R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ワンツーワークスを観るのは今回で9本目。印象に残るのは『グロリア』、『鯨を捕る』、『私は世界』。
宮部みゆきは初期は読んでいたが、何かぬるくてハマれなかった。大林宣彦が映画化したのを観た『理由』だけが好印象。
今回も掴みは面白い。二つの家庭で二重生活を送る男(長田典之氏)。妻(みょんふぁさん)と娘(東史子さん)と息子(安森尚氏)、もう一つの妻(小林桃子さん)と娘(川畑光瑠さん)。彼がある日惨殺される。警察は娘(川畑光瑠さん)を取調室の隣の小部屋に呼び、マジックミラー越しにもう一つの家族と面通しさせる。
自分はみょんふぁさんのファンであることに気が付いた。
綾城愛里奈(えりな)さんが不快な馬鹿女を好演。
水槽
シアターノーチラス
RAFT(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
宮部みゆきが、現実の小市民の生活に素材をとった市民ミステリの傑作を連打していた頃の代表作の一つ。ことに現実生活から逃亡するためにネット上に疑似家族をつくるというネット社会らしい発想が生きていた。あれからもう二十年もたったかと思うが、現実にはもっと悪質なネット犯罪や世界的規模の金融問題なども起きていていまなお新鮮さを失っていない。ことに、タイトルにもなっているR.P.Gは、演劇で言えば、古くからあるメタシアターの構造がそのまま乗る。
脚本は、原作の面白さに乗って、本当の家族、疑似家族、その枠の上に課せられた犯罪事件の究明、の三つのシチュエーションを攪拌しながら進んでいく。手際はなかなかうまい。
しかし、この脚本を面白く見せるには、やはり、俳優の力量が要る。
全員が同じテンポで、台詞の番が来たら言います、という調子で進むので原作には巧みに織り込まれている出演者のキャラクターがどこまで行っても見えてこない。スジは解るが味気ない。一つのシーンにほんの5秒でも俳優の技を見せるところがあると膨らむのに、この舞台はそういう人間表現の余裕を全部殺してしまっている。もう三十年もやっている劇団というなら俳優指導が第一歩だろう。
ミステリ劇はなかなか面白くできあがらないジャンルだが、こう言うミステリ名作を取り上げることは、めげずにやってほしいところだ。
赤坂レッドの舞台に十五人の出演者で2時間、6割の入り。
この夜は終わらぬ。
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2023/06/02 (金) ~ 2023/06/16 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
開演前、連れが「あのエレベーター本物?」と言っていた。なわけないだろ!と思ったが、そう錯覚するほどリアルな美術。病院の待合室での一夜の出来事だが、問題抱えたちょっと痛い人たちが、次々とくるわくるわ。夜間中学の外国人生徒(山田貢央、椎名慧都、齋藤隆介、佐藤礼菜)、その教師(千賀攻嗣=唯一の常識人だった)をはじめ、元夫の選挙結果が気になる入院患者(佐藤あかり)、年下の女性が偉そうな警察官コンビ(釜木美緒、渡辺聡)、認知症の女性(松本潤子)…はてはSMクラブの女王様(釜木美緒=二役、気づかなかった)と奴隷(渡辺聡=二役、同じく)、外国人差別丸出しの暴行相手の代理人の弁護士(滝佑里)などなど。(千賀さん以外は、俳優座にこんな役者いたかな?という感じで新鮮だった)
これだけ盛りだくさんで、テンションずっと高くて、1時間55分でおさめていたのは驚き。しかも外国人差別を助長するようなアプリを入管庁が配っている事態まで見せつけられた。日本はどうなっているんだよという気になる。作演出の伊藤毅は「多文化共生」というテーマを劇団からもらったそうだが、「多分に混沌」という感じだった。とにかく、テンション高く、苦笑と活気にとんだ芝居だった。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
#33経済3篇
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/13 (火) 17:30
『つながるように』を観た。18分の小品。
今回同時上演の『さくろのような』{2015年初演・2019年再演)のスピンアウトで本作も2020年に上演だが、『ざくろ…』は観てるが本作は観てない。『ざくろ…』の主人公である技術者の夫婦のその後を描く。ちょうどコロナ禍が始まった中国での不条理やら葛藤やらを扱った二人芝居だが、劇団員の二人がしっかりとした演技を見せて、短いけれども楽しめる作品だった。コロナ初期の状況を描いてて、笑ってる客が多いが、私は笑えない。当パンを読む限り、中村は本作をオマケにしか思っていない気がする。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/12 (月) 20:00
シアターミラクル最後の公演と言うことで、今回観られて良かったです。
ラブホテル(ホテル・ミラクル)の一室で繰り広げられる男女のロマンス劇。
「STAY ver.」と「REST ver.」があり、それぞれ短編劇が5本ずつ。今回は「STAY」を観劇しました。
俳優たちが体を張った多様な性の在り方。一度の過ち。片想い。割り切り。不倫。風俗。
欲望の街、歌舞伎町だからこそ映える!そんな一夜のアバンチュール的芝居です。
R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭、一人のサラリーマンが二つの家族の「お父さん」を同時にやっていて、おやッと思った。気持ち悪いほど仲の良い「家族」はネットの疑似家族で、隙間風の吹いているのがリアルの家族(舞台ではそれを同じ空間で別俳優が同時に演じる)と分かってきて、題名の意味も分かってがぜん面白くなる。そして、「お父さん」が殺される。(この場面は一瞬だが、迫力ある)
以下、殺人事件の真相究明となるのだが、取調室と、マジックミラー越しの別室と、過去のネット家族たちと、取り残されたリアルお母さんと、最大4つの出来事を、同時に舞台上で演じさせる。こうした時空間の処理は見事。同じ場面を巻き戻して別角度から見たり、演劇的想像力を喚起される。
高校生16歳の娘役の川畑光瑠が、本当の高校生のようだった。イラついたり、落ち込んだり、不機嫌だったりが、思春期らしい不安定さをよく出していた。リアルお母さんの小林桃子の弱い女の底の強さ、ネット娘の東史子の強気の裏の寂しさ、人恋しさも、それぞれよく出ていた。
『バッドエンドを抱きしめて』
劇団グラスホップ
布施PEベース(大阪府)
2023/05/06 (土) ~ 2023/05/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
意識無くしたノノに寄り添うラン、そして被験体百八號を中心に物語は動き始める。
人体改造、人類の行く末は…
とても素敵なSF世界感。
ノノ&ランの少女感(こんなベルさん演技初見)、ザクロの冷徹さ、ナナシの忠義など見所多数。
面白かった。良かった!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Fブロック観劇。
15周年おめでとう🎉
■変ホ長調:
4年ぶりに拝見。W頑張れ!
■壱劇屋:
寿司食いね!
とっても壱劇屋さんな公演でした!
■THE ROB CARLTON:
ホセ&リー&ビクターにもう1人(次回公演の…)。
もはや鉄板!面白いとしか言いようがない!愉しい!
■田川徳子とユニット美人:
魚を食い物にする奥様、人って恐っ!
田川さんとユニット美人さん、良い感じでした。
■MousePiece-ree:
ルパン&銭形と…ゲーム最高!
やはり大トリはマウスさんしか無いね!
あ~~~っ
4年ぶりの文化祭、本当に愉しかった♪
来年もお願いします!楽しみ!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Eブロック観劇。
観応え有の回!
■NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた:
想い出の住まいからの梅子の引っ越し!
とっても胸熱な展開でした。
■彗星マジック:
世界を無事に救った魔法少女のSecond Life!
ガンバ!
■喜劇結社バキュン!ズ:
全員が犯罪者?!
おっおっおっおっ面白っ!
■劇団レトルト内閣:
異星人がABCホールへ?!
1シチュエーションコメディ、愉しい!
■片岡自動車工業:
副音声収録の現場で、振り返りツッコミ!
そしてサプライズ!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
二日目一発目!
Dブロック観劇。
とても個性的な回でした!
■ダイナマイトしゃかりきサ~カス:
野外も良いがホールで聴くハーモニーも格別!
良かった。
■男肉 du Soleil:
何が何だか?誕生日おめでとう🎉
■笑の内閣:
こちらも個性的、生のZoom演劇、面白かった!
■ABCテレビアナウンス部です。:
聖職者狙う殺人犯は…恐っ!
今回は「最初からやり直し」は無しでしたが、その分、朗読を堪能!
■本若:
座長二宮さん大車輪の殺陣でした!
この夜は終わらぬ。
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2023/06/02 (金) ~ 2023/06/16 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/10 (土)
夜の病院待合室での一幕劇。開演前お客さんが間違って舞台上のトイレに入ろうとしちゃうくらいリアルな舞台美術。さすがの俳優座の方々、年齢も様々なの方が所属しているのでできるんだな。
何度もホロっとし、ハッとして、日本人ってなんでこんなに!!???と怒ったり。
上演時間少し前から看護師さんや先生の出入りがあり、あ、伊藤毅(やしゃご)さんの脚本・演出だって思いましたわ。
あなたがわたしにくれるもの(がたり)
やみ・あがりシアター
王子小劇場(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/09 (金)
なんじゃこれ!!?写真撮影、SNS投稿、携帯電話なっても、トイレいってもOK!そうか実験発表会なのね。それなら納得よ。すごく楽しいわ。音楽劇のようなRPG世界。役者がもらったものでかたるという発表会。資源ごみ(段ボール)がどれだけ出たのかしら?役者さんたちはすべて持ち帰りできたのかしらと考えるとそれも笑える。
再生
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/03 (土)
その生が尽きるまで何度でも再生できちゃうかも~。今も脳内再生しています。あの音楽、そして息遣い、動き…。8年前も最高に感激して今回もまた、アドレナリン出っ放し。一緒に踊りだしたかったけど回り見て小さくリズムを取っていましたよ。スタンディング席チャレンジしたかったな。アフタートークもなるほどで面白かった。
人魂を届けに
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2023/05/16 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/02 (金)
「魂」「母」「運ぶ者」「子供たち」…面白いなぁ。いろいろなことを考えさせられるよね。そこがまたたまらなく好き。大きい懐の母親役、篠井英介さんがこれまた素敵。
透明人間
劇団唐組
雑司ヶ谷鬼子母神(東京都)
2023/05/20 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/28 (日)
久しぶりの唐組観劇。桟敷席が懐かしい。やっぱりこれだよね!って。演劇熱を感じ、大鶴美仁音さんがかわいくて光ってた。惚れちまうぜ。水槽の謎もあったりで、ラストの幕開けはもうね、最高でした!!
死んだら流石に愛しく思え
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2023/05/26 (金)
初日観劇。あ~ダメ。私は好きじゃない。なんか悪を正当化しているような、「母」「女」のイメージが強烈でしたわ。笑えるところも「これ笑っていいとこ?」と思ってしまい固まってしまった。でもって後半の二面化が見えてくるところからは引き込まれたけどね。
其の女
Nana Produce
小劇場B1(東京都)
2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/05/24 (水)
原爆乙女の一人のその後。幸せって何だろうね。ご主人の死、息子との対話では涙が溢れました。
「その先の闇と光」
ISAWO BOOKSTORE
雑遊(東京都)
2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
A「壁の向こうの友人」B「明日は運動会」を観劇。
実際に起こった事件を題材にし、それぞれある一つの視点から描くことによって事件の本質なり、(大げさに言えば)日本社会の実像が描かれており目を見開かされる。Aは死刑制度の是非について、Bはマスコミ報道の在り方について、それぞれ考えるいいきっかけになったと思う。
ただそれぞれを一篇の物語として捉えた時に、もどかしさだったり釈然としない感情を抱いてしまった。Aでは被害者の兄が犯人に対して(タイトルにあるように)まるで友人に語り掛けるような口調だった。最後の面会で、何回も面会した理由と合わせてその理由にも言及していたがあまりに複雑な感情で理解することができなかった。これについては実際に被害者の兄が書いた手記が出版されているので是非読んでみたい。
Bは加害者の4人の子供たちが久々に集まった(長男が集めた)家族会議の目的が母の冤罪を兄弟全員で動画で投稿しようというもの。この設定自体何かピンとこなかったし、物語の落ち自体が決まっているので、自然と会話の中に興味を引かれそうなことを探すのだが不覚にも途中で眠気が襲ってきて、肝心な長姉の台詞を聞き逃してしまった。無念。いずれにしてもなかなか出会えない社会派(嫌な表現だが)の作品を観劇できたのは貴重な体験だった。