた作品(前々作あたり)に通じる。史実を「受け止めるしかない事実」と飲み込む事を観客に強いる、甘味でない芝居。

M.O.S.ヤングタウン

M.O.S.ヤングタウン

かるがも団地

SPACE EDGE(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

M.O.S.とは南大沢の略なのだろう。地元の馬鹿中学に入った主人公。馴染めなかった親友は不登校に。財力のある家に生まれた生徒会長が好き放題で学校を牛耳る。それに楯突いた兄は生徒会長に立候補する。そんな日々の中、学校では夜の放火騒ぎが起きていく。

主演の瀧口さくらさんが上戸彩に見えた。
その親友、樋口双葉さんは有村架純に見えた。
トンパチの主人公の兄、奥山樹生(いつき)氏は菊野克紀を思わせる。
主人公の母親、ラーメン屋店主、無線部などのキツいキャラばかり兼任するのは長井健一氏。流石に上手い。
中嶋千歩さんはバドミントン部の女なのだが妙に印象に残る。キャラの書き込みが多いだけに勿体無くもある。
ヒールの生徒会長・浦田かもめさんは奥菜恵に見えた。
大学生の北川雅さんは蒼井優に見えた。
大学生や校長の小日向春平氏は宮台真司っぽい。

Oasisの『Half The World Away』が似合うと思う。

ネタバレBOX

コメディとしては面白くなかった。ネタは『東京にこにこちゃん』っぽいのだが笑わせるまで詰められず。一人、軸になるキャラが必要。そいつに観客を背負わせて笑わせるべき。主人公はシリアス路線で。キャストはルックスの良い娘が多くて豪華。一つ一つのエピソードは住民達の疎外感と孤独感が溢れて悲しい。生徒会がどうのこうのは削って主人公の心象風景に焦点を当てた方がいい。中島らもの『僕が踏まれた町と僕に踏まれた町』のような。『いなくなれ、群青』みたいな話に出来ると思う。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 19:30

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
下北の「劇」小劇場。歴史を感じるローカルっぽい雰囲気が良いですね。
「雨の世界」は、星組を鑑賞。大嵐の中、訪ねた男とその館に住む雨男のお話。
何故、雨男が住んでいるのか。雨男とは何なのか。如何にして雨男になったのか。
ちょっぴりファンタジーで個人的にはこの不条理っぽい世界観、好きです。

ネタバレBOX

意外と嬉しいのが客席に置かれたエコバッグ。
舞台を観たぞって思い出せるし、プレゼント感があって良い案だと感じます。

小劇場ながら、イス→ドア→机→まっさら等、場転を台詞と共に上手に差替える手法は演出家の腕。
そして常時薄明り状態だった舞台に「最後の希望の光」とも言えるような、窓から指す光には
今までの物語って何だったんだろう…って笑ってしまう位の、感動がありました。
雨男の話自体に、面白くもそそられもしないけど、最初と最後の掴みが強烈だからこそ!
良い作品だったなって思ってしまう魔法があると思います。演出を称えるべき劇作。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

STAY Verを観劇
こちらのバージョンもパートが変わるごとに童貞くんから泥沼カップル、マニア系まで同じラブホテルの一室ながら様々な表情が次々と
REST Verでは「行き場のない女性のモヤモヤした性欲」だとしたら、STAY Verは「行き場のない男性のストレートな性欲」の印象が強かった気がしたのだけれど、とにかくそれら人間関係の多様性といったら

これでシアター・ミラクルでの観劇が最後、そんな気持ちも合わさって感慨深くひとパートひとパートを拝見し、そして遂にラストパート
REST Verもラストは異色なパートでありましたが
これで最後だという緊張感というか切迫感というかグルグル迫ってくる強いインパクトを残してのエンディング

この劇場でしか味わえない臨場感、空気感が確かに存在していて、今まで本当に沢山の公演で楽しませてもらいました
新宿シアター・ミラクル、心よりありがとうございました!

Family~明けてほしくなかった梅雨~

Family~明けてほしくなかった梅雨~

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/06/13 (火) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
「Family~明けてほしくなかった梅雨~」
タイトル通りの、家族や人間模様の日常風景を切り取ったような作風のドラマ演劇。
「Family」は初見でしたが、シリーズ化していて10作品ほどあるそうですね。
お話の前後を知らなかったので、最初はパンフと登場人物を照らし合わせながら観ていましたが、徐々に理解しました。
総じて良い人たちと言うか…アットホームな印象の劇団。主宰の船戸さんの和装姿も板についてますね。

ネタバレBOX

天井の広いコンクリートスタジオ。恐らく黒幕で覆われた客席側が本来のステージかな。
通路階段の真下に舞台があるのだが、そうなると途中で客の出入りが困難に…。
結果、公演中誰も途中で出入りが無かったのは救われたように思います。
階段の下は本当に大きな倉庫のようになっていて、雰囲気は抜群。本当にそこで働く従業員のように感じます。

お芝居の内容に関しては、ホームドラマに小さな事件が巻き起こる。
個性的な風貌の役者さんもいる中、これが休憩なしで2時間近いと流石に飽きます。
音響が全く無く、いきなりドラマが始まり、日常を客観して平穏に終わって行く。
恐らく脚本の中だけで物語が完結されていて、読むだけで想像出来てしまう内容だから
実際に舞台化すると何か尖ってないというか、平坦なステージになってしまうのかな。

個性と言えば、黒づくめの女は陰湿っぽくてハマり役ですね。
新興宗教に勧誘する幹部みたいな…台詞の間、高低の言いまわし等とても良かった。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

月組さんの回を観劇
ちょうどホントに雨の日であり
なんかシンクロしてたかねぇ・・・

舞台セットは床に色とりどりの紙を千切って撒いてあり
舞台下手には赤が基調の紫陽花3輪飾ってあった
開演前は舞台中央に椅子が一脚置いてあった
開演後は黒子さんらが
扉やテーブルや椅子やらを上げ下げしての
舞台変換をされていました

短編を伸ばした感じの
少し不思議~♪な
オハナシって感じの中編=75分の作品
客席の各椅子にナンバリング等はしているが
自由席であった

ネタバレBOX

大雨の中倒れかけた主人公が
見つけた屋敷の中で雨宿りをしていて
いろいろと話が出てきて
繋がってー
雨が上がって舞台中央で日が差し込んで
明るい感じに終演とした話
白いカーテンでの日の差し込みで
せっかく飾ってあった
サンキャッチャーとかのキラメキが
今一つ目立たなかった感あり
・・照明とかで何とかはなるかしらん・・・

星数は4にはしたけどー
3.5~3.8ぐらいな感じではあったかなーって
小劇場っぽさは良く出ていた気はしました
「その先の闇と光」

「その先の闇と光」

ISAWO BOOKSTORE

雑遊(東京都)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

A「壁の向こうの友人―名古屋保険金殺人事件―」
B「明日は運動会―和歌山毒物カレー事件―」を観劇

Aは面会室での被害者家族と犯人に
拘置場の職員が狂言回し的な役割で加わる
Bは加害者家族の長女宅居間に
家族が集まり母の無実を訴える為に
ネットに動画を投稿するか否かでの話で
事件経緯や司法の判決の歪さを表現していた

犯罪ものは興味深く
いろいろと映像関係など中心で視聴等しているが
実際の事件を背景にした作品は重みが違うなぁと
感心しきりでした
確かカレー事件では
長女さんが心の闇を広げてしまって・・・な
結末になっていましたね・・・昨年

作品の切り口的には
王道な感じでしたが
やはり背景にある現実からの重みは凄かったなぁと
強く感じた2作でありました

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Stayバージョン拝見しました。ホテルミラクルは3回目くらいですが今回も面白かったです。2本目のヨッちゃん好きでしたね。大好きな会場でもあり最後のミラクルになるのはざんねんですが、またどこかでホテルミラクル拝見したいですね。ほんとよかったです

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日のTeam葉バージョンを拝見。最後に遊◎機械/全自動シアターの舞台を見たのはもう30年ぐらい前だから、この作品は未見なのだが、始まってすぐに(当然ではあるが)遊機械っぽい芝居だなあと。高泉はあの役だろうし、白井や陰山はあの役かなとか思いながら見ていた。初日だからか、今日はちょっとギクシャクした出来だったように思うが、推しウサギも見られたし、個人的ノスタルジアも含めて楽しませてもらった。

ネタバレBOX

それにしても、終演まであと10分ぐらいだというのに、携帯を見るク◯野郎が(オバさま方の中にもいたが)。それもわざわざダークモードにした上での確信犯で、グッズまで買っていながら何を考えてるんだか。
幸演会

幸演会

オパンポン創造社

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

満足度★★★

野村さんの自叙伝
リアルとフェイクを交えてやっていて、何かすっきりしない
リアルがどこまでかもわからず、もやもや
結局は、幸せとは何かを自分自身に向けても投げかけていたのかな
前回に引き続き不完全燃焼

雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【REST ver】前説を兼ねたショートショートに続いてホテルの1室を舞台にした各30分程度の作品が5本、途中の休憩5分が少し長くなったせいかトータル2時間45分、オープニングのダンスはエロ度が減った感じ、2本目の「よるをこめて」がシチュエーション、ラスト共に好み。あと3本目の「きゅうじっぷんさんまんえん」の演技が印象的。

#33経済3篇

#33経済3篇

JACROW

新宿シアタートップス(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00

座席1階

「焔」を鑑賞。EVに積む燃料電池開発をめぐる、自動車メーカーと下請けのバッテリーメーカーが舞台だ。中国のメーカーに押され気味の国産EV。来春の新型EV発売に社運をかけたイチバ自動車は、カワマツエナジーのバッテリーにさらに航続距離を延ばすように要求する。材料を吟味して作り上げたバッテリーだけに、「これ以上の性能向上は困難」と現場は社の上層部に訴えるが、イチバ側が幹部を派遣して伝えたのは、できなければ取引の打ち切りもあり得るという示唆だった。

冒頭場面は記者会見で、数人の記者たちが会見の矢面に立つ会社の幹部を責め立てている場面から始まる。よく聞くと、会社(イチバ自動車)の不正に関する記者会見と分かる。このところメーカー各社で相次いでいる数値不正をテーマとしている。
JACROWの芝居の面白さは、こうした時事ネタをベースに展開される人間ドラマである。今作は、田中角栄役でおなじみの狩野和馬がイチバ自動車の担当社員として重要な役どころを演じるが、彼をめぐるドラマが客席のハートをつかむ。
また、働き方改革としてノー残業デーのアナウンス(これは、役所だけでなく民間企業もやっているのだろうか)や職場不倫、さらに出張申請の不正だとわめきたてる上司(本当は日帰りでいけたのだが、下請けと飲みに行って電車がなくなって宿泊したという経緯)など、いかにも社内のあるあるエピソードが満載で、「これってうちの会社のこと?」みたいな感覚も味わえる。経費節減のため出張でなくリモート会議を命じるのは、どこの会社も同じなんだなあ。

今回は経済3部作を一挙上演ということで、チラシには「経済と書いて『せんそう』と読む」とあった。「経済せんそう」に巻き込まれる社員たちの人間ドラマということだ。当たり前だが政治も経済も人間の思惑がぶつかり合うところにドラマが出てくる。さらなる快作を期待!

雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 月組を拝見。梅雨の真っ最中に雨に纏わる話の上演だが、今作には他にも洒落が幾つか入っている。それは今作の物語が展開する屋敷の主の苗字であるが、他にもこの家主の家系とは反対の役割を演じていた旧家の苗字にも言えることで、ネタバレで少し苗字についても述べることにする。が、反対の役割を果たしていた旧家の苗字に関しては予想して楽しんでも貰いたい。(追記6.18、楽日だから自分の解釈を述べた)

ネタバレBOX


 オープニングでは、激しい風雨と雷の中を女が一人。傘は風に煽られおちょこになったり吹き飛ばされそうになったり。遂には差すことを諦めざるを得ない。と、山中に一軒の家を発見。女は助けを求める。激しい風雨と雷鳴もあって家主は中々現れないが、この間、嵐に揉まれる避難者の様子や、傘の幾重にも亘る変形、激しい雷雨と強風の有様を板上に描かれた文様と照明、音響で見事に表現している。無論、シーンが変わればこの板上の文様は室内のカーペットとして機能し、そのどちらにも極めて自然に溶け込んでそのように見える文様を用いている点にも演出の優れた美意識が見て取れる。
 本筋に入っての展開は異常気象の影響なども少々挟みつつ、幸子としおりの対話を中心に展開するが、その話の中で、こんな嵐の中女独りで出掛けたしおりの事情を幸子が推理、幸子の推理は鋭くしおりの抱えている問題も明らかになり、今作の主題・雨に纏わる幸子と姉、福子の宿命が描かれてゆく。(ここにも姉妹の名で洒落が入っている)先に述べておいた幸子・福子姉妹の苗字を挙げておこう。エビフライ(表記は不明)である。某地方の旧家であるが農耕が産業の中心であった頃、日照りの際に雨乞いをして雨を降らせる家系の末裔なのである。反対に長雨などの際、好天を齎す家もありその家と共に両家は村人から尊ばれ“ひじり”と称されていたが漢字表記は“聖”ではなく“日知”と記す。何れにせよ村の旧家でそれぞれ大きな屋敷を構えていた。その家系に生まれた姉妹は巫女的なDNAを持っているということなのか、二人揃って所謂“雨女”である。殊にハレとケに関してはハレの時に限って雨を降らせやすい。子供の時からそんな宿命を背負った姉妹は皆が楽しみにしている運動会や祭り、ハイキングや修学旅行等々に必ず雨を降らせてしまう。そんなこともあり鬱陶しがられるようになる。然も姉は子供の頃から教師志望、実際に小学校教諭となり担任も任されるようになっていたが、修学旅行のある上級生は受け持たず、運動会などイベントの際は休暇を取って子供たちの楽しみに水を差さないように配慮してきた。然し担当を外されてしまった。子供好きの姉にとっては大変なショックでその後も示唆されているが、幸子は幸子で幼馴染四人組の男の子、健一郎に憧れていて、思春期に矢張り四人組内の親友・カミーユに彼を取られてしまった。カミーユは、幸子に健一郎が好きだということを既に知らせてはいたので「裏切り」には当たるまいが幸子は落ち込み、直接健一郎に念を打ち明ける、然し結果は“雨女だからダメ”という拒否であった。この姉妹の雨女という宿命に対する態度は形としては可成り異なる。姉は気丈に明るく振舞おうと努力し続け一見アグレッシブで明るい優等生と映るが、一旦ことが起こると挫折しポキンと折れてしまうことを自覚しており、実際そのように行動する。が、妹の方は悔しさや宿命のどうしようもなさは面白くないもののその宿命と何とか折り合いを付けつつ一見ディフェンシブであるようにもパッシブであるようにも見える。その生き方が現実の齎す有難くはない宿命を現象学者のように観察し、どこか距離を置くことで生き延びるような靭さを秘めていると感じさせる。この姉妹の性格の差が、姉の背負った宿命が齎したと察せられる結末と妹のそれとを分け、その余韻が残っている状態でラストに繋がるのだが、しおりがホリゾントに掛かった黒幕を若干開けると、鈍色の外界が見える。このセンスの良さ! は格別である。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

雨女

ネタバレBOX

何の比喩だろう?
観客の数だけ解釈があるのでしょう。
R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム

R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/06/09 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00

価格4,900円

ここ数年ワンツーワークスさんの舞台を鑑賞しているが、今回も考えさせられる内容で観ている側としては大変満足だった。

前回の「アプロプリエイト」はキャスト陣が普段より少し豪華だったことも関係して作品自体のクオリティが高かった。しかし今回は、パンフレットを見てみるとワンツーワークス初参加の方も何人かおり、カンパニー全体が若くフレッシュに感じられた。

ここからキャスト個人の話になるが、劇団員の奥村さんと関谷さんは相変わらず流石としか言いようがない。毎度のことだがしっかりとお二人が空気が作っていることが分かる。ネットのカズミを演じた東さんは、何度かワンツーワークスの舞台でお見かけしたことがあるが、毎度忠実に役に入り込んでいて度肝を抜かれる。当時の若い学生そのもので、懐かしさすら感じさせられた。そして石黒を演じた小林さんは、登場シーンが少なかったものの、しっかり演技でインパクトを残す役者さんだと感じた。単純にもっと話しているシーンも観てみたい。プロフィールを調べたらまだ10代ということで、更なる成長と今後の活躍が楽しみである。

ここに記載していないキャストの皆さんも素晴らしいもので、新しいワンツーワークスの形を見たような気さえする。リピートするか真剣に検討したい。

ネタバレBOX

お父さんが殺害されるシーンはやはり印象的だった。あれこそワンツーワークスを感じる。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。〈R15指定〉
「ホテル・ミラクル」シリーズは、このThe Finalを含めて全8回、うち6回観ることが出来た。逆に言えば観れなかった第1回と第3回が悔やまれる。

新宿歌舞伎町という歓楽街にあるホテル・ミラクルの一室で繰り広げられる痴態を覗くような感覚 いや官能公演。室内で起こる男女の濃密な痴話を通して人間の、それも身の下相談を見聞きするような面白さ。勿論 隠微な感じはするが、全編を通じて「男・女」というよりは「人・間」の本音、心情が奇妙な感覚を以って迫ってくる。妖しい官能マジック、それは脳を刺激し胸底にある禁断の欲望、いや人間の本性を曝け出させるような心理プレー。

過去シリーズで上演した作品もあれば、新作もあり この間の社会事情・世相の変化も織り込み、変わらぬ男女の<恋愛・痴話>物語もあれば、移ろいゆく心の変化などが紡がれる。色々な男女 いや人間関係を濃密に描き、本来は人に知られたくない くらくらするような短編。もう観られなくなると思うと コトが終わったような虚しさ寂しさが…。

ちなみに 今回観た作品の1つ、その脚本家と帰りがけ話をしたが、役者によって作品イメージが変わる と。自分も前に観た時と印象が異なり、やはり舞台は<生>ものということを改めて認識。
繰り返すが、あ~ 1回と3回が…。<「ホテル・ミラクルThe Final」見逃がし厳禁>かもね。
(上演時間2時間40分 途中休憩あり)【REST ver】

ネタバレBOX

入口側に磨ガラスのシャワールーム。舞台美術は、壁際にミニテーブルと椅子2脚。中央にベット、サイドテーブル、ソファーが置かれている。テーブル・ソファ下の照明が室内を妖しく(ピンクに)照らす。
客席はL字型。ベットを横から、そしてシャワールームで着替える姿を観るには、奥角の席に座る方が観やすいだろう。どの方向からから観るかは好みであるが。
前説「おし問答」(坂本七秋 氏)は男女がシャワールームで交わす会話…携帯電話電源off、飲食禁止など、喘ぎ声での注意喚起。既に始まっているので、トイレは我慢するようなプレイだが…。

①「シェヘラザード」(窪寺奈々瀬)
何でも話し合う親しい関係の女性2人、新堂沙良は大物議員の娘でお嬢様的な存在。恋人と別れ すぐ職場の先輩張本信也とラブホへ。そんな話を聞かされる大貫亜希子だが、彼女の恋人と言うのが…。恋人 以上と未満は肉体関係の有無だろうか、と意味深さを問うような。

②「よるをこめて」(笠浦静花)
清原凪子と藤原行成は係長と主任という上司部下の関係の恋人。社内には秘密にしている。最近はセックスレスで諍いが絶えない。冷静に話すために第三者を、それを平社員 関泰一をラブホに来させて。社内的な立場が歪になり奇妙な会話が漂流し出し、どこに辿り着くのか興味を惹く巧さ。

③「きゅうじっぷんさんまんえん」(屋代秀樹)
レズビアン風俗の話。ぎこちない女性2人の会話と動き。風俗嬢というには あまりにウブで不器用な仕草、そして卑下し続ける風俗嬢を慰める客。シャワールームに一人ずつ入って気を落ち着かせて…ラストの客の一言が切ないような(世間的に見れば幸せなのだが)。

④「グリーブランド」(河西裕介)
酔い潰れた女とラブホで一夜を過ごすが...。ヤるチャンスがあったのに行為をしない男に向って女は、明日遠くへ行くという。それはグリーブランド...それってどこにある国なの。女の誘惑にも優柔不断な態度の男。親しくなり過ぎて、もはや男と女という異性を乗り越えた友達・同士といった間柄。そのラフさが可笑しくも切ない。

⑤「獣、あるいは、近付くのが早過ぎる」 (服部紘二)
アレは姿を現した。 ゆっくりとその首をもたげる中、新宿歌舞伎町のホテル街で、男 村田ケンジは年上女 早瀬マナミをホテルに誘う。 不可解な足音が鳴り響く中...草食系男子も目覚めるか。この街はおろかこの世の終焉のような雰囲気、それでも男は踏ん切りがつけられない。

部屋に入ってからの、男性、女性の振る舞い、落ち着かなさ、照れと恥じらい...など雰囲気のエロ、妖しさと挙動のコミカルさのアンバランスも有りがちで笑える。そして、実際は密室で濃蜜な場所、そんな淫靡な処を覗いている。普段そんなことが出来ない非日常性と背徳感が高揚させる。その生身の人間...男女を感じさせる脚本・演出はそれぞれ面白い。ラブホテルという部屋のシチュエーションでありながら、やはり脚本家の感性というか描き方の特長が出るようで、一袋に色々な飴が入っており、違う味(甘いだけではない)が楽しめる、そんな公演であった。

どの物語にもクスッと笑えるオチがある。全作品にラブホという少し妖しげな雰囲気の中で、男女の距離感が伸び縮みする。また話を適度にねじり、巧みに流れに渦を作り掻き回す。室内の濃密な関係が、軽快なテンポで繰り広げられる。構成の絶妙さ、脚本の内容を斟酌した上でのアンバランスな演出(池田智哉サン)がたまらない。
これが最後の公演だと思うと残念でならない。
フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

以前にも観ているのに、すっかり最後に......
今回も面白かったです!

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