黄色い封筒
劇団青年座
吉祥寺シアター(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/10 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今の日本ではなかなか見られない、労働運動を扱った硬派で骨太の舞台。会社のやくざを使ったスト破り、賠償請求、切り崩しに追い詰められた労働組合の、組合員それぞれの苦衷に満ちた選択を描く。久々にたたかいの血が騒ぎ、挫折と屈辱に目頭が熱くなるのを感じた。
組合の部屋が、沈みかけた船の甲板のように、大きく床の傾いたステージになっている。それが大きな穴の中に浮いており、出入りは穴の底から昇る階段デッキを使う。一つの隅にはロープの垂れさがった柱(マスト)。床には机代わりのいくつかの箱と、自動車の部品ベローズがたくさん入ったかご。セウォル号と、難局にある組合の両方を具象化した美術だった。
ギターも2本おかれていたが、時々弾くためだけでなく、この安山市が世界のギターの3割を生産する街であることも示すのだろう。
夏の夜の夢
文学座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/07 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
私の見た回は、学生のグループらしき人が多く、客席が若い。あちこちの大学や高校でまとまっててきたのだろうか。その若い客が笑うこと笑うこと。後ろの女子学生4,5人連れも口々に「面白いねえ」と言っていた。400年前の荒唐無稽なドタバタ劇が、これほど今の日本の若い観客にうけるなど沙翁も墓の下で驚いているのではないか。
惚れ薬のせいで二人の男に迫られたのを、馬鹿にされたと思うヘレナ(渡邊真砂珠)のぶち切れぷりや、逆にコケにされたハーミア(平体まひろ)の癇癪ぶりが絶品。恋人のライサンダー(池田倫太朗)にぐるぐる振り回されて、小柄なハーミアが宙に浮くスタンドなど、体を目いっぱい使って弾けていた。
もう一つ、受けるのが最後の「ピラマスとシスビー」の劇中劇。恋人が死んだと思って、男が死に、それを見て女が後を追う筋は「ロミオとジュリエット」ではないか(シェイクスピアの自作パロディ?)。とにかく、ばかばかしいギャグなのに、お笑い的な感じなのだろうか、若い観客に大いに受けていた。
舞台は大中小の四角い白いアーチを設けただけの簡素な舞台。奥でドラムと木琴・ベルを二人が演奏。この音楽はセリフの空白を埋め、テンポを上げるうえで、大変効果的だった。白い枠に、時折薄い白布がかかり、それが舞台を仕切ったり、サイケ調の森や渦の映像が映ったりして、夢の中の雰囲気を醸し出す。
今回の最大の工夫は妖精パックとハーミアの父を同じ俳優(中村彰夫)が演じ、職人たち5人と妖精5人が同じオジサン俳優が演じたこと。アテネの公爵夫妻と妖精の王夫妻を同じキャストで演じるのは、ピーター・ブルックが初めてやっとすだが、今ではほぼ定番。それにさらに凝縮する画期的演出だった。妖精と職人という異質な一人二役が、さらにおかしみを増幅していた。老人のパックというのも初めて見たが、中村彰男は力の抜けた茶目っ気ある演技で、大いに笑わせた。
また、若い4人の恋人の痴話げんかに、オーベロン(石橋徹郎)とパックが(無言で)からみ、ロバになったボトム(横山祥二)を歓迎する妖精たちの踊りに、眠り込んだ恋人たちも夢遊病者のように加わるなど、妖精・職人・貴族の境界を従来にない軽やかさで取り払っていたのもよかった。
2時間半(休憩15分込み)と、2年前の円の2時間版よりは長いが、それでもだいぶんテンポよく感じた。
芽吹
劇団SUNNY
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2023/07/06 (木) ~ 2023/07/07 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本日拝見しました。朗読劇でしたが、表情豊かに情景が見えるようなそんなお芝居とてもよかったです。いろんなお話も聞けて、どれも面白かったです。旗揚げとのこと、次回以降も楽しみですね。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
やっぱり期待を裏切らない、心が暖まる素晴らしい作品でした。セットもいつも通りリアルにそして丁寧に作られていて、情景豊かに物語を演出されていました。役者の皆さんもいつも通りの安定感。とてもいい時間を過ごせました。面白かったです
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今回も素晴らしいセット。内容に触れることはしないが、こちらの予想をいい意味で裏切られた。もう一度観たい。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
知り合いが出ていたのでいたので観に行こうと思ったのですが、本当に行ってよかったです...!最初の登場シーンから演出が楽しいし、一人一人の個性や性格がカッコいい!シナリオも良すぎて台本も購入。いろんなところに伏線が散りばめられていたり、キャラクターを引き立たせる工夫がされていたり、ものすごく工夫されているように感じました。役者、演出、脚本全てが本当に練られていて最高の舞台でした!
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
これまでと違う路線の作品ということで観劇。
めっちゃストレートにメッセージを投げる作品だった。恥ずかしいくらいに。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ひと夏のちょっといい記憶として残っていく作品
出ずっぱり 天野弘愛さん演じる愛称チョビの人生に、楽しく切なく寄り添い見守っている感覚がとても心地良い
軽快な関西弁のやり取り、気になる伏線を心に留めながらその一連のやり取りを楽しんでいくうち、チョビという女性の輪郭が徐々にはっきりと、そしてゆっくりと深く 深くへと作品世界の中へ引き込まれていきました
アイドル系公演とはまた違った劇団さんへの愛情が劇場内を暖かく包み込んでいる感じ
劇場シアター711のクラッシックな雰囲気と、ここ風さんの作風はとてもマッチして良い感じなのだけれど
着実にファンが増え続け、収容的にキャパオーバーになっていくのかもしれないと想像すると悩ましいところ
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
七賊が全員魅力的すぎて、一人一人が主役の物語を書いてほしいくらいだった!敵役も最高!
殺陣が最高にかっこいいのはもちろんのこと、役者さんの演技も超素敵だし、各所に愛を感じる作品!
2回観ても足りないです!もっと観たかった!
アンカル「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」【7月6日昼公演中止・7月7日~9日まで映像公演実施】
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演に感動して、再演も観劇。
やはり素晴らしかった!27人の出演者、どの人も覚えてるというくらい、それぞれに物語があり、それぞれが光っていた。個人的には、特にいくつかの一人語りのシーンが胸に響いた。台本を読めるのが楽しみだ。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前作に引き続き観劇。AB壱と全チーム観劇することができました。
複数回観ても飽きずに楽しめる最高のエンタメでした。特に殺陣は迫力があり物語に説得力を添えていましたし、音響や照明などの演出も劇場のサイズ感をうまく活かしており自然な場面転換や視点の移り変わりはさすがだなぁと思いました。
特に主要キャストは性別が逆転する役も含めたダブルキャスト制にもかかわらず、ストーリーに破綻は無く、しかし物語の新しい解釈を観ることができ感動しました。
次回公演は新作ということでどんな作品を生み出してくれるのか楽しみです。
おわたり
タカハ劇団
新宿シアタートップス(東京都)
2023/07/01 (土) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/06 (木) 14:00
座席1階
年に1度、死者を海から呼んで山に葬るという行事に、民俗学者と助手の女性、知人の女性の3人が調査に訪れるという設定。単なるオカルトっぽい演劇と思ってはいけない。物語は思わぬ方向に次々と飛び出し、壮大なる展開を見せる。「美談殺人」もよかったが、この脚本はさらに見事と言うしかない。
重要な役回りで出演する道学先生のかんのひとみがすばらしい。いつもの道学先生の舞台では見られないような、壮絶な演技が繰り広げられる。さらにいえば、舞台美術もいい。お化け屋敷のノリではあるが、物語の雰囲気を大いに盛り上げる。
「連日の猛暑の中の上演で冷や汗が出る幽霊物語」ではなく、土着信仰をベースにしたスペクタクルといった感じか。舞台を静岡県・伊豆にしたところがとてもリアル。タカハ劇団は今回もお勧めだ。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
追いチケを重ねて合計6公演観劇。まだ観ていたいくらい面白い作品だった。ストーリーの面白さ、魅力的な登場人物、見応えのある殺陣と役者さん達の熱と運動量、笑いと涙と爽快感。これぞエンタメ。是非 続編をやって欲しい。
劇団壱劇屋東京支部の今後が楽しみなので応援していきたい。
無法地帯
藤原たまえプロデュース
「劇」小劇場(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
無法地帯
藤原たまえプロデュース
「劇」小劇場(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
Aチーム、Bチーム、壱劇屋回と3回観劇。やっぱりおもしろかった。どこかのチームのがおもしろかったとかになるかとおもったら、それぞれが違くて、どれもくらべられないくらいおもしろかった。
最前列では殺陣で風が吹き、舞台の世界に呑み込まれる感覚。そんなの今まで壱劇屋さん以外で感じたことがない。キャラクターそれぞれが魅力的で、何回観ても号泣してしまった…。これから先の公演もできる限りみにいきたい。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今回が再々演ということは面白くないはずがないと期待していきましたが期待を易々と超える素晴らしさでした。俳優さんがたの演技の熱量、アクションモブと呼ばれるアンサンブルの効果の魅せ方も驚くばかりでしたし音楽と照明の使い方も唸るほどで、”劇場で舞台を観る”ということを改めて実感しました。すでに再々々演が楽しみです!
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初めての壱劇屋さん、動きまくる装置や超かっこいい殺陣と共にバンバン切り替わっていく照明がすごく楽しくて2時間強があっという間でした。お話もシンプルながら少しずつ散りばめられた伏線や笑いあふれる前半からの涙なしでは見られない後半という緩急も面白かったです。
小さめの舞台をめっぱいに使って動き回るのが本当に素敵で、人間の力だけでこんなに表現できるのか!と圧倒されました。次回作も楽しみです。ネタバレボックスに少し気になったところを…。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
圧倒的エンタメ。
今の時代に、CGやマッピングを使わずしてここまで表現出来る事に驚きを越えて感動する。
観る側の想像力も奮い立たせてくれ、観終わった後には心地よい疲労感がした。
Wキャストの良い相乗効果が出ていて、AもBもとても魅力的なキャラに仕上がっていたと思う。
壱劇屋といえばワードレス舞台という印象が強いが、セリフありの舞台も素晴らしく、これからどんどん大きくなっていく団体である事は間違いない。
次の作品も楽しみだ。
無法地帯
藤原たまえプロデュース
「劇」小劇場(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
無法地帯というのでどんなに無骨な舞台なのかと思いきや、可愛いおじさん達の行動が面白くて楽しめました。
色々と分かったうえでもう一度見てみたいな。
開演前の藤原たまえさんの笑顔がとても素敵でした。